OBSの配信が切断と再接続を繰り返すときの解決手順を解説します
※2024年12月に更新しました。
OBSで配信をしていると出るエラーの1つに、配信中に切断と再接続を繰り返すといったものがあります。
こうしたエラーは配信に付きものだと言えるのですが、どういう原因で起こってしまうのでしょうか。
多くはOBSでの設定が適切ではないことにありますが、他にも幾つかの原因があるのです。
そこで配信が切断と再接続を繰り返す時の原因や、対処方法について詳しく調べてみます。
目次
設定が間違っていることがある
まず一つ目がビットレートの設定間違いです。
パソコンのスペックが十分であれば、画質を高めるためにビットレートを上げることができます。
ところが配信サイト(配信プラットフォーム)によってビットレートの上限が決まっており、それを上回った設定をしてしまうことで起こりえます。
例えばツイキャスだと標準画質の配信で800kbps程度、超高画質配信だと6000kbpsまでという制限があります。
各配信サイトのビットレートの推奨値
この上限を超えた設定で配信をスタートさせると、自動的に切断されてしまうことがあります。
OBSでは切断した場合に再接続をするように設定できるため、この設定をしていると切断と再接続を繰り返すことになります。
ではこのケースの対処法を確認しましょう。
ここでは先に例を挙げたツイキャスでの具体的な方法を解説します。
先ずはツイキャスにログインして、配信するからツール・ゲームズ配信をクリックしてください。
次にツールとの連携を選択すると、新しい画面が開きます。
ここで画面の一番下にある画質の部分を見ましょう。
標準と超高画質の2つがあり、どちらに設定されているのか見てください。
ここでの選択が標準であるのに超高画質設定のビットレートをOBSで設定していると、配信が切断と再接続を繰り返すことになります。
ツイキャスのゲーム配信おすすめ設定
高画質なゲーム設定
エンコーダ:NVENC または x264
出力解像度:1920×1080
レート制御:CBR
ビットレート:5800kbps
配信モード:超高画質動きが激しいゲームにおすすめの設定
エンコーダ:NVENC または x264
出力解像度:1280×720
レート制御:CBR
ビットレート:5800kbps
配信モード:超高画質ツイキャスの雑談配信おすすめ設定
高画質な雑談配信におすすめの設定
エンコーダ:x264
出力解像度:1920×1080 または 1280×720
レート制御:CRF
CRF:23
配信モード:超高画質通常の雑談配信におすすめの設定
エンコーダ:NVENC または x264
出力解像度:854×480
レート制御:CBR
ビットレート:800kbps
配信モード:通常
ライブ配信のプラットフォームにはそれぞれ独自の規定があるので、OBSの配信設定では必ず規定の範囲内での設定が必要です。
仮にツイキャスで超高画質で配信したいのなら、ツールとの連携設定で「超高画質」を選びます。
すると画面上部にあるサーバー(RTMP URL)のURLが少し変わるのが分かるはずです。
これをコピーしましょう。
その後にOBSを起動させて設定から「配信」を選び
サービス:カスタマイズ
サーバー:ツイキャスのサーバー(RTMP URL)
ストリームキー:ツイキャスのストリームキー
をコピペします。
次にOBSでビットレートの設定についても確認します。
今回は例として高画質なゲーム設定にします。
設定から出力を選択し、出力モードを詳細にしましょう。
OBSの出力でビットレートやレート制御、キーフレーム間隔やプリセットを推奨値にします。
ビットレートは5000Kbpsにしましょう。
次に出力(スケーリング)解像度を1920×1080に、FPS共通値を60に変更します。
次に音声タブから、音声ビットレートについても設定します。
音声ビットレートはデフォルトの160のままで問題ありません。
この時に音声と映像のビットレートを足した値がツイキャスの推奨値を下回っていることです。
設定が終わったらOKを押して配信してみましょう。
自動再接続をオフにしておこう
配信プラットフォームの推奨設定でも切断と再接続を繰り返す場合、OBSの自動再接続をオフにしておくのが一番簡単な方法です。
OBSのホーム画面から設定、詳細設定へと進んでください。
画面の中頃に自動的に再接続という欄があるので、有効にするという項目のチェックを外します。
最後にOKをクリックして終了です。
この設定で、切断と再接続を繰り返すことがなくなります。
OBSの自動で再接続する機能は優れた機能ですが、切断と再接続を繰り返すエラーが解決できない場合は思いきって無効にしましょう。
また、もう1つ自動再接続の設定を行なう画面にて注意しておくことがあります。
自動的に再接続という項目の下にネットワークという項目があるのですが、ここでネットワークの最適化を有効にするにチェックが入っているか確認しましょう。
チェックが入っていると切断が改善される可能性がありますので、チェックを入れておきましょう。
インターネット回線の速度が問題になる場合もある
配信を行なっていて切断と再接続が繰り返す理由としては、インターネット回線の速度が原因であるとも考えられます。
およその目安になるのですが、上りで10Mbps~30Mbpsほどの速さがあれば問題ありません。
切断と再接続が繰り返すのなら、インターネットの通信速度を計測してください。
ネット回線の速度がそれ以下であるのなら、対処法は2つあります。
ネット環境を見直す
1つはインターネット回線やプロバイダーを見直すことです。
無線通信よりも固定回線の方が安定した配信ができますので、WiFiルーターを使っている場合は固定回線に変更をお勧めします。
アップロードの速度が重要なライブ配信では、上り下り両方の通信速度が安定している光回線の導入は必須だとも言えるでしょう。
また、光回線をすでに利用しているにもかかわらず、ライブ配信の通信環境が改善しない場合はプロバイダーの設定を変更すると解決するかもしれません。
光回線がIPV6に対応しているにも関わらず、プロバイダーがIPV6非対応、またはIPV4設定のままであれば通信速度が十分に発揮できていない可能性があります。
その場合はプロバイダーにIPV6への変更を申込み、利用しているルーターの設定を変更することで解決できます。
IPV6非対応のプロバイダーであれば、対応するプロバイダーに変更することで通信速度が速くなることもあります。
また、市販の安価なハブやルーターが原因で通信速度を妨げていることもあります。
スループット値が高いハブやルーターに交換するか、光回線の終端装置から直接LANケーブルで接続してライブ配信が安定するか確認してみてください。
古いLANケーブルを使っている場合も新しいものに交換してみましょう。(CAT7以上がおすすめ)
解像度とビットレートを下げる
もう1つはOBSの設定で、ビットレートを下げることです。
上段で解説した映像ビットレートを下げると、画質は低くなりますがデータ量が少なくなります。
またビットレートと同様に出力解像度も下げておきましょう。
こちらはOBSの設定から映像へと進み、出力(スケーリング)解像度という項目で変更可能です。
解像度とビットレートはセットで考えます。
詳しくは以下の記事で解説しましたので、合わせて読んでみてください。
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パソコン本体のスペックが低い
パソコン本体のスペックが低いと、配信が不安定になります。
特にゲーム配信をする場合は60fpsの高フレームレート設定にするのでパソコンに負荷がかかることもあり、ゲーム実況配信は高いスペックのパソコンが必要です。
低スペックなパソコンだと配信ができないわけではありませんが、画質やフレームレートの設定を妥協せねばならなくなります。
スペック不足のパソコンなら画質や音質が多少低くても問題ない雑談配信を中心にするといいかもしれません。
CPUについてはミドルエンドモデル(第11世代Core i5以上)、グラフィックボードはミドルレンジからハイエンドモデル(RTX2×××シリーズ以上推奨)を狙うと良いです。
BTOのゲーミングパソコンやクリエイターパソコンを選べば、低コストでライブ配信に十分なスペックのパソコンを手に入れることができるはずです。
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OBSの配信が切断と再接続を繰り返すときの解決手順 まとめ
OBSの配信で切断と再接続を繰り返すときの、解決方法を紹介してみました。
配信をしていると予期しない切断が出ることがあります。
その原因は様々なものがあるのですが、最も多いのがビットレートの設定間違いです。
例えばツイキャスだと標準画質と超高画質の2つがあり、標準画質の設定なのに超高画質のビットレートだというケースがあります。
この場合はツイキャス側で超高画質に設定し、OBS側の設定も最大6000kbpsを超えないようにしてください。