YAMAHA AG03ってどう?
動画制作に必要?
オーディオインターフェースには人気商品がいくつかあり、その中にYAMAHA AG03があります。
ユーチューバーやライブ配信者の方々がレビューしているので、私もそれを見て購入し2018年頃から使っています。
結論から先に言うと多機能なオーディオインターフェースでとても満足しています。
一方で弱点もあります。
YAMAHA AG03を3年以上使い、他のオーディオインターフェースと比較してみることでその特徴と良し悪しがよく分かってきました。
ここではYAMAHA AG03を使ってみた感想と、YAMAHA AG03の長所・短所そしてどんな方が購入すると幸せになれるのか。
徹底分析して解説してみようと思います。
特に私と同じ動画編集者さんで、これからオーディオインターフェースを購入しようと考えている人は参考になると思うので、ぜひ読んでみてください。
※YAMAHA AG3は後継機のAG03MK2が発売しています。
私がYAMAHA AG03の購入を決断したのは、ギュイーントクガワさんのレビュー動画を見たのがきっかけです。
この記事を作成するために久しぶりに見てるとつい前編・後編最後まで見てしまいました。見たことない方は面白いのでぜひご覧ください。
私がYAMAHA AG03を購入した理由は、動画編集で音声をモニタリングするための業務用モニターヘッドホン(MDR-CD900ST)を購入したためです。
モニターヘッドホンは外部の音を遮断し、集中してモニタリングすることができるので、音声ノイズを見つけやすいという利点があります。
プロ向けのモニターヘッドホンの多くは接続プラグがステレオ標準プラグ(フォーンプラグ)なので、パソコンに直接挿すことができません。
変換プラグを使わずに使用するにはオーディオインターフェースが必要です。
また、一方でモニターヘッドホンは音楽を鑑賞するにはあまり向いておらず、長時間使用していると耳が痛くなることもあります。
動画編集以外では普通のイヤホンを使用したい。
だけどイヤホンジャックと標準プラグを挿せる端子を両方備えたオーディオインターフェースで、低価格帯の製品はYAMAHA AG03以外に見当たらなかったのでこれを選びました。
YAMAHA AG03はオーディオインターフェースとして取り扱われていますが、製品名はウェブキャスティングミキサーです。
「ウェブキャスティングミキサー」で検索するとYAMAHA AG03と、その上位モデル AG06だけです。
ではこのウェブキャスティングミキサーとオーディオインターフェースは何が違うのでしょうか?
語弊を恐れず簡単に言うとYAMAHA AG03はライブ配信者、発信者向けのオーディオインターフェースといったところです。
マイクや楽器の音をパソコンに取り込むにはアナログ信号からデジタル信号に変換することになります。
この変換のことをA/D変換といい、A/D変換をハードウェアで行えるのがオーディオインターフェースです。
YAMAHA AG03はA/D変換がもちろんできる上、さらにはパソコンで再生する音をAG03に取り込んでもう一度パソコンに返すループバック機能も備えています。
ループバック機能については後で解説しますが、この機能はインターネットライブ配信でとても便利な機能です。
YAMAHA AG03はこの他にも音声にリアルタイムで効果を加えることもできるようになっており、このような機能はネット配信用の動画を作るときに便利です。
YAMAHA AG03はオーディオインターフェースに動画配信者が求めるクリエイティブな機能を追加した機器といったところでしょう。
YAMAHA AG03やスタインバーグ UR22mkIIを皮切りに、ループバック機能を持ったオーディオインターフェースが増えています。
YAMAHA AG03の良さの一つに入出力端子の多さが挙げられます。
キヤノン端子によるマイク入力が一つ、ギターまたはシンセサイザーの入力が一つ。
スピーカーとヘッドホンへの出力が2つで2IN/2OUTのオーディオインターフェースです。
私は楽器を弾けないので、個人的にはキヤノンの入力端子が2本あるほうが嬉しいですが。
「弾いてみた動画」を作りたい方には必要十分な装備です。
マイク入力はファンタム電源対応なので、業務カメラ用のマイクでも利用できるのは動画制作者にとっても嬉しいポイントです。
ループバック機能はパソコンで再生している音をAG03に取り込んでもう一度パソコンに出力する機能です。
これはライブ配信中にパソコンで再生している音楽をミックスして配信できるというメリットがあります。
上の画像のパソコンのマークがあるツマミでループバックのボリュームを調節します。
YAMAHA AG03とパソコンで録音するときにもこのツマミと、その隣にあるMONITORのツマミを回さないと音が出ません。
なのでパソコンのツマミはいつも位置固定にして使っています。
そしてこのループバック機能、私は一度も使ったことがないです。
というのもライブ配信で使用するOBS(無料ソフト)で、パソコンの音をマイク音声と一緒に出力できる設定があるからです。
低スペックのパソコンを使ってライブ配信するなら、OBSではなくオーディオインターフェースで処理することにメリットがあるかもしれませんね。
YAMAHA AG03にはiPodから曲を入力できたり、ゲーム用ヘッドセットのマイクを入力する端子も備わっています。
この「HEADSET」に備わる端子を使います。
ゲーム配信をしない方もこの端子はとても便利に感じるはずです。
イヤホンを使ってパソコンの音が聞けるため、私はYouTubeを視聴するときにイヤホンをこれに挿して使います。
動画編集をするときはMONITOR OUTにつないだモニターヘッドホンを使います。
両方に挿しているときはHEADSET側が優先されるので、MONITOR OUTで聞きたい場合はイヤホンを抜く必要があります。
またHEADSETのマイク入力端子にプラグインパワーのマイクを差し込んで音声を入力することもできます。
YAMAHA AG03の長所はまず多機能であること。
そしてキヤノン端子のマイクを接続できることです。
これはオーディオインターフェースに当たり前に備わる機能ですが、この当たり前がやっぱり高品質でYAMAHAクオリティを感じさせます。
✅キヤノン端子のすぐ下に+48V(ファンタム電源)とPAD(26dB下げる)のスイッチがあり分かりやすい。
✅マイク入力のボリューム調節をするフェーダーも使いやすい。ゲイン調節ツマミも備わっている。
✅入力した音にコンプレッサーやエフェクトをかけるためのボタンがすぐそばにある。
と言った感じで直感的に使えるのも素晴らしい点です。
そもそもオーディオインターフェースを買う理由に「高品質なマイクで音声を入力したい」という欲求があるはずです。
YAMAHA AG03はその欲求をしっかり満たしてくれているのは間違いありません。
私個人的には業務用途のモニターヘッドホンを挿せればそれでいい。
という程度の要求で購入しましたが、YAMAHA AG03を所有することがきっかけでナレーション録りしてYouTubeの動画を作ることにもなりました。
もし低品質な音声収録しかできないオーディオインターフェースを買ってしまっていたら、多分自分の声はYouTubeデビューしていなかったと思います。
つまりYAMAHA AG03はたとえ今の段階では発信の未経験者・初心者であったとしても、ゆくゆくは情報発信をしたい方やライブ配信をしたい方に最適なオーディオインターフェースでしょう。
YAMAHA AG03は多機能であるゆえに不要な端子が多いという点が挙げられます。
楽器の入力をしない方にとってはギターやシンセサイザーの入力端子は全く不要です。
YAMAHA AG03はPAミキサーと同じような設計になっているので、すべての端子が上を向いています。
これではホコリが入り込みやすくて故障の原因になります。
実は私のAG03はMONITOR OUTが経年劣化でガリ音が発生してしまいました。
分解してホコリを取り除き、接点回復材を使うことでしばらくの間は回復していましたが、やはりまたガリ音が発生しています。
まあ2万円以下の製品をろくなメンテもせず3年以上使えているので文句いうのもアレですが..
これを機に追加したオーディオインターフェースは横挿しタイプにしています。
もしメンテが面倒で湿度が高い場所で使うなら、スタインバーグ UR22mkIIやTASCAM US-2x2HRのように端子が横向きのほうが長持ちするかもしれませんね。
オーディオインターフェースをYAMAHA AG03に決めかねる方のために、オーディオインターフェースの選び方について解説しましたのでご視聴ください。
こんな感じです。
YAMAHA AG03は2015年に発売以降、いまだにオーディオインターフェースの売れ筋上位にランキングされる製品なのは、もう単純に品質が良いというほかありません。
特にマイク収録のやりやすさ、分かりやすさと音の品質はこの価格で手に入れることができるオーディオインターフェースの中でもピカイチです。
✅YouTubeで楽器の引き語り・演奏を発信したい方
✅ゲーム配信動画・ゲームの生配信をしたい方
✅エフェクトをあてた音声を収録したい方
✅メンテが苦にならない方
高品質な音声でライブ配信や情報発信をしたい方やミュージシャンな方はYAMAHA AG03を購入して損はありません。
時々メンテナンスして使えばガリ音を防いで長く使えるはず。
YAMAHA AG03で動画編集のモニタリング・音声収録のクオリティをアップしちゃいましょう!
※YAMAHA AG3は後継機のAG03MK2が発売しています。