格安オーディオインターフェース
BEHRINGER(ベリンガー)UM2を半年使った感想です!
ライブ配信をするにあたってオーディオインターフェースを頻繁に使うようになりました。
3年使ってきたYAMAHA AG03の調子がいよいよ悪くなり、他のオーディオインターフェースに興味を持った中で激安製品を見つけました。
BEHRINGERというメーカーのU-PHORIA UM2というオーディオインターフェースです。
なんと5,000円以下の価格!YAMAHA AG03の1/3以下のお値段です。
サウンドハウスではマイク付きセットでさらに激安(笑)
失敗してもイイお値段なので購入して半年ほど使ってみました。
結論から先に言うと、評判通り音はイイですね。
だけどYAMAHA AG03から乗り換えたのは失敗だったかもしれません(苦)
そこでこの記事ではBEHRINGER UM2の購入を検討している方のために、UM2の長所・短所と私がやっている不満解消方法について解説します。
ぜひ最後まで読んでください!
私がBEHRINGER UM2を購入したのはユーチューバー さっさんのBEHRINGER UM2のレビュー動画を見たのがきっかけです。
YAMAHA AG03からの追加購入である点と、オーディオインターフェースの着眼点があまりにもシンクロしました。
動画につられて即購入してしまいましたよ
動画ではオーディオインターフェースの大人気製品 Steinberg UR22mkⅡについても解説してくれているので、1万円前後のオーディオインターフェースを探している方にはとても役立ちます。
ぜひ視聴してみてください。
BEHRINGER UM2はYAMAHA AG03からの乗り換えで、安いオーディオインターフェースを探していた中で見つけました。
私の場合オーディオインターフェースは動画編集でモニターヘッドホンを変換プラグなしに挿し込むために使用しています。
また、最近はナレーションをつけた動画を制作しており、ナレーション収録用に活用しています。
本格的なDAWソフトを使用しておらず、Adobe Auditionで収録しています。
なので2台目のオーディオインターフェースはもっと安いものでイイのではないか?
と常々思っていました。
サウンドハウスで探してみると、BEHRINGER UM2 マイクセットなるものを見つけました。
XLRケーブルとダイナミックマイク、マイクスタンド付きでYAMAHA AG03の1/3程度のお値段ですよ。安すぎでしょ。即ポチですわ。
BEHRINGER UM2。
値段が値段なので届く前から期待は低く、安っぽいオーディオインターフェースだろうと予想していました。
届いたのを見ると外観はイメージ通りでシンプル&軽い。わずか255g。
YAMAHA AG03と全然違う。
ゲインとボリュームのツマミもチープ。
左のマイク1のゲインツマミだけ回すときにねばりがある。
全体的にプラスティック感が強め。
一方でヘッドホン端子とマイク入力端子は意外と悪くない作り。
ツヤを抑えた表面となっておりシンプルな設計で、必要以上の機能は一切排除されたオーディオインターフェースといった感じです。
BEHRINGER UM2の機能と外観を見ていきましょう。
BEHRINGER UM2の入力は2つです。MIC / LINE 入力が1つとギターなどの楽器用入力が一つです。
入力のそばにCLIP / SIG のランプが表示されます。
このランプはそれぞれ入力のボリュームに合わせて点灯するようになっており、適切なボリュームではSIGのランプが緑に点灯します。
ゲインが大きすぎる場合はCLIPのランプが赤色に点灯するので、ゲインのツマミを下げます。
次にDIRECT MONITORがあって、このスイッチをオンにすると入力した音を直接ヘッドホンで聞けます。
パソコンで動画を視聴したり、動画編集中に音声を聞く場合はDIRECT MONITORがオンになっているとボリュームが少し小さくなります。
そのそばにあるのはPOWER(電源)ランプと ファンタム電源ランプ(+48V)になります。
電源ランプはパソコンとUSB接続している間はオレンジ色に常時点灯し、+48Vのランプは背面のスイッチをONにしている間赤色で点灯します。
右端はヘッドホン端子(標準プラグ)になります。
BEHRINGER UM2の後ろ側にはファンタム電源のオンオフスイッチがあります。
コンデンサーマイクを使用する場合は、これをONにして使います。
一方、ダイナミックマイクを使う場合はOFFにして使います。
またBEHRINGER UM2は出力端子がRCA端子のみとなっています。
USBはバスパワーとなっており、パソコンにつないで使う場合はパソコンから電源供給されます。
BEHRINGER UM2は2IN / 2OUTのオーディオインターフェースで、必要以上の機能を省略したシンプルな設計になっているのが特徴です。
ファンタム電源のオンオフが後ろ側になっているのがちょっと残念ですが、パソコンデスクの上で使う分には頻繁に切り替えることがないので不便さを感じません。
BEHRINGER UM2の上面には左からマイク入力のゲイン、中央が楽器入力(フォーン端子)のゲイン、右が出力(ヘッドホン・スピーカー)用のボリュームになっています。
ツマミのプラスチック感がBEHRINGER UM2を安っぽく見せてる一番の理由です。残念。
ここをもう少し頑張ってくれたら印象違ったはずなのに。まあ安い製品なので仕方がありません。
BEHRINGER UM2に付属のUSBケーブルでパソコン(WindowsPC)に接続してみます。
正常に認識されると「USB Audio CODEC」のセットアップ完了のお知らせが表示されます。
これで何の設定をすることなくマイクとモニターヘッドホンが利用できるようになります。
私の場合、Adobe Auditionでナレーション収録しているので、Auditionを開いて環境設定を確認してみます。
オーディオハードウェアには無事にUSB Audio CODECが認識されているようです。
BEHRINGER UM2でパソコンの音楽を聴いたり動画を見る分にはこれで何の問題もありませんが、DTM(パソコンで音楽を作る)で利用する場合は注意が必要です。
まずBEHRINGER UM2には専用のASIOドライバーが用意されていません。
ASIOドライバーとはパソコンで音楽や音声の編集をする時に、入力した音と出力する音(モニタリングの音)の遅延を抑えるためのシステムです。
Macの場合iOS標準の機能でCore Audioがあり、これが非常に優秀で、音声入出力時の遅延を防いでくれるため問題ありません。
一方でWindowsの場合、オーディオインターフェースのメーカーが配布するASIOドライバーを使用することになります。
ところがBEHRINGER UM2は専用のASIOドライバーを配布していないため、汎用のASIOドライバーを使うことになります。
汎用のASIOドライバーでBEHRINGER UM2によく利用されているのがASIO4ALLです。
ASIO4ALLは汎用のASIOドライバーのためBEHRINGER UM2に最適化されていません。
このためASIO4ALLで細かな設定が必要になるため面倒です。
またASIO4ALLでレイテンシーを抑えてもノイズが発生する場合もあるため、音楽制作が目的なら別のオーディオインターフェースを選んだほうが良いでしょう。
他のサイトでも解説されているのでここでは簡単にASIO4ALLのインストールと設定について解説しておきます。
まずASIO4ALLを本家サイトや窓の杜からダウンロードします。
ダウンロードしたASIO4ALLのexeファイルを実行します。
ASIO4ALLのセットアップ画面が表示されるのでNEXT(次)を押します。
ライセンス同意書が表示されるので、確認後チェックを入れてNEXT(次)をクリックします。
コンポーネントの選択の画面が表示されるのでインストールするものを選びます。
初期状態ではチェックが入っておりませんので、 Off-Line Settingsにチェックを入れて次に進みます。
ASIO4ALLのインストール先を選択します。
通常はCドライブで問題ありません。
インストールするとスタート画面にASIO4ALLのフォルダがあるので、その中からASIO4ALL v2 Off-Line Settingsを選んで起動します。
するとASIO4ALLが起動し、この時にBEHRINGER UM2をパソコンに接続しているとUSB audio CODECが追加されています。(なぜか二つ)
右上のLatency Compensation(遅延補正)でInとOutのゲージを右に動かして調節します。
また、下のバッファサイズを動かすとサンプリングレートの値が変わります。
この値を下げる(数値を小さくする)とノイズが出やすくなります。
この二つの値は初期起動時に自動的に設定されているのですが、実際はオーディオインターフェースを実際に使ってみて設定を詰めたほうが良いです。
BEHRINGER UM2の長所はザックリ挙げてみると
✅価格が安い。とても安い。
✅軽い。どこにでも持ち運べる
✅モニターヘッドホンを挿せる。音を聞く分には申し分ない
Steinberg UR22mkIIやYAMAHA AG03といったオーディオインターフェースの定番人気商品が1.5万円前後の価格となっている中で、BEHRINGER UM2は5千円以下です。
安いだけあって機能が絞られているため、音楽制作においてはやや性能不足であることは否めません。
ですが、XLRの業務用マイクを接続できる端子や、標準プラグを差し込めるヘッドホン端子を備えており、48Vファンタム電源も対応しています。
動画編集や雑談ライブ配信といった用途には十分対応できるので、オーディオインターフェースが欲しいけど予算が厳しい方には最適です。
特にオーディオ機器は取り扱いを間違えると壊れやすい機材なので、オーディオインターフェース初心者の方にはオススメです。
特にMacユーザーの方にとっては専用のASIOドライバーがないことも問題にならないのでメリットが大きいでしょう。
私がBEHRINGER UM2の残念に思ったポイントは録音のフォーマットが最大で16bit 48kHzである点です。
これはBEHRINGER UM2の前にYAMAHA AG03(24bit 192kHz)を使っていたことで、より顕著に違いを思い知らされることになったのだと思います。
このbit数が大きいほどダイナミックレンジが広い音となります。
動画編集者向けに言い換えると、「音の解像度」と言えばわかりやすいかもしれません。
音声収録の際に声が小さいときは編集ソフトで音を大きくすることができるのはご存知の通りです。
しかし編集でボリュームを上げると環境音も同時に上がってしまうので、ホワイトノイズが発生してしまいます。
高いbit数のオーディオインターフェースであれば、ダイナミックレンジが広い(S/N比が大きい)音を収録できるので編集してもノイズが少なくなります。
24bitのYAMAHA AG03から16bitのBEHRINGER UM2に買い替えることで、音声収録・編集の際にホワイトノイズを減らす作業も必要になってしまい手間が増えてしまいました。
編集で音を上げるときにホワイトノイズが気になるなら、音声を収録するときに大きな声で話せば解消できます。
でも声が小さい方や収録環境の問題で大声を上げることができない場合もあると思います。
その解決方法にとても良いアイテムをプロの方から紹介してもらいました。
それがsE Electronics社の「DM1 DYNAMITE」です。
何とも物騒なネーミングとパッケージですが、これはインラインマイクプリアンプという商品で、他にも同じような商品がある中で品質の良いのがDM1 DYNAMITEです。
使い方はとても簡単で、ダイナミックマイクとケーブルの間に接続することで+28dBのゲインを得られます。
使ってみると同じ距離からのボリュームなのにレベルメーターはガンガン天井に届きます(大きすぎ)
DM1 DYNAMITEはダイナミックマイクなら何でも使えるのでとても便利です。
結局お金はかかってしまいましたが(笑)
小型で机の上に置いても邪魔にならないBEHRINGER UM2で満足しています。
BEHRINGER UM2に決めかねる方は、上の動画でオーディオインターフェースの選び方について解説したので参考にしてみてください。
こんな感じです!
BEHRINGER UM2は
✅初めてオーディオインターフェースを使う方
✅プロ用のモニターヘッドホンを使いたい方
✅聞く用途がメインの方
✅音声収録やライブ配信環境を低予算で構成したい方
こんな方に最適です。
人気のオーディオインターフェースの多くは24bitで収録できるため、もしクリアな音収録を重視している方はじっくり考えたほうが良いかもしれません。
オーディオインターフェースは誤った取り扱いをすると壊れやすいので、機材に関する知識が乏しい初心の頃はBEHRINGER UM2で慣れ親しんで、その後に良い機材に買い替えるのが良いステップだと思いますよ。