
OBSの録画機能を徹底解説 mkvとmp4の違いなど検証します
※2024年12月に更新しました。
OBSは優れた配信ソフトですが、他方で設定できる項目が多すぎるという人もいます。
設定できる項目が多いほど細かいカスタマイズができますが、その分初心者にとってはハードルが高くなってしまうのかもしれませんね。
OBSはライブ配信だけでなく録画機能も備わっており、「ライブ配信+同時録画」または「録画のみ」で使うことができます。
録画設定も細かく出来るので、ここではOBSを使って録画をする際の設定手順や、「mkvとmp4のどちらが良いのか?」といった初心者の方が躓きやすいポイントについても詳しく解説いたします。
目次
録画フォーマットの設定
まず最初にOBSにおける録画の基本設定について見ておきます。
事前にこの設定をいじっておくことで、パソコンの好きな場所に都合の良い形式で録画データ(動画ファイル)を作ることが可能です。
手順としては次のようになります。

OBS設定→出力→出力モード→詳細
OBSの設定から出力のタブをクリックします。
次に画面上部にある出力モードを確認します。
初期設定では「基本」になっていますが、「詳細」を選びましょう。

出力モード「詳細」→録画タブ→録画フォーマット
出力モードの下に録画というタブがあるので、クリックして開きます。
録画タブの中に録画フォーマットという項目があるので、そちらを確認してください。
初期の設定ではmkvとなっているはずです。
ここをクリックするとmkv以外にもmp4やflv、mov、ts、m3u8を選択することができます。
OBSを使って録画をしたい場合、この録画フォーマットの選択が重要です。

録画フォーマットにmp4を選んだ時の警告
警告:(例えばブルースクリーン、電力損失の結果として)ファイルをファイナライズ出来ない場合はMP4/MOVに保存された録画は回復不可能となります。複数の音声トラックを録画する場合はMKVの利用を検討して録画の終了後にMP4/MOVに再多重化してください。(ファイル→録画の再多重化)
mkvからmp4に変更した際には上記の警告が表示されます。
こんな警告文を見るとmkvのままにしておきたくなりますよね。
mkvとmp4はどちらが良いか?
mkvはロシアで開発されたコンテナフォーマット「Matroska」で、ファイルの拡張子が.mkvとなります。
mkvとmp4はどちらが画質が良いかというのではなく、互換性や利便性で考えるほうが良いです。
先ほどの警告が気になって、OBS録画中にOBSを終了してみるとmkv・mp4ともに録画データは残っていました。
どちらもWindows Media Playerで再生可能です。
通常のOBS終了だとファイナライズは実行されるようですね。
念のためタスクマネージャーで録画中にOBSを強制終了もしてみました。
mp4ファイルは生成されますが、再生しようとすると「ファイルが壊れている可能性があります」と表示されます。
一方のmkvについてはタスクマネージャーの強制終了でも録画データは無事再生できる状態で生成されています。
パソコンの電源が途中で落ちたり、OBSの不具合があるとファイナライズができないようです。
このため失敗ができない業務でのライブ配信で、万が一のことを考えるとmkvで記録したほうが良いという考え方もあります。
ただmkvはPremiere Proなどの編集ソフトで読み込むことができず、気軽な録画ならmp4を選んだほうが便利です。
いずれにせよ録画前には必ず設定を変更してください。
間違えてしまった場合は変換ソフトで後から変換することはできますが、手間が増えるので必ずチェックしましょう。
OBS録画はMP4がおすすめ
OBSを使った録画ではmkvとmp4の2つのフォーマットのどちらの方が良いのかと悩む方は多いでしょう。
結論からお伝えしますと、初心者の方はmp4がおすすめになります。
その理由はシンプルにmkv形式だと、読み込めない動画編集ソフトなどがあるからです。
他にもtwitterなどSNSに動画を投稿したくても、mkvには対応していないのでmp4に変換しなくてはいけません。
mkvでの不自由がないのなら良いのですが、mp4の方がより多くのソフトウェアが対応しているので変換などの必要がないのが理由です。
OBSで誤ってmkvで記録した場合のmp4変換手順
前段でも軽く触れましたが、録画フォーマットのことを知らずに記録してしまった場合には、どのようにすればいいのでしょうか。
実はOBSでmkvからmp4への変換ができます。

ファイル→録画の再多重化
OBSのメニューから「ファイル」を選び「録画の最多重化」をクリックしましょう。

録画の再多重化ウィンドウ
するとウインドウが開きますので、OBS録画とある部分で変換したいmkvファイルを選択してください。
その後画面右下にある最多重化をクリックすると、mp4形式のファイルが生成されます。

mkvとmp4のファイルサイズ比較
生成されたファイルを確認してみると、元ファイルのmkvはそのまま残った状態で新たにmp4のデータが生成されます。
mkv・mp4のデータ容量を確認するとサイズはほとんど変わっておらず、画質も劣化しているようには見えません。
ちなみにmp4からmkvへの変換はできないので注意してください。
OBSの画質設定について
ではOBSで録画する映像の画質を高品質にするのはどこを設定すれば良いのでしょうか。
OBSの録画は
・同時にライブ配信をするかどうか
・運用するパソコンの性能
・ビデオカード搭載の有無
によって設定を考える必要がありますが、十分な性能を持ったパソコンであることを前提にすると、最高で4K解像度の録画が実行できます。
また高品質なビデオカードを搭載したパソコンならライブ配信と同時録画でも高画質を選べます。
ライブ配信と同時録画は以下のページでも解説しているので合わせてご覧ください。

もしライブ配信を高品質で提供したいのであればOBSがお勧めです。この記事ではOBSで高画質配信・高画質録画を目指す方のための解像度・ビットレート設定や録画のコツ、業務でOBSを使う時に注意したい点と使いこなしたい関連機材について詳しくまとめました。...

映像→出力(スケーリング)解像度・FPS
OBSの録画(配信)解像度は設定の映像から出力(スケーリング)解像度を選び、FPS(フレームレート)も選択します。
フレームレートの値も高いほどパソコンに負荷をかけるので、映像の性質と運用するパソコンでじっくり検討します。

出力→録画タブ→レート制御・ビットレート
次に重要なのが「レート制御」と「ビットレート」です。
OBS録画の画質は、解像度はもちろんビットレートの設定も大きく影響します。
レート制御は配信と同時の場合CBRにします。
ビットレートは解像度によって適切な範囲が異なります。
ウェブで取り扱う動画のデータであれば、YouTubeの解像度別推奨ビットレートを参考にしてみましょう。
SDR動画の場合
解像度 | 映像ビットレート(24p・25p・30p) | 映像ビットレート(48p・50p・60p) |
2160p(4K) | 35~45Mbps | 53~68Mbps |
1440p(2K) | 16Mbps | 24Mbps |
1080p(フルHD) | 8Mbps | 12Mbps |
720p(HD) | 5Mbps | 7.5Mbps |
※参考:アップロードするのにおすすめのエンコード設定|YouTubeヘルプ
例えばフルHD解像度では60fpsで12Mbpsを推奨値としています。
フルHDなら12Mbpsで十分でしょう。
OBSのビットレート設定単位はKbpsなので12000Kbpsを上限にして設定しましょう。
ビットレートは低すぎると画質の悪さが顕著になりますが、数値をどこまでも上げるほど画質が良くなるというものでもありません。
以下の画像はOBSのフルHD(1920×1080)設定で3種類のビットレートで録画したデータから切り出した画像です。
6000Kbpsのビットレートがよく見ると文字が潰れがちで、12000Kbpsと24000Kbpsのほうが明瞭です。
ですが12000Kbpsと24000Kbpsを比べても違いがあまり分かりません。
動画で見る感じ、ビットレート6000Kbpsでも十分な解像度がありますよ。
OBSの録画設定 mkvとmp4の違いなど検証 まとめ
OBSの録画設定やファイルのフォーマット、mkvとmp4の違いについてまとめます。

ファイル→録画の再多重化
OBSの出力設定では出力モードを「基本」の状態でも録画をすることは可能です。
ただし、ビットレートを設定することができず、録画品質は大雑把にしか選べません。
ビットレートを指定して録画したい場合は出力モードに「詳細」を選択しましょう。
録画ファイルのフォーマットはデフォルトはmkvになっていますが、mkvよりもmp4の方が使い勝手が良いでしょう。
設定から録画ファイルのフォーマット変更をすることでmp4形式で保存されるようになります。
間違えてmkvで録画してしまった場合は、OBSで最多重化を行なうことでmp4ファイルに変換できるので安心してください。