レンズ交換式のカメラで動画を撮影することが一般的になり、一眼動画撮影の補助アイテムも簡単に手に入れられるようになってきています。
動画撮影にこだわると外付けモニターや外付けマイクが必要となりますが、カメラにさまざまなアイテムを取り付けるのに便利なアイテムにカメラリグがあります。
カメラリグは映画を撮影するカメラに扱われる高価な機材でしたが、Amazonで安価な製品が販売されるようになりYouTubeを中心に活動しているクリエイターにも利用されるようになっています。
Amazonでは様々なカメラリグ・ショルダーリグが販売されていますが、そのほとんどは海外製品であるため商品解説や情報も少なく購入に躊躇している方もたくさんおられることでしょう。
でも安心してください。
電子部品については初期不良品が多いと言われている海外製品でもカメラリグに関しては比較的良い品が多く、ネットでの評判が良いものを選択すれば大きな失敗はありません。
私の失敗例を参考していただければ、きっと良いカメラリグ・ショルダーマウントリグを手に入れることができるでしょう。
このエントリーではカメラリグ・ショルダーリグをAmazonで買う前に知っておいた方が良いことや、おススメのカメラリグ、プロの映像クリエイターにも定評のカメラリグを紹介しましょう。
カメラリグはシネマカメラを中心に取り扱う映画業界で利用されているカメラの装具です。
この動画はedelkroneのポケットリグという製品を紹介しています。
一眼レフカメラで動画を撮影する場合、ビデオカメラに比べると持ち手も少なく安定しません。
そんな場合にカメラリグを使用すれば安定感が増して手ブレも抑えることができるんです。
三脚に置いて撮影できる場合でもカメラリグは役に立ちます。
カメラリグには外部モニターを取り付けたり、精密なピント合わせができるフォローフォーカスという器具を装備することができます。
小予算の映像制作ではカメラマンが一人で撮影を行いますが、映画の制作ではピント合わせを担当する専門のスタッフがいるそうです。
私はそのような制作現場を体験したことがないのですが、経験者の方から聞いた話では「フォーカスマン」はカメラと被写体の距離を正確に判断してピントをバチっと合わせるそうですよ。スゲエ。
カメラリグは本来複数の撮影スタッフとシネマカメラで取り組む予算の大きな映像制作で使用されている機材なので、販売価格もかなりのお値段となっております。
先ほど紹介したマンフロットのフォローフォーカスもかなりお手頃価格になっていると言われていますが、小型のミラーレス一眼が1台購入できそうな値段です。
これまでカメラリグは映像初心者が決して手を出せないシロモノでしたが、一眼カメラで映像制作をすることが主流になってきたおかげで、お手頃価格のカメラリグも見かけるようになってきました。
特にAmazonでは様々なメーカーから安価なカメラリグが販売されています。有名どころの会社でTILTA や FOTGA、NEEWER、SMALLRIGがあります。
どれも中国の会社なので不安に感じる方も多いと思うので、ちょっと調べてみることにしましたよ。
中国の映像機材メーカーは深セン市という都市に集中しています。
深センは香港にも接している都市で、スタートアップ企業や製造工場が多くありますが、現在では「アジアのシリコンバレー」と呼ばれるまでに成長している街です。
中でもドローンのメーカーで有名なDJIも深セン市にあり、時価総額10億ドルのトップクラスの企業となっているそうです。(ボーナスがベンツだとか。)
深セン市を拠点としている会社は最先端でいいカンジみたいですよ。
とはいえAmazonの中華製カメラ関連製品は賛否両論あるのはご存知の通りで、私もこれまで何度も「ハズレ」を掴まされてきました。
特に電子部品についてはカメラのファームウェアアップデートをしたとたんに誤作動が起きるなど欠陥品も少なくありません。
ただ、値段が非常に安いのでついつい「失敗してもまあいいか」という考えで購入してしまうんですよねえ。
カメラリグもマンフロットやedelkroneに比べるとかなり安い。
過去に紹介したSMALLRIGのα6500用カメラケージも注文したときはそんなに期待していなかったのですが、製品が届いたときはちょっと驚いたぐらい丁寧に作られた製品でした。
カメラリグは「ロッド」と呼ばれるカーボンやアルミニウム製の棒に様々な部品を取り付けて組み上げます。
カメラリグにカメラを乗せてフォローフォーカスやマイク、バッテリーや液晶モニターを装着してみるとかなりの重さになります。
そのためカメラマンの負担を減らすにはカメラリグ自体が頑丈でありながらも軽量な製品を選ぶのが良いでしょう。
私は軽量なカーボン製を選ぶようにしています。
またカメラリグはハンドルや、レンズを守るマットボックスがすべてセットになったシステムキットも販売されていますが、各パーツを別々に購入することもできる製品もあります。
例えば私も購入したSMALLRIGのカメラケージはカメラボディを守る製品ですが、側面に多数のネジ穴が掘られています。
別売りの部品を購入することで本格的なカメラリグシステムを組み上げることも可能になっています。
部品を追加で揃えると割高になるデメリットはありますが、最初から大仰なリグシステムは必要ない方や、各パーツを十分調べて買い足したい方には大きなメリットがあると言えるでしょう。
中華系のカメラ機材は新しい製品が発売されると旧製品は販売価格がガクッと下がる傾向があるので、高値を掴まされないよう注意が必要です。
また価格が安すぎる製品については初期不良品も多く、安っぽい仕上がりになっています。
それなりの高級感や使い心地を期待しているプロのクリエイターさんは各パーツを良く調べながら買い足すのが良いでしょう。
カメラリグを初めて購入する場合は、最初から多くを期待せず低価格のシステムキットを購入するのが良いのではないでしょうか。
10万円以上のカメラリグもありますが、まずは1万円以内で購入できるリグキットがおススメです。
使っていくうちにこだわりたいパーツはフォローフォーカスやマットボックスになるでしょう。
しかし購入当初はどんな製品が良いのか見当もつきませんよね。
リグキットなら「とりあえず」の品質ではありますが付属しているので、いったん使ってみて不満があれば後で部分的に買い替えるのが良いと思います。
先日一眼カメラ用の外部モニターを購入したのですが、カメラに装着してみると結構重くなってしまいました。
撮影時にモニターを付けた状態でも手ブレを抑えたいので、カメラリグを試してみることにしてみました。
選んだ製品はNeewerのショルダーマウントシステムです。
赤色と青色の二種類があり赤色を選びました。
ショルダーリグシステムになっており、フォローフォーカスやマットボックスは付属していません。
お値段も1万円以下で購入できるのでお手軽リグですね。
この色に合わせてフォローフォーカスも探して購入しましたよ。
マットボックスとフォローフォーカスがセットになった製品もありましたが、青色しかないので仕方なく別々で購入しました。
製品が到着しましたので早速開けてみましたよ。
カメラ製品はAmazonプライムに入会していると即日~翌日に届く製品が多いのでありがたいですね。
NEEWERのリグと一緒にクイックリリースプレートも購入しました。
箱を開けてみましたよ。ショルダーマウントリグの部品数はそれほど多くはありません。
これがリグの土台となるカメラマウントシューです。これに左右にロッドが差し込めるロッドシステムが六角ネジで接続されています。
カメラマウント部には水平出しができる水準器も付いているのが便利です。
リグのカメラシューに直接カメラを接続しても良いですが、私はカメラを簡単に取り外すことができるVelbonのクイックシューを付けることにしましたよ。
カメラの着脱が簡単にできるようになるので非常に便利です。一つのカメラを三軸ジンバルやカメラリグに付け替えて撮影に臨む際の必須アイテムです。
クイックシューは色々試しましたが、Velbon製品が最も安定感があり丈夫です。
お値段はそこそこしますが、購入しておいて損はないですね。
カメラ側にクイックリリースプレートを装着します。
こんな感じ!結構高さがありますよ。
では次にカメラ左側のロッドにフォローフォーカスを装着しますね。一度カメラを外しましょう。
実は赤色だと思って購入したフォローフォーカスの色はオレンジ色に近く、ショルダーリグの赤と違っていてなんだか浮いています。
ヒジョーに残念です。クッソ。
フォローフォーカスは左右のロッドを通すようにして接続します。
ギアの高さは変更可能ですよ。
次にカメラのレンズにフォローフォーカス用のリングギヤを装着します。
リングベルトを二重に巻いてネジを締めると締まります。
レンズ交換のたびに取り外すのが面倒な方は、値段がそんなに高くないのでレンズの本数に合わせてリングギヤも何本か購入すると便利でしょう。
レンズにギヤベルトを着けたらリグに再度取り付けます。
ギヤベルトのネジの位置が取扱説明書と同じような位置になるように組んでみます。
フォローフォーカスを思いっきり上にあげてみましたが、リングギヤに届きません。あれれ。
そんな場合はリグのカメラマウント部を逆さにして上の写真で指定しているネジを緩めます。
するとマウントの高さが上下に動きます。
ちょうど良い高さまで下げて、ギヤが設置するところまで調整してみます。
こんな感じで無事フォローフォーカスを取り付けることができました。
次にハンドルグリップを取り付けます。特に問題なく取り付けることができますよ。
次にショルダーリグを取り付けます。ショルダーパッドはちょっと頑丈なスポンジっぽい素材で弾力があります。残念ながらあんまり高級感はありません。
穴が二つ開いているので、その中に付属のロッドを差し込みます。
カメラマウント側のロッドにもネジが掘られているので、ロッドは簡単に接続できるようになっています。
これでリグの組み立ては完了しました。
では次に外部モニターを付けて本格的な撮影システムを組んでみましょう。
私はα6500にSMALLRIGのカメラケージと専用ハンドル・外付けモニター用ロッド・ロッドクランプを取り付けて、外部モニターを接続します。
完成しました。前から見た感じです。おおう。本格的!
小型のミラーレス一眼カメラ α6500がプロ仕様のシネマカメラ風に早変わりです。
あっ!
ロッドクランプとリングギヤが干渉する!うげげ。
って思いましたが、フォーカス操作の範囲内でロッドが干渉しないことが分かりました。よかった。
ちなみにフォローフォーカスをカメラの右側に設置して操作できないか確かめてみましたが、フォローフォーカスがレンズフードに接触するのでレンズフードが取り付けられなくなります。
なので説明書通りカメラの左側にフォローフォーカスを装着することにしましたよ。
一万円以下で購入できるNEEWERのショルダーリグですが、残念な点がいくつかあります。
まず、フォローフォーカスとロッドの接続が結構緩いです。
上の写真のようにネジを緩めることでギヤの土台を左右にスライドできるようになっていますが、このネジを回してもフォローフォーカスの土台とロッドが締まりません。
なのでフォローフォーカスの土台が前後に動く恐れがあります。
まーとはいえグラグラ簡単に動いてしまうことはないので私はこれで良しとしますが、フォローフォーカスを選ぶポイントは色だけではなくもっとチェックをすればよかったなと思いましたよ。
もしこの点が不安なら、ロッドに締め付けて接続できるタイプのフォローフォーカスが良いかもしれませんね。
また、ノブの高さを変更できるフォローフォーカスをおススメします。
こんな感じです!
カメラリグは低価格の製品でも結構良い製品がありますよ。
最初は1万円前後のカメラリグから始めると良いでしょう。
重要なのはフォローフォーカスの選び方であることがよく分かりました。
Amazonでは色々なカメラリグが発売していますので、用途に合わせたカメラリグを探してみてください。
中でも別売り部品が充実しているNEEWERのショルダーリグシステムがおススメですよ。