CPUとマザーボードを交換すると
パソコンを買い替える必要がなくなるぞ!
高いスペックのパソコンを使っている方はパソコンの買い替えの負担が大きいですよね。
そんな時に検討したいのがパソコンカスタマイズです。
特にパソコンショップで購入できるBTOパソコンはカスタマイズしやすい仕組みになっているのでオススメです。
中でもCPUとマザーボードを交換することで全く新しいパソコンに生まれ変わらせることができますよ。
この記事ではCPUとマザーボードを交換するときの注意点と、私がCPUとマザーボードを交換したときに体験した失敗やアドバイスについて解説します。
BTOパソコンを使っている方はパソコンの買い替えをする前にぜひ読んでCPUとマザーボードの交換に挑戦してみてください。
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
この動画では自作パソコンを組みたい動画編集者の方向けにパーツ選びについて詳しく解説しました。
組み立て方については「自作パソコンの組み立ての流れを動画編集者さん向けに解説」で解説したので合わせてご視聴ください。
まず大前提でノートパソコンやMac、メーカーのパソコンはマザーボードやCPUの交換ができません。
CPUとマザーボードを交換できるパソコンは自作パソコンやBTOパソコンに限られます。
自作パソコンはパーツを全部バラバラで購入して自分でくみ上げるパソコンです。
BTOパソコンとはドスパラやツクモ、マウスコンピューターやパソコン工房といったパソコンショップで購入できるパソコンです。
BTOパソコンは自作パソコンとよく似ており、パソコンショップが取り扱うパーツを使ってパソコンショップの工場で組み立てられたパソコンです。
自作パソコンとBTOパソコンは汎用のPCケースにパーツを組み込んでいるので、分解やパーツ交換が簡単です。
パソコンパーツの進化が非常に速いので、たとえ20~30万円のハイスペックパソコンを導入しても、2~3年後には10万円台のパソコンに性能の面で劣ってしまうなんてことはよくある話です。
こんな時に自作パソコンやBTOパソコンであれば
・メモリの追加・交換
・グラフィックカードの交換
・CPUの交換
・マザーボードの交換
をすることで、パソコンを買い替えることなくパソコンの性能アップを実現することができます。
メモリの追加は最も簡単なスペックアップ方法で、難易度が一番高いのがマザーボードの交換です。
パソコンのスペックアップは頭脳であるCPUを交換するのが最も効果が高いのですが、それにはマザーボードが新しいCPUに対応している必要があります。
これまで使ってきたマザーボードをそのまま使うとなると、交換できるCPUの選択肢が少ない場合が多いです。
こんな時はマザーボードも交換してしまえば、最新のCPUを使うことができるようになるのです。
マザーボードとCPUを同時に交換して、新しいマザーボードにこれまで使ってきたメモリ・ハードディスク・SSDを換装すればこれまで通り使うことができます。
ただしマザーボードの交換は様々なトラブルが生じる可能性があるので、それに備えていつでも元の状態に戻せるよう用意する必要があります。
自作でパソコンを組んだ方で、これから初めてCPUとマザーボードの交換を検討している方はこれ以降を参考にしてみてください。
メモリのアップグレードよりも性能アップの効果が高くて、比較的難易度が低いのがCPUの交換です。
CPUの交換はまず
・今使っているパソコンのCPUがどんなCPUなのか?
・何世代なのか?ソケットは何か?
・マザーボードが対応するCPUはどれか?
・アップグレードする価値はあるかどうか?
この順番で情報を確認し、新しいCPUを手に入れます。
今使用しているパソコンのCPUが分からない方はWinキー(windowsマークのキー)とXキーを押して「システム」を選びます。
デバイスの仕様の項目の「プロセッサー」を確認するとCPUが分かります。
そしてCPUの名前を検索して公式サイトを確認するとソケット名が分かるはずです。
もしくはマザーボードを調べることで、乗せ換えることができるCPUが分かります。
中でもBTOパソコンを使っている方は購入時にショップからもらった仕様書を見るとマザーボードの製品名が分かるので確認してみましょう。
ただしマザーボードのソケットが合えば、どんなCPUでも取り付けることができるというわけではありません。
正常に動くかどうかはマザーボードの公式サイトで確認してから購入する必要があります。
インテルのCPUは世代ごとに対応するマザーボードが変わることが多いため、CPUの交換をする場合マザーボードも余儀なく交換する必要があります。
また、CPUのグレードによってもソケットが変わります。
同じ世代のCPUでCore i5からCore i7の交換はできても、Core i9への変更ができない。
といった感じで、CPU交換を考えるときに選択肢の幅が狭いのがインテルCPUの特徴です。
すでに高スペックのCPUを使っている場合はマザーボードの交換も合わせて考える必要があります。
インテルCPUに対して、世代が変わってもソケットが合えば簡単に交換できるのがAMDのCPUです。
自作パソコンユーザーにAMD CPUを選ぶ方が多いのはこういう事情があるからでしょう。
またRyzenシリーズのCPUはどのグレードも同じソケットなので、例えばRyzen 5 3600X→Ryzen 9 3900Xに交換も可能です。
ただし、マザーボードが対応しているかどうかの確認はインテル同様必ず確認しておかなければなりません。
そして最新のRyzen 7XXXシリーズはソケットが変更され(AM5)、対応するマザーボードも次々販売・更新しています。
AMD Ryzen 7XXXシリーズ対応のマザーボード X670/B650以降、Ryzen CPUもインテルと同様のCPUソケットに変更となり、これでもうスッポン現象の恐怖は解消されました。
Ryzen 7XXXシリーズはCPUに内蔵GPUが標準的に搭載されていますが、動画編集ではGPU支援を得ることができないことが分かりました。
例えばインテル第11世代CPUから第12世代CPUに交換するといったように、世代をまたいでCPUを交換する場合、多くはマザーボードのBIOS(UEFI)のアップデートが必要になります。
BIOSはアプリのように自動アップデートを行われることはなく、BIOS画面から自分でアップデートする必要があります。
やったことがない方はCPUの交換時に必要となりますが、このBIOSアップデートでパソコンに不具合が起きる(起動しない・電源を入れても画面が真っ暗)ことが多々あります。
BIOSアップデートの不具合はCMOSクリア(BIOS設定の初期化)で簡単に復旧できる場合もありますが、最悪の場合マザーボードが故障することもあるので要注意です。
BIOSアップデートを実施する場合は必ず事前にデータのバックアップをしてから行います。
BIOSアップデートによる不具合が不安な方はCPUとマザーボードを同時に交換するのをおススメします。
CPUの交換で考えられる失敗で「スッポン現象」が有名です。
CPUとCPUクーラーの間に塗られているCPUグリスが経年使用で固着してしまい、CPUの交換作業時にCPUクーラーを外すときにCPUも一緒にマザーボードから外れてしまう現象です。
これが起きるとCPUのピンが曲がり、最悪の場合折れてしまうこともあります。
スッポン現象は主にAMD Ryzen CPUで起きます。
現時点でAMD Ryzen CPUを使っている場合は取り外しに注意してください。
CPUが温まっている状態ではCPUグリスの固着が緩和されるため、動画の書き出しなどを実行してCPUの温度を上昇させた後にCPUクーラーを外せば成功率が高いという話を聞きました。
何年も使ってきたパソコンでスッポン現象が起こりそうな方は試してみるのも良いかもしれません。
CPUを交換するときに一緒に手に入れておきたいのがCPUグリスです。
自作パソコンを組み立てたことがある方はご存知だと思いますが、一般的にCPUグリスはCPUやマザーボードに付属しておらずCPUクーラーにおまけで付属しています。
なので、CPUクーラーを一緒に交換しない限りはCPUグリスを買う必要があります。
なお、市販のCPUグリスではCPUクーラーにおまけで付いてくる製品と違って、かなり質の良いものを手に入れることができます。
CPUクーラー付属のグリスの多くはシリコングリスで、延ばしやすく塗りやすい反面、CPUからはみ出してしまうこともあるので注意が必要です。
それに対して、別売りのグリスはセラミックやシルバー素材・ダイヤモンド素材を使っており、シリコングリスと比べるとやや延びにくい傾向があります。
しかし、熱の伝導性が高く冷却効果が高いため動画編集やゲームのヘビーユーザーにはおススメです。
長期間保存できるので、これからもCPUを交換する可能性があるなら買っておいて損はありません。
私が購入したグリスはCeramique 2 AS-04Aという製品で米国製のCPUグリスです。
ソフマップの店員さんに相談しておススメされたものを購入しました。
オーバークロック用のグリスほどの熱伝導率はないものの、価格も安く非伝導性でショートする心配がないコスパ抜群のグリスとのことです。
パソコンは毎日ガンガン動画編集していますが、今のところ問題なく使えています。
パソコンカスタマイズでCPUを交換するときにマザーボードを一緒に交換すれば、BIOSのアップデートによる不具合も避けれます。
また、新しいマザーボードは新しい規格のインターフェースが搭載されていたり、電力効率も改善されています。
パソコンを今後も長く使っていきたい場合は、CPUと一緒に交換するのがおススメといえますが、交換時に一番壊してしまいやすいのもマザーボードです。
古いマザーボードからPCパーツを取り外したり、取り付けたりする際に静電気でショートさせてしまうこともあります。
マザーボードを交換する場合はゴム手袋をつけるなどの対応をしておいた方が良いです。
また、マザーボードはパソコンパーツの中でも保証期間が短く、購入後から一週間で保証期間が切れてしまう場合もあります。
商品が到着してからなるべく早く交換を実施する必要がありますし、交換や修理に応じてくれるショップで購入するのが良いでしょう。
入会すれば保証期間が延長するといった、ショップの無料会員に入会しておくのも一手です。
Windows10の場合は新しいマザーボードにこれまで使っていたSSDやハードディスクを取り付ければ、Windowsを再インストールする必要はありません。
乗せ換えが正しく行われていれば、これまでのパソコンと同じようにWindows10が起動します。
これはWindows10からライセンスの認証方法が変わり、マイクロソフトアカウントに紐づけることでライセンスが認証されるようになったことが理由だそうです。
前もって元のパソコンでWindowsのライセンスとマイクロソフトアカウントとの紐づけを完了しておきます。
新しいマザーボードに起動ディスクを接続した後、マイクロソフトアカウントにサインインすることで認証が完了します。
ただやはりこの時点でもトラブルが全くないわけではありません。
新しいマザーボードにこれまでの起動ディスクを接続すると、マザーボードのドライバーが起動ディスクにインストールされます。
この時に不具合が生じたり、起動ディスクに新しいドライバーがインストールされることで元のマザーボードに戻そうとしたときに起動できないことがあるようです。
私が交換したときはこのときにエラーが生じることなくWindowsが正常に起動しました。
このエラーが起きても対応できるよう、事前にWindowsをインストールしている起動ディスクのクローンを作っておきました。
何か不具合があった場合はクローンデータを保存しているディスクを元のマザーボードに取り付けることで起動可能です。
私の場合は杞憂に終わりましたが、心配な方は以下のページでクローンコピーのやり方を詳しく解説しましたので合わせて読んでみてください。
CPUとマザーボードを交換するときにオススメなのが、PCケースも交換することです。
マザーボードとCPUの交換で、パソコンの性能と中身が一新されます。
また、マザーボードの交換はPCケースからマザーボードを取り外す必要があるので、電源やグラフィックカード、ケーブルなどすべて取り外すことになります。
このタイミングでPCケースを交換するのが効率が良く、見た目もリニューアルできるのでおすすめです。
新型のPCケースの中には冷却性能や静音性能に特化している製品があるのも魅力です。
私はマザーボードの交換と同時にフラクタルデザインのPCケースに交換し、静穏性を高めました。
ナレーションの収録でパソコンの駆動音が気になっていたのが理由ですが、PCケースを交換することでかなり静かになりましたよ!
CPUとマザーボード、CPUクーラーの交換の一連の流れを動画でまとめましたのでご覧ください。
こんな感じです。まとめると
1. 現状のCPU・マザーボードを調べて、交換できるCPUを選ぶ
2. 交換したいCPUに既存のマザーボードが対応しないならマザーボードも交換する
3. マイクロソフトアカウントとWindowsのライセンス認証を紐づける
4. Ryzen CPU、マザーボードを交換する際はスッポン現象に注意
5. 起動ディスクの交換はクローンディスクを作っておくと安心
6. マザーボードの交換をするときはPCケースも交換するのが良い
となります。
今回はミドルクラス以上のパソコンを前提に、CPUとマザーボードを交換する手順を解説しています。
最上位のCPUに交換する場合はCPUクーラーや電源ユニットも交換する必要があるので、その点も合わせてパーツ選びに励んでみてください。
CPUとマザーボードの交換に成功すれば、パソコンを買い替えるよりもずっと少ない費用でパソコンの大幅なスペックアップが実現できますよ!