動画編集用PCを選ぶ際、ストレージは重要な要素です。
特にSSD(ソリッドステートドライブ)は、その高速な読み書き速度で動画編集作業を大幅に加速します。
本記事では、動画編集に最適なSSDの選び方、そのメリット・デメリット、および使用する際の注意点について解説します。
高速で信頼性の高い作業環境を構築するために、SSDの基本的な知識を理解し、賢い選択をしましょう。
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2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
この動画では動画編集者向けのストレージの選び方について解説しました。
どのSSDやハードディスクを選べば良いか分からない方はぜひ視聴してみてください。
SSDとは、Solid State Drive(ソリッドステートドライブ)といい、コンピューターの記憶装置(ストレージ)として、ディスクドライブのように扱うことができる半導体素子メモリを用いたデバイスです。
これまでパソコンの記憶装置としてHDD(ハードディスク)が使われてきていますが、SSDはHDDと同じ機能といえます。
ただ違うのが、その動作環境によるもの。HDDよりも処理速度が速いのがSSDの大きな特長です。
実はほぼ全てのスマートフォンやタブレットPCにはSSDが搭載されています。
また、SSDを搭載するパソコンが市場に増えてきたこともあり、まだまだHDDの普及率は高いですが、あと数年で世代交代するとも言われています。
・シークタイム※がないのでランダムアクセス※が速い
・動作音が静か
・振動や衝撃に強い
SSDは、書き込みの速度がやや劣るのですが、読み込み速度はHDDと比べると、圧倒的に速いことが実感できます。
電子データのやりとりのみで行われているため、HDDのように回転するディスク上を磁気ヘッドが読み書きする必要がないからです。
そのことから音も全くないのもメリットです。
消費電力を抑えられ発熱も少ない。小型で軽量であり衝撃などにも強いと言われています。
・HDDと比較すると容量の単価が高い
・常備稼働には向いていない
・長期使用では速度低下がみられる
デメリットについてまず言えるのが、容量の割には価格が高いという点です。
TLC NAND型フラッシュメモリを導入したことにより、大容量化・低価格化が進んでいますが、例えば500GBのSSDなら1万円ほどで販売されています。
現在では1万円で4TBのHDDを購入できるのでコスト面だけで考えればハードディスクの方が良いです。
また、SSDは書き込み回数に制限があります。
動画編集用パソコンに使うなら、ヘビーユーザーになればなるほど、パソコンの寿命よりもSSDの寿命のほうが早いかもしれません。
このようなデメリットは起動ディスクのSSDを交換したり、HDDとの使い分けでデメリットは回避できます。
SSDへのメリットは非常に高いともいえるので、動画編集をするならこれらの点に対処しながら使いこなすと良いでしょう。
システムとアプリケーション用(起動ディスク)のSSDとデータストレージ用のSSDを分けることでパフォーマンスの向上、データの安全性、システムの効率性が大幅に向上します。
システムSSDとデータSSDの分離は動画編集の効率性、システムの安定性、データの安全性を高めるための賢い選択です。
SSDの選定と配置に注意を払うことで、編集作業の生産性を向上させることができます。
✅応答性の向上:レスポンスが早くなる
✅データの安全性の確保:データのバックアップと復元が容易
✅システムSSDの寿命延長が図れる
起動ディスクのSSDにはOSとアプリケーションをインストールし、データSSDには動画ファイルやプロジェクトファイルを保存します。
これにより、読み書きの競合を避け、システムの応答性を向上させます。
起動ディスク(システム)のトラブル時にも、データSSDに保存されたプロジェクトファイルは安全に保護されます。
また、システムの再インストールやアップグレードが必要な場合でも、データのバックアップと復元が容易になります。
データの分類と管理が容易になり、システムSSDは常に最適な状態を保つことができます。
ストレージSSDは、大容量ファイルの保存に特化させ、効率的なデータアクセスを実現します。
SSDのメンテナンスと最適化は、長期的なパフォーマンス維持とデータの安全性を保証するために必須です。
適切な手順に従って定期的に行うことが、SSDの寿命を最大限に伸ばす鍵となります。
SSDはHDDに比べて高速で信頼性がありますが、適切なメンテナンスが行われない場合、時間の経過と共に性能が低下する可能性があります。
以下に、SSDのメンテナンスと最適化における主なポイントを挙げます
SSDは一定量の空き容量がある方が最適に動作します。使用量を75%未満に保つことを目安にしましょう。
SSDの一部製品にはファームウェアの更新を行うものがあります。
メーカーから提供されるSSDのファームウェア更新は、パフォーマンスの向上やバグの修正に役立ちます。
該当製品を使っている場合は定期的にチェックし、アップデートを行いましょう。
OSがSSDに適した設定で動作していることを確認します。
例えば、Windowsでは「Superfetch」や「Prefetch」のような機能がSSDには必要ない場合があります。
また、自作パソコンを組む場合、Windows11をインストールする前に起動ディスクのSSDをGPTでフォーマットする必要があります。
SSD搭載パソコンの購入を検討する際には、単に速度や容量だけを見るのではなく、より広い視野での検討が求められます。
まず、使用目的に合わせて、必要十分な容量のSSDを選択することが重要です。
動画編集や大容量のデータ処理にはより大きな容量が必要ですが、価格も考慮しバランスの取れた選択が求められます。
次に、SSDの読み書き速度はシステムの起動やアプリケーションの読み込み速度に大きく影響を与えるため、速度のスペックにも注意が必要です。
また、SSDの耐久性や信頼性は、データの安全性に直接関わるため、購入前には耐久性に関するレビューやメーカーの保証をチェックすることが肝心です。
BTOパソコンのマザーボードにはM.2 SSDの空きスロットがある場合があります。
もしDIYでM.2 SSDを追加する場合は購入予定のSSDとパソコン(マザーボード)の互換性を確認し、形状や接続インターフェースが適合しているかを検討することも重要なステップです。
最後に、高性能なSSDは価格が高くなりがちですが、予算内で最適なパフォーマンスを提供する製品を選ぶことで長期的な満足を得られるでしょう。
これらのポイントを総合的に考慮し、用途に合ったSSD搭載パソコンの購入を検討することが、快適なパソコンライフを送るための鍵となります。
✅動画編集ではより大きな容量を選ぶ
✅読書速度のスペックを確認
✅耐久性も調べる
✅マザーボードの互換性をチェック
動画編集で専用のパソコンを購入すればSSD搭載の高性能なパソコンが簡単に見つかります。
中でもBTOパソコンショップのストレージ(データ保存領域)が二つ以上ある動画編集用パソコンを選ぶのがオススメです。
ここではデュアルストレージ対応で比較的安価なクリエイター向けパソコンを揃えているパソコンショップを紹介します。
マウスコンピューターでは複数台ストレージを搭載しているモデルは基本的にOSをSSDにインストールしています。
SSDは残り容量を最低でも20%は確保しないとパフォーマンスが落ちるため、動画編集の専用ソフトウェアをインストールすることも考えると500GB~1TBは欲しいところです。
マウスコンピューター DAIVシリーズは2つ目のストレージとして2TB容量を安価に追加できます。
SSDの容量に注意すれば最適なパソコンが揃っていますよ。
NEXTGEAR JG-A7G6T(ホワイトカラーモデル)
CPU:Ryzen 7 7700184800円(税込)
レノボではSSD搭載パソコンを絞り込み検索することができ、最低価格で3万円台のパソコンでもSSDが装備されています。
ただし容量は少ないので、動画編集に使うなら最低でも15万円前後の予算は必要になるでしょう。
低価格なパソコンが並ぶレノボはPCに予算捻出が厳しい方に最適なBTOパソコンショップです。
Lenovo Legion Tower 5 30IAS10 (Intel)
CPU:Core Ultra 7 265KF249810円(税込)
ドスパラの動画編集向けパソコンは10万円以下でデュアルストレージの仕様にすることができます。
4K動画編集向けでは500GB以上のSSDと大容量のHDDを実現してくれているので、映像制作会社の都合をよく理解した構成で組んでくれているのがよく分かります。
動画制作者に強く支持されているドスパラもオススメのパソコンショップです。
GALLERIA RM7R-R57 7700搭載
CPU:Ryzen 7 7700239980円(税込)
※9月22日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい