
自宅で隙間時間を使ってできる動画編集の仕事は、副業としても人気です。
ニーズが高まっている分、稼げる可能性も高いでしょう。
一方で、余計なトラブルを防ぐため、忘れてはいけないのが税金に関する知識です。
副業として動画編集をする場合に知っておきたい、確定申告や節税対策に関する基礎知識を紹介します。

2023年 12月 監修者:ビデオ制作ディレクター / MDM合同会社 代表 水田吉紀
2012年 営業職から映像製作会社に転職し、アルバイト、正社員、フリーランスで映像製作の業務に携わる。
2020年 MDM合同会社を設立。ライブ配信業務を中心にビデオ撮影・動画編集の仕事を請け負っている。
動画編集を「仕事」にする場合、たとえ副業であったとしても、売上に応じた税金額を納める必要があります。
自分自身で確定申告をし、必要に応じて納税しなければならない点を、頭に入れておきましょう。
発生する可能性がある税金と、それぞれの計算方法は以下のとおりです。
副業の年間収入が20万円以上であれば、所得税がかかります。
動画編集で副業をする場合に、まず頭に入れておきたいのが所得税についてです。
所得税とは、それぞれの所得金額に応じて課せられる税金のこと。
動画編集の仕事を受注し報酬を受け取れば、その所得に応じて一定割合で税金が課せられるのです。
ただし1年間の副業収入が20万円以下であれば、所得税は課せられません。
サラリーマンとして仕事をしつつ、副業として動画編集を行っている場合、その所得は雑所得として扱われるのが一般的です。
本業で得た所得と合わせ、所得控除を差し引いて出た数字に一定の税率を掛け合わせ、そこから税額控除を引いて求められます。
課税所得金額が195万円以下であれば所得税率は5%(税額控除0円)ですが、330万円超695万円以下では税率20%(税額控除42万7,500円)が適用されます。
住民税は、副業収入にかかわらず課税される地方税です。
住民税はその地域に暮らす人が各種行政サービスを維持していくために支払う税金です。
都道府県税と市区町村税からなり、前年の1月1日時点での所得に基づいて課税されます。
住民税の場合、所得税のような「年間20万円までなら課税されない」といったルールは存在しません。
副業で収入を得た場合、その金額に応じた住民税が確実に課税されるという点を頭に入れておきましょう。
所得税が0円だからといって、油断は禁物です。確定申告の必要がない場合でも、市区町村への申告が必要となります。
住民税額は【所得割+均等割】にて導き出されます。
動画編集で得た収入を確定申告すると、本業で得た所得と合わせて計算されます。
所得控除を引いた金額の10%(県民税4%+市民税6%)が納付するべき住民税額です。
普通徴収もしくは特別徴収のいずれかの方法で納付しましょう。
動画編集者として副業する場合、もう一点覚えておきたいのが消費税についてです。
1,000万円を超える課税売上高がある場合に納付義務が生じます。
複数の副業を掛け持ちしている場合、すべての課税売上高を合算する必要があるという点も知っておきましょう。
課税売上高が1,000万円に満たない場合、納税義務は免除されています。
副業をスタートしてすぐの時期に、消費税の納税を求められるケースは極めて稀です。
一方で、今後の副業で無視できないのが、2023年10月からスタートするインボイス制度です。
インボイスとは適格請求書のことで、国税庁によると「売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるもの」であり、副業動画編集者も制度の対象となります。
参考情報:インボイス制度の概要|国税庁
依頼先企業によってはインボイスを発行するよう求められる可能性もあります。
現在は免税事業者として副業を行っている方も、インボイスを発行するためには課税事業者になる必要があります。
当然、消費税の納税義務が生じるという点も、理解しておいてください。
副業で動画編集の仕事をする場合、毎年2月から3月にかけて確定申告をする必要があります。初めての確定申告で悩まないための、基本的な知識を紹介します。
確定申告には、青色申告・白色申告という2つの種類があります。それぞれの違いを知った上で、自分に合った方法を選択しましょう。
副業で動画編集を行う場合、所得税の申告には青色申告と白色申告の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
青色申告は、事業者としての会計帳簿を正確に記帳・保存していることが条件となります。
青色申告を選択すると、所得控除額が高くなり、節税効果があります。
オンラインで青色申告を行うことができます。
・厳密な形での会計帳簿を求められる
・税制上の優遇措置がある
・事前に税務署への届け出が必要
白色申告は、会計帳簿の記帳・保存が必要ありません。
青色申告に比べて所得控除額が低いため、節税効果は少ないです。
・より簡易的な会計帳簿が認められている
・税制上の優遇措置はない
青色申告をした場合、青色申告特別控除を利用できます。
条件に応じて、10万円・55万円・65万円のいずれかの控除が適用されます。
税額を大きく減らす効果が期待できるでしょう。
青色申告をするためには事前に届け出る必要があるものの、赤字が出た場合でも3年繰り越して控除が受けられます。
自宅で作業している場合、家賃や電気代を経費計上できるというメリットもあります。
確定申告は、以下の手順で行います。
1. 確定申告の必要性を確かめる
2. 確定申告に必要な書類を集める
3. 確定申告書類を作成する
4. 地域を担当する税務署に申告書を提出する
5. 必要に応じて納税する
副業動画編集者の中で、確定申告をする必要があるのは「収入-経費>20万円」という条件を満たしている方です。
まずはこちらをチェックしてください。
確定申告の必要がある場合、本業の源泉徴収票や確定申告書など必要書類を収集します。
副業の所得が給与所得に当てはまるのか、それとも雑所得に当てはまるのかで申告書の作成方法が違ってきます。
副業動画編集者の確定申告は、会計ソフトや確定申告用アプリを活用するのがおすすめです。
確定申告期間に解説される各種相談窓口等も、ぜひ活用してみてください。
源泉徴収とは、給与や報酬の支払者が支払額の一部を徴収し、受取人に変わって納税する仕組みを言います。
源泉徴収が必要な収入や対象者はあらかじめ所得税法第204条第1項第5号において定められており、該当する場合に義務となるのです。
同法律によると、動画編集の仕事で源泉徴収が義務付けられているのは、ラジオやテレビに関連する動画のみ。
副業動画編集者の多くが手掛けるウェブ上の動画制作においては対象外とされています。
しかし実際には、報酬を受け取る段階で源泉徴収が行われているケースが多数です。
1年に一度の確定申告は、その過不足を申告するための機会です。
源泉徴収された金額が実際の納税額よりも少なかった場合、払い過ぎた分を取り戻せるでしょう。
副業として動画編集を行っている方の中には、「仕事そのものが忙しくて税金対策や申告手続きまで手が回らない…」と思う方もいるのではないでしょうか。
しかし、各種手続きを怠るのは危険です。2つのデメリットを解説します。
動画編集の副業で年間20万円以上の所得を得ていながら、確定申告を怠ると、延滞税を課せられる恐れがあります。
延滞税とは、納めなければならない税金を、納付期限までに納めなかった場合に課せられる税金のことです。
延滞税の負担額は、納付していない税金額や遅れている期間によって違ってきます。
最高税率は年14.6%と、決して低くはありません。税金の負担額を増やさないためにも、申告期限および納付期限は守るようにしましょう。
確定申告の必要があるにもかかわらず、手続きしないまま放置した場合、さまざまな罰則が生じる可能性も。
無申告加算税もその一つです。
確定申告をしなかった場合に課せられる税金で納税額によって税率が異なります。
50万円までなら納税額の15%、50万円を超える部分については納税額の20%が課税されます。
たとえ申告期限を過ぎていても、自主的に行動を起こせば無申告加算税の罰則を逃れられる可能性があります。
早めに手続きするようにしてください。
副業として動画編集を行う場合に多いのが、「もし会社にバレてしまったら…?」というお悩みです。
税金の確定申告がきっかけでバレてしまう可能性はあるのでしょうか。原因や対処法を解説します。
動画編集の副業は、比較的会社にバレにくいと言われています。
自宅内で隙間時間を使って作業できるため、情報が外に漏れにくいと言えるでしょう。
一方で、万全の準備を整えているはずが、会社にバレてしまうケースがあるのも事実です。
主な理由は、以下のとおりです。
・同僚からの指摘
・社内での作業
・住民税の増加
自身が動画に出演していたり、社内で作業していたりすれば、周囲を介して副業の噂が広がりかねません。
自分では内緒にしているつもりでも、意外と周囲は同僚の行動に注目しているものです。
また、確定申告をきっかけにバレてしまう理由は、住民税にあります。
副業での儲けを確定申告したことで住民税が大幅にアップすれば、会社が徴収する住民税額も変わってくるでしょう。
会社としては疑念を抱かざるを得ず、副業の可能性を指摘されるリスクがあります。
動画編集の副業がバレてしまったとき、どのような影響を及ぼすのかは会社によって異なります。
昨今は、会社が社員の副業を認め、後押しするケースも少なくありません。このような場合、特に問題はないでしょう。
一方で、社内規定により明確に副業が禁止されている場合、その内容に基づいた罰則や処分を受ける可能性も。
「副業をしていたから」という理由だけで会社を解雇されるケースは稀ですが、そのリスクもゼロではないという点を頭に入れておきましょう。
公務員は原則として副業を禁止されています。
これは国家公務員法や地方公務員法で定められたルールであり、動画編集の副業も法律に抵触する可能性が高いと思われます。
公務員の場合も、住民税をきっかけに副業がバレてしまうケースが多いようです。
また「公務員=副業禁止」というルールが一般にも広く知られているからこそ、周囲に隠し副業を続けていくのは難しいでしょう。
何らかの事情があり、副業の事実を会社に知られたくない場合、以下の予防法を実践してみてください。
・住民税は「自分で納付」を選ぶ
・自身につながる情報をネット上で発信しない
・副業している事実を会社で話さない
・家族名義で報酬を受け取る
確定申告をきっかけに副業がバレるリスクを低減するためには、申告時の書類作成が鍵となります。
住民税の納付方法は、「特別徴収」ではなく「自分で納付」を選択してください。
これにより、確定申告によって決定された住民税額を会社に知られることはありません。
住民税額を通じて、副業がバレるリスクを低減できます。
また動画出演やSNS上での本名での情報発信は避けた方が賢明です。
会社内での情報の取り扱いにも注意しましょう。
副業の報酬を受け取る口座を家族名義のものに指定すれば報酬の受取手は家族となります。
自身の副業には当たらなくなるため、有効活用してみてください。
さまざまな予防策を講じていたにもかかわらず、会社にバレてしまうこともあるでしょう。
このような場合には、社会的影響をできるだけ少なくするための対策が必須です。
具体的には、以下の行動を実践してみてください。
・謝罪の気持ちを伝える
・副業の実態を詳しく伝える
・独立を検討する
会社との関係性を悪化させたくないのであれば、謝罪が必要です。
副業禁止のルールを破ったことに対して、誠心誠意謝罪の言葉を伝えましょう。
その上で、副業の理由や本業に支障をきたさないという事実を伝え、理解を求めるのがおすすめです。
誠意を尽くして言葉にしても理解してもらえない場合、独立を検討するのも一つの手段です。
副業としてある程度の収入を得られているのであれば、本業にすることも検討してみてはいかがでしょうか。
動画編集の副業を行う際に、税金関連で悩む方は少なくありません。
税務署からの指摘や調査を防ぐためには、困ったポイントをひとつひとつしっかりと確認するのがおすすめです。
よくある質問を4つ紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
動画編集の副業で人気のYouTube。動画を配信すれば広告収入を得られる可能性があります。
YouTubeでの活動以外に収入がない場合、所得48万円以下であれば申告は不要です。
税金が発生することもありません。
YouTubeでの活動以外に、会社員やアルバイトとして収入を得ている場合、所得金額が20万円以下であれば申告不要です。
YouTubeで動画配信する場合、米国企業であるGoogleと契約し報酬を受け取ることになります。
アメリカに納税するために広告収入の24%が源泉徴収されますが、日本で活動するユーチューバーの場合、事前申請すれば免税規定により免除されます。
Google AdSenseより、税務情報を申告しましょう。
学生がアルバイトをしながら動画編集で収入を得ている場合、その金額に応じて確定申告が必要かどうか変わってきます。
具体的には、年間の所得が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。
実際に得られた広告収入から必要経費を引き、年間所得を導き出しましょう。
学生がアルバイト以外で収入を得る場合に、気をつけたいのが親の扶養についてです。
アルバイトで得た給与所得と動画編集の仕事で得た所得の合計が年間48万円を超えると、扶養から外されてしまいます。
動画編集の副業が軌道に乗ってきたら、法人化についても検討してみてください。
年間の収入が800~900万円程度にまで上昇したら、法人化を視野に入れて行動するのがおすすめです。
法人化には手間もかかりますが、所得税ではなく法人税が適用されるというメリットがあります。
年収800~900万円になると、法人化した方が税負担を軽減できる可能性があるでしょう。
タイミングに工夫すれば、消費税の納税を先延ばしできるというメリットもあります。
動画編集の仕事には、YouTubeの編集のほかにも企業PR動画の作成・編集やウェブ広告の動画制作など、さまざまな種類があります。
仕事を獲得する方法はさまざまですが、副業としてできるだけ早く軌道に乗せたいのであれば、以下の流れを参考にしてみてください。
1. 会社の規定で副業が許可されているか確認する
2. クラウドソーシングや副業サイトに登録する
3. 動画編集の仕事を探し応募する
4. クライアントからの正式依頼を受ける
動画編集の副業でトラブルを起こさないためには、就業規定の事前確認が必須です。
その結果をもとに、クラウドソーシングや副業サイトに登録し、自分に合った案件を探してみてください。
このほかにも、SNSや友人・知人を通して直接案件を獲得する方法もあります。
動画編集は、近年人気の副業案件です。
今後もニーズが高まっていくと予想されているため、早期参入を検討してみるのも良いでしょう。
副業に関するルールや税金・確定申告に関する基礎知識も身につけておけば、初めての副業でも安心して取り組めるのではないでしょうか。
今回の記事では、動画編集の副業で発生する税金や会社にバレたときの対処法まで幅広く解説しました。
動画編集の副業をスタートする際に、ぜひ参考にしてみてください。
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