
OBSの音声ノイズを解消するための方法まとめ
※2024年12月に更新しました。
ゲームやライブの配信に使うパソコンソフトの中で今急速に人気が高まっているのがOBSです。
無料でありながらサウンドの調整機能が豊富なので、お金をかけずに高音質なライブ配信・動画制作が可能です。
ただし多機能ゆえに初心者には少し難しく感じることもあり、その中でも音声ノイズを除去する機能が分かりにくいという声をよく聞きます。
そこでこのエントリーではOBSによるライブ配信でノイズが気になる場合の対処法についてまとめました。
目次
オススメ記事:OBSのライブ配信でおすすめのパソコンスペックを解説
ノイズが発生する原因
OBSで発生しやすい音声ノイズには、主に6つの種類があります。
音質や原因も合わせて紹介しましょう。
★ハムノイズ
ブーンという音、交流電流が原因
★ポップノイズ
ボッという音、マイクに息が吹きかかることが原因
★ヒスノイズ
サーという音、接続されている機器の不具合などが原因
ホワイトノイズのような音で雑音全般を指し示す
★クリックノイズ
バチっ、ブチっという音、録音した時に含まれる雑音
★クラックルノイズ
パチパチという音、録音時の雑音
★クリップノイズ(音割れ)
バリバリという音、入力時の音量が大きすぎると起こりやすい
ノイズの名称を憶える必要はありませんが、ノイズごとに対処法が異なるので注意が必要です。
その他、ノイズの質に関わらず発生しやすくなる要因は、主に以下の4つが考えられます。
OBSの音声ノイズの原因
✅マイクの感度が低い
✅パソコンへの接続不良
✅近くにノイズ源がある
✅パソコンのスペック不足
以下、ノイズが発生する要素について、さらに掘り下げてみましょう。
感度の小さいマイクを使うとノイズが出やすい?

様々なマイク
ノイズが気になるときにまずチェックしたいのが、使用するマイクの感度です。
感度の悪いマイクではパソコンに入力される音量も低いです。
しかしその一方で、マイクを接続している限りノイズも集音しています。
そのため出力音量を上げると、それに比例してノイズの音量まで高くなってしまいます。
今持っているマイクの感度が使っているパソコンのスペックやオーディオインターフェースに合っているかを確認しましょう。

オーディオインターフェースを使ったライブ配信
オーディオインターフェースの多くは入力した音声を直接聞くダイレクトモニター機能を持っています。
またパソコンに直接マイク入力した音もヘッドホンで聞けるはずです。
この時点で音が小さい、ノイズがあって聞き取りにくい場合はOBSで処理するよりはマイクを交換するほうが効果が高いです。
直接つなぐのはNG?
マイクにはパソコンに3.5mmのピンジャックで接続するものとUSBケーブルで接続するものがあります。
また3.5mmのピンジャックをUSBに変換するケーブルもあります。
どちらも手軽な接続方法で、少ない出費でパソコンに音声を入力できますが、デメリットがないわけではありません。
ピンジャックやUSBで接続するとパソコン内部の電流と入力された音源が干渉し合います。
この働きがノイズの原因となりやすいのです。

オーディオインターフェース YAMAHA AG03
クリアな音質を求める場合はオーディオインターフェース経由でマイクを接続しましょう。
多くの場合、音の品質はオーディオインターフェースでかなり改善するはずです。
またオーディオインターフェースの機能を備えたマイクや、ノイズ除去機能を持ったマイクUSB変換ケーブルもあるので、なるべく出費を抑えたい場合は利用を検討してみましょう。
合わせてオススメ:【目的別】ライブ配信用のオーディオインターフェース9選
ノイズの発生源が近くにないか?
ノイズが発生するのはマイクだけでなく、周辺環境にも原因が潜んでいます。
以下のものはノイズの元になりやすいので注意しましょう。
・エアコンの風
・冷蔵庫など大型家電製品
・パソコンのCPUファンの騒音
パソコンのスペックが足りない?
パソコンのCPUが古いものだったり、実装メモリが低いものもまた、音声出力の不具合を起こしやすくなります。
感度の高いマイクを使っていても、パソコンの処理速度が追いつかないとスムーズな音声出力ができない場合もあります。
ノイズ除去の対処法
ノイズが発生する原因は様々ありますが、OBSにはノイズを抑える機能が備わっています。
それらの設定手順を以下で解説します。
OBSの「ノイズ抑制」を活用する
「ノイズゲート」を併用する
手順をしっかり覚えれば特別な機械が必要なくてすむこともあります。
諦めずに試してみましょう。
OBSの設定「ノイズ抑制」
OBSで設定できるノイズ抑制には2つの方式があり、以下の手順で変更できます。

音声ミキサーの歯車アイコンをクリック「フィルタ」を選択
1.音声ミキサーの歯車をクリックし、フィルタを選択する

音声フィルタの画面で「ノイズ抑制」を追加
2.左下+マークより、ノイズ抑制を追加する
3.2種類の方式のうち、いずれか適切な方を選んで設定する
Speex

Speex方式で抑制レベルを調節する
従来のノイズ抑制方式。
雑音が気になる時はゲージを左へ移動して抑制レベルの数値を小さくしていきます。
RNNoise
新しく加わったノイズ抑制方式。
AIが自動判定してノイズ除去するため、Speexよりも高い音質の出力を可能としています。
CPU使用率は従来式のSpeexより少し多いです。
理想(初期値)はRNNoiseですが、配信用パソコンのCPU性能に合わせて適切な方を選択してみましょう。
OBSのノイズゲートを活用する
OBSには「ノイズゲート」という非常に便利なノイズ除去機能があります。
これは設定したレベル以下の音を入力しないという機能で、常時発生しているパソコンの駆動音(CPUクーラーのファンの音)やエアコンの音を除去するのに便利です。
やり方は簡単で以下のように行います。

マイクの「フィルタ」⇒「ノイズゲート」を選択
1.ノイズゲートを追加し保存する
2.閉鎖閾値、開放閾値のバーを動かして調整する。
なお2つの閾値(しきいち)は共に反対の意味を持つので、以下のようにまとめて覚えておくと便利です。
★閉鎖閾値
マイクからの出力を止める音量の最小値
★開放閾値
マイクからの出力を始める音量の最大値
クリアーに会話が聞き取れるためには、以下のような設定値がおすすめです。
★閉鎖閾値=開放閾値‐5または‐6
たとえば、開放閾値が-26dbの場合、閉鎖閾値は-31または‐32dbとなります。
通常は既定値でも問題ありません。
ノイズ抑制を使い、さらにノイズゲートを追加して使うのが良いです。
クチャ音や唾を飲み込む音も低減できるので、気になる方はおススメです。
環境作り
パソコンやマイクだけでなく、録音環境を整えることも大切です。
★エアコンの風下は避ける
★音の出る家電製品から離れる
★パソコン操作をできるだけ少なくする
他にも、配信する場所で雑音が入りそうなところがないかもチェックしてみましょう。
パソコンを買い替える
OBSで動画を配信するためには、動画と音声データの処理を同時に行っているため、パソコンにはかなり負荷がかかっています。
そのため、プロのゲーム配信者は配信用のパソコンのスペックにもこだわっています。
OBSに精通した人たちの間では最低限求められているスペックは以下の通りです。
★CPUはCore i5以上
★メモリは16GB以上
もし手持ちのパソコンがデスクトップタイプのBTOパソコンや自作パソコンであれば、配信仕様にアップグレードすることも簡単なはずです。
関連情報:OBSのライブ配信でおすすめのパソコンスペックを解説
ノイズ除去におすすめのアイテム
設定変更や環境整備だけで、ある程度のノイズはカットすることが可能です。
しかしより音質を追及したければ、外部接続の機材にもこだわりを持つと、さらなる向上が期待できます。
そのためのおすすめ機材にはどのような特徴があるかをまとめました。
おすすめマイクの選び方
OBS配信で使われるマイクには、主に以下の2種類があります。
★ダイナミックマイク
★コンデンサーマイク
ダイナミックマイクとは、カラオケボックスで見かけるような手持ちタイプのものです。
一方コンデンサーマイクとはラジオのDJや歌手のレコーディングなど高音質が要求されるシーンで見かける、置き型のタイプです。
感度が高く、指向性が強いマイクを選ぶことで多少マイクから離れた位置でもクリアな音声を収録できるのが特長です。
ノイズを出にくくするための口からの適切な距離は、ダイナミックマイクが指3本分なのに対しコンデンサーマイクでは10cmくらいと範囲が大きいです。

感度の良いマイクで口との距離を離すとクチャ音を防げます
つまりコンデンサーマイクの方がマイク表面への息の吹きかけが少なくなり、ノイズが発生しにくくなります。
音楽ライブではもはや必須のコンデンサーマイクですが、最近ではゲーム配信動画も質の高いものが多いためコンデンサーマイクが利用されている傾向があるのでしょう。
ノイズ除去ソフト
パソコンにインストールして音声ノイズを消すための専用ソフトを使ってみるとより手軽です。
有料のものだけでなく、無料のものでも十分な機能を持っています。
ただし無料ソフトの場合は、本当に使いたい機能を追加すると有料になってしまう場合があるので注意しましょう。
まとめ
OBSで配信中にノイズが気になる時は、マイクの感度と接続の仕方、周辺の音環境を見直してみましょう。
そしてOBSのノイズ抑制機能を活用し、ノイズキャンセリングが働く基準となる閾値を調整すると改善に期待が持てます。
さらに今使っている音響機器についても、配信したい内容に適したものを活用するとよりクリアな音質を実現できるはずです。
合わせてオススメ:ライブ配信用のオーディオインターフェースの選び方