今年の3月に購入したカメラ用外部モニターでFeelworld F6があります。
α6500用のカメラ用モニターとして購入し、今も問題なく撮影に大活躍しているアイテムです。
先日Feelworldを取り扱う販売店さんからFeelworld F6の新しい製品であるFeelworld Master MA5の試供品をご提供いただきましたので試しに使ってみましたよ。
私が持っているFeelworld F6でも十分満足していましたが、Feelworld Master MA5はさらに機能を改善している部分があって使いやすくなっていました。
結論を先に言うと、小型ミラーレス一眼で動画を撮影する方で、外部モニターを購入するならFeelworld Master MA5はF6よりもオススメです。
特に電動ジンバルで外部モニターを使いたい方にはFeelworld Master MA5が間違いないでしょう。
ここではFeelworld F6とFeelworld Master MA5を比較しながら、どこが変わったのか?どこに優位性があるのか?
どんな欠点があるのか?そして改善案など詳しく解説してみようと思います。
カメラ用の外付けモニターの購入を検討しているけど、安価なモニターが不安な方はぜひ参考に読んでみてください。
まずはFeelworldの外部モニターについてよくご存じない方のために簡単に解説しておきます。
業務の映像制作現場で外付けモニターは定番中の定番アイテムで、撮っている映像をリアルタイムでカメラマン以外の撮影クルーやディレクターが確認するための必須アイテムです。
主にHDMIケーブルを利用して接続し、カメラに付属の液晶モニターと同じ映像を表示させることが出来ます。
人気の外部モニターにBlackmagic Design Japan Video Assist(ビデオアシスト)や海外製品ではSmallHDが有名です。
一眼カメラの液晶モニターはサイズが小さく視認性が悪いため、ピントフォーカスを精密に行わなければならないプロのカメラマンにとって外部モニターは非常に便利なアイテムです。
このように外部モニターはプロ向けの製品であり、どれもかなり高価なのでアマチュアの動画クリエイターにはこれまで高嶺の花でもありました。
ところが最近、かなり低価格のカメラ用外部モニターがAmazonで販売されるようになってきています。
その中でも人気の製品がFeelworldのモニターです。
Feelworldの外部モニターはユーチューバーのような動画クリエイターさんが紹介していることも相まって、クリエイターの間でも認知度・評判が高まっています。
この動画はフォトグラファーのIlko Allexandroff氏によるFEELWORLD の人気モニターF6のレビュー動画です。
FEELWORLDの特長や効果的な使い方をフォトグラファー目線で解説してくれており、非常に参考になるのでぜひ視聴してみましょう。
元々はSONYαシリーズのようなチルト液晶(180度反転できない液晶)のミラーレス一眼で、ユーチューバーが自撮りのモニター確認するのにFeelworld F6が便利であることから人気が出ましたが、最近では電動ジンバル用のモニターとしても利用されるようになっています。
今回販売店から提供していただいたFeelworld Master MA5は昨今のクリエイターの要望を汲み取り、ジンバル用途をイメージして開発されている製品です。
従来の製品よりもかなり小型軽量でサイズは5インチ、重量はわずか145gのモニターとなっているのが特長です。
Feelworld Master MA5はFeelworld F6の後発機にあたり、機能など一部改善されています。
電動ジンバル撮影向けに改良された部分があるので、その点について重点的に解説していきます。
販売店さんから届いた内装箱はFeelworld F6と比較すると業務用途のようなシンプルなものになっていました。
もしかして試供品だったからかもしれません。製品の品質には関係ないのでココは問題ないでしょう。
箱の中には専用のキャリングバッグが入っており、その中にモニターやコード類・アーム・サンシェードと取扱説明書が添付されています。
Feelworld Master MA5には英語と日本語の取扱説明書が一部づつ付属しています。
Feelworld F6では中国語と英語の取説になっていましたので、英語が読めない方は嬉しい仕様ではないでしょうか。
私は何よりもキャリングバッグが付いているのが嬉しいです。Feelworld F6にはありませんでしたからね。
本体の第一印象は「小さい!」そして「軽い!」です。
Feelworld F6と比較すると、MA5はちょうどF6の液晶画面のサイズに収まる感じですね。
写真右には参考までにiphone 5を並べてみました。比較すればよく分かるようにかなり小さいです。
Feelworld F6とFeelworld Master MA5の重量を比較するとおよそ120gの違いがあります。
三脚で使う場合は違いを感じることはありませんが、ジンバルで使う場合はこの120gが大きな差を生みそうです。
縦横の寸法は13.5cm×7.5cmです。裏を向けるとバッテリーの接続部分になっています。
対応のバッテリーはFeelworld F6と同様Feelworld Master MA5もSONY NP-F550・F750・F970シリーズとなっているので、SONY業務用カメラユーザーの方は手持ちのバッテリーで事足りるのではないでしょうか。
残念ながらバッテリーは同梱されていないので、持っていない方は一緒に購入する必要があります。
Feelworld Master MA5の操作ボタンやケーブル端子は全て本体側面に用意されています。
本体上部にはメニューボタンやファンクションキー(F1・F2キー)、左側面にはHDMI INとHDMI OUT端子、DC INがあります。
Feelworld F6では4K信号をモニターに入力するHDMI端子はもちろん備わっていましたが、出力端子は備わっていませんでした。
Feelworld Master MA5にはHDMI 出力端子も用意されており、映像を外部に出力することも可能になっています。
私の場合多分不要な機能ですが、カメラの映像をモニターからスルーアウトしたい方には便利な機能でしょう。
そして右側面、底面にはそれぞれネジ穴とDC OUT、USB端子、音声モニター用のヘッドホン端子が備わっています。
Feelworld F6にもヘッドホン端子が備わっていましたが、これ非常に便利です。
SONY α6500のようなヘッドホン端子が備わっていないカメラで音声のモニタリングをする場合、Feelworldのモニターに備わるヘッドホン端子を使うことで補うことができます。
Feelworld Master MA5に付属のサンシェードです。
屋外での撮影には必須で、おりたたむとキャリングケースにも収納できるのが良いトコロ。
今回Feelworld Master MA5用に合わせて購入したのがNP-F970対応バッテリーです。
AmazonにはNP-F〇〇〇の型番で山ほど検索できますが、元々このバッテリー規格はSONYの業務用カメラのリチャージャブルバッテリーパックであり、チャイナメーカーから互換バッテリーが山ほど販売されているという状態です。
例えばSONY純正のNP-F970は2万円近くの販売価格となっているので、低予算の映像制作の場合手を出しにくいでしょう。
もちろんNX5Rなど業務用カメラ用途で使う場合は純正バッテリーであるに越したことがないですが、外部モニターのバッテリーなら低価格の互換品でも問題ないでしょう。
EDOGAWAというメーカーのNP-F970互換バッテリーは相場の真ん中ぐらいの価格です。先ほど紹介した動画のイルコさんもオススメしているので買ってみました。
NP-F550のような小型のバッテリーもありますが、大容量のNP-F970を選んだ理由は、FeelworldにはDC OUT端子があるからです。
カメラに合わせてダミーバッテリーパックを別途用意すれば、DC OUTからカメラに接続することでNP-F970からモニター+カメラに電源供給できるようになるみたいですよ。
Feelworld Master MA5には2本のHDMI端子が付属しています。
例えばSONY αシリーズに接続する場合は付属のマイクロHDMIケーブルを使って接続することが出来ます。
但し、付属のHDMIケーブルは少々長すぎて余分なケーブルの取り回しに困り、撮影にも支障が出ます。
私の場合、Feelworld F6に合わせて別途購入したカールケーブルを使っています。
カメラやモニターの接続環境によってケーブルの長さが変わるので非常に便利です。
17センチから45センチまで伸ばすことが出来るようですね。
ATOMSから発売されているケーブルは2,000円以上しますが、サードパーティ製のケーブルは1,000円以下で購入できるのでオススメです。
販売店さんからジンバル専用のアームも一緒に頂きました。
Zhiyun Craneシリーズはハンドルの底面がネジ切りされているので、そこに取り付けることが出来ます。
Zhiyun Crane2やV2、Crane Plusやスマホ用スタビライザー Smooth 4に対応するLブラケットです。
実際にZhiyun Crane V2とFeelworld Master MA5を取り付けてみました。
モニターを取り付けてジンバルを片手で持つのはかなりキツイです。
ジンバルでFeelworld F6を使う時はデュアルハンドルを使っていたので、やっぱりMaster MA5もハンドルを利用したくなりました。
ただし、重量はFeelworld F6の時よりもかなり軽くなった感じがします。
それとFeelworld Master MA5のほうがジンバル仕様の場合に限りサイズがちょうど良い感じがします。
Feelworld Master MA5はFeelworld F6と使い方がほとんど変わらないので、詳しい設定方法についてはFeelworld F6の記事を読んでください。
ここではFeelworld F6の設定ではなかったFeelworld Master MA5で追加された機能について解説します。
SONYユーザーに限ってのお話ですが、まずFeelworldの外部モニターをHDMIに接続した場合、初期状態ではカメラ側の映像が消えてモニターに全ての情報が表示されます。
カメラとモニターの両方に同じ表示をしたい場合、SONYのカメラ側の設定が必要です。
メニューの「HDMI設定」⇒「HDMI情報表示」が初期状態で「なし」になっています。
この設定を「あり」に変更します。
そうするとFeelworld Master MA5側の液晶モニターとα6500の背面モニターに同じ映像が表示されるようになります。
Feelworld Master MA5はモニター上部のMENUボタンを押すと画面の中央に設定画面が表示されます。
初期状態では言語が英語に設定されているので、「Language」を選んでモニターの▶ボタンを押すと言語が変わります。
このうち日本語を選ぶことでメニュー画面が日本語化します。
上の写真はFeelworld F6の設定画面ですが、MA5はこれと比べてかなり文字が読みやすくなっています。
使い方はほとんど変わっておらず、上の写真の通りゼブラ(露出オーバーの)表示は「過曝」と表示されています。
ここは安定していますね(汗)
その下に「オーディオ柱」という項目があり、初期状態ではオフとなっております。
これはどうやらオーディオのボリュームメーターのようですね。オンに変更します。
α7Ⅲを動画撮影モードに切り替えることでオーディオメーターが振っています。
この機能はFeelworld F6にはない表示機能だったので、動画撮影には非常に便利でしょう。
FeelworldはSONY機で使う場合、RECスタートする前はカメラの背面液晶モニターとFeelworldのモニターが同じ表示をしていますが、RECをスタートするとカメラ側がブラックアウトします。
この点はFeelworld F6から仕様が変更されていないようですね。
もしかして設定方法があるのかしら?
Zhiyun Crane V2に装着して早速テスト撮影してみました。
ジンバル撮影ではカメラの背面モニターと体との距離が離れる上にジンバル本体がモニターの視野を妨げるので、外付けモニターがあるとかなり便利です。
Feelworld Master MA5はF6よりも少々画面が小さくなりましたが、見にくくなるほどでもありません。
それよりも軽量コンパクトになったことの恩恵のほうが大きいですね。
ジンバルはなんだかんだ言っても重いので、100gの軽量化はかなり大きなアドバンテージです。
実際に使ってみてちょっとした欠点にも気が付きました。
まず、L型ブラケットでFeelworld Master MA5をジンバルに取り付けると、サンシェードがジンバルに干渉する可能性があります。
そのため取り付け方には注意が必要です。
また、撮影した写真や動画を外部モニターでプレビューしようとすると、一度ブルーの画面が表示され待機時間が生じます。
動画のプレビューをする場合は撮影がひと段落してからプレビューすると思いますが、写真では撮影するたびにプレビューすることもあります。
そんな場合はこの待機時間に苛立ちを感じるかもしれません。
また、今回はLブラケットにFeelworld Master MA5に付属していたモニターアームを使って接続してみましたが、Lブラケットとの相性が悪いのか、強く締め付けていてもちょっとしたショックで簡単に外れてしまいます。
撮影仕事で使う場合は養生テープでしっかり補強する必要があります。
付属のモニターアームではなく、別のアイテムを使う方が良いかもしれません。
こんな感じです。
まとめますと、カメラの外部モニターFeelworldの最新シリーズMaster MA5はFeelworldの従来機種よりも軽量化されており、ボリュームメーターもあって動画撮影にさらに最適化されている印象です。
ボディはその分プラスティッキーな感じで若干チープさを感じる仕上がりとなっていますが、この機能でこの価格ならまずまずお買い得の外部モニターでしょう。
ハードなジンバル撮影用の外付けモニターとして最良の選択になるのではないでしょうか。
また、Feelworld Master MA5は併用するアクセサリーアイテムの選び方で利便性が大きく変わりそうです。
特にDC OUT端子を用いて、モニター側のバッテリーでカメラ電源を供給すれば、ジンバル撮影で面倒なカメラの電池交換の手間もなくて便利でしょう。
今後臨機応変な撮影が必要になるビデオグラファーにとってFeelworld Master MA5は強い味方となるのは間違いなさそうです。