4K120Pの動画編集用パソコンをRyzen 9で自作してみたよ

この記事は2025年1月に更新しました。また記事にはプロモーションが含まれています。

 

4K120P 10bitの動画編集ができる
パソコンを自作してみましたよ

 

昨年購入した新しいカメラ(SONY α7SⅢ)の撮影データが重すぎて編集できません。

 

なので、年末年始の休みを利用してパソコンを自作で組んでみましたよ。

 

いつもはBTOパソコンを購入していましたが、仕事がすごい減ってヒマになってきたので自作パソコンに挑戦です。

 

4K120Pの動画編集が快適に出来るような高スペックのパソコンを、パソコン組み立て初心者のワタシが組みましたよ!

 

購入した主なパソコンパーツは以下の通りです。

 

自作パソコンのスペック

 

✅CPUはRyzen 9 3900X + 水冷ユニット

 

✅グラフィックカードはNVIDIA RTX 3070 オーバークロック(オリファン)モデル

 

✅メモリは32GB。ストレージは高速SSDで

 

✅保存ディスクは6TBのIronWolf!

 

こんな感じです!

 

 

合計約30万円で仕上げました

 

結論から先に言うと4K120P 10bitの動画編集が快適に実現できます。

 

組み立てはかなり苦戦しました(汗)

 

ここではRyzen 9 3900Xの自作パソコンで4K120P 10bitの動画編集の検証結果とRyzen CPUでパソコンを組み立てた時に苦労したポイントを解説します。

 

これから初めて動画編集用のパソコンを自作したい方にぜひ読んでいただければと思います。

 

それではいってみましょー!

 

この記事で検証するパソコン

おーとふぉーかす自作パソコン

CPU:AMD Ryzen 9 3900X
CPUクーラー:Thermaltake TH360 ARGB Sync Snow Edition
マザーボード:ASRock X570 Steel legend
メモリ:32GB PC4-28800 G.Skill
グラフィックス:GIGABYTE GeForce RTX 3070 OCモデル
M.2 SSD:SAMSUNG 980 PRO
HDD:Seagate IronWolf 6Gb/s 7200rpm 6TB

294,998円(税込・2021年1月時点)

>>パーツリストを見る

記事監修者

ビデオグラファー 動画編集者 おーとふぉーかす

2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています

この動画では自作パソコンを組みたい動画編集者の方向けにパーツ選びについて詳しく解説しました。
組み立て方については「自作パソコンの組み立ての流れを動画編集者さん向けに解説」で解説したので合わせてご視聴ください。

4K120Pの動画編集用パソコンを自作した理由

自作パソコン 4K120P動画編集向けの仕様

 

4K120Pの動画を快適に編集できるパソコンは高いスペックを必要とします。

 

私がこのパソコンを自作した時点で、例えばBTOパソコンで選ぶと25万円程の予算で買えるパソコンが理想的です。

 

一般的に自作パソコンは10~15万円で全てのパーツを揃えた場合、BTOパソコンよりも少し安く手に入れることができます。

 

しかし20万円を超える予算で自作パソコンを組むと、普及価格帯から外れたパーツを選ぶことになるのでやや割高になります。

 

 

値段だけで考えればBTOパソコンのほうが安く手に入れることができます

 

私がハイスペックな自作パソコンを組もうと思った理由は、パソコンについてもっと詳しくなりたいと思ったからです。

 

結果は大成功で、パソコンを自作する経験によってこれまで知らなかった知識をたくさん得ることが出来ました。

 

組み立てるのにちょっと苦労しましたが、理想的なスペックのパソコンを手に入れることができ、BTOパソコンでは得られない愛着も沸いています。

Ryzen自作パソコンとBTOパソコンの比較

参考にBTOパソコンショップ マウスコンピューターの同じようなスペックのパソコンと、私が自作したパソコンの仕様を比較してみます。

 

おーとふぉーかす自作
4K120P動画編集用パソコン 

DAIV A9-MVPR
当サイト限定販売 カスタマイズモデル(販売終了)

Ryzen 9 3900X Ryzen 7 3800XT
チップセット AMD X570 (ATX) チップセット AMD X570 (ATX)
水冷ユニット

水冷ユニット
サイドフロークーラー

GeForce RTX 3070 GeForce RTX 3070
32GBメモリ PC4-28800 32GBメモリ PC4-25600

①M.2 SSD NVMe Gen4 1TB
②HDD 6TB

①M.2 SSD NVMe Gen4 2TB
③HDD 2TB

電源ユニット 850W 【80PLUS® GOLD】 電源ユニット 800W 【80PLUS® TITANIUM】
Thunderbolt 3 拡張カード 【USB3.0 接続】 増設用マルチカードリーダー
294,998円(税込) 274,780円(税込)

 

私が自作したパソコンの方が所々スペックの高い製品を使っていますが、価格の差はかなり大きいです。

 

自作パソコンに興味がない、動画編集にすぐ取り掛かりたい方はBTOパソコンの方が圧倒的におススメです(笑)

Ryzen自作パソコンで苦労した点

苦労して取り付けた水冷ユニット

 

まず水冷ユニットの取り付けが大変でした。

 

水冷ユニットはCPU周辺が非常にスッキリするため、写真映えすると思って選んでいます。

 

水冷ユニットはCPUに接続する水冷ヘッドとパイプ、そしてラジエーター + ファンで構成されています。

 

ケース前側に付けたThermaltake TH360 ARGB Sync Snow Edition

 

私が購入した水冷ユニットは3連ファンで厚さもあるため天井に取り付けることが出来ません。

 

そのためケースのフロント側に取り付けることにしました。

 

ケースに付属のフロントファンをケース天井と後方に移動

 

今回採用したケース「Cooler Master MasterBox TD500」は標準でフロント部分にファンが備わっていましたが、水冷ユニットのラジエーターファンを取り付けるために場所を移動することにしました。

 

天井に2ファン、背後に1ファン無理やり取り付けることに成功しています。

 

自作パソコンで水冷ユニットを取り付ける場合、ラジエーター・ファンのサイズや取り付け場所を想定してケースを選ぶ必要があります。

 

簡易水冷ユニットよりも冷却性能が高いCPUクーラーもあるので、自作するなら普通のCPUクーラーをおススメします。

 

 

Ryzen9 3900X自作パソコンの仕様詳細

今回自作したパソコンパーツを詳しく解説します。

 

CPU

 

Ryzen 9 3900X

 

CPUはRyzen 9 3900Xを選びました。

 

このCPUを購入する時点でRyzen 9 5900Xが発売されておりますが、どのお店でも品切れで手に入らない状態でした。

 

そのため価格が下落しているRyzen 9 3900Xを購入してひとまずパソコンを組み、Ryzen 9 5900Xの需要が落ち着いたら手に入れてCPUを交換しようと思っています。

 

Ryzen 9 5900X・Ryzen 9 3900X・Ryzen 7 5800Xのベンチマーク比較 画像参照元:PassMark

 

Ryzen 9 5900XとRyzen 9 3900X、そして新製品のRyzen 7 5800Xのベンチマーク比較をPassMarkで確認してみました。

 

Ryzen 9 5900Xの性能が頭一つ抜けておりますが、Ryzen 9 3900Xも非常に高い性能であり、最新のRyzen 7 5800Xに比べればその差は歴然です。

 

 

Ryzen 9 5900X・Ryzen 9 3900X・Ryzen 7 5800Xのベンチマーク比較 画像参照元:PassMark

 

こちらはシングルスレッド性能の比較データです。

 

あくまでもベンチマークのデータですが、シングルスレッド性能では第四世代 Ryzen(Zen3 5XXX シリーズ)に優位性があります。

 

Ryzen CPU 新旧比較
Ryzen 9 3900X Ryzen 9 5900X
12コア24スレッド 12コア24スレッド

ベースクロック:3.80 GHz
ターボブースト時:4.60 GHz

ベースクロック:3.70 GHz
ターボブースト時:4.80 GHz

TSMC 7nmプロセスルール TSMC 7nmプロセスルール
TDP:105W TDP:105W

 

Ryzen最新モデルは前モデルのZen2アーキテクチャ 第三世代Ryzen とコア/スレッド数・プロセスルールは同じですが、CPU設計の見直しと合理化によって1クロックあたりの実行命令数が19%アップしたそうです。

 

またコア間・コア・キャッシュ間のレイテンシーも短縮されているので、PCゲームのパフォーマンスアップも期待できます。

 

私の用途だとRyzen9 3900Xで恐らく十分だと思いますが、スペック不足を感じたときにRyzen 9 5900Xにも交換できるので安心です。

 

PCMARK10 ベンチマーク計測

 

Ryzen 9 3900Xの自作PCのベンチマーク

 

PCMARK10のベンチマークスコアは6998となります。

 

Core i7-10700K搭載PCよりもベンチマークスコアは劣るものの、画像編集のスコアやレンダリング・動画編集のスコアは優れた数値を出しています。

 

これなら4K120Pの動画編集で期待できそうです。

 

CINEBENCH R20の数値 画像拡大
FF XVのベンチ 画像拡大

 

Ryzen9 3900X+ RTX3070のゲーミング性能を知りたい方のためにCINEBENCH20とFF XVのベンチマークを計測した結果が上になります。

 

CINEBENCH R20のスコアは7245pts、シングルコアは519ptsとなります。

 

またFF XVのスコアは6808となり、最高画質(4K)で快適と評価されています。

 

ケース

 

Cooler Master MasterBox TD500 Mesh White

 

今回の自作パソコンで採用したケースはCooler MasterのMasterBox TD500 Mesh Whiteです。

 

メッシュタイプのケースは冷却性能の高さが期待できます。

 

天井も全面メッシュ形状となっています。

 

内部の空気循環はフロントから吸気し、上背面で排気するようにしています。

 

メッシュケースで気になるのが音漏れですが、水冷ユニットを採用しているのでそれほど気になりません。

 

 

ビデオカード

 

GIGABYTE GV-N3070GAMING OC-8GD GeForce RTX 3070

 

グラフィックカードはNVIDIA GeForce RTX 3070を採用しています。

 

自作パソコンの場合、多くはオリジナルファンモデルを利用することになります。

 

今回採用したグラフィックカードは「GIGABYTE GV-N3070GAMING OC-8GD」標準でオーバークロックモードになっています。

 

8GBのビデオメモリを備え、CUDAコア数は5888基、メモリクロック数は14000MHz、メモリーバス幅は256bitのGDDR6です。

 

最大8K解像度の映像出力に対応し、マルチモニターは最大4台のモニターに出力可能です。

 

 

RTX 3070 / RTX 2080 SUPER / RTX 3060 Ti ベンチマークスコア参照元:PassMark

 

PassMarkのベンチマークスコアによるとRTX 3060 Tiが前モデルのハイエンドビデオカード RTX 2080 SUPERとほぼ同じぐらいになっています。

 

4K60Pの動画編集ならGeForce RTX 3060 Tiでも十分ですが、人柱となるべくRTX 3070 のオリジナルファンモデルを選んでいます。

 

メモリ

 

G.SKILL(ジースキル) Trident Z Neo OCメモリ

 

メモリはG.SKILLのデスクトップ用メモリ Trident Z Neo 32GBを採用しています。

 

G.SKILLのメモリはAMD Ryzenに最適になるよう設計されており、選択したマザーボードと相性が良いといった評判を多く見かけたので選びました。

 

標準装備のRGB照明はキラキラ光る水冷ユニットともマッチして、予想外のメリットも享受できましたよ。

 

BIOS設定でTrident Z Neo(メモリ)を DDR4-2133 ⇒ DDR4-3600へ変更

 

オーバークロックメモリで標準装着時はDDR4-2133で動きます。

 

マザーボードのBIOS設定でDDR4-3600を選択し、再起動することでDDR4-3600で動きましたよ。

 

電源

 

Corsair RM850x

 

電源はCorsair RM850x(850W 80PLUS GOLD) を選んでいます。

 

同じようなスペックでBTOパソコンが採用している電源を調べると750W~850Wが選ばれています。

 

あと他に80PLUS GOLD、PLATINUM、TITANIUMとランクがあるようですが、正直電源についての知識がなかったので詳しい方にアドバイスを頂戴して選びました。

 

Corsair RM850xは2018年発売のロングセラー商品で、電力供給のブレが少なく安定感があるそうです。

 

PCパーツはついつい新しい製品に目が行きがちですが、電源ユニットは自作ユーザーの方々に評判の良い製品を選んでおいた方が良さそうです。

 

 

電源ユニット壊れたらパソコン動きませんからね

 

Corsair RM850xはホワイトバージョンもあってケースの色にマッチしますけど、値段がちょっと高いので断念しました。

 

ストレージ M.2 SSD NVMe Gen4 / HDD 6TB

 

SAMSUNG 980 PROをマザーボードに装着

 

SSDはM.2 SSD NVMe Gen4 を選択。この記事を書いている時点で最速の読み書き速度を誇るSAMSUNG 980 PROを選びました。

 

容量は1TBです。

 

これまでメインストレージの容量は500GBで運用していましたが、4K120Pの映像素材は容量が大きいのでメインストレージも多めにしています。

 

2TBが理想だけど予算の都合上1TBにしましたよ。

 

ハードディスク Seagate IronWolf Pro 3.5 6TB

 

保存用のハードディスクはSeagateのIronWolf Pro 3.5 6TBを採用しています。

 

保存用なら何でもよいかもしれませんが、動画編集で使うなら7200rpm(回転)がおススメです。

 

万が一データが失われると面倒なので、耐久性のあるHDDを選ぶようにしています。

 

SeagateのIronWolfは動画クリエイターに人気が高く、NAS向けの高耐久なハードディスクです。

 

M.2 SSD Samsung Proの読み書き速度
Seagate IronWolf Pro 3.5 6TBの読み書き速度

 

読み書き速度をCrystalDiskMarkで実測してみるとM.2 SSDは読込が6600MB/s、書き出しが5000MB/sとなりました。

 

HDDは読込・書出しともに240MB/s 程となっています。

 

SSDの読み書き速度が早いと、データ移動やレンダリングの快適性に影響します。

 

 

実際にデータの移動がどのぐらいの時間で完了するのか調べてみました。

 

SATAⅢ SSDのCrucial MX500に保存した40GBのデータをUSB接続で移動します。

 

 

1分51秒でデータ移動が完了しました。

 

 

サムスン M.2 SSDの読込速度はスゴイ速さデス

 

(データ移動時の速度は移動元ディスクの読み書き速度も影響します。)

 

この速度なら4K120Pの撮影データもすぐにパソコンに移動できますね。

 

ASRock 拡張インターフェースボード Thunderbolt 3 AIC R2.0

 

データ移動の効率化を考えるときにもう一つオススメなのが、Thunderbolt を活用することです。

 

Thunderbolt 3.0はMacに標準搭載のUSB Type-Cと互換性のある接続端子で、最高速度 40Gbpsのデータ転送ができます。

 

残念ながらWindows用のデスクトップパソコンでThunderbolt 3.0を標準搭載する製品はほとんど見かけることがありませんが、自作パソコンなら別売りパーツで追加できます。

 

私は4K120Pの大容量データを移動するために、マザーボードと同じメーカーのThunderbolt 3.0拡張カードを別途購入して取り付けましたよ。

 

Ryzen 9 3900X搭載自作パソコンの4K動画編集テスト

自作パソコンの検証で使ったSONY α7SⅢとNINJA V

 

今回の検証はSONY α7SⅢで撮影した動画データを使用しています。

 

また、α7SⅢとNINJA Vで収録したProRes RAWデータも検証いたしました。

 

(4K30Pのカット編集・カラーグレーディングは余裕でできるのが分かっているので省きました)

 

検証内容
✅Premiere Pro カット編集(4K120P 422 10bit XAVC HS / 4K120P 422 10bit XAVC S)
✅Premiere Pro カラーグレーディング(4K60P 422 10bit XAVC HS / 4K120P 422 10bit XAVC S-I / 4K120P 422 10bit ProResRAW)
✅DaVinci Resolve カラーグレーディング(4K120P 422 10bit XAVC HS / 4K120P 422 10bit XAVC S)

 

α7SⅢの記録方式にはXAVC S-I(編集・カラーグレーディングに最適)とXAVC-HS(パソコンに大きな負荷をかける。別名Long GOP)があります。

 

10bit 422撮影データを取り扱う際にはXAVC S-Iがおススメです。

 

ただしXAVC S-Iの記録方式で4K120Pが選べません。

 

(厳密には撮れます。音声が収録できないスロー&クイックモーション撮影となります)

 

SONYの記録方式や画質の違いについて以下の記事にまとめましたので、ご存知ない方は合わせて読んでみてください。

 

 

4K120P 4:2:0 8bitの動画編集・カラーグレーディングは対応可能か?
Core i7-10700搭載PCで Premiere Pro 4K120P 8bit 4:2:0を編集 写真拡大

 

過去に実施してきたパソコンの検証でCore i7-10700とRTX 2070 SUPER搭載パソコンによる4K120P 8bit 4:2:0が快適にできていました。

 

このような経緯から、さらに性能の高いRyzen 9 3900XとRTX 3070を搭載した自作パソコンなら問題なく編集できるはずなので今回省略します。

 

また4K30Pの422 10bitも快適に編集できます。

 

ここでは4K120P・60P 10bit 4:2:2に絞って検証してみることにします。

Ryzen 9 3900X搭載自作パソコンとPremiere Proの検証(4K120P)

 

SONY α7SⅢ XAVC HS 4K120P 4:2:2 10bit
Ryzen 9 3900X搭載PCで 4K120P 10bit XAVC HSを再生 写真拡大

 

まずはSONY α7SⅢの中でもパソコンへの負荷が最も大きい記録方式 XAVC HS で編集してみます。

 

Premiere Proで4K30Pのシーケンスを用意し、動画ファイルを並べてプレビューしてみると、CPUの使用率は60~70%前後で推移し、GPUの使用率は7%前後で推移します。

 

Ryzen 9 3900Xは全スレッド平均的に稼働しており、何度も再生するうちにコマ落ちも減って安定して再生できます。

 

 

2分程の尺をプレビューしてコマ落ちは131コマとなりました。

 

Ryzen 9 3900X搭載PCで 4K120P 10bit XAVC HSを編集 写真拡大

 

次に同じシーケンスにBGMとレガシータイトルを乗せて再生してみるとCPU使用率は大きく変わらず、GPUの使用率が5%ほど上昇し、10~12%で推移します。

 

再生はスムーズです。

 

SONY α7SⅢ XAVC S 4K120P 4:2:2 10bit

 

Ryzen 9 3900X搭載PCで 4K120P 10bit XAVC Sを再生 写真拡大

 

次にα7SⅢの記録方式をXAVC Sに変更し、4K120P 4:2:2 10bitで収録したデータをシーケンス(4K30P)に乗せます。

 

XAVC HSよりもCPUの使用率は下がり、CPU使用率が42~55%を推移しています。またGPUの使用率はXAVC HSと同程度で7%前後を推移します。

 

24スレッドのうち10スレッド程使用率が下がりました。CPUへの負荷は少し減るようです。

 

プレビューは快適です。

 

 

2分40秒の尺で最初から最後までプレビューするとコマ落ちは0フレームとなりました。

 

起動して1度目の再生ではコマ落ちが発生することがありますが、2度目の再生でコマ落ちはほとんどなくなります。

 

Ryzen 9 3900X搭載PCで 4K120P 10bit XAVC Sを編集 写真拡大

 

次に同じシーケンスにBGMとレガシータイトルを乗せて再生するとCPUの使用率は90%近くまで上昇することもありますが、全スレッド稼働している感じではありません。

 

GPUの使用率は5%前後で推移します。

 

プレビューにカクつきは生じません。

Ryzen 9 3900X 搭載自作パソコンとPremiere Proの検証2(4K60P)

 

SONY α7SⅢ XAVC S-I 4K60P 4:2:2 10bit

 

Ryzen 9 3900X搭載PCで 4K60P 10bit XAVC S-Iをカラーグレーディング 写真拡大

 

次にα7SⅢの記録方式をXAVC S-I 4K60P 4:2:2 10bitでカット編集・カラーグレーディングを実施してみます。

 

XAVC S-Iはパソコンへの負荷が軽く編集用素材として最適な記録方式です。

 

4K60Pの撮影素材でBGMとレガシータイトルを乗せ、LUT(SGamut3CineSLog3_toSLog2-709)を適用した状態でCPUの使用率は35%前後を推移します。

 

GPUの使用率は20~23%を推移します。

 

Ryzen 9 3900Xのスレッドは2/3ほど遊んでいる感じです。

 

SONY α7SⅢ XAVC HS 4K60P 4:2:2 10bit

 

Ryzen 9 3900X搭載PCで 4K60P 10bit XAVC HSをカラーグレーディング 写真拡大

 

次は4K60PのXAVC HSでカット編集・カラーグレーディングを実施してみます。

 

XAVC S-Iに比べて負荷が大きいXAVC HSではCPUの使用率・稼働するスレッド数が増加しますが、プレビューに影響するほどではありません。

 

先ほどと同じようにLUTを適用してプレビューした状態でGPUの使用率は29%まで上昇します。

 

4K60P 10bitはXAVC S-I 、XAVC HSともに編集は快適です。

 

NINJA V 4K60P ProResRAW 4:2:2 12bit

 

NINJA VでProRes RAW収録

 

次はSONY α7SⅢにNINJA Vを装着してProResRAW 4:2:2 12bitで記録したデータをPremiere Proで編集・カラーグレーディングを行います。

 

ProRes RAWはファイルサイズが大きいのがデメリットですが、編集はサクサク快適に動きます。

 

 

Ryzen 9 3900X搭載PCで ProResRAW 4K60P 10bit を編集 写真拡大

 

CPUは全スレッド均等に稼働し、使用率は68~70%を推移、GPUの使用率は21%前後となりました。

 

CPUの仕様率・GPUの使用率は高めですが、ProResRAWデータは再生ヘッドを動かしても映像がとびにくく編集しやすいです。

Ryzen 9 3900X 搭載自作パソコンとDaVinci Resolveの検証(4K120P)

 

SONY α7SⅢ XAVC HS 4K120P 4:2:2 10bit

 

Ryzen 9 3900X搭載PCとDaVinci Resolveで4K60P 10bit編集 写真拡大

 

次はDaVinci Resolveで記録方式がXAVC HSの4K120P 4:2:2 10bit 撮影データでカラーグレーディングを行います。

 

まずはDaVinci Resolveのエディットページでカット編集を行うと、CPUの使用率は70%前後となり、グラフィックカードの使用率は7%前後を推移します。

 

Premiere Proに比べるとプレビューはカクつきが生じており、編集がやりにくいです。(やれなくはないですが)

 

Ryzen 9 3900X搭載PCとDaVinci Resolveで4K60P 10bitカラーグレーディング 写真拡大

 

一方でカラーパネルに変更して、すべての撮影素材にLUTを適用した状態でプレビューすると、CPUの使用率は60%前後まで下がります。

 

GPUの使用率は12%前後まで上昇し、全24スレッドのおよそ半分は遊んでいる状態になります。

 

エディットページでカット編集している時よりは負荷が少なくなっています。

検証のまとめ

Ryzen 9 3900X + GeForce RTX3070搭載の自作パソコンで4K120P 10bitの動画編集と簡単なカラーグレーディングを行ってみました。
検証する前はちょっとスペック足りないかも.. と心配していましたが、何とか編集できそうで安堵しました。

 

Premiere Proならカラーグレーディングも実施できましたよ。

 

一方でDaVinci Resolve Studio(17)の場合、エディットページのプレビューがカクカクするので編集はやりにくいです。

 

DaVinci Resolve 16ではSONYのXAVC HSに対応していなかったので、ひょっとしてDaVinci Resolve 17でXAVC HSに対応したばかりなのが理由なのかもしれません。

 

4K60P 10bit 4:2:2の映像素材なら、どのような映像素材でもサクサク快適にプレビューできて編集しやすいですね。

 

4K120P 10bitでカラーグレーディングを追い込むようになったらRyzen 9 5900Xに交換するかもしれません。

 

Ryzen9 3900X で自作パソコンを組んだ感想

今回初めてRyzen CPUを使った自作パソコンを取り組んでみました。

 

Ryzen のメリットはマザーボードのソケットの種類が少ないため、古いマザーボードでも最新のCPUに乗せ換えられる可能性があることです。

 

例えばRyzen 1XXXシリーズのマザーボードはBIOSのアップデートを行うことでRyzen 3XXXシリーズを使える製品もあるので、やり方次第でパソコンを買い変えなくても性能アップすることができます。

 

動画編集にすぐ取り掛かりたい方はBTOパソコンが楽でおススメですが、これまでBTOパソコンを使ってきた方は自作パソコンに挑戦するのもイイですよ。

 

好きなパーツで組み立てられるし、好きなケースで見た目にもこだわれます。愛着も沸いてパソコンを眺めているだけで幸せになれます。

 

私が使ったパーツを以下で紹介するので、Ryzen CPUの自作パソコンに興味がある方は参考にしてみてください。

 

この記事で検証したパソコン

おーとふぉーかす自作パソコン

CPU:AMD Ryzen 9 3900X
CPUクーラー:Thermaltake TH360 ARGB Sync Snow Edition
マザーボード:ASRock X570 Steel legend
メモリ:32GB PC4-28800 G.Skill
グラフィックス:GIGABYTE GeForce RTX 3070 OCモデル
M.2 SSD:SAMSUNG 980 PRO
HDD:Seagate IronWolf 6Gb/s 7200rpm 6TB

294,998円(税込・2021年1月時点)

このエントリーで検証した自作パソコンのパーツリスト

CPU

 

CPUは新製品が出ると値段がグッとさがるので、コスパ重視の方は最上位クラスの型落ちが狙い目です。

 

Ryzen 9 3900Xはイイ買い物でした!

 

 

マザーボード

 

M.2 SSDスロットが2個標準装備で一方がGen 4対応です。

 

ASRock X570 Steel Regendはドスパラ店員さんに勧められて買いました。

 

マザーボードはお店で一度相談するのが良いです。
色々最新のPC情報を教えてもらえます。

 

この製品の注意する点は補助電源を挿さないと動かないことです。

 

 

ビデオカード

 

GeForceでコスパ重視ならXX70シリーズです。

 

最新のPremiere ProはCPUの負荷をGPUにしっかり分散できるようになってきているので、投資のし甲斐があると思います。

 

 

CPUクーラー(簡易水冷ユニット)

 

取り付けに苦労した水冷ユニットです。

 

LEDでピカピカ光らせたい方や低価格の水冷ユニットを探している方にオススメです。

 

ブラックを選ぶとお値段安いのもポイント。

 

 

メモリ

 

Ryzen CPUはメモリの性能に依存するので、帯域幅の広いメモリがおススメです。

 

BTOパソコンではDDR4-3200(PC4-25600)がよく採用されています。

 

私はDDR4-3600(PC4-28800)のG.Skillを選びました。

 

 

SSD

 

SSDはM.2 SSD Gen4がオススメ。

 

人柱となるべくSAMSUNG 980 PROを選びました。

 

 

HDD

 

映像編集者の間で人気が高いのがSeagateのIronwolfです。
NASやRAIDで用いられる信頼性の高いHDDです。

 

回転数が7200rpmの製品を選びましょう。
帯域幅256Gb/sの製品もありますが、予算オーバーで妥協しました。

 

 

電源ユニット

 

電源ユニットは発売日が古くても信頼性が高い製品がオススメ。

 

Corsair RM850よりもRM850xのほうが良いそうです。

 

 

ケース

 

自作パソコンの醍醐味がケースです。
カッコイイケースが見つかると良いですね。
静音性ならFractal Design。冷却性能ならCoolerMasterがオススメです。