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オーディオインターフェースの+48Vはどんな時に使うの?

※2023年4月に更新しました。

ライブ配信ではオーディオインターフェースを活用することで高品質な音声配信が実現できます。

オーディオインターフェースは音声編集や音楽編集のプロの方々にとって必要不可欠な音響機材ですが、使い慣れていない方にとってはボタンやスイッチの用途がさっぱり分からないかもしれません。

中でもオーディオインターフェースの「+48V」のスイッチについては、誤った使い方をすると音声が適正に入力できないばかりか、マイクやオーディオインターフェースの故障の原因になることもあるので、この記事で詳しく解説します。

オーディオインターフェースの「+48V」の意味

TASCAM US-2×2HRの「+48V」切替スイッチ

オーディオインターフェースに用意されている「+48V」と表示があるオンオフのスイッチは別名「ファンタム電源」のスイッチです。

今回の記事で例にしているTASCAMのオーディオインターフェースUS-2×2HRには左下の角にスイッチがあります。

コンデンサーマイクなどのファンタム電源を必要とする機器を使用するときは、このスイッチをオンにします。
全てのXLR(キャノン)マイク入力端子のファンタム電源がオンになります。

※ファンタム電源が不要なときは、必ずこのスイッチをオフにしてください。

※ファンタム電源をオンにする場合は、ファンタム電源を必要とする機器以外の機器がマイク入力端子に
接続されていないことを確認してください。外部機器の故障の原因になります。
ただし、バランス型ダイナミックマイクは接続されていても問題ありません。

【MGシリーズ共通】「PHANTOM +48V」というスイッチは何ですか?

ファンタムは「おばけ」の意味で、微弱な電流を表現しているそうです。

このスイッチをオンにするとオーディオインターフェースから48Vの電流をマイクに送ることになります。

オーディオインターフェースは様々なマイクプラグを接続できるようになっているため、このような機能をよく理解してつかえばプロ用マイクで高品質な音声を入力できるようになります。

一方で48Vの電流を必要としないマイクに対して、ファンタム電源のスイッチをオンにして使うとマイクが故障してしまうため注意が必要です。

オーディオインターフェースで使えるマイクとは?

では一体どんなマイクを使えばよいのでしょうか?
そしてファンタム電源が必要なマイクとはどのようなマイクでしょうか。

市販のマイクには以下のような種類があります。

ダイナミックマイク 一般的なマイク ファンタム電源をOFFで使う
コンデンサーマイク 業務用マイクが多い。場合によってはファンタム電源をONで使う
ピンジャックマイク(プラグインパワー) 一眼カメラやコンデジの外付けマイクが多く、オーディオインターフェースに取り付けできない
ワイヤレスマイク 業務用~民生用まで種類が豊富。ファンタム電源OFFで接続する

一つ一つ説明します。

ダイナミックマイクはOFFにする

TASCAM US-2×2HRにダイナミックマイクを接続

ダイナミックマイクは音の発生で生じた揺れで微弱な電気を発生させて使えるマイクで、カラオケボックスやセミナー会場に設置されているマイクの多くはダイナミックマイクです。

電源を必要とせず、安価で壊れにくいという特徴があります。

オーディオインターフェース TASCAM US-2×2HRに接続できるプラグ 左:XLR(オス)プラグ 右:フォーン(オーディオ)プラグ

オーディオインターフェースへ入力する場合、先端がXLR(オス)プラグやオーディオプラグの端子になっているものを選びます。

ダイナミックマイクはオーディオインターフェースのファンタム電源スイッチを必ずOFFにして使います。

コンデンサーマイクは+48Vを使う

コンデンサーマイク ゼンハイザー MKE600

コンデンサーマイクは主に業務用途で使われているマイクで、ナレーション収録やロケ撮影で利用されています。

音声を拡声するために利用されることの多いダイナミックマイクに対して、音声の録音が主な用途になっているのがコンデンサーマイクです。

コンデンサーマイクはダイナミックマイクに比べると感度が高いため離れた位置でも高品質な音声を収録できます。

指向性が強いタイプやローカットフィルターといった機能を備えているものまであります。

値段はダイナミックマイクに比べると高価です。

ピンジャックマイクはカメラ向け

ピンジャックマイクは主にカメラの外部マイク用

ピンジャックマイクは多くの場合オーディオインターフェースに取り付けることができないのでここでは簡単に解説します。

3.5mmジャックと呼ばれる端子で接続するマイクで、接続先の機器(カメラやパソコン)が3.5mm(または2.5mm)ピンジャックマイクに対応していれば使用できます。

主に一眼カメラのマイクジャックに挿して使用する外付けマイクがこのタイプです。

2V~5V程度の電流しか必要としないので、このようなマイクに48Vのファンタム電源を供給すると故障の原因になります。

以下の記事で詳しく解説してくれているので合わせて読んで見てください。

誤解が多いマイクの種類と用途について考える|PRONEWS

ワイヤレスマイクもファンタム電源はOFFで

TASCAM US-2×2HRにワイヤレスマイクを接続

セミナーやインタビューの撮影でよく利用される業務用のワイヤレスマイクもオーディオインターフェースに入力できます。

ワイヤレスマイクは受信機・送信機に電池を入れて使うため、オーディオインターフェースに入力する場合はファンタム電源を必ずオフにして使います。

ファンタム電源かどうかの判断はどうすればよい?

オーディオインターフェースに入力するマイクを用意する場合はまずダイナミックマイクかコンデンサーマイクか分かった上で購入する必要があります。

電池ボックスがあるコンデンサーマイク ゼンハイザー MKE600

もし譲ってもらったマイクや、ダイナミックマイクなのかコンデンサーマイクなのか分からないマイクを使う場合は、マイクに電池を入れる電池ボックスがあるかどうかで判断できます。

電池駆動のマイクは多くの場合コンデンサーマイクやファンタム電源を必要としないマイクです。

また一点注意したいのは、電池を入れて使えるコンデンサーマイクの電源をオンにした状態でオーディオインターフェースに接続する場合、オーディオインターフェース側のファンタム電源はOFFで使うほうが良いです。

高価なコンデンサーマイクは電池駆動でも使用でき、電池駆動の状態でファンタム電源を供給した場合は自動的に電圧を下げる仕組みになっているようです。

しかしファンタム電源を供給できるオーディオインターフェースでコンデンサーマイクを使う時はそもそも電池が不要となるので、マイクには電池を入れずに使うのが正しい使い方と言えます。

マイクを抜くときの注意点

最後にオーディオインターフェースからマイクを外すときの注意点です。

TASCAM US-2×2HRはゲインのツマミを左端まで回すとボリューム0になる。

オーディオインターフェースの端子からマイクのジャックを抜く際は、必ずボリュームを0にしてから抜きます。

またコンデンサーマイクを外す場合、ボリューム(ゲイン)を0にしてから+48Vのスイッチを必ずオフにしてプラグを抜きます。

またマイクケーブルにはしばらく電流が流れているため、「30秒以上経過してから抜いたほうが良い」と勤めていた映像制作会社の先輩から聞いたことがあります。

機器によって違いがあるものの、少し時間をおいてから抜いたほうが良いと思います。

オーディオインターフェースの+48Vはどんな時に使うの? まとめ

以上となります。

ダイナミックマイクは2,000~3,000円程の予算で、コンデンサーマイクは上を見るとキリがありませんがプロ向けなら3万円前後がおススメです。

有名ブランド品でなくても十分高品質な音声になるので、個人で利用する場合は手軽に購入できるものから試してみてください。

マイクはサウンドハウスで購入するのが安価なのでオススメです。

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