動画編集を行う場合に、パソコン内部ではCPUが非常に高い熱を発生させます。
時には100℃以上もの高温にもなるので、冷却して熱を奪うという、パソコン内部の温度管理は必須です。
冷却には、水冷式・空冷式の2種類の方法があります
それぞれの特徴・両者の違い、そして動画編集には水冷式と空冷式どちらの方法が適しているのか解説します。
また、CPUクーラーの水冷・空冷それぞれのメリットデメリットについてBTOパソコンショップのマウスコンピューターにも相談しました。
(ご回答いただいた内容は許可を頂いて掲載しております。)
水冷ユニットにおけるBTOパソコンメーカー開発者側の貴重な意見を聞けたので共有します。
購入時の参考になるのでぜひ読んでみてください!
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2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
この動画の11分40秒以降で水冷ユニット搭載パソコンについて詳しく解説しましたので合わせて視聴してみてください。
水冷式のCPUクーラーは冷却水がチューブ内で循環することによってCPUの熱を冷やす方法です。
水が熱を奪ったあとはクーラーにより冷やされ、再び冷却するという仕組みです。
✅メリット :冷却効果が高く、空冷のようなファンの音がなく静か
✅デメリット:コストが掛かる。CPU以外は冷やせない
水冷方式のメリットは、何といっても空冷式よりもCPUに対する冷却効果が高いという点です。
水冷式は循環させた水を使うことにより静寂で、内部の温度変化にも影響されにくく冷却できるのが特長です。
水冷ユニットはCPUをしっかり冷却できる反面、CPU以外は冷却出来ないという側面があります。
私の知っている知識ではここまで..
さらに水冷ユニットについて詳しく知りたかったので、マウスコンピューターの品質管理者さんに質問し、ご回答いただきました。
水冷の場合は、熱くなったCPUを冷やすために液体を使用します
正確に言うと冷却材(クーラント)を封入したクーリングヘッドをCPUに取り付け、ホースを介してラジエーターとクーリングヘッド間でクーラントを循環させます。
もともと、気体より液体のほうが冷却効率が良いことに加え、熱の通り道が物理的に固定されます。
ラジエーターから直接ケース外に熱が排出されるため、より冷却効率が上がります。
また空冷のファンに比べてクーリングヘッドは体積が小さいので、ケース内の他のパーツに対するアクセスが向上するという利点があります。
✅ホースで冷却材を循環するため冷却効率が良い
✅空冷にくらべるとケース内がスッキリする
それに対して水冷ユニットのデメリットです。
クーリングヘッドとラジエーター内にクーラントを循環させるために、水冷ユニットにはポンプが組み込まれています。
また、ラジエーターに溜まった熱はラジエーターに組み込まれたファンで冷却します。
そのため空冷と比較して静音ではありますが、全くの無音というわけではありません。
また、ラジエーターから熱が適切に排出されないと、クーラントの温度が上がってしまいます。
CPU/GPUから熱を奪えなくなる結果、冷却性能が下がってしまうので、ラジエーター周辺に熱がたまらないようにPCの設置場所を工夫する必要があります。
それと、PCの中に液体を循環させるので、万が一ホースの破損等で液漏れした場合、PCが故障してしまうリスクがあります。
✅全く無音というわけではない
✅ラジエーターに熱がたまると冷却効率が落ちる
✅ホース破損のリスク
ということだそうです。
マウスコンピューターの水冷ユニットは、故障するまでの平均時間が5万時間とされています
マウスコンピューター製品の場合、一般的な使い方ならPCよりも先に水冷ユニットが壊れることはないみたいですね!
安心しましたよ。
マウスコンピューターの水冷ユニットは、メンテナンス不要です
ただし、ラジエーターにホコリ等が付着すると放熱効率を下げてしまうので、定期的にホコリを取るなどのクリーニングをしてあげるとよいとのことです。
空冷式は一般的に用いられていてる冷却方法です。グリスで密着したヒートシンクがCPUから放出された熱を奪い取ります。その熱は、ファンを回すことにより冷やされます。
✅メリット :低コスト・取り付けが簡単
✅デメリット:冷却効果は水冷式よりも低くなる
空冷ファンについても聞いてみましたよ
空冷の場合は、熱くなったCPUに空気を当てて冷やします
そのままではケースの中に温まった空気が溜まってしまうため、PCケースの中に適切な空気の通り道(エアフロー)を作って温まった空気を外に出してあげる必要があります。
CPUファンやケースファンを組み合わせてエアフローを作っていますが、発熱の大きなCPUを使用する場合はより風量を強くする必要があります。
ファンの回転数が上がるためファンの音も大きくなりがちです。
上の写真はマウスコンピューターのDAIV FXシリーズです。
水冷CPUクーラーを登載し、CPUの冷却は水冷ユニットが担っています。
パソコン庫内の冷却はグラフィックカードのファンを除く4つのケースファンが担い、発熱しやすい動画編集時も全体のパフォーマンスが落ちないような工夫が施されています。
※オプションでLEDケースファンを搭載できます
G-Tune DG-I5G60
CPU:インテル Core i5-14400F199800円(税込)
「経年劣化によってグリスが硬化した」「ホコリがたまっている」など、CPUの温度が上昇するには、さまざまな要因が絡んできます。
CPUの最適な温度は、およそ30℃~40℃です。この程度ならまだ問題はありません。
重たいソフトを使うと、さらに温度が上昇して50℃~60℃にもなります。
ここまでは大丈夫とも言えますが、70℃以上になるならば対策を施しましょう。
2通りの冷却方法を記載しましたが、この2つの違いは冷却力にあります。
最近のCPUは熱が上がりにくいという特性はあるものの、動画編集はCPUに大きな負荷が掛かりやすいです。
そのため、常に安定した性能を求めるのなら、水冷式のCPUクーラーのほうがお勧めです。
水冷式のCPUクーラーには、さまざまなタイプがあります。
水冷ユニット搭載のパソコンを買う場合は、ぜひ安心して使えるパソコンショップを選びましょう。
水冷ユニットとCPUファンの音の違いや冷却性能について以下の記事で検証してみましたので合わせて読んでみてください。
実はノートパソコンでも水冷式があります。
外付け水冷ユニットを使ってパソコン内部を冷却し、パフォーマンスを安定させることができます。
ウルトラハイエンドなCPUやグラフィックカードも、高温状態ではパフォーマンスが落ちるため、十分な冷却装置を備えたパソコンを選ばないとせっかくの性能を活かしきれません。
マウスコンピューターはBTOメーカーの中でも積極的に水冷ユニットを搭載し、長期の保証期間を設けてサポートしてくれます。
自分でCPUクーラーの交換ができない方は、購入後もしっかりサポートしてくれるパソコンメーカーから購入するのがおススメですよ。
映像制作会社で実際に使われているBTOパソコンショップを人気順に並べました。
BTOショップでは動画編集用パソコンのことを「クリエイターパソコン」と呼んでいます。
マウスコンピューターのクリエイターパソコン「DAIV」シリーズの中でもCore i7の上位モデルやCore i9クラスになると大半が水冷CPUファンを搭載しています。
マウスコンピューターはエンコード時のパフォーマンスを低下させないような構成で動画編集用パソコンを用意してくれるので安心して購入できますよ。
G-Tune DG-I7G7S
CPU:Core i7-14700Fシークレット価格 ⇒279800円(税込)
※当サイトはMouse様より特別に許可を頂いてシークレット価格のページを紹介しています
DAIV FX-I7G7S
CPU:インテル Core i7-14700F338800円(税込)
レノボではCore i9を中心に水冷クーラーを搭載したモデルを用意してくれています。
通販サイトでは水冷クーラー搭載モデルかどうかわかるようになっているので、ハイエンドCPU搭載PCを購入する場合は必ずチェックしておきましょう。
Legion Tower 7i Gen 8
CPU:Core i7-14700KF458700円(税込)
ドスパラのデスクトップパソコンは動作音がうるさくなりがちなクリエイターパソコンの静音性を向上させるために「静音パックまんぞくコース」を用意してくれています。
これは大型のヒートシンクを搭載したCPUファンを搭載してくれるサービスで、対象商品を選べばパソコンに負荷のかかりやすい動画編集でも安心して取り組めるでしょう。
GALLERIA ZA9C-R47
CPU:Core i9-14900KF342980円(税込)
※9月12日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい