Windows10→11アップデートはトラブルだらけ!解決策と手順を解説

この記事は2025年3月に更新しました。また記事にはプロモーションが含まれています。

 

オレのパソコン
Windows 10⇒11のアプデができない!なんで?

 

OSの主流がWindows 11に移り変わっていく中で、これまで粘り強くWindows 10を使い続けてきました。

 

定番で使っている動画編集ソフトがすべてWindows 11に対応していることに気が付き、そろそろWindows 11にアップデートすることにしましたよ。

 

動画編集メインで使っていたパソコン(Ryzen 3900X搭載)が一筋縄でWindows 11にアップデートできなかったので、ここでそのレポートと解決手順をまとめます。

 

また、参考になったサイトもすべて紹介しますので、この記事で分かりにくい部分もリンク先のページを辿って読んで頂ければ解決するはずです。

 

最終的に私は1台のパソコンのアップデートを諦めましたが、問題はマザーボードと起動ディスクの設定にあるのがわかりました。

 

同じようなエラーを表示している方はぜひ参考にしてみてください。

 

記事監修者

ビデオグラファー 動画編集者 おーとふぉーかす

2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています

Windows 11のアップデートができるか確認する

まず先にお伝えしたいことは以下の4つです。

 

・マザーボードがWindows 11に対応できない場合はアップデートできない
・条件をクリアしても、BIOS画面で設定変更が必要になる
・起動ディスクのパーティションスタイルがGPTである必要がある
・上の3つをクリアできない場合はマザーボードや起動ディスクの交換で解決する

 

BIOSモードの設定はマザーボードのTPM 2.0有効化とセキュアブートの有効化です。

 

私の場合、TPM 2.0の有効化は簡単に完了しましたが、セキュアブートの有効化ができませんでした。

 

セキュアブートの有効化をするには起動ディスクのパーティションスタイルの変換が必要になります。

 

といっても私の場合、自作パソコンなのでパーティションスタイルがGPTではない点(MBR)は完全に組立時のミスです。

 

市販のパソコンやBTOパソコンをアップデートする場合は私のようなトラブルは生じないと思います。

 

以下で私が体験した流れを解説しますのでご覧ください。

Windows 11のアップデートを実践・検証

Windows11のアップデートを試みるデスクトップパソコンが左と中

 

Windows11の提供が開始されたのは2021年10月5日です。

 

アップデート日は2022年11月18日。

 

アップデートを試みたパソコンの仕様とパーツの詳細は以下になります。

 

検証で使用した自作パソコン

CPU:AMD Ryzen 9 3900X
CPUクーラー:Thermaltake TH360 ARGB Sync Snow Edition
マザーボード:ASRock X570 Steel legend
メモリ:32GB PC4-28800 G.Skill
グラフィックス:GIGABYTE GeForce RTX 3070 OCモデル
M.2 SSD:SAMSUNG 980 PRO
HDD:Seagate IronWolf 6Gb/s 7200rpm 6TB

294,998円(税込・2021年1月時点)

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Windows 更新とセキュリティの画面を開く

 

Windowsパソコンの左下にある検索窓で「更新」を検索すると「更新とセキュリティ」の画面が開きます。

 

Windowsのアップデートはこの画面から実行できます。

 

分からない方はMicrosoft公式の以下のページで「今すぐアップグレードを確認する」をクリックすることでも開きます。

 

Windowsの更新とセキュリティの画面

 

これで私のパソコンが更新できるか確認すると、まさかの「このPCは現在、Windows 11を実行するための最小システムを満たしていません」と表示されています。

 

 

なん..だと.. できないだと..

 

古いパソコンでアップデートするならまだしも、私のパソコンは2021年1月最新のPCパーツを使って組み上げた自作パソコンです。

 

その時の予算で手に入る最高峰のPCパーツを使ったはず..

 

そこでWindows 11のシステム要件を再度確認してみました。

プロセッサ 1 ギガヘルツ (GHz) 以上で 2 コア以上の64 ビット互換プロセッサまたは System on a Chip (SoC)
メモリ 4 ギガバイト (GB)。
ストレージ 64 GB 以上の記憶装置 注: 詳細は下記の「Windows 11 を最新状態に維持するために必要な空き領域についての詳細情報」をご覧ください。
システム ファームウェア UEFI、セキュア ブート対応。お使いの PC がこの要件を満たすようにする方法については、こちらをご覧ください。
TPM トラステッド プラットフォーム モジュール (TPM) バージョン 2.0。お使いの PC がこの要件を満たすようにする方法については、こちらをご覧ください。
グラフィックス カード DirectX 12 以上 (WDDM 2.0 ドライバー) に対応。
ディスプレイ 対角サイズ 9 インチ以上で 8 ビット カラーの高解像度 (720p) ディスプレイ。

引用元:Windows 11のシステム要件|マイクロソフト公式

私のパソコンはシステム要件を見る限り、プロセッサ(CPU)やメモリ、ストレージの容量、ビデオカードなどは余裕でクリアできています。

 

怪しいのはシステムファームウェアとTPMの項目です。

 

Windows 11のアップデートができないのはPCのスペックというよりはむしろ、UEFIのバージョンやTPMのようなセキュリティ関連機能の設定の有無のようです。

 

つまりマザーボードが原因の一端を担っているような気がしてきました。

 

Windows 11にアップデートできない理由はマザーボードにあり?

そこで使用しているマザーボード「ASRock SteelLegend X570」のWindowsアップデートについて調べたところASRockのニュースリリースを見つけました。

Windows® 11 を使用するためには TPM 2.0 が必須です。しかし、TPM 2.0 検証は、BIOS にビルトインされているファームウェア TPM (Intel® プラットフォーム上のPTT、AMD プラットフォーム上の fTPM) で合格できます。これは、TPM 2.0 ハードウェアモジュールが Windows® 11 向けに必要ないことを意味します。最新のオペレーティングシステムを試すことに関心がある方は、TPM モジュールがなくても心配する必要はありません。下のサポート一覧表と設定方法をご確認ください。

引用元:ASRock が Windows 11 対応マザーボード 一覧表を発表|ASRock ニュースレター

ASRockのニュースリリースではインテルCPU用マザーボード、AMD CPUマザーボードそれぞれのTPM 2.0 を有効にすることでWindows 11に対応できるマザーボードに変更できるとのことです。

 

ASRockのニュースレターを見る限り、私のパソコンのマザボ「ASRock SteelLegend X570」も一応対応しているようで、BIOS で fTPM を有効にすれば良いみたいですね。

 

Windows 11をセットアップするためにはマザーボード側の仕様を確認する必要があります。

 

そもそもマザーボードがWindows 11に対応できない場合は諦めるしかありません。

 

またインテルCPU対応マザーボードとAMD対応マザーボードで設定が異なるのも注意したいポイントです。

 

私のマザーボードは運よくWindows 11に対応できるようなので、早速実行してみることにしました。

AMD CPU用マザーボードのTPM 2.0有効化手順

まずはパソコンをBIOS(UEFI)モードで起動します。

 

BIOSモードは起動時にマザーボードやメーカーロゴが表示されるタイミングで所定のキーを押すことで表示できます。

 

マザーボードによって異なりますが、主にF2キーやEnterキーを押すことでBIOSモードが起動できます。

 

ロゴ画面右下に書いてますのでご確認下さい。

 

ASRock BIOS画面 アドバンスド⇒CPU設定を選択

 

上の画像はASRockマザーボードのBIOSモード画面です。

 

マザーボードごとに設定画面は異なりますが、設定項目の並びはほとんど同じですので探してみてください。

 

初期設定では英語表記ですが、言語は変更できるので英語が苦手な方は無理せず日本語表記にしましょう。

 

しかしすべて日本語にならないので、分からないエラー文章が出てきたら翻訳が必要です。

 

話を元に戻してTPM 2.0有効化の設定です。

 

BIOS画面の上のメニューの「Advanced(アドバンスド)」に「CPU設定」があり、この項目を開きます。

 

CPU設定内のAMD fTPM switch「無効」を「AMD CPU fTPM」に変更

 

すると画面下のほうに「AMD fTPM switch」があり、これが「無効」になっていますので「AMD CPU fTPM」に変更します。

 

ASRock BIOS画面

 

そして設定変更したらメニューの「Exit(退出)」を選び、設定内容を保存して再起動を選びます。

 

ASRock ニュースレターの解説通りTPM 2.0を有効化してみました。

 

そして再びWindows 11のアップデートを試みてみましょう。

 

Windowsの更新とセキュリティの画面

 

なんだと!

 

TPM 2.0を有効化したにもかかわらずまだ最小システム要件を満たしていないと表示されるではありませんか!

 

なぜじゃ?

 

「PC正常性チェックを受ける」をクリック

 

というわけで、この画面にある「PC正常性チェックを受ける」のリンクをクリック。

 

PC Health Checkのダウンロード

 

するとPC Health Checkがダウンロードできるので、インストールして起動します。

 

PC Health Checkの結果

 

そしてインストール後に表示した画面でチェックができるので、正常性チェックを実施するとWindowsにアップデートできない理由が書かれていました。

 

「PCはセキュアブートをサポートしている必要があります」とのこと。

 

調べてみるとセキュアブート(Secure Boot)はOSが起動前に改ざんされるのを防ぐ機能で、マザーボードによってはこの機能を持たない製品もあるようです。

 

その場合はWindows 11にアップデートできません。

 

また、セキュアブート機能を持つBTOパソコンは多くの場合有効化されているようです。

 

私の場合、自作パソコンなのでどうやら設定していなかったみたい。

 

調べるとASRock SteelLegend X570でもセキュアブートを有効化できることが分かりました。

 

マザーボードによって設定方法が異なるので、ご自身のマザーボードのやり方を調べてみてください。

 

もう一度BIOSモードを起動します。

 

ASRock BIOS画面のセキュアブート有効化

 

BIOS画面のメニューにある「セキュリティ」を選択し、そこに「セキュアブート(Secure Boot)」があるので有効にします。

 

エラーが表示

 

すると

 

Secure Boot can be enabled when System in User Mode. Repeat operation after enrolling platform key(PK).

 

と表示されます。

 

エラーを訳すと

システムがユーザーモードの場合、セキュアブートを有効にすることができます。 プラットフォームキーを登録した後、操作を繰り返します。

とのこと。

 

どうやらプラットフォームキーの登録が必要みたい。

 

ASRock BIOSのセキュアブート用キー登録

 

調べてみると、同じ画面のすぐ下にある「デフォルトのセキュアブート用キーをインストールする」を選んで「はい(Yes)」に進めると解決するようです。

 

「はい」を選んでもう一度セキュアブートの有効化を試みてみましょう。

 

更にエラー表示

 

すると今度はまた違うエラーが表示されました。

 

今度は

Disable the CSM in Setup. Repeat operation after Reboot to ensure UEFI Video (GOP) driver is operationa1

と表示される。

 

翻訳すると

セットアップで CSM を無効にする 再起動後に操作を繰り返して、UEFI ビデオ (GOP) ドライバーが動作していることを確認しますa1

とのことです。

 

本文をそのまま読むとCSMを無効にして再起動すれば良いのかな?

 

ググるととても詳しく解説されているページがありましたので紹介します。

CSMはマザーボードの設定の一つで、セキュアブートとCSMは両立できないようです。

 

そこでASRock SteelLegend X570のCSMを無効化する方法を調べて実行してみます。

 

ASRock BIOSの起動からCSMを選択

 

CSMの無効化はBIOSメニューの「起動」を選択すると見つかります。

 

ASRock SteelLegend X570では一番下に「CSM(互換性サポートモジュール)」とありました。

 

選んでみましょう。

 

ASRock BIOSでCSMの無効化

 

無事CSMを無効にできました。

 

セキュアブートの無効を選択するとエラー表示が

 

このまま連続でセキュアブートを有効にしようとしても、同じエラーが表示されます。

 

やはり再起動が必要みたい。

 

設定を保存して再起動をすると、今度は強制的にBIOS画面が開きます。

 

そしてセキュアブートを有効化することは出来ましたが、その後設定を保存して再起動をすると再びBIOS画面が開き、Windowsが起動できなくなりました。

 

このようにBIOSの設定をミスるとWindowsが起動できなくなります。

 

これまでやってきた設定を全て戻すことで無事にWindowsを起動することができますので、くれぐれも変更した項目を忘れないようにしてください。

 

そして問題はセキュアブートです。

 

なぜ私のパソコンはセキュアブートの設定ができないのか?

 

調べてみるとyahoo知恵袋に以下のような記事が見つかりました。

Q.セキュアブートを有効化するとOSが起動できなくなる対処法を教えてください。 閲覧ありがとうございます。 Windows 11にて、セキュアブートを有効にすると OSが起動しなくなってしまい、困っております。

 

A・現状のストレージのフォーマットがMBRになっているのではないかと推測します。まずGPTかMBRか確認をしてください。
確認方法はMiniTool Partition Wizardの様なパーティション変更アプリをインストールするのが簡単だとおもいます。
もしMBRであれば、セキュアブートはGPTでUEFIが前提ですのでBIOSの設定を変更するとたちあがリません。このときは単にストレージをGPTに変換してもダメです。そのときの手順は以下になります。
1 ストレージをGPTにする
2 BIOSの設定をセキュアブートを有効、かつCSMを無効
3 windowsを再インストール

なるほどなるほど。

 

MBRではセキュアブートを有効化できないのですね。

 

たしかパソコンを組み立てた時、起動ディスクにWindowsをインストールする前にフォーマットした際にGPTかMBRを選んだ記憶がある。

 

起動ディスクを確認してみましょう。

 

ディスクの管理から起動ディスク(C:)を選択してプロパティを選ぶ

 

GPTかMBRを確認するのは簡単です。

 

まずはWindowsキー(Winの旗マークのキー)とXキーを選択して、ディスクの管理を選びます。

 

すると上のような画面が開くので、Cドライブを選択して、右クリック⇒「プロパティ」を選択します。

 

パーティションのスタイルがMBRに

 

そして表示されたプロパティ画面の「ボリューム」タブを選択すると「パーティションのスタイル」を確認します。

 

マスターブートレコード(MBR)!

 

あかん。あかんやつを選んでる(`艸´;)

 

ぐうぅぅ...

 

この時点で心が折れてしまいました。

 

そこでもう一つのデスクトップパソコン(Windows 10)の起動ディスクを確認してみることにしました。

 

GPTの場合

 

こちらのパソコンも自作パソコンで、先日マザーボードを交換したばかりです。

 

パーティションスタイルは無事にGPTを選んでおり、問題なくWindows 10からWindows 11にアップデートが完了しました!

Windows10→11アップデートはトラブルだらけ!解決策と手順を解説 まとめ

最終的に2台のデスクトップパソコンのうち条件を満たした1台をアップデートし、条件を満たさなかったパソコンはアップデートしていません。

 

起動ディスクのパーティションスタイルをMBRからGPTに変更する際のWindows公式の見解は以下にあります。

記事の中には

Windows インターフェイスを使用して変換する
1.GPT ディスクに変換するベーシック MBR ディスク上のデータをバックアップまたは移動します。
2.ディスクにパーティションまたはボリュームが含まれている場合、それぞれを右クリックし、 [パーティションの削除] または [ボリュームの削除] をクリックします。
3.GPT ディスクに変換する MBR ディスクを右クリックし、 [GPT ディスクに変換] をクリックします。

とありますが、これは起動ディスクではなく保存ディスクの変換方法でしょう。

 

コマンド ラインを使用して変換する方法も解説されていますが、よくわからんし失敗すると怖いので、もっと簡単な方法を選ぶ方が良いと思います。

 

MiniTool Partition Wizardのようなパーティションスタイルを変更できる無料ソフトも見つかりますが、大切な起動ディスクが壊れると厄介なので私はやめておきました。

 

一番簡単で安全な方法は新しい起動ディスクを購入し、必ずGPTを選んでフォーマットしてコピーソフトで起動ディスクのデータを新しいディスクにOSまるごとコピーする方法でしょう。

 

起動ディスクのクローンコピーは以下の記事で解説しているのでご覧ください。

 

 

そのタイミングでマザーボードも交換してしまえば、BIOSの設定を要することなくWindows 11にアップデートできるはずです。

 

パソコンを自作したことがない方には少しハードルが高いかもしれませんが、これを機に自作PCに挑戦してみるのもアリだと思います。

 

以上、Windows11アップデートの解決策と手順の解説でした。

 

自作パソコンの組み立てを解説するよ