業務用のビデオカメラって言えばやっぱりソニーになります。
このエントリーではソニーの業務用ビデオカメラの標準的な設定と使い方を解説いたします。
準備したカメラはソニー HXR-NX3です。
家電量販店で購入できるものを民生用カメラと呼び、業務用ビデオカメラと分けて考えれています。
一般的には業務用カメラのほうがキレイな映像が撮れるような印象があると思うかもしれませんが、実はそんなことはありません。
民生用のカメラで撮影した映像が業務用ビデオカメラをしのぐ場合もあります。
それにもかかわらず、プロのカメラマンは以前としてソニーの業務用ビデオカメラを使用します。
その理由は沢山あると思いますが、代表的なものをあげますと以下の3つです。
・型が違っても操作方法が大きく変わらない。
・万一のためのバックアップ録画ができる。
・安定した音声収録ができる。
ソニーの業務用のビデオカメラは製品が変わっても、大まかな操作方法がかわりません。
業務用カメラを1台使い慣れてしまえば違うカメラでも簡単に対応できるようになります。
業務用カメラの共通点はまずレンズの首の部分に、アイリス操作リング、ズーム操作リング、ピント操作リングの3つが独立していることが挙げられます。
上の写真は一番ボディ手前側にあるアイリス操作リングです。
これでレンズの絞りを調整します。レンズに向かって反時計回りで明るくなり(開放)、時計回りで暗く(絞り)なります。
アイリスリングよりも一つレンズ側に近い操作リングがズームリングです。
ズームリングは反時計回りで望遠(ズームイン)、時計回りで広角(ズームアウト)になります。
望遠になるほど、映りが暗くなりますのでアイリスリングを開放する必要があります。
そのため、ズームリングとアイリスリングが隣接しているのは同時操作がしやすく、合理的な設計になっていると言えるでしょう。
レンズに最も近い操作リングがピントフォーカスを操作するリングです。
フォーカスリングは反時計回りで無限遠(遠くにピントを合わせる)、時計回りでマクロ(近くにピントを合わせる)になります。
フォーカスリングで操作する前にはまずピントをマニュアルフォーカスにします。
マニュアルフォーカスとオートフォーカスの切り替えはカメラサイド部分に切り替えスイッチがあります。
HXR-NX3はフォーカスの切り替えスイッチを一番下にすると無限遠になります。
プッシュオートフォーカスボタンを押すとワンプッシュでオートフォーカスになります。
マニュアルフォーカス使用時に瞬時にオートフォーカスを使用したいときに便利です。
また、NDフィルターもあります。3段階になっています。屋外の撮影で多用しますね。
3つの操作リングの他に業務用ビデオカメラで共通している部分はRECボタン(録画ボタン)の位置とズームレバーの位置でしょう。
右手の親指で録画ボタンを押します。また、右手の人差し指と中指でデジタルズームレバーを操作します。
RECボタンとデジタルズームレバーはハンドル上部にもあります。
ローアングルで撮影するときに多用します。
業務用ビデオカメラの特長として複数のメディアに記録できるという点があります。
撮り直しが効かないような撮影でもし万が一撮れていないことがあると、お客さんから報酬をもらえないばかりでなく損害賠償を請求される恐れもあります。
また、SDカードや記録メディアも破損する可能性は十分ありますので、万一のリスクを考えると一つの記録メディアしか記録しない民生用カメラよりも複数のメディアに同時に記録ができる業務用ビデオカメラを選択するのが当然でしょう。
業務用ビデオカメラは「リレー記録」「同時記録」「バックアップ記録」の3種類あります。
私見ですが、カメラが業務用か、民生用か判断する要素は、画素数や映像の美しさではなくて「バックアップ録画」が可能かどうかだと考えています。
業務用ビデオカメラのマイクの接続端子は2系統あります。
一般的には指向性マイク(ガンマイク。鼻マイクとも呼びます)で一端子、もう一端子でワイヤレスマイクを入力することが多いでしょう。
キヤノンケーブルで接続できる端子の方が音割れなどの音声収録トラブルも少ないといえます。
INPUT1とINPUT2の設定はマイクホルダーそばのつまみで行います。
ガンマイクをINPUT1で使用する場合はINPUT1を「MIC+48V」に合わせます。
もう一系統をカメラの内蔵マイクで収録する場合はINPUT2を「MIC」に合わせます。
ワイヤレスマイクで設定する場合はINPUT2をLINEに設定します。
ビデオカメラのビューファインダーです。日中の屋外で撮影する場合にビューファインダーを使います。
自分の視力に合わせる調整ツマミはビューファインダーの下部分にあります。
HXR-NX3はなんと内蔵ライトが標準装備です。
ソニーの業務用ビデオカメラはライトがついていないのが普通です。
なのでSONY LEDバッテリービデオライト HVL-LE1のような製品を取り付けるようになっているのですが、HXR-NX3は内蔵ライトがついているので便利です。
光源が足りない場合は外付けのライトが必要になるでしょう。
HXR-NX3はHDMI端子とBNC端子もあります。ミキサーや映像モニターに入出力が可能です。
IRISオートの設定もできます。
IRISオートはあまり使わないのですけど、ホワイトバランスの設定の時に使用します。
ホワイトバランスの設定は写真の真ん中の■B、■A、PRESET、で行います。
PRESETに合わせた時は数値を自分で選択するマニュアル操作になります。
■Bと■Aはホワイトバランスをプリセットで設定し、記憶させておくことができます。
この設定のときにIRISオートにしてから行います。
ゲインの設定スイッチは■L(low)、■M(middle)、■H(high)で3段階に設定できます。
各段階のゲイン値も設定します。一般的には■L-0db(デシベル)、■M-6db、■H-9または12dbです。撮影環境によって変更します。
ゲインは最大+12ぐらいまでが限界だと思います。それ以上はノイズが入ってザラザラした画質になってしまいます。
カメラのメニューボタンはコチラになります。
メニューボタンは良く使うボタンですね。
カメラのアサイン登録は最大5つです。
私の場合
接写するときにフォーカスマクロがオフだとピントが合わないので入れます。通常の撮影ではOFFです。入れっぱなしにしてはいけません。
撮影の頭と最後に入れます
白とび防止です。屋外での撮影や白い壁の多い撮影環境で使います。
ゼブラは100~70%ぐらいまで調整できます。基本100で使っています。好みがあると思います。
ピント合わせが難しいときに使います。ズームで撮影するときに使用しています。
手ブレ補正ON・OFFは三脚にのせて撮影するときに利用します。
三脚を使用していないときは手ぶれ補正入れっぱなしになります。
結構荒っぽい説明になってしまいましたが、大体こんな感じです。
今度機会があったらワイヤレスマイクの設定も書こうと思いますので楽しみにしてくださいね。