動画編集をパソコンで行うには、CPUがハイスペックなのは必須条件です。
CPUといえばIntelのCoreシリーズがかつてはCPU市場をほぼ独占した状態でしたが、AMD Ryzen Zen4(7XXX)シリーズがリリースし、CPU市場の勢力図が再び変わりつつあります。
過去にRyzen 5XXXシリーズがその性能の高さと人気で供給不足が生じたこともあり、Ryzen CPUも目が離せません。
ちなみに私たち動画クリエイターが気になるのは、Ryzen CPUが動画編集パソコンに適しているのかどうかですね。
これから動画編集用にパソコンを購入するならどちらのCPUでパソコンを構成するべきでしょうか?
スペックが同等のCore i7とRyzen 7のそれぞれのCPUスペックを見ながら性能の違い・価格の違いを検証していきましょう。
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2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
動画編集初心者の方向けにパソコンの選び方を解説してみました。
ゲームPC選びにも役立つと思うのでぜひご覧ください。
CPUといえばまず思い浮かぶのがIntel(インテル)です。
その中でも「Core i7」は、マルチスレッドタイプのCPUとなっており、最新の第14世代 Core i7-14700Kに至っては20コア 28スレッドの性能(2024年1月時点)を持っています。
Core i7のさらに上位モデルにはCore i9があり、Core i7は i9に次いでハイエンドモデルに位置した製品です。
i9が発売されるまでは動画編集は「i7一択」とも言われてきたほどです。
またインテルのCPUは、ソケットの仕様で製品の位置付けがはっきりと分かれているのが特徴です。
例えば第14世代はFCLGA1700でCore i7-14700・14700KやCore i9-14900・14900Kも共通です。
第11世代はFCLGA1200なので、CPUを第12世代以降に交換する場合はマザーボードも交換する必要があります。
コア数スレッド数 |
16コア24スレッド |
定格クロック |
Performance-cores:3.40GHz |
ブーストクロック |
Performance-cores:5.40GHz |
TDP |
定格:125W |
第12世代Core i7以降、コアがパフォーマンスコアとエフィシャントコアに別れ、スレッド数が単純にコア数の倍の値ではなくなっています。
処理性能が高いPerformance-core(パフォーマンスコア)とWあたりのパフォーマンスが高いEfficient-core(エフィシェントコア)を両立したハイブリッドなCPUとなっているようです。
TDP(放熱量)がやや高かった第11世代 Core i7と比べると、第12世代からは最大値が大きいものの、負荷が少ない作業では低い値で利用できるようになっています。
第13世代も2種類のコア構成は継承されており、最大TDP値が上昇しています。
コア数スレッド数 |
12コア20スレッド |
定格クロック |
Performance-cores:3.60GHz |
ブーストクロック |
Performance-cores:4.90GHz |
TDP |
定格:125W |
2023年10月に発売開始となったインテル第14世代Core i7-14700KはCore i7-13700Kよりもさらにコア数が増加し、クロック数の値も増えています。
後で述べるベンチマークスコアで確認すると%の性能向上となったようです。
IntelのCoreシリーズに比べると、認知度は低いRyzen(ライゼン)ですが、その性能はIntelのCPUに匹敵するどころか上回るとも言われており、かつ価格が安いことから自作PCユーザーに大人気です。
BTOパソコンショップでも取り扱いが増えたことにより認知が広まってきました。
しかもその性能を知るコアなPCユーザーに写真現像・動画編集用でも高パフォーマンスで使えることで評判が高まっています。
中でもRyzen 7は、驚異的な性能とコストパフォーマンスに優れていることから、自作PC界隈でも大きな存在として沸かせています。
コア数スレッド数 | 8コア16スレッド |
ベースクロック | 3.8GHz |
ブーストクロック | 5.5GHz |
TDP | 65W |
Ryzen 7 9700Xは、「Zen 5」アークテクチャを採用しているマイクロプロセッサです。
ベースクロックは3.8GHz・ブーストクロック数は5.5GHzと向上します。
Ryzen 7XXXシリーズと比較するとTDP値が大きく下がって65Wです。
CPUソケットは従来のAM5のままであるため、値段がこなれてきたマザーボードで自作できるのもメリットの一つ。
コア数スレッド数 | 8コア16スレッド |
ベースクロック | 4.5GHz |
ブーストクロック | 5.4GHz |
TDP | 105W |
Ryzen 7 7700Xは、「Zen4」アークテクチャを採用しているマイクロプロセッサです。
ベースクロックは4.5GHz・ブーストクロック数は5.4GHzと向上します。
TDP値は旧モデルの105Wと同じ値を維持しつつ、高クロックで動くのが魅力です。
Ryzen 5XXXシリーズもまだまだ健在で、Ryzen 7 5800X/5700Xも動画編集者におススメのCPUです。
Ryzen 7 5800Xは、「Zen3」アークテクチャを採用しているマイクロプロセッサです。
コア数スレッド数 | 8コア16スレッド |
ベースクロック | 3.8GHz |
ブーストクロック | 4.7GHz |
TDP | 105W |
ベースクロックは3.6GHz・ブーストクロック数は4.7GHzと向上します。
また冷却条件が良好な状態では、Extended Frequency Range機能(XFR)により、自動的にブーストクロックを上回る動作も実現しています。
安定して高クロックで動作するのが、Ryzen 7 5800Xの特長といえるでしょう。
また旧モデルのRyzen 7-3800XTから待機時間がさらに短縮されるようになったのも魅力の一つです。
IntelのCoreシリーズ、そしてAMDのRyzenシリーズ。
CPU業界では、知名度の高さからIntelが圧倒的に普及されていますが、自作パソコンを構築するユーザーにはRyzenは高い人気を誇っています。
Intel Core i7-13700K とAMD Ryzen 7 7700Xを比較すると、シングルスレッド性能においてCore i7-13700Kが上回っています。
一方、Ryzen 7 9700XはCore i7-14700Kを上回るスコアを出しています。
クリエイティブ用途ではシングルスレッド性能が重視されるので、Ryzen 7シリーズの人気の高さの理由かもしれません。
またRyzen 7 7XXXシリーズからGPUを内蔵していますが、動画編集において内蔵GPUの支援だけでは不十分なのでグラフィックカードは必ず購入する必要があるでしょう。
Ryzen 9XXXシリーズの登場で、インテルCPUとのシェアをどの程度巻き返すのでしょうか。
Ryzen 7はZen3(5XXXシリーズ)が継続して人気で、Zen4(7XXXシリーズ)も値段が下がることが予想できます。
古い世代から在庫がなくなり次第販売終了になると思いますが、値段が高いインテル第14世代と比較すると、Ryzen 7のコストパフォーマンスは非常に高くなるでしょう。
ここではBTOパソコンショップが販売するRyzen 7搭載のデスクトップパソコンの中でもコスパに優れたバランスの良い製品を3台厳選して紹介します。
NEXTGEAR JG-A7G7S
CPU:Ryzen 7 5700X224800円(税込)
Lenovo Legion Tower 5 Gen 8 カスタマイズモデル
CPU:Ryzen 5 7600170390円(税込)
GALLERIA XA7R-R46T
CPU:AMD Ryzen 7 5700X179980円(税込)