ビデオグラファーの間で大人気のZHIYUN Crane V2をとうとう購入しちゃいました。
電動ジンバルはカメラの大きさに合わせて購入するのがベストです。
私が使用しているα6500のようなミラーレス一眼にはZHIYUN Crane V2がちょうど良さそうです。
実はもうすでに何回か撮影のお仕事で使っており、ZHIYUN Crane V2を使うにあたっての注意点や長所・短所も分かってきました。
自分なりの撮影のコツもつかめてきましたので、電動ジンバルで安定した映像が撮りたい方々向けにシェアしてみますね。
この動画ではZHIYUN Crane のバランス調整とキャリブレーションとリセット(initialization)について解説してくれています。
正直な話、この動画を見るまでキャリブレーションやっていませんでした(苦笑)
ZHIYUN CraneV2持っていてキャリブレーションやったことないなら、この動画を見てぜひやりましょう。さらに安定しますよ。
そもそも電動ジンバルって何ぞや?っていう方のためにどんな製品なのかさらっと解説しておきます。
電動ジンバルは手振れを抑える撮影機材の一つです。
一眼レフカメラで動画を撮影するのが主流になっており、強力な手振れ補正機能を搭載したカメラも増えましたが、やっぱり手振れは気になります。
カメラマンが静止した状態で撮影するなら問題はありませんが、歩きながら撮影するようなときはかなり手振れします。
これまではそんな時に役に立つのがステディカム(スタビライザー)でした。
振り子の原理を利用してカメラの揺れを防ぐ撮影アイテムで、これを使って動画撮影中の手振れを防ぐことができます。
ステディカムも便利な撮影道具ですが、セッティングに時間がかかるというデメリットと撮影には慣れも必要で誰にでも扱えるものではないことで映像業界の中でもそれほど普及していません。
私もステディカムはFlycamC5を持っており、かなり使い込んでいた時期もありました。
しかし重量がかなりあるので段々使わなくなり、たまにしか使わなくなると腕も落ちるので終には使わなくなりました。
設定次第ではかなり安定するのですが...
ステディカムのそういった不満をすべて取り除く製品が電動ジンバルです。
電動ジンバルはステディカムに比べると軽量です。
そしてセッティングも簡単で、使い方を覚えれば誰でも手振れがない動画を撮ることができるようになります。
発売された当初はDJI RONINのようなプロ仕様の電動ジンバルしかなくて、アマチュアユーザーや趣味で使う人にとってはちょっと敷居が高い製品でした。
ところが数年前からFEIYU-TechやZHIYUN、そしてDJIからも小型の「アイスクリーム型」と呼ばれる電動ジンバルが比較的安い値段で販売されるようになったことで爆発的に普及しています。
なかでも一人で撮影・編集を行うユーチューバーさんを中心に人気が高まったことが認知度が高まった理由なのではないでしょうか。
その中でもZHIYUNはユーチューバーのようなインフルエンサー(影響力がある発信者)に積極的に商品を無償で提供してPRしてもらう販売代理店もおり、普及に功を奏しているようです。
ちなみに私は自腹で購入しましたけどね(苦笑)
当初はZHIYUN-Techってメーカーを知らなかったし不安でしたが、毎年幕張メッセで開催される映像機器の展示会 Inter BEEにZHIYUN-Techが出展していたことがきっかけで安心して購入することができました。
ZHIYUNは「ジーユン」または「ザイユン」と呼ばれていますがどちらが正確なのかは不明です。
メーカーサイトや製品には「迅雲」や「智伝」と表記されていますが、ふわふわとカメラが浮いたような状態で撮影できるという意味では「迅雲」がピッタリです。
ステディカムはカメラを装着する際にバランス設定が必要です。
電動ジンバルも従来のステディカム・スタビライザー同様バランス調整が必要です。
ZHIYUN CraneV2では4軸(4か所)のバランス調整を行います。
バランス調整はやらなくても電源を入れるとZHIYUN Craneの電動モーターが起動してバランスをとってくれるので使えなくはないです。
しかしバランスを無理やりCraneで制御しているので故障しやすく、またバッテリーの消耗も早くなるようです。
また、サイズが大きいレンズをカメラに装着しているときは電源を止めたとたんにバランス調整が解除されてジンバルにレンズをぶつける可能性があります。
そのような理由からもバランス調整は必ず行った方が良いでしょう。
ZHIYUN CraneV2に装着するカメラはα6500を用意しました。
ZHIYUN CraneV2にカメラを装着する場合はレンズキャップを取り外して、バッテリー・SDカードを入れておきます。
そうしないと後でまたバランス調整しないといけなくなるので忘れないようにしましょう。
また、バランス設定にはZhiyun Crane V2を立たせて行えるミニ三脚が便利です。
私が購入したAmazonの販売代理店ではミニ三脚が付属していました。
これがないとむしろバランス設定がやりにくいです。付属していない場合はぜひ購入しましょう。
もう一つあると便利なアイテムがクイックシューです。
実際に使ってみると、ジンバル撮影から手持ち撮影に切り替えて使いたくなることがあります。
カメラを直接ジンバルに接続した状態だと、取り外したら再度バランス調整が必要になりますが、クイックシューがあると着脱が簡単でバランス調整を何度もする必要がありません。
クイックシューはVelbonのクイックシューセットがおススメです。シューベース・クイックリリースプレートそれぞれ単品でも購入できるので失くしたときにも安心です。
カメラをZHIYUN Craneのプレートに装着するとレンズが上または下に向いています。
これはカメラの装着位置を前後することで調整します。
カメラが進行方向に水平になるようにスライドして調整しましょう。
次にカメラを上に向け続けても静止するようにネジを緩めてスライドしてバランスをとります。
次にカメラの横方向の水準を合わせます。これもネジを緩めることで左右に動くのでバランスをとって傾かないように調整します。
最後にヨー軸の調整を行います。
ZHIYUN Craneを横に倒してハンドルをカメラと水平になるように持っていきます。
そしてZHIYUN Craneのモーター部の位置を確認します。
手元のネジを緩めると、アームをスライドすることができるので、カメラと同じ高さになるよう調整します。
これでZHIYUN Craneのバランス設定は完了です。ようやく電源を入れて撮影を始めることができますよ。
ZHIYUN CraneV2でちょっと困ったことが一つあります。
それはカメラ本体に対して軽すぎるレンズを使うと、バランスをとることができない場合があることです。
私はα6500に普段SMALLRIGの専用ケージを取り付けています。
専用ケージがあるとボディをキズから守ることができる上、ケージに無数のネジ穴があるので外付けのモニターやハンドルを取り付けることができて便利です。
またα6500はボディサイズが小さすぎるので、カメラを構えたときに右手の小指が余るので握りが甘くなってしまいます。
小さすぎるカメラは手持ち撮影で手振れをしやすいのですが、ケージで重さとサイズを増すことで小指余りも解消してホールド感が増します。
ところがα6500にケージをつけて標準レンズやパンケーキレンズを装着した場合、ZHIYUN Craneに乗せるとカメラがさかさまになってバランスをとることができません。
目いっぱいカメラを前方向に装着してもやはりひっくり返ったままです。
30mmマクロレンズを装着するとなんとかバランスをとることができました。
ズームレンズも問題なしです。
大多数の方がカメラをそのままZHIYUN Craneに装着するので、困る人はそんなにいないかもしれませんが、私が残念に思ったポイントの一つです。
あと注意したいのは、バランス調整中にZHIYUN CraneのアームがCrane本体に接触してキズを付けてしまいやすいです。
設定にもだいぶ慣れて注意していますが、よくひっかけてしまいますね。ある程度は諦めていますが気をつけましょう。
では次にZHIYUN Craneで上手に撮影するためのポイントを解説します。
ZHIYUN CraneV2には3つの撮影モードが用意されています。
撮影方法によって最適な撮影モードがあるので、各モードの撮影例を紹介します。
マニュアルを読んでも私がバカなのか日本語が難しいのかさっぱり伝わってきません(泣)地獄です。
以降では自分用に分かるように書いているので伝わらなかったらスイマセン。日本語ムズイ...
ZHIYUN Craneを起ち上げるとデフォルトで選択されている撮影モードが左右追従モードです。
持って歩き、左右に振るとカメラの向きも一緒に動きます。縦方向の動きには追従しません。
左右追従モードのときはハンドルのレバーを上下に動かすとカメラの向きも上下に動きます。
ちなみに左右追従モード時はレバーを左右に動かしてもカメラは左右に動きません。
モード変更ボタンを一回押すと、左右追従モードから完全ロックモードに変わります。
完全ロックモードになると、ジンバルをどの方向に向けてもカメラが動かず固定されます。
上下左右にカメラの方向を変更したい場合はレバーを上下左右に操作することで動きます。
完全ロックモードとは反対に、どの方向に向けてもジンバルが追従してくれるのが完全追従モードです。
このモードにするには左右追従モードまたは完全ロックモード時にモードボタンを2回押すと完全追従モードに切り替わります。
完全追従モード時にモードボタンを押すと左右追従モードと完全ロックモードに切り替わるようになっています。
図で書くとこんな感じです。
この方が取説よりも分かりやすい!(たぶん)
これを理解できれば自由自在にお好みの撮影モードを呼び起こすことができるはず。
でもそれぞれの撮影モードがどんな撮影シーンに役立つか理解していないと意味ないですよね(汗)
以降は私なりに考えた、Zhiyun CraneV2の撮影モードの使い分け方法です。
この動画はZHIYUN Craneを使って近くの公園で撮影してきた動画です。
まだまだヘタクソですが良かったら見てやってください。
動いている被写体に後ろから追従して撮影する場合、電源をつけると最初に設定されている左右追従モードが最適です。
左右追従モードで撮影すると被写体を常にフレームの中心に置くことが簡単にできます。
歩行する被写体の前から撮影し、後ろ歩きでフォローして撮影する場合も左右追従モードが向いているように思います。
被写体を中心に弧を描くように動いて撮影する場合も左右追従モードを使うことで滑らかに回ることができます。
前進する被写体を横に並んで撮影する場合は、完全追従モードが撮りやすいです。
Craneを体の正面に持って完全追従モードにした状態でレバーを横に動かし、カメラが横を向くように設定したら撮影開始です。
ZHIYUN Craneの持ち方には二通りあります。
アイスクリームのような持ち方と、もう一つはカメラを下にして吊り上げるように持つ方法です。
この二つの持ち方で撮影してみると、歩き回って撮影する場合は吊り上げて持つ方が縦揺れの振動を抑えることができます。
私もカメラを下にする撮影を好んで利用していますが、この撮影方法は腕の負担が大きくて非常に疲れやすいです。
そんな時に便利なのが3軸ジンバル用の手持ちグリップです。
ZHIYUNから純正の手持ちグリップが販売されています。
純正を購入するのは間違いないですが、私はあえて純正外品を選んでみました。
Neewerというメーカーの互換グリップです。
NeewerはAmazonでよく見かけるカメラの互換品パーツを取り揃えている会社みたいですね。
カーボン製なのでアルミよりも軽いだろうと思いましてNeewerを選んでみましたよ。
商品は丁寧に梱包されていました。取説も同梱されていましたよ。
Neewerのロゴ入りです。
ネジを緩めてカメラスタンドを開きます。
中にはZHIYUN Craneを包みこむ部品があります。
ZHIYUN Craneのハンドルにある写真の部分に挟み込みます。
ネジを締めて装着ができます。
想像していた通りカーボン製のカメラグリップは軽いので、荷物の負担を少しでも減らしたい方にはおススメですよ。お値段も純正品よりかなりお安めなところも魅力的です。
Zhiyun craneV2は片手で操作するよりも両手で操作する方が安定します。
ハンドグリップを使うと負荷が分散されて撮影がかなり楽になりましたよ。
そしてハンドグリップに合わせて使うと便利なアイテムがリモコンです。
Zhiyun CraneV2の操作をハンドグリップ使用時でも手元でできるようになります。
ハンドグリップを使う方は必須アイテムかもしれません。
リモコンで録画のオンオフ操作をしたい場合はカメラとZhiyun Craneを接続する専用コードも必要になるので注意してくださいね。
専用コードは今のところ(2018年3月時点)SONY用とPanasonic GH4、GH5用の二種類が用意されているようです。
SONY α6500の場合、マイクロUSB端子に接続します。
実はこのケーブル、L字型の接続コードになっているので、α6500に接続した場合マイクロHDMI端子が使えなくなるのが残念なところです。
Zhiyun CraneV2に外部モニターを併用しようと思っておりましたが、リモコンを使用する場合はモニターを諦めなくてはいけません。
Zhiyunさん、ストレートケーブルを作ってください。お願いします!
こんな感じ!
ZHIYUN CraneV2でブレのない動画を撮影することができるようになります。
動き回る撮影にも最適なアイテムです。
初期セッティングではキャリブレーションも必ずやっておくことをおススメします。
キャリブレーションを未設定で撮影したときと、キャリブレーション設定後で比較すると、歩きながらの撮影で起こりやすい縦揺れがかなり緩和されました。
また別売りアイテムのハンドヘルドグリップもおススメします。
ハンドヘルドグリップを装着すると撮影の疲労も軽減される上に安定感も増しますよ。
そしてハンドヘルドグリップ使用時にはリモコンもあると便利ですね。
私もまだZHIYUN CraneV2を十分使いこなしていないし、どのレンズを使えばよいのかも実は迷走中ですが...
3軸ジンバルをもう少し使いこなしたらまたレポート書いてみますね!