
【実機レビュー】Loupedeck Live Sの長所・短所&使い方を実例で解説
この記事にはプロモーションが含まれています。
※2023年9月に更新しました。
クリエイターに人気の高いLoupedeckの最新モデル「Loupedeck Live S」をご提供いただきレビューします。
Loupedeck Live Sは左手でコントロールするクリエイティブツールで、ボタンやダイアルに様々な機能を割り当てて呼び出すことができます。
初心者でも扱いやすい設計となっていて、機械操作に不慣れな方でもすぐに使いこなせるようになっていますよ。
ここでは、Loupedeck Live Sのメリット・デメリット、機能の特長や使い方、購入前に知っておきたい注意点を詳しく解説します。
Loupedeck Live Sの購入を検討している方はぜひ読んで見てくださいね!
目次
Loupedeck Live S ってどんなツール?
Loupedeckは、動画編集・RAW現像、音楽制作において、アプリをスピーディに操作することができるマルチファンクションコントローラです。
パソコンにインストールしているアプリ・ソフトウェアと合わせて使うことで編集作業の効率化や快適性を高めることができます。

Loupedeckシリーズ 画像引用元:Loupedeck Live S|CAMPFIRE
Loupedeckは2016年頃に初期モデルがリリースし、その後毎年のように新モデルが登場しています。
当初はAdobe Lightroom の専用デバイスとして設計されていましたが、モデル更新ごとにAdobe以外のRAW現像ソフトやPremiere Proのような動画編集ソフトにも対応するようになってきています。
2020年に登場したLoupedeck LiveではOBS StudioやStreamlabsのようなライブ配信ソフトにも対応して、ライブ配信者ならぜひ一度使ってみたい機材の一つとなっています。
今回レビューする「Loupedeck Live S」は2022年2月から発売開始した製品で、Loupedeck Liveの後継モデルです。
参考情報:ストリーミングやPC作業の効率性を高める「Loupedeck Live S」が、2月1日より一般発売を順次スタート|PRTIMES
Loupedeck Live Sと前モデルの比較
Loupedeck Live S | Loupedeck Live(前モデル) |
![]() |
![]() |
タッチスクリーンx15, ダイヤルx2, 物理ボタンx4 | タッチスクリーンx12, ダイヤルx6, 物理ボタンx8 |
主な対応アプリ:Adobe編集用アプリ・ライブ配信ソフト(OBS.etc),Google Chrome,Excelなど | |
販売価格:26,900円 | 販売価格:37,900円 |
Loupedeck Live Sは前モデル同様、WindowsとMacのどちらでも使うことができ、対応しているアプリも同じになっています。
Loupedeck Live Sと前モデルのLoupedeck Liveの違いは物理ボタンとダイヤルの個数の違いで、Loupedeck Live Sはよりシンプルで軽量コンパクト。
そして価格が抑えられ、手に入れやすくなっているのが特長でしょう。
Loupedeck Live Sを使ってみた感想
左手操作のクリエイター用デバイスはLoupedeckの初期モデルが発売されて以降、他社メーカーの製品も販売されています。
ちなみに私はこれまでにLoupedeck Live Sと同じような汎用のデバイス1台のほかに、ある動画編集ソフト専用のデバイスを運用しています。
そのため左手用デバイス経験者としての感想や意見となりますので、他社製品(ここであえて紹介しませんが)と比べたLoupedeck Live Sのメリット・デメリットを指摘できると思います。
まず、先に言いたいのはLoupedeck Live Sは初心者向けによく考えて設計されているということです。
クリエイター用デバイスを使ったことがない方でもすぐに使いこなしやすい製品だと思います。
パソコンにLoupedeck専用のソフトウェアをインストールすることで、タッチスクリーンに標準的な機能が登録されています。
一から機能を登録する必要がなく、外部デバイス(Loupedeck Live S)で操作したほうがよい機能の見本がすでに提示されているような感じです。

Loupedeck Live SのPremiere Pro操作画面
もちろん登録の変更も可能ですが、そのまま使っても確実に作業効率アップが見込めるでしょう。
また、各アプリケーションに切り替えると、そのアプリ専用のプロファイルがLoupedeck Live Sに表示されるので、自分で切り替える必要がありません。
タッチスクリーンに表示されるアイコンは一度アプリを使ったことがあるなら一目で「あの機能だな」と分かるようになっているのも優れている点でしょう。
ちなみに私の場合Loupedeck Live SとPremiere Proの併用が相性が良く、作業効率を大幅に改善できています。
動画編集ではショートカットキーを使いこなすことが重要で、覚えてしまえば作業効率が高まります。
しかし複数の動画編集ソフトを使っている場合は、しばらく使っていないものからショートカットキーはどんどん忘れてしまいがちです。
特に2つ以上のキーを使うショートカットキーは一度覚えても忘れやすいので、Loupedeck Live Sのようなデバイスに登録してつかうほうがむしろ効率が良いでしょう。
Loupedeck Live Sを使うことで長らく使っていなかった編集ソフトでも、常にスムーズかつ迅速に編集作業を進めることができるはずです。
Loupedeck Live Sを使ってみて分かった長所と短所
Loupedeck Live Sの長所
先にも伝えましたが、Loupedeck Live Sの長所はまず作業の効率性や作業性を大きく向上させることが挙げられます。
自由自在にボタンやダイアルに機能を登録することができるため、クリエイターがよく使う機能にアクセスしやすくなり作業時間を短縮することができます。
また、複数のアクションも組み合わせることができるため、より専門的な作業をスピーディに実行することができます。(マクロ操作 解説はこちら)
マウス操作が減り、長時間の作業でも疲れにくく集中して作業を進めることができます。
Loupedeck Live Sの短所
私がLoupedeck Live Sを使ってみて感じた短所を上げてみます。
まず、Loupedeck Live Sは初めて使用する際にはだれでもある程度の学習コストがかかります。
中でもLoupedeck Live Sは日本語の簡単な説明書があるにはあるのですが、ソフトウェアそれぞれのカスタマイズまで細かく解説していません。
そのため、クリエイター自身が手探りで触りつつ習熟していく必要があるのです。
Loupedeck Live Sのコントローラの操作方法|Loupedeck公式
特に使い慣れたソフトウェアでLoupedeck Live Sを用いた操作へ切り替えようとすると、かなりの煩わしさを感じると思います。
そのような場合は一部の機能だけLoupedeckで使うことになるかもしれませんが、あまりに使用頻度が少ないと結果的にLoupedeck Live Sを使わなくなるる恐れもあります。
さらに、現在Loupedeck Live Sが対応していないソフトウェアもあるでしょうから、自分がよく使うソフトウェアが対応していない場合には、Loupedeck Live Sを使うメリットが薄くなってしまう可能性があります。
一方で、これからAdobeのソフトウェアを使っていこうという場合、最初からLoupedeck Live Sの操作ありきで使用を始めると、作業効率がかなり向上するでしょう。
ショートカットを覚える手間も大幅に省けますし、最終的な作業スピードはLoupedeck Live Sを用いたほうが早くなるはずです。
Loupedeck Live Sの製品仕様と使い方
Loupedeck Live Sの付属品

Loupedeck Live Sの同梱品 USBケーブル(Type-A to Type-C)と専用スタンド
Loupedeck Live Sの同梱品はシンプルで、Loupedeck Live S本体と専用のスタンド、USBケーブルとなっています。
電源はUSBから供給されるので、電池も不要である点も特徴の一つでしょう。

Loupedeck Live S 本体(購入時のフィルムが付いた状態)
本体のサイズは15 × 8.5cmで厚さは3cm(ダイヤルを含む)です。
15(3×5)個のタッチスクリーンが並び、横側に2つのダイヤルと4つのボタンが並んでいます。
スマートフォンとよく似た形状で、基本的には横向きで運用します。

Loupedeck Live S専用のスタンドは取り外し可能
付属のスタンドを取り付けるとデスク上で本体パネルが確認しやすくなります。
スタンドを取り付けた状態で、質量は約179g。持ち運びやすさは抜群です。
Loupedeck Live Sの初期設定と使い方

Loupedeck専用のソフトウェア
Loupedeck Live Sを使うにはパソコンに専用のアプリケーションをインストールする必要があります。
関連情報:Loupedeckソフトウェア|Loupedeck公式

Loupedeckソフトウェアのメニュー画面
Loupedeckソフトウェアではタッチスクリーンや物理ボタン、ダイヤルに割り当てる機能を設定することができます。

Loupedeck本体のデフォルト設定
起動するとデフォルトで割り当てられている機能があります。
タッチスクリーンに割り当てられているのは主にアプリの起動になっており、押すとOBSや各種SNS、YouTubeが起動します。
また、本体左側に備わっているダイヤルを回すと音量のボリューム調整(上のダイヤル)と、パネルのバックライトLEDの光量調節(下のダイヤル)ができます。

Loupedeck Live SのLightroom Classic CC起動時のタッチスクリーン
Loupedeck Live Sを接続した状態でPCのLightroom Classic CCを起動するとタッチスクリーンの画面が切り替わり、レーティングなどが実行できるようになります。(詳しくはこちらで解説)
LoupedeckではAdobeのアプリごとにプリセットの操作画面が用意されています。
Loupedeck Live SをPremire Proで試してみる

Premiere Pro起動時のLoupedeck Live Sの初期操作画面
それでは具体的にLoupedeck Live Sに機能を割り当てる方法をAdobeのアプリを例に紹介します。
ここで紹介する設定方法は私がLoupedeck Live Sで作業効率を上げるために行いましたので、ぜひ参考にしてみてください。
まずLoupedeck Live Sをパソコンに接続した状態でPremiere Proを起動すると上の画像のような画面構成になっています。
このように機能を割り当てているデータのことをLoupedeckでは「プロファイル」と呼んでいます。
プロファイルはアプリごとに設定されます。
そしてPremiere Proのプロファイルで、タッチスクリーン上に用意されている「Editing」、「Color」、「Audio」は「ワークスペース」と呼ばれているもので、パソコンのフォルダと同じようなものと考えてください。
それぞれをタッチすると画面構成が以下のように進みます。
「Editing」のタッチスクリーンにはPremiere Proでカット編集(動画データをタイムラインに並べて不要な部分を取り除く)をする時によく使う機能が割り当てられております。
「Color」はカラー編集、「Audio」はオーディオ編集の定番機能が並んでいます。
そしてさらにタッチスクリーンの空いている部分にも機能を割り当てることもできます。

Loupedeck Live Sのページ追加
タッチスクリーンは最大14ページ追加することができるので、200以上の機能を割り当てることができます。
まあ1~2ページあれば十分でしょう。大量に登録してもページをめくるのがむしろ大変です。
そしてページの名前も変更可能です。(本体には表示されません)

Loupedeck ソフトウェアで機能を割り当てる
Loupedeck ソフトウェアの使い方はまず①でLoupedeckの種類を選びます。
Loupedeckの他のモデルをパソコンに接続していなければLoupedeck Live Sが必然的に選ばれているのでスルーします。
②はプロファイルを設定したいアプリを選びます。
ここではPremiere Proを選びます。
③はワークスペースを選びます。
Premiere Proは「Editing」、「Color」、「Audio」のワークスペースがあらかじめ作成されているので、どれか一つ選びましょう。
もちろんワークスペースも新規作成可能ですよ。
ちなみにLoupedeck ソフトウェアで機能を割り当てただけではPremiere ProでLoupedeck Live Sを使うことはできません。

Premiere Proの環境設定⇒コントロールサーフェス
Premiere Proの環境設定で「コントロールサーフィスの追加」からLoupedeckを選び「OK」に進みます。
これで無事Premiere ProでLoupedeck Live Sを使うことができるようになります。
それではLoupedeck ソフトウェアで、Premiere Proのよく使う機能をどんどんプロファイルへ追加していきましょう。

Premiere Proのワークスペースの番号
Premiere Proには編集用途に合わせたワークスペース(画面構成)が用意されています。
(※Loupedeckのワークスペース(フォルダ)と意味が異なるのでご注意ください)
例えばカット編集は「初期設定」または「編集」のワークスペースが使いやすくなっています。
また、エフェクトの追加は「エフェクト」のワークスペースが。カラーグレーディングは「カラー」のワークスペースで画面構成が最適化されます。
私は「編集」「エフェクト」「カラー」のワークスペースを随時切り替えながら動画編集を進めていきますが、これに常々煩わしさを感じていました。

ワークスペースを検索。ボタンに割り当てる
そこでLoupedeck Live S本体の右側にならぶ3つの物理ボタンにそれぞれPremiere Proのワークスペースを割り当てることにしました。
右上のボタンに「ワークスペース1(初期設定)」、右中央のボタンに「ワークスペース5(エフェクト)」、右下のボタンに「ワークスペース7(カラー)」を割り当てます。
これでLoupedeck Live Sの物理ボタンを押すことでPremiere Proのワークスペースをスピーディに変更できるようになりました。

Loupedeck Live Sのダイヤルに機能を割り当てる
そして、Loupedeck ソフトウェアで回転矢印のアイコンが付いた機能はLoupedeck Live Sのダイヤルに割り当てることができます。
例えば左上のダイヤルの回転矢印のアイコンの方へ「1フレーム次/前へ移動」をドラッグ&ドロップすることで機能を割り当てることができます。
また、ダイヤル押しにも機能を割り当てることができます。

Loupedeck Live Sの「Editing」のダイヤル設定
ちなみにLoupedeck ソフトウェアで各ワークスペース(Loupedeckのフォルダ)ごとにダイヤルを設定することもできます。
上の画像は「Editing」のダイヤルの標準設定です。
上のダイヤルの回転には「ズーム」、押しで「ズームをリセット」となっており、下のダイヤルの回転にはタイムライン上で「1フレーム次/前へ移動」が割り当てられています。
そして下のダイヤル押しに「編集点を追加」があり、ダイヤルを押すとタイムライン上でクリップがカット(トリミング)されます。
この組み合わせは最高で、変更する余地はありませんでした。

Loupedeck Live Sの「Color」のダイヤル設定
Loupedeck Live Sの「Color」のダイヤル初期設定では「露光量」や「コントラスト」の調節が割り当てられています。
Premiere ProでLoupedeck Live Sを使う場合は、カスタマイズしなくても作業効率がアップできるように、十分練られたプロファイルがセッティングされているのが分かります。
これでPremiere Proのタイムライン操作はダイヤルをグリグリ回すことで実現でき、マウスカーソルを使うよりも簡単+正確に操作することができるようになります。
Premiere ProでLoupedeck Live Sを使うコツは、普段Premiere Proでよく使う機能や、ストレスを感じている操作を積極的に割り当てるようにすると快適になる傾向があります。
使用頻度が少ないものはこれまで通りマウス操作で実行すれば良いでしょう。
Loupedeck Live SをLightroom Classic CCで使ってみる
ここではLoupedeck Live SでLightroom Classic CCを操作してみます。
ちなみにLoupedeckはLightroom Classic CCに対応していますが、データをクラウド上で管理するLightroom CCには対応していません。
クラウドサービスのLightroom にはSDKが用意されておらず、キーボードショートカットでいくつかの機能をサポートしているのみなため、現段階ではアプリケーションとネイティブ対応することができません。
Lightroom CCを起動すると、Loupedeck Live SではLightroom Classic CC起動時と同じ画面が表示されますが、操作はできないようになっています。
結論から先に言うと、Loupedeckの初期モデルがLightroom Classic CCのコントロールサーフェスとして設計されてきただけあって、Lightroom Classic CCの操作性は抜群に向上します。

Lightroom Classic CCのプラグインマネージャー
Premiere Proと違い、環境設定を変更する必要もなく接続しただけですぐに使えます。
Lightroom Classic CCのメニューにある「ファイル」から「プラグインマネージャー」を選択すると、Lightroom プラグインマネージャーが開きます。
するとLoupedeck2のステータスがすでに有効になっているのが分かります。

Lightroom Classic CC ライブラリ画面時のLoupedeck プロファイル
Loupedeckソフトウェアを起動し、Loupedeck Live Sの初期設定を見てみましょう。
上の写真の赤枠を見るとLoupedeck Live Sの2つのダイヤルに登録されている機能が分かるはずです。
また、ダイヤル下のボタン(上の写真の青枠)にはLightroom Classic CCのライブラリ表示と現像モジュールの切替ができます。
そして右下のボタンを押すと次の写真に進みます。(右中央ボタンで戻る)
Lightroom Classic CCで大量の写真を1枚ずつ確認するのはLoupedeck Live Sのボタンで操作する方が断然速いです。
プロの写真家さんはひとまずLightroom Classic CCのライブラリに取り込んだ写真を選別し、その後に現像作業(色補正・切り抜きなどの編集作業)に進めると思いますが、Loupedeck Live Sがあれば写真選別と現像作業をスピーディに切り替えながら作業できるでしょう。
例えば、写真スタジオではフォトグラファーとお客さんが一緒にパソコン画面を見て写真の選別を行うことがありますが、Loupedeck Live Sをお客さんに操作してもらって一緒に選別を行うと楽しんでもらえるかもしれませんね。

Lightroom Classic CC 現像画面時のLoupedeck プロファイル
上の写真はLightroom Classic CC の現像モジュールに切り替えたときのLoupedeck プロファイルです。
下のダイヤルの機能やタッチスクリーンが切り替わりました。
Lightroom Classic CCでもワークスペースごとに異なるプロファイルを設定することができます。
個人的な感想ですが、Loupedeck Live Sに登録されているLightroom Classic CCのプロファイルは標準設定のままで十分だと思います。
特に感心したのがLoupedeckの「切り抜き」の設定です。(上の写真の黄色枠)
タッチスクリーンで「切り抜き」を押してみましょう。

Loupedeck Live Sの切り抜き画面
するとLoupedeck Live Sの画面が切り替わり、クロップの縦横比の変更や角度変更(90度)が登録されています。
Lightroom Classic CCで大量の写真を現像しているときに面倒になるクロップ作業ですが、Loupedeck Live Sで非常に簡単に行うことができるようになります。
これはイイ。

ワークスペースで「Crop Overlay」を選ぶと切り抜きの画面をカスタマイズできる
「切り抜き」の画面でタッチスクリーンの空いている箇所に機能を割り当てるには、Loupedeckソフトウェアで「ツール用ワークスペース」の「Crop Overlay」を選ぶことで切り抜きの画面をカスタマイズできるようになります。

惜しくもLoupedeck Live Sに追加できない Lightroom Classic CCの自動角度補正
一点残念なのは、私もよく使うLightroom Classic CCの自動角度調整がLoupedeck Live Sに割り当てることができないことです。
よく探したのですが見つかりませんでした。(知っている方教えてください)
建物の写真を大量に現像するときに非常に便利な機能なので、とても残念です。

Lightroom Classic CCの現像モジュールのショートカット表
上の写真はLightroom Classic CCの現像モジュールのショートカット表です。(現像モジュール時 Ctrl + / で表示可能)
自動角度調整はショートカットもないのでLoupedeck Live Sにも割り当てられませんでした。
ショートカットキーさえあればLoupedeck Live Sに割り当てることができますよ。
Loupedeck Live SをOBS Studioで試してみる
では次にLoupedeck Live SでOBSを使ってみましょう。
標準設定でタッチスクリーンに登録されているOBSのアイコンを押すとOBSが起動します。
機能登録のやり方はAdobeのアプリと同じですが、やはりLoupedeck公式の説明書では不十分なので、ここで詳しく解説しますね。
参考情報:OBS Studio とLoupedeck Live / Live S / CT の設定方法|Loupedeck公式

Loupedeck Live SのOBS Studioプラグイン
Loupedeck Live Sとパソコンを接続し、OBSを起動すると上の写真のような画面になっています。
青枠のアクションパネルにOBSの機能が並んでいます。
登録したい機能を左のLoupedeck Live Sのタッチスクリーンや2つのダイヤルにドラッグ&ドロップします。

OBS Studio 起動中のダイヤル標準設定 右上ボタンでStreaming Centerの画面に切り替わる
Loupedeck Live Sの標準設定では左上ダイヤルに音量レベルの調節が登録され、ダイヤルを押すとミュートの切替ができます。
右上の物理ボタンにはStreaming Center(ワークスペース)が割り当てられており、このボタンを押すとプロファイルが変わります。

Streaming Center(ワークスペース)のプロファイル
上の写真がStreaming Center(ワークスペース)のプロファイルです。
ダイヤルに登録されている機能は変更されず、タッチスクリーンにはいくつかの機能が標準で登録されています。
ここではLoupedeck Live Sを疑似配信スイッチャーとして使う手順を解説しましょう。

OBSでシーンを作成する
まずOBS Studioの左下のシーン作成パネルで4つのシーンを新規作成します。
それぞれのシーンに異なるソースを設定し、映像のバリエーションを作ります。
2つの映像を合成(ピクチャーインピクチャーで入力)したようなシーンを作成するのも良いでしょう。

Loupedeck Live Sにシーン1~4を割り当ててみる
そして上の写真の①の部分の、空いている箇所ににシーン1~シーン4を登録します。
これ以外は標準設定のままでOKです。
②は「Studio Mode Toggle」(スタジオモードのオン/オフ)が登録されており、③には「Studio Mode Transition」(スタジオモードでの映像切り替え操作)ができます。

Loupedeck Live Sとスタジオモードを使った疑似スイッチャー設定
②でOBSをスタジオモードにしてから、①を押すとシーンがプレビューモニターに表示されます。
次に③を押すとプログラムモニター(配信映像)にプレビューで表示していたシーンが映ります。
(③はスタジオモードの「トランジション」機能になります)
ライブ配信スイッチャーを使わなくても、OBSとLoupedeck Live Sで複数の映像を切り替えるリッチなライブ配信が実現できます。

OBS ⇒ 設定 ⇒ ホットキー
更に応用で、シーンの切り替わりにフェードトランジションを追加してみましょう。
OBSには「トランジション操作(フェード)」のショートカットキーがありませんので、まずはホットキーでトランジション操作を追加します。
OBSの「設定」で「ホットキー」のタブを選択し、「クイックトランジション:フェード(300ms)」にFキーを登録します。

Loupedeckにショートカットを設定する
次にLoupedeckソフトウェアで空いている箇所にショートカットを設定します。
メニュー(…)からショートカットを選びます。

ショートカット設定画面
すると上の写真のような画面が開くので、表示名にフェードと入力し、ショートカットにFを入力します。
アイコンも変更できます。アイコンをクリックします。

Loupedeckソフトウェアのアイコン編集画面
するとアイコン編集画面が開きます。
上の画像の赤枠をクリックするとLoupedeckソフトウェアにプリインストールされたアイコンパックが開きます。

Loupedeckソフトウェアのアイコンパック
アイコンパックから好みのアイコンを選んでOKへ進みます。

アイコン編集画面でアイコンに文字を入力する
アイコン編集画面に戻ります。
アイコンに文字を入力したい場合は「アイコンをデフォルトにリセット」をクリックして、「Icon Text」に分かりやすい表示名を入力します。
そして保存します。

カスタムアクションが登録された状態
Loupedeckソフトウェアの作業はこれで完了です。
「保存されたカスタムアクション」に「フェード」が登録され、Loupedeck Live Sにフェードを追加できました。

Loupedeck Live Sのタッチスクリーンにフェードトランジションを登録できた
Loupedeck Live S本体にもフェードが追加され、これをタッチするとスタジオモードでフェードトランジションを使えるようになりますよ。

Streaming Centerの④には「Recording Toggle」がある
またLoupedeck Live SのStreaming Center(ワークスペース)の画面の④には「Recording Toggle」(録画のオンオフ)が標準設定されております。
配信している動画を録画したい場合はこれでできますよ。
また、アクションパネルには音声入力キャプチャがあり、Loupedeck Live Sのダイヤルに音声入力キャプチャを登録してボリューム調整に使うのも良いでしょう。

Loupedeck Live Sの「Sounds & Music」のワークスペース
さらにLoupedeck Live Sの右下の物理ボタンには「Sounds & Music」のワークスペースが登録されており、押すとタッチスクリーンのプロファイルが変わります。
標準設定で4つの効果音が登録されており、押すとデスクトップで再生されます。
ゲーム配信中に効果音を加えたい場合にはとても便利な機能です。

メニューで「サウンド」を選択する
さらに自分の好きな効果音や楽曲を入力したい場合はメニューから「サウンド」を選択します。

パソコンに保存している音源データを選択する
Loupedeck ソフトウェア画面の右下にサウンドアクションが出現しますので、フォルダのアイコンをクリックするとLoupedeck ソフトウェアのシステムフォルダ内にあるLoupedeckSoundPackが開きます。
このフォルダの中にも他の効果音が保存されています。
任意の音源データを選ぶとLoupedeck Live Sのタッチスクリーンに登録されます。
このようにしてOBSライブ配信中に使いたい機能をあらかじめLoupedeck Live Sに登録しておけば、高価な配信用スイッチャーの代わりとして使えます。
OBSライブ配信でこれらを活用すれば十分に元が取れるでしょう。
アクションは組み合わせが可能

Loupedeckでマクロを登録する
さらにLoupedeck Live Sでは、複数のアクションを組み合わせて割り当てることができます。
割り当てたいタッチスクリーンボタンのメニューから「マクロ」を選びます。

Loupedeckソフトウェアのマクロアクション設定画面
すると「マクロアクション」の設定画面が出現します。
「Action Type」を選択し、ショートカットキーやアクションプログラムを選んでアクションを追加していけば、順番に実行します。
ボタン一押しでPhotoshopで新規レイヤーを作成し、同時に特定のエフェクトをONにする、といったことができるようになりますよ。
Loupedeck Live Sではこのように、組み合わせた操作も登録できるので作業の効率が大幅に向上します。
Loupedeck Live Sの購入時に注意すべき点
対応ソフトウェアの確認
Loupedeck Live Sは購入前に使用するソフトウェアが対応しているかどうかを確認しましょう。
特にAdobeのアプリ以外のものをLoupedeck Live Sで操作したいと考えている方は要注意です。

Loupedeck Live Sの「Profile & Plugins」を起動する
Loupedeck Live Sの本体には標準的に「Profile & Plugins」が割り当てられており、これをタッチするとLoupedeck Marketplaceにアクセスします。

Loupedeck Live SのMarketplace
Loupedeck Marketplaceでは、海外のクリエイターが開発したアプリのプロファイルやプラグインが配布・販売されています。
Loupedeck Marketplaceは購入前にも見ることができます。
参考情報:Loupedeck Marketplace プロファイル|Loupedeck
Loupedeck Live Sの購入を検討する前に、Loupedeck Marketplaceで自分が使うソフトウェア・アプリのプロファイルやプラグインが存在するか確認しておきましょう。

Loupedeck Marketplaceのビデオ編集カテゴリ
Loupedeck Marketplaceで登録されているプロファイル・プラグインはカテゴリ表示できます。
動画編集のカテゴリーを確認すると、DaVinci ResolveやFilmora、PowerDirector、Vegas Proが確認できます。

Loupedeck Marketplaceの画像編集カテゴリ
画像編集のカテゴリーでは海外のアプリが多い傾向です。
Luminarも確認できます。

CaptureOneもあるがMac版のみ
RAW現像で人気のあるCaptureOneもありますが、Windows版は対応していないかもしれません。
こんな感じで購入前にLoupedeck Marketplaceを一度確認してみてください。
Loupedeck Live Sレビューまとめ
それではまとめます。
Loupedeck Live Sを使ってAdobeのアプリやOBSの操作をしたい方の場合、作業の効率アップは間違いなく実現できます。
Loupedeck Live Sが高価だと感じる方だとしても、作業時間が短縮できてすぐに元が取れるなら検討の余地はあるはずです。
一方でLoupedeck Live Sの操作には慣れが必要になることや、対応していないアプリもあるなどの短所も存在します。
購入前にはにまず、Loupedeck Marketplaceで自分が使うアプリのプロファイルやプラグインがあるかどうかを確認しましょう。
そしてLoupedeck Live Sで登録する機能をイメージしておけば買う価値がより高まるでしょう。
Loupedeck Live Sを使って、ぜひクリエイティブのスピードアップを実現してくださいね!