
映像制作会社で働くといっても、会社によって仕事は全く異なります。
しかも多くの場合、映像制作会社に入る前に知ることができる情報はとても曖昧なものです。
入社して自分がどんな仕事ができるのか、うやむやのまま入社し、与えられた仕事をこなす日々が始まります。
なので、入ってから後悔しないように映像会社の仕事がどんなものか知っておいた方が良いと言えます。
まず、環境は大きく分けて二つあります。
・ひとつはお客さんのために映像を制作すること
・もうひとつは自社で利用する映像を制作すること
です。
映像制作会社で働きたいと思っている人の多くは、お客さん相手にクリエイティブな映像を制作する仕事だと想定していると思います。
この二つの違いはかなり大きく、全く異なる環境であるとも言えるでしょう。

2023年 12月 監修者:ビデオ制作ディレクター / MDM合同会社 代表 水田吉紀
2012年 営業職から映像製作会社に転職し、アルバイト、正社員、フリーランスで映像製作の業務に携わる。
2020年 MDM合同会社を設立。ライブ配信業務を中心にビデオ撮影・動画編集の仕事を請け負っている。

お客様相手に映像を制作する会社の仕事内容の例を挙げてみましょう。
プロモーションビデオを作る
展示会や式典、会議やセミナーなど様々なイベントを中継撮影・記録撮影し、編集して納品する
等があります。最近ではwebで公開する動画制作を求められることが多くなってきています。
ホームページで公開される動画は企業や個人のイメージアップを図る目的が強く、企画力やデザイン性が求められます。
お客さんからすると映像会社は高い技術力を持っていると思われていますので、その分お客さんの要求も多くなります。
映像のプロとして動画制作を任せられるので、お客さんの様々な要求に応えていかなければなりません。
社内で定期的に勉強会や研修会を開いて、撮影技術や映像編集ソフトの操作方法・編集技術を養っている映像制作会社もあります。
そのような環境に身を置けば、自然と企画力や撮影・編集の技術力を高めることができます。
お客さんの要求はとにかく曖昧で「こんな感じでお願いします」といつも漠然としています。
しかし、実際に納品すると「あーでもないこうでもない」と何度も修正のやり取りをすることもあります。
このあたりはディレクターの手腕にもよるのですが、何でもハイハイお客さんの言うことを聞いてくるディレクターだと大変です。
納期に間に合わせるためにスタッフが徹夜して仕事をしなくてはならなくなります。
そのような会社はきまって仕事を安請け合いし、利益を上げれずにスタッフには残業代も支払わないブラックな制作会社が多い傾向にあります。
会社の規模が大きいとそこまで酷くはないにしろ、勤務時間はやや長い傾向があり、繁忙期には業務が深夜に及ぶこともあります。

自社でとり行うイベントや自社商品の撮影、編集をする会社です。
テレビ局もどちらかと言うとこちらの部類に含まれるでしょう。
番組プロデューサーが持ち上げた企画から映像を制作したり、社内のイベントや社員研修用の映像を制作するといった仕事もあります。
大手の通販会社は番組やweb用プロモーション用の映像制作を内製化しているケースもありますので、この場合は映像会社というよりも大手企業の映像制作部門に入って仕事をするということになります。
会社の規模にもよりけりですが映像制作が終わってからも、その動画の利用状況や運用まで見ることができます。
どこまで自分が関われるかは会社の規模や体質によっても変わりますが、制作・放映後も視聴率や視聴者のリアクション、映像の反響結果を確認しつつ改善案を挙げて修正しながら一作品に深く取り組めます。
また、お客さんの無理難題を聞くといった煩わしさはなく、すべて社内の人間でやりとりを行うので作業効率も良く、比較的労働環境が整っているのが特長でしょう。
お客さん向けの映像制作会社と比べると、機材やパソコン環境、編集ソフトといった制作環境が今一つ整っていないことが多いです。
元々、外注せずに社内でやろうとしているわけですから、経費の節約意識が強いです。
クオリティの意識が高い制作チームや、映像制作に理解がある会社・上司に恵まれればそれなりに良い環境で仕事をできますが、よっぽどでない限り制作環境は整っていません。
効率・低コストが優先されますので、様々な経験ができると言うよりはむしろ同じ仕事に何年も従事するケースも多く、マンネリ化に陥りやすいです。
研修制度や勉強会も少なく、新しい技術の取り入れは独学で行うのが当たり前になるでしょう。

いかがですか?どちらの仕事をやってみたいと思いますか?
将来独立を目指して腕を磨きたい。フリーの動画クリエイターになりたい、映像制作会社を設立したいという人には前者の「お客さんのために動画を制作する映像会社」に入社するのが良いのではないでしょうか。
それよりも長く腰を据えて映像会社で仕事を続けていきたい。
技術的なことよりもむしろ、映像制作の企画や立案をしたい、番組制作の仕事に携わりたい。という人には後者の「自社で利用する映像を制作する会社」に入社するのが良いと思います。
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