動画の編集を仕事として携わっている方は必ず音声収録についてもっと改善したいと考えるタイミングがやってくるでしょう。
民生用のカメラで4K動画が撮影できるようになってずいぶん経ちますが、カメラの音声収録は同時に改善されているのでしょうか?
残念ですが、私の使っているカメラでは比較的新しい機材でも劇的な変化を感じることはありません。
やはりこれまで通りビデオ収録には指向性の高いガンマイクや被写体の声を間近で録音するためのワイヤレスマイクが必要不可欠です。
人気のあるユーチューバーさんが発信している動画では非常にクリアな音声収録がなされています。
そのため視聴者もますます目(耳)が肥えていくことが予想されるので、動画クリエイターは映像だけでなく音声収録にも注力する必要があるでしょう。
ここではワイヤレスマイクのスタンダードで、カメラマンや映像制作会社の間では「右にならえ」で利用されているソニーのワイヤレスマイクUWP-D11があります。
私自身もソニーのワイヤレスマイクを使っており、長らくレンタルで対応していましたが、ついにはUWP-D11を購入することになりました。
結論を先に言うと、UWP-D11は買って良かったです。
このエントリーではUWP-D11を購入して初めて気が付いた良い点やちょっと気になった欠点や購入時に注意するべきポイントを解説してみました。
今後ソニーのワイヤレスマイクを購入する予定がある方はぜひ読んでやってください。
※UWP-D11の後継機UWP-D21が販売されています。
この動画は以下の方法で撮影した音声の録音品質を比較した動画です。ぜひ視聴してみてください。
1.α7Ⅲ内蔵マイク
2.α7Ⅲ + 指向性マイク
3.α7Ⅲ + ワイヤレスマイクUWP-D11
カメラマン界隈ではワイヤレスマイクを自分で購入するべきかどうかについて意見が分かれるところで、私自身もこれまでずっとレンタルで対応していました。
カメラやレンズなど使用頻度が高いものについてはレンタルよりも購入したほうがすぐに元が取れるのですが、高すぎる機材や使用頻度が少ない機材についてはレンタルのほうがお得で、私にとってワイヤレスマイクはその中の一つでした。
ソニー ワイヤレスマイクセット UWP-D11は6万円ほど。微妙に高いですよね(笑)
私が購入を決意したのでは、ある日レンタルのワイヤレスマイクで収録したときにたくさんのノイズが入ってしまったからです。
撮影現場でモニターしてノイズが入っているのはすぐに気が付いたので、最初は「衣ズレかな?」と思って演者のピンマイクの取り付けなおしをしてみましたが、やっぱり直らずノイズが収録されてしまい編集で大変な手間がかかってしまったのです。
ワイヤレスマイクでノイズが発生する理由は
以上のような理由があります。
そのためワイヤレスマイクで音声を収録する確実な方法は
ことになります。
私の場合、ワイヤレスマイクをレンタルで何年も使ってきてトラブルが今回初めてだったのは、たまたま運が良かっただけだと思います。
ワイヤレスマイクでの音声収録がダメになった場合、ガンマイクで収録した音をメインに動画編集することになりますが、音のクオリティはかなり下がってしまいます。
なので二度と音声収録に失敗しないようワイヤレスマイクを購入することにしました。
ワイヤレスマイクSONY UWP-D11はソニーの業務用機器に属しているので、プロ向けの販売店から手に入れるのが無難です。
故障時の対応を販売店がしてくれる場合もあります。
UWP-D11はAmazonや楽天市場でも購入できますが、私はそのような観点から業務用映像機器販売店で有名なSYSTEM5(以降システム5)で購入することにしました。
システム5では納品書はもちろん領収書も発行して同梱してもらえます。年末に購入したこともあってカレンダーも付いてきましたよ。
UWP-D11に付属している部品をここで紹介します。
まずワイヤレスマイクセットの本体であるトランスミッター(送信機)とチューナー(受信機)です。
それぞれの型番はUTX-B03、URX-P03となっています。
形が良く似ていますが、アンテナ1本が演者に取り付ける送信機です。
そして付属しているケーブルは3本です。
受信機のURX-P03を業務用のカメラやレコーダーに接続するケーブルです。XLR(業務機器向け)のオス型プラグとなっています。
業務用カメラのマイク端子はXLRのメス型で、これに挿すようになっています。
XLR-BMP変換入力ケーブルも付属しており、送信機 UTX-B03とミキサーを接続することができます。
主にセミナーや宴会会場のマイクをLINE収録するために送信機 UTX-B03をPAやミキサーに接続するのに利用されます。
ステレオミニ-BMP変換ケーブルはステレオミニプラグでチューナー URX-P03とカメラなどを繋げるケーブルです。
3.5mmのステレオマイク端子があるカメラに接続することができます。
XLRと3.5mmステレオミニ接続で音質が変化するか比較動画も作ってみたのでよかったらどうぞ。
例えばXLR端子がない一眼カメラでワイヤレスマイク収録する場合はこのケーブルを使います。
シューマウントアダプター1個とベルトクリップ2個付属しています。
ベルトクリップは送信機と受信機用に備わっています。
受信機をカメラに取り付ける場合はまずベルトクリップを受信機に装着します。
次にシューマウントホルダーをスライドするようにして挟み込みます。
シューマウントアダプターの溝にベルトクリップをはめ込むと装着完了です。
これでカメラのシューマウントに装着することが出来ます。
送信機側に取り付けて使うラべリアマイクです。
専用のウィンドスクリーンとホルダークリップが1個づつ付属しています。
ラべリアマイクにホルダークリップを取り付けて演者の襟元にマイクを取り付けます。またウィンドスクリーンで風切り音を防げます。
どちらも紛失しやすい部品で、万が一失くすとソニーで取り寄せ注文になってしまいます。
1個千円以上する上に注文して手元に届くまで時間がかかるので失くさないようにしたいところです。
ラべリアマイクを使う場合、まずホルダークリップを装着します。
写真の位置にホルダークリップ用の溝があるので、その位置でホルダークリップを挟みこみます。
最後にウィンドスクリーンを装着します。カチッと音がするまではめ込むとしっかり固定されます。
こんな感じ。
あと送信機側は演者のジャケットにある内ポケットに送信機を収納できる場合付属のベルトクリップが役立ちますが、送信機を演者のズボンやベルトに装着する場合は別売りのベルトクリップのほうがオススメです。
ソニーのワイヤレスマイクセット送信機用の汎用ベルトクリップです。ZTX-B01/ZTX-B02RCまたはUWP-D11のトランスミッター背面に取り付けることが出来ます。
このベルトクリップはレンタルのUWP-D11に装備されていて便利だったので、私も購入しようと思いましたが、商品の箱を開けてビックリ。
なんと取り付けるためのネジがありません!
システム5の販売ページをよく読むと
【ご注意】
取り付け用のネジは含まれておりません。
ネジがご必要な場合は別途7-682-545-09 ベルトクリップ固定ネジをお買い求めください。システム5 ベルトクリップ 4-443-026-01の販売ページから引用しています
と書いているではありませんか!
仕方がないので別途購入。
ネジは50円しないのに、送料が商品の20倍ぐらいしましたよ。とほほ。購入する時は注意してください!
L型ブラケットにワイヤレスマイクを装着するためにシューアダプターも購入しましたよ。
これでネジ穴さえあればいろんなところにワイヤレスマイクを取り付けることが出来て便利です。
SONY UWP-D11はAmazon、楽天や量販店のネットショップでも購入することが出来ますが、私が購入したタイミングではシステム5かサウンドハウスが最安値でした。
マイクやヘッドホン、XLRケーブルなど映像の音響機器はサウンドハウスを確認すると最安値であることが多いので必ずチェックすることをお勧めします。
ワイヤレスマイクはガンマイクと比較すると明らかに音声がクリアになるので動画配信をしている方は絶対おすすめです。
下手なガンマイクを買うぐらいなら最初からワイヤレスマイクを購入したほうが良いでしょう。
また、仕事でワイヤレスマイクをレンタルしている方も万が一のことを考えると自分で所有・管理したほうがよいですよ。
私もこれで仕事以外にも積極的にワイヤレスマイクを利用していけます!