OBSでコメント(チャット)表示する方法【YouTube】徹底解説
※2024年9月に更新しました。
ライブ配信者(ライバー・ライブストリーマーとも言う)の配信を見ていると、多くの場合で配信画面上にコメントを表示しています。
配信画面でコメントが流れると視聴者と一緒に盛り上がることができるので、自分もやってみたいという人も多いはずです。
一見すると難しいように感じるかもしれませんが、実はOBSのような配信ソフトを使ってライブ配信をすれば簡単に実装可能です。
そこでこの記事ではOBSとYouTubeのライブ配信で、コメントを画面に表示させる方法について詳しく解説していきます。
目次
ライブ配信でコメントを表示するメリット
視聴者のコメントや質問を取り上げることで登壇者や参加者は新たなテーマを得ることができます。
視聴者も自分が書き込んだコメントや質問を取り上げられると嬉しく、参加意識が高まります。
これによってライブ配信会場と視聴者の(心理的な)距離が縮まり、視聴者数や視聴維持率の増加を見込むことができます。
ビジネス向けのライブ配信でも今後コメント機能を活用してライブ配信を盛り上げようとする発信者や主催者が増えることはまず間違いありません。
また、ライブ配信者がコメントを使う2つめのメリットに「投げ銭機能」があります。
投げ銭機能は視聴者が配信者に配信の応援としてお金を配る機能です。
投げ銭してくれた視聴者のコメントをライブ配信者が積極的に読み上げることで、場が盛り上がって他の視聴者もつられて次々にお金を配るという現象が起きます。
中には1回のライブ配信で投げ銭を数百万円も稼ぐライブ配信者がいるのだとか。
ライブ配信で生計を立てるライブ配信者にとってはコメント機能は欠かせません。
また、投げ銭機能はチャンネル登録者やフォロワーになる必要があるので、配信者にとってはファン獲得にも高い効果を得ることができます。
このようにしてライブ配信のコメントと投げ銭の文化は強く浸透してきています。
ビジネス向けのライブ配信に投げ銭の仕組みを取り入れるかどうかは判断が分かれるところですが(汗)
ライブ配信の事業者はこのような背景も理解して、YouTubeやOBSのコメント表示機能を活用できるようになる必要があるでしょう。
コメント機能の主なメリット
✅ライブ配信の場が盛り上がり、一体感が生まれる
✅コメントで発信者はテーマを得ることができる
✅視聴者の参加意識(エンゲージメント)が向上する
✅投げ銭機能で収益化することも可能
✅視聴者数・視聴維持率・チャンネル登録者数(フォロワー数)の増加が見込める
1.YouTubeの設定 視聴者にコメントを表示する
ライブ配信でコメント機能を重視する場合、YouTube以外にも優れた配信プラットフォームがありますが、ここではビジネス用途で最も人気のあるYouTube Liveのコメント表示方法を解説します。
おすすめの方法を2つ紹介します。
まず最初に前提としてYouTubeの配信は必ず公開設定にしましょう。
非公開や限定公開の場合だとコメントを画面に表示できない場合があります。
手順は以下の通りです。
YouTubeにログインして、カメラのアイコンからライブ配信を開始をクリックします。
左側メニューでエンコーダ配信になっていることを確認します。
画面上部の編集ボタンをクリックすると、公開範囲が設定できますので公開を選びます。
次にカスタマイズを選び、チャットにチェックを入れます。
参加者モードではメッセージを送信できるユーザーを全員またはチャンネル登録者のどちらか選択できます。
またライブ配信を視聴中にチャンネル登録したユーザーが何分後にメッセージを送信できるようになるかも設定できます。
設定をした後は保存を押してください。
これで視聴者側にライブ配信のコメント欄が生成されます。
パソコン表示
YouTubeライブでコメントをオンにしていると、パソコン表示では配信画面の右隣にコメントの枠が表示されます。
その下の「メッセージを入力」で、視聴者はコメントを追加することができます。
収益化しているチャンネルのライブ配信はコメントと一緒にスーパーチャット(投げ銭)をすることも可能です。
Super Chat と Super Stickers の利用資格
チャンネルの要件
・チャンネルが収益化されている
・チャンネル所有者が 18 歳以上である
・チャンネル所有者の居住地が提供地域に含まれている
個々の動画の要件
Super Chat と Super Stickers は、次の種類の動画ではご利用いただけません。
・年齢制限あり
・限定公開
・非公開
・子ども向け
チャットをオフにしている場合も、Super Chat と Super Stickers をご利用いただけません。
スマホ表示
スマホ表示ではライブ配信を視聴すると画面の下側にコメント欄が最初から表示されます。
スマホのコメント欄は下にスワイプすることで非表示になり、コメントをタップすると再表示します。
配信者側がコメントオフにしている場合はチャンネル名の下に「コメントはオフになっています」と表示されます。
2.OBSでコメントを表示する
配信運営者は主にYouTubeの画面ではなく、スイッチャーのマルチモニターやOBSの画面を確認しているはずです。
高品質な(事業向けの)ライブ配信では演者とライブ配信運営者が分かれているので、配信運営者側がライブ配信中のコメントを確認できるように設定します。
ライブ配信に使うパソコンで実際に配信している動画を再生することでも確認できなくはないですが、1台のパソコンに負荷が集中してしまいます。
OBSを起動しているパソコンでYouTubeを再生するとハウリングを起こしてしまう恐れもあるので避けたほうが良いでしょう。
OBSにはコメントビューアという便利な機能があって、YouTubeのコメントだけを抜き取ることができます。
この方がパソコンや通信の負荷が少なく済むのでオススメです。
通常OBSを新規で起動した場合、上の画像のようなウィンドウがポップアップで表示しています。
もし、このウィンドウを閉じてしまっている場合はメニューバーの「ドック」から「チャット」をチェックすることで再表示できます。
OBSのチャットウィンドウはYouTubeのアカウント連携ができていれば、チャットが表示されるはずです。
チャットのウィンドウはポップアップ表示だと邪魔になるので、ドラッグ&ドロップでOBS画面上に埋め込んでおきましょう。
私はシーントランジションとコントロールの間にチャットを埋め込んでいます。
次にこのコメントを配信画面上に表示する方法です。
YouTube エンコーダ配信画面の右にあるチャットのウィンドウで、上位チャットと記載のある個所の右隣にあるメニューボタン(︙のマーク)をクリックし、「チャットをポップアウト」を選択します。
するとYouTube Studioの画面からチャットの枠が別ウィンドウで表示されます。
OBSを使ったことがある方はこの時点で分かるかもしれませんね。
この抜き取ったウィンドウをOBSのウィンドウキャプチャで配信画面上に表示する方法があります。
なお、この時点でチャットのウィンドウのURLをコピペしておきましょう。
OBSのソースから「ウィンドウキャプチャ」を追加し、ポップアップ表示にしたYouTube Studioのチャットウィンドウを選びます。
キャプチャ方法は「自動」、カーソルはキャプチャする必要がないのでチェックを外します。
そうするとOBS画面の上にウィンドウキャプチャが表示されます。
表示できていない場合はソースに並んでいる順番を確認します。
コメントを表示するウィンドウキャプチャが上の段にあることを確認します。
上の画像の例で説明すると、映像キャプチャデバイスの下にウィンドウキャプチャがあれば、チャットは映像キャプチャデバイスの下に潜っています。
ソースで上へドラッグすると順番を変更できます。
3.OBSのブラウザでコメントだけを画面に表示する
先ほどのやり方でチャットを表示すると、不要な情報まで表示されているのでカッコ悪いです。
できればコメントだけ表示したい。そんな場合は「ウィンドウキャプチャ」ではなく「ブラウザ」で表示します。
OBSのソースからブラウザを追加します。
新規作成して名前を適当に付けます。
ブラウザのプロパティウィンドウが開くので、URLの枠があるのを確認します。
先ほどコピーしたURLをこの欄に貼り付けます。
遡ると、YouTube Studioの画面で別ウィンドウ表示したチャットウィンドウのURLです。(上の画像の赤枠に記載)
これをブラウザのプロパティウィンドウのURL欄に貼り付けします。
するとウィンドウキャプチャと同じようにチャットの枠が画面上に表示されました。
表示できていない場合はOBSのソースの順番を確認してください。
コメント欄のデザインを変更する
次にコメント枠の背景を透明化します。
OBSのソースで追加できる「ブラウザ」はカスタムCSSを記入できます。
ここにCSSのコードを追加することで、コメント枠のデザインを変更することができます。
YouTubeのコメントのデザインを変更したい場合は、Chat v2.0 Style Generatorというサービスを使うといいでしょう。
関連情報:Chat v2.0 Style Generator
Chat v2.0 Style GeneratorはYouTubeのコメントの文字の変更や背景透過の設定をしたCSSを出力できます。
Chat v2.0 Style Generatorにアクセスして、文字のサイズや色を自由に設定してみましょう。
ページの末尾にCSSのダイヤログボックスがあり、設定したCSSが出力されます。
ここでは初期設定のCSSをコピーして使います。
デフォルトのCSSで背景透過になっているのも魅力です。
ブラウザのプロパティの下にカスタムCSSという項目があるので、Chat v2.0 Style GeneratorのCSSをコピペしてみましょう。
すると背景透過したコメントが画面に表示されます。
説明が長くなってしまいましたが、やり方はそんなに難しくないですよね!
文字のサイズもChat v2.0 Style Generatorで変更できるので、自分好みのチャットを画面に設置してみましょう。
番外編 Streamlabs(SLOBS)でコメントを画面表示する
YouTubeのコメントを画面に表示させるのにStreamlabsを使っている人も多いです。
StreamlabsはOBS同様に無料で利用できる配信用ソフトで、以前はStreamlabs OBSという名称でした。(略してSLOBSとも)
OBSが商標登録したのか分かりませんが、現在はStreamlabsとなっています。
StreamlabsはOBSと非常によく似た画面構成になっているので、OBSを使い慣れている方はすぐに使いこなせるようになると思います。
StreamlabsはYouTubeにも対応しており、オリジナルのオーバーレイが豊富で、デザインされたコメント枠を表示させる機能も備わっています。
またStreamlabsは有料プランを利用すれば、複数の配信プラットフォームへ同時にライブ配信ができる機能もあります。
Streamlabsのメリット
✅OBSにそっくりのUI。OBSよりも簡単
✅オーバーレイの種類が豊富 ゲーム配信向け
✅コメント枠のデザインがカッコイイ
✅有料プランで複数配信がカンタン
OBSは(2022年5月時点で)複数プラットフォーム配信を推奨していませんので、Streamlabsにはコメント表示以外の利点もあります。
ここではStreamlabsのデザインされたコメント枠を表示する手順を解説します。
Streamlabs Desktopをインストール・起動して、StreamlabsからYouTubeのアカウントにログインします。
OBSをインストールしている場合は、OBSのログイン情報をそのままStreamlabsに継承できます。
Streamlabsの設定画面にはコメントのウィンドウがあり、画面の右端の「< 」マークをクリックすることでコメントを表示できます。
ちょっと分かりにくいですが、OBSとは違って最初から画面に埋め込まれているので使いやすいです。
StreamlabsもOBSと同様にソースのパネルから「+」を押して、配信したい映像や音声などを追加できるようになっています。
Streamlabsでコメント枠は「チャットボックス」になります。
「ソースを追加」の画面ではEssencial Source(不可欠なソース)、General Source(一般的なソース)、ウィジットの3つのカテゴリーがあり、チャットボックスはウィジットに含まれています。
チャットボックスを追加し、ソース上でダブルクリックするとチャットボックスの設定画面が開きます。
画面の左側にはチャットボックスのプレビュー画面、右側にはチャットボックスの設定項目があります。
ビジュアル設定の項目で「Theme」を選ぶと、様々なデザインのチャットボックスを利用できます。
ThemeのデザインはOBSよりも高品質になっているので、カスタマイズの必要はないかもしれませんね。
StreamlabsのチャットボックスにもOBS同様に、デザインの自由度を高めるカスタムCSSの記載欄があります。
デフォルトのチャットボックスを自分好みのデザインに変更可能です。
StreamlabsのチャットボックスはYouTubeにログインしていれば、画面に追加したチャットボックスにもYouTubeライブのコメント欄が表示されます。
OBSのブラウザのようにURLをコピペするような手間もないので簡単です。
Streamlabsは細かな機能がOBSよりも簡単に設定できるので、困ったときは配信ソフトをOBSからStreamlabsに変更するのもアリでしょう。
OBSでコメント(チャット)表示する方法【YouTube】徹底解説 まとめ
以上がYouTubeのコメント表示とOBSによるコメントの画面上表示方法です。
YouTubeのコメントを配信画面に表示する方法はOBSのブラウザで実施するのが一番簡単です。
Chat v2.0 Style Generatorで自分好みのCSSを保存し、OBSのブラウザのプロパティにコピペすることで簡単に背景透過のコメントを表示できます。
Streamlabsに興味のある方はOBSのやり方とほとんど同じなのでぜひ挑戦してみてください。