
BMPCC 6K Proで最初のレンズは何を買えばよいのか悩ましいですよね
多くのビデオグラファーさんがBMPCC 6KにオススメするレンズにSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMがあります。
私はSIGMA 18-35mmを買う手前で考え直し、SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMを購入しました。
今のところとても満足しています。
BMPCC 6K Proで使う最初のレンズにぜひオススメです。
ここではSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMをBMPCC 6K Proで使ってみて分かった長所・短所を作例を含めて紹介します。

2024年 2月 監修者:ビデオ制作ディレクター / MDM合同会社 代表 水田吉紀
2012年 営業職から映像製作会社に転職し、映像カメラマンの業務に携わる。
2020年 MDM合同会社を設立。主に関西エリアでビデオ撮影・動画編集の仕事を請け負っている。
上の動画はSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMとBMPCC 6K Proで撮影して製作しています。
レンズのボケ味と手振れ補正の効きが参考になると思います。ぜひご覧ください。

BMPCC 6K Proはスーパー35mmのイメージセンサーが採用されているので、フルサイズセンサー用レンズまたはAPS-Cセンサー用レンズから選ぶことになります。
また、レンズマウントはEFレンズが採用されているので、Canonレンズ、SIGMAやタムロンのEFマウントレンズが主な選択肢となります。
CanonではAPS-C用EFマウントレンズでは欲しいものが見当たらず、フルサイズレンズではちょうど良い焦点距離が見当たらない。
必然的にSIGMAやタムロンで探すことになります。

候補として多くのBMPCC 6Kユーザーに人気があるSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMがありますが、手ブレ補正が非搭載です。
BMPCC 6K Proにはボディ内手ブレ補正が非搭載なので、レンズに手振れ補正がないと手持ち撮影はかなり難しい。
また、SIGMA 18-35mmの焦点距離はフルサイズ換算すると画角は1.6倍となり、広角はおよそ29mm、望遠は56mmとなります。
F1.8通しで撮影できるとはいえ、いくら何でもこの撮影領域だけでは不便です。
動画撮影用の交換レンズなら広角で24mm前後、望遠で100mmぐらいのレンズが扱いやすくて便利です。
タムロンとSIGMAのレンズから探してようやく見つけたのがSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMです。
焦点距離は広角で25.5mm、望遠で105mm相当となり、動画撮影において非常に扱いやすいズーム領域をカバーしています。
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Sigma 17-70mm f/2.8-4.0 |
SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM |
タムロン 16-300mm F/3.5-6.3 |
タムロン 18-200mm F/3.5-6.3Di II VC |
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| レンズ構成:14群16枚 | レンズ構成:12群17枚 | レンズ構成:12群16枚 | レンズ構成:14群16枚 |
| 絞り羽根枚数:7枚 | 絞り羽根枚数:9枚 | 絞り羽根枚数:7枚 | 絞り羽根枚数:7枚 |
| 最小絞り:F22 | 最小絞り:F16 | 最小絞り:F22-40 | 最小絞り:F22-40 |
| 最短撮影距離:22cm | 最短撮影距離:28cm | 最短撮影距離:39cm | 最短撮影距離:18mm時50cm |
| 最大撮影倍率 1:2.8(0.35倍) | 最大撮影倍率 1:4.3(0.23倍) | 最大撮影倍率 1:2.9(0.34倍) | 最大撮影倍率 1:4(0.25倍) |
| 手振れ補正:〇 | 手振れ補正:- | 手振れ補正:〇 | 手振れ補正:〇 |
| フィルター径:72mm | フィルター径:72mm | フィルター径:67mm | フィルター径:62mm |
| 質量:465g | 質量:810g | 質量:540g | 質量:400g |
| 価格:3.7~4.6万円 | 価格:7.5~9.4万円 | 価格:5.3~7.3万円 | 価格:2.6~3.3万円 |
販売価格は価格コム調べ(2021年7月)
BMPCC 6K Pro用の常用レンズの候補として選んだのが上の4本のレンズです。
SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMは価格も程よく安価でレンズ本体のサイズが小さくて軽い!
そして以下のようなメリットもあるのがこのレンズを選んだ決め手です。
✅広角端でF2.8の明るさがある
✅シャッター速度4段分の手ブレ補正が効く
✅最大撮影倍率が0.35倍で寄れるレンズ
タムロンのズームレンズはSIGMA 17-70mmよりもズーム領域が広く便利そうですが、ズームレンズは200mm、300mmと望遠になるほど歪みや収差が気になるようになります。
また、SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMに至ってはズーム全域でF1.8の開放絞りで単焦点並みのボケ味のある撮影ができるのでとても魅力です。
一方のSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMはF1.8ほどボケませんが、広角端でF2.8の明るさです。
また最短撮影距離が22cmとなっており、被写体にかなり寄って撮影することができるのでズームレンズの割にはかなりボケ味があります。
一般的にF値の小さいズームレンズは高価ですが、SIGMA 17-70mmは3万円台でかなり安いのが特長です。
SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMの3つのメリットについて、それぞれ詳しく確認しましょう。
F2.8はこのクラスのズームレンズで言えば、かなり明るい方です。
f/2.8-4.0という表示になっている場合、広角端でF2.8、望遠端でF4.0で撮影できることを表しています。

ズームレンズの中にはF4.0で始まるものも多い中、F2.8スタートで撮れるのは嬉しいです。
ただしF2.8で撮影できる焦点距離範囲は狭く、焦点距離24mmでF3.2となり、焦点距離35mmでF3.6となります。
レンズに手振れ補正があると手ブレのリスクを減らせるのは言うまでもありません。
特にBlackmagic ポケットシネマカメラシリーズは手ブレ補正が搭載されていないので、手持ち撮影する時にはレンズに手振れ補正が必須です。
BMPCC 4KにはM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROという非常に強力な手振れ補正機能を持ったレンズがあります。
しかし、EFレンズで同程度の強力な手振れ補正機能を持ったレンズが少ないのですよ。
SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMは手ブレ補正機構を備えたレンズでシャッター速度約4段分の補正となるようです。
レンズが手元に届く前はそこまで期待していませんでしたが、実際に使ってみると思っていた以上に強力な補正機能です。
これならBMPCC 6K Proの手持ち撮影でも手ブレがそこまで気になりません。
手ブレに対してシビアに考える映像編集者にとってはかなり頼りにできる手振れ補正性能です。
次にSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMの接写性能です。
品名にMacroと入っているだけに、しっかりとマクロ撮影が可能です。
※画像はクリックで拡大します
広角端で被写体最大限寄ってみました。ピントはリスの鼻の先に合わせています。
カメラの影が被写体に入ってしまうぐらい寄れてしまいます。
※画像はクリックで拡大します
次はズーム端で最大限被写体に近づいて撮影してみました。
ピントはリスの瞳に合わせています。
最短での撮影距離が22cmでレンズフードが被写体を覆ってしまうほど近づいて撮影ができます。
マクロレンズではないので、1:1(等倍)での撮影はできませんが、これだけ被写体を大きく撮ることができるズームレンズは珍しいですね。
撮影倍率は1:2.8(0.35倍)となり、通常レベルの近接撮影では困ることもないです。
SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMの接写性能は料理や花、物撮りでも被写体を大きく撮れるのでマクロレンズに取り替える必要はありません。
これだけの機能を備えていて4万円以下のレンズです。
店舗にもよりますが、中古なら2万円台で購入できます。
Canon製レンズでF2.8通しレンズを選んだら10万円以下で売っていないことを考えると、SIGMA 17-70mmのコストパフォーマンスとしては、かなり優秀でしょう。
では逆にSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMのデメリットを紹介していきましょう。
フォーカスリングが細く、ピントの操作性は良くない

SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMのレンズ寄りにあるのがフォーカスリングです。
マニュアルフォーカス時に使用する部分で、BMPCC 6K Proの撮影では頻繁に操作することになります。
レンズのサイズを小さくするためなのか、フォーカスリングが非常に簡易な設計になっていてリングの幅も狭いです。
回してみるとトルク(抵抗)もほとんどなく、手で少し触れただけでも簡単に回ってしまいます。
このようなフォーカスリングは瞬時にピントを合わせて撮る静止画には向いていますが、長時間撮影する動画では不向きな面があります。

私はSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMのこうした欠点を補うために、フォローフォーカスを用いて撮影するようにしています。
これならフォーカスのトルクが増し、触れただけでピントが外れるといったことを防ぐことが出来ています。
それに比べるとSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMのフォーカスリングはリングの幅も十分にあって、実際に回してみるとトルクもあります。
この点で考えるとBMPCC 6K ProにSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMを合わせる方が多いのは極めて納得ができます
やっぱりサードパーティ製という印象は否めない
レンズ交換式のカメラを使う方の中には、サードパーティ製レンズよりも純正を好む方がいます。
特にBMPCC 6K Proを手にして撮影に臨む方は映像制作者の中でも限られた方たちです。
映像のルックにこだわり、カラーグレーディングを伴う編集作業にも長けた方が求めるカメラです。
このような方々にとってはSIGMAのイメージはあんまり良いとは言えません。
特に古くから映像制作に携わっている人にとっては、シグマ=安価で写りも値段相応のレンズというイメージを持っている方が多いのは否定できません。
現在、シグマは高品質なシネマ用レンズも取り揃えており、昔のイメージとは異なるメーカーなのですが、その点が気になるという人も少なくないでしょう。
とはいえ、Blackmagic Designはレンズを製造していないため純正のレンズではない点については、どうしようもありません。
私にとってはBMPCC 6K Proを発売日に手にするために30万円近い出費となったため、レンズに大きなお金を掛けられないという事情がありました。
また、カメラボディが想像以上に大きく重いため、レンズは軽いものを選んで運用を楽にしたいという気持ちが働きました。
SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMはひとまず必要なズーム域をカバーしており、マクロ撮影もできるため最初はこの1本である程度こなせます。
このレンズを使いこなしたうえで、SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMを手に入れるのでも決して遅くはないのではないでしょうか。

SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMの外観についても確認していきましょう。
レンズの作りそのものは悪くなく、安っぽさはありません。
一般的な一眼レフカメラで装着すると存在感があるようですが、BMPCC 6K Proに装着した場合レンズがむしろ小さく見えます。
コンテンポラリーラインのシンボルマークも洗練されたデザインに溶け込んでおり、レンズフードをつけた様子も安っぽさはありません。
価格的には安価なのですが、手抜き感は一切ありません
SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMの表現力も見ておきます。
シグマレンズならではと言えるのが、ややフラットな彩度である点でしょう。
比較的シャープな描写になっており、様々なシーンで利用できるレンズとなっています。
周辺がやや描写が甘いといった弱点もあるのですが、BMPCC 6K Proで使う限りはそれほど気にならない程度です。
逆光撮影など輝度の差が大きな部分はパープルフリンジ(偽色)が出やすい印象があります。
以下ではF値を変更して露出が一定になるようシャッター速度を変更して撮影した画像です。
ISOは200で固定しています。
使用するか迷いましたが、BMPCC 6K Proの内蔵NDフィルターを使用しています。
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シャープネスはF4.0~F8.0が良好です。
輝度差が大きい環境では絞り気味で撮影するとレンズ性能を発揮できる傾向があります。
良い意味でも悪い意味でも色ののり方に際立った特色がない分、RAWで撮影してDaVinci Resolveで編集し甲斐のある動画素材を得ることができます。
解放F2.8の明るさがあるため、自然にボケが出るというのもポイントです。
※画像はクリックで拡大します
決して単焦点レンズのような強いボケ味ではありませんが、動画ではかなり制御しやすいレベルです。
7枚羽根の円形絞りを採用しており、玉ボケも写し込むことが出来ました。
近接撮影でボケが出やすく、テーブルフォトや料理動画にも向いているレンズだと思います。
BMPCC 6K Proはモニター画面が大きいので、ピントの山も確認しやすいためSIGMA 17-70mmとの相性も良さげです。

次はSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMの携帯性です。
17-70mmという焦点距離の幅があるため、どうしてもレンズそのもののは大きくなる点があります。

ですがBMPCC 6K Proと合わせるとやや小ぶりなので、手持ち撮影でシステムを必要以上に大きくしたくない方には最適なサイズです。
ズームを収納し、レンズフードを逆さに装着すれば小さなバッグにも収納できるため携帯性は良いです。
CanonのEFマウントで探すと10万円を超えるレンズばかりになるので、やはりシグマかタムロンで探すと安いレンズに巡り合えます。
一般的に交換レンズは価格の高いものほど良い写りであると考えられていますが、動画撮影で使用する場合はズームや手振れ補正機構も重要な要素です。
その場合は新しいレンズであるほど良い製品と出会える確率が高いため、値段と発売日で考えるのが良いです。

現行モデル

旧モデル
SIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMは2006年に発売したSIGMA AF 17-70mm F2.8-4.5 DC MACROのリニューアル製品で2013年1月に発売したレンズです。
決して新しいとは言えないまでも、ブラッシュアップした現行販売モデルなので光学性能も改善されています。
描写は鮮やかでシャープな表現力がありますし、マクロから望遠まで幅広い焦点距離での撮影もこなしてくれます。
シグマらしいあっさりとした色のりなので、カラーグレーディングを前提とするBMPCC 6K Proの撮影にも向いているように思えます。
この価格で性能もしっかりとしているのでお買い得感はかなり高く、コストパフォーマンスが高いレンズでしょう。
BMPCC 6Kを使っている映像制作者の方の多くはSIGMA 18-35mm F1.8 DC HSMを推奨しているので、私も他のレンズはあまり注目することはありませんでした。
今回、予算の都合で焦点距離だけで見つけたSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0が、予想以上に良かったので詳しくレビューしてみました。
今後はCanonもミラーレス用のレンズを主流にするのだと思いますが、BMPCC 6K ProでEFレンズを再開拓していくのも面白いかもしれません。
BMPCC 6Kで使う最初の一本を探している方にはぜひSIGMA 17-70mm f/2.8-4.0 DC Macro OS HSMをおススメします!