目的別で選ぶ ライブ配信おすすめスイッチャー9選

この記事は2024年7月に更新しました。また記事にはプロモーションが含まれています。

 

ライブ配信でスイッチャーがあると、どんなことができるのでしょうか。

 

インターネットライブ配信はスイッチャーがなくても配信そのものはできますが、より表現の幅を広げることができます。

 

ここではライブ配信者に人気のスイッチャーの中でもオススメの製品を9種紹介します。

 

機種によっては他に必要になる機器もあるので、スイッチャー選びの注意点も一緒に詳しく解説しますね。

 

記事監修者

ライブ配信オペレーター 水田 吉紀

2024年 2月 監修者:ビデオ制作ディレクター / MDM合同会社 代表 水田吉紀
2012年 営業職から映像製作会社に転職し、映像カメラマンの業務に携わる。
2020年 MDM合同会社を設立。ライブ配信業務を中心にビデオ撮影・動画編集の仕事を請け負っている。

スイッチャーって何?どんなことが出来るの?

 

そもそもスイッチャーは、映像の切り替えに使うためのものです。
例えばテレビの生中継の映像切替にも、スイッチャーが使われています。

 

単に映像の切り替えだけであるのなら、AVセレクターを使うことも実現可能です。
ですがAVセレクターでは、切り替えをする度に映像が黒くなったり、ノイズが発生してしまいます。

 

ですがスイッチャーなら、映像が同期化されているため、そのような事は起こりません。

 

コロナ禍によってライブ配信の需要が急激に増え、ライブ配信用スイッチャーの種類も増えました。

 

そのおかげで最近では随分と入手しやすい価格になってきており、個人のネットライブ配信でも使われるようになっています。

 

近年のスイッチャーは映像の切り替え以外にも、画面の中に別の画面を映すピクチャー・イン・ピクチャーの機能や、オーディオミキシング機能などもあり、より便利に使えるようになっているのです。

 

 

例えばこの記事でも紹介しているBlackmagic Design ATEM Miniにはクロマキー合成という機能を備えており、上記画像のような背景を透過した人物映像の合成も可能です。

 

(クロマキー合成にはグリーンバック背景が必要です。)

 

他にも画面切り替えの際にエフェクトがつけられるなど、ライブ配信のクオリティをアップさせる便利な機能が追加されています。

 

これからインターネットライブ配信を行うなら、スイッチャーはもはや欠かすことができない機材だと言えるでしょう。

 

Blackmagic ATEM Mini

 

まず最初に紹介したいのがBlackmagic Design が開発したライブ配信スイッチャー ATEM Miniです。

 

ATEM Miniはスイッチャーの中ではかなり有名な機種になります。
高性能にもかかわらず価格が抑えられ高い人気を誇っていて、初めてスイッチャーを購入する人には一番おすすめのスイッチャーです。

 

キャプチャーデバイス機能が内蔵されているので、これ1台とインターネット回線を接続したパソコンがあれば、すぐにネットライ配信が簡単に行えます。

 

最大で4台までのビデオカメラ映像をHDMIで入力でき、ボタン1つで映像の切り替えができます。

 

コンパクト設計のオールインワン機種

直感的な操作ができるインターフェイスが優秀

クロマキーやピクチャー・イン・ピクチャーに対応可能

サムネイル用に20個のスチルを保存可能

 

手早く簡単にスイッチャーの機能を試してみたいのなら、ATEM Miniは最適の1台でしょう。

 

さらに画面切り替え時にはエフェクトを使った効果も入れられるので、ライブ配信の幅が広がるでしょう。

 

またゲーム配信などでよく使われている、ピクチャー・イン・ピクチャーやクロマキーの機能にも対応しています。

 

 

ATEM Miniユーザーが無償で使用できるATEM Software Controlの評判も上々です。

 

WindowsとMacの両方に対応していて、ソフトウェア画面上でミキサーの操作もできるのが特徴でしょう。

 

 

Blackmagic ATEM Mini Pro

 

前段で紹介したATEM Miniの1つ上の機種になるのがProです。
miniではできなかった機能が追加されているので、自分がどんな放送をしたいのかで選ぶといいでしょう。

 

LANケーブルに接続するだけでライブ配信ができる機能が搭載

ATEM Miniにマルチビューの出力機能が追加

ライブ配信の録画ができる

 

miniに搭載されているものはそのままに、追加で様々な機能が搭載された上位機種です。

 

大きな違いとしてはイーサネットへの接続で、ATEM Mini Pro単体でライブ配信ができるようになりました。
またminiでは対応していない、マルチビュー出力にも対応可能です。

 

モニターと接続することで、現在のカメラ映像を確認しながらスイッチングができます。

 

USB Type-Cに接続したSSDにライブ配信映像を同時に録画できる機能も備えているのも便利。

 

使い勝手の良いminiの機能をさらにパワーアップさせた形の機種なので、より高度な配信を楽しみたい人に向いているでしょう。

 

 

Blackmagic ATEM Mini Pro ISO

 

ATEM Mini Pro ISOはminiシリーズで最上位の機種となります。
Proよりも上の機種だけに、最大で5つのビデオストリームを録画できるのがポイントです。

 

 

Proでは音声もミックスされた1つの映像しか録画できませんでしたが、ATEM Mini Pro ISOでは4台のカメラそれぞれの映像と、ミックスされた映像の5つを録画可能です。

 

SSDには複数のフォルダが生成され、カメラごとに映像がフォルダの中に保存されます。

 

また同時生成されるプロジェクトファイルを、Blackmagic Designが無償配布しているDaVinci Resolveで起動すると、スイッチングした映像を再編集できるようになっています。

 

ライブ配信映像とは別に、編集した映像も必要になる場合は、ATEM Mini Pro ISOが非常に便利です。

 

アーカイブ編集が簡単にできる

録画された映像は同期化されているので簡単に編集できる

下位機種に搭載された機能はすべて利用できる

 

もちろんATEM Mini Pro ISOは、ライブ配信でも利用できます。
ですがその本質は配信した映像のアーカイブ編集にあるでしょう。

 

そのためライブ配信よりも、動画作成などに向いているかもしれません。

 

いわゆるプロ仕様で高機能なのですが、初心者には機能がありすぎて使いにくい可能性もあります。

 

ただし趣味ではなく、仕事でスイッチャーが欲しいという場合はATEM Mini Pro ISOもおすすめです。

 

 

Roland VR-1HD

 

Roland VR-1HDはライブ配信を行っている人から、高い評価を得ている機種です。
価格的には決して安くありませんが、その多機能さとシンプルな操作が魅力になります。

 

リバーブやボイスチェンジャーの機能が内蔵

ピクチャー・イン・ピクチャーが専用ボタン1つで簡単に呼び出せる

USBカメラとして認識されるのでライブ配信やテレビ会議などに幅広く利用できる

サウンドエフェクトを登録しておいて、ポン出しできる機能にも対応

 

3系統のHDMI入力に対応しています。
カメラやパソコン、ゲーム画面などの接続をすれば、ボタン1つで簡単に映像の切り替えができるのが特徴です。

 

これ1台とネット接続したパソコンでライブ配信が出来るのはATEM Miniと同じです。

 

ATEM Miniと違う点はオーディオインターフェースの機能も備えており、XLRマイク端子で音声を入力できる点でよりプロ向けのスイッチャーとなっています。

 

マイクは2系統の入力ラインがあるので、対談形式でのライブ配信でも問題なく利用できます。
多機能ではあるのですが、シンプルに操作できるインターフェイスを備えています。

 

初心者でも直感的に動かせるので、非常に使い勝手が良いと言えるでしょう。
価格的には高いのですが、その価格以上のパフォーマンスがあります。

 

 

Roland VR-4HD

 

Roland VR-1HDの上位機種になるのがVR-4HDです。
コンパクトなボディながらも、スイッチャー・オーディオインターフェース・モニターが一体となっており、幅広い機能に対応しています。
すべての面でRoland VR-1HDよりもパワーアップしているため、プロ仕様の機材だと言えるでしょう。

 

マルチビュー表示ができるタッチモニター搭載

オールインワン機種なので様々な操作ができる

パワーアップしたピクチャー・イン・ピクチャーの機能

6入力4チャンネルを手軽にスイッチング可能

 

フルHD対応のオールインワン機種です。

 

ビデオスイッチャーとしての機能は優秀ですが、それ以上にオーディオミキサーやタッチモニター機能など幅広い機能が搭載されています。

 

多数の映像や音声を簡単に扱うことができるため、規模の大きなイベントであっても接続が簡単になることで1人で演出が可能です。
価格的には決して安くありませんが、この1台があれば何でもできると言って過言ではありません。

 

マルチビュー対応のタッチパネルもあるため、手元で必要な操作を完結できるのが強みでしょう。

 

I-O DATA GV-LSMIXER/I

GV-LSMIXER/Iはパソコンではなく、iPadと連動して使うスイッチャーです。
基本的にiPad専用の機材と考えて良いでしょう。
本体はコンパクトでiPadを立てかけるための溝もしっかりとあります。

 

iPad専用のライブ配信用スイッチャー

専用のアプリをインストールして連動させる

iPadがなくても動かせるが、事実上iPadがないと配信は不可能

RTMP方式の配信に対応している

 

iPad専用のアプリがあり、そのアプリ内でプリセットを作成できます。
このプリセットは8つまで登録でき、本体にあるボタン1つでポン出しできるのが特徴でしょう。
最大で2つのストリームへ同時配信もできます。

 

画面のスイッチングはタッチ操作ででき、それらをiPad上のマルチビュー画面で確認できるのも強みです。
音声ミキシング機能も搭載しているため、簡単な音源操作も可能となっています。

 

パソコンではなくiPad専用となっているので、その点にだけは注意が必要でしょう。

 

 

AVMATRIX PVS0613

 

PVS0613はスイッチャーとマルチビュー画面が一体化した機種です。
折りたたんで持ち運びができるタイプで、自宅だけではなく外部でライブ配信するのにおすすめだと言えます。

 

6系統の映像入力ができる

13.3型のマルチビューディスプレイが一体となっている

多彩なエフェクトとトランジション機能が搭載

ピクチャー・イン・ピクチャー機能に対応

 

ポータブルタイプのマルチスイッチャーとして、PVS0613は高い人気があります。
自宅で使うのは勿論ですが、外部でも使いやすいのがポイントでしょう。

 

マルチビューディスプレイを別に用意しなくても良いため、外部でもリアルタイムに確認しながらスイッチングが可能です。

 

ライブ配信におすすめのピクチャー・イン・ピクチャー機能も搭載していて、微妙な位置やサイズの調整ができます。

 

ワイプ、ミックス、フェードなどのエフェクトやトランジションの機能も搭載しているので、マルチに利用できるでしょう。

 

 

ATEM Mini Extreme

 

ATEM Miniシリーズの拡張版がExtremeになります。
miniシリーズではコンパクトなサイズ感を実現していますが、Extremeは本体を大きくすることで、より多くのチャンネル入力を可能としているのが特徴です。

 

最大で8つのビデオ映像の入力ができる

8つの映像入力すべてで録画可能

イーサネット接続による本体のみでのライブ配信に対応

2つのマイク入力もできる

 

ATEM Mini Extremeは8つの映像入力ができ、それぞれに同時収録が可能です。
後から編集をするための動画編集ソフトにも対応しており、ワンクリックでライブ映像をビデオ編集して、より品質の高いアーカイブを作成できます。

 

好評だったminiシリーズの操作性の良さはそのままに、拡張されたインターフェイスなので1人でも十分に配信しながらスイッチングが行えるでしょう。
ただし機能が豊富なのは良いのですが、趣味で使う分にはオーバースペックかもしれません。

 

仕事でライブ配信をする人用の機材だと言えるでしょう。

 

 

ROLAND V-8HD

 

Roland V-8HDは本格的なスイッチャーだと言えます。
映像演出をよりクリエイティブにするための機材で、多彩な機能が搭載されているのが特徴です。
価格的にも安価ではありませんが、プロ仕様だと言えるでしょう。

 

HDMI入力に8系統、出力に3系統

ピクチャー・イン・ピクチャーやキー合成など最大で5つのレイヤーが使える

マルチビューディスプレイを内蔵

シームレスで設定できるプリセットメモリー機能を搭載

 

本格的な機能を搭載しているRoland V-8HDは、コンパクトな本体となっており設置場所を選ばないのが特徴です。
外部電源にも対応しているので、外部でのライブ配信も可能となります。

 

機能も多彩で特にライブ配信では重宝するピクチャー・イン・ピクチャーの機能や、クロマキー合成なども簡単に利用できます。

 

他にも多彩な映像エフェクトを使うこともでき、視覚効果の高い演出を行うことも可能です。
プリセットメモリーも使えるため、シームレスなスイッチングを実現しています。

 

 

目的別で選ぶ ライブ配信おすすめスイッチャー9選 まとめ

 

インターネットライブ配信の用途でスイッチャーを選ぶ場合、大規模な音楽ライブ配信を除けば低価格な製品でも十分満足できると思います。

 

必要以上に高価なスイッチャーを買うよりは、ユーザー数が多い一般向けのスイッチャーで開始し、必要に応じてオーディオインターフェースや小型のモニターディスプレイを購入するのが幸せになれるでしょう。

 

スイッチャーによって画質が大きく変わることもありませんし、今のところライブ配信はフルHD解像度で十分キレイです。

 

無理のない予算でライブ配信環境を整えてみてください。