アツデンから対談動画を撮るときに最高のアイテムが発売されましたよ。
AZDEN MC-1です!
実はこの手の製品は動画機能を重視するPanasonicやソニーからもう発売していますが、値段が高くて手が出なかった人も多いのではないでしょうか。
AZDEN MC-1は1台のカメラで2本のマイクを使って音声を撮りたいクリエイターにぴったりのアイテムです。
なんだったらスマホで対談動画が撮れてしまいます
しかもお値段は1万円以下っていう設定で、小予算の映像制作にぴったりなんですよ。
AZDEN MC-1を業務用撮影機材の販売店 システムファイブさんからお借りして使ってみることになりました。
このエントリーでは使い勝手や肝心の音質について検証してみます。
特にPanasonicのDMW-XLR1やソニーのXLR-K3Mを欲しいと思っている方はぜひ読んでみてください。
AZDEN MC-1
音響の国内メーカー AZDEN(アツデン)の一眼ムービー撮影向けマイクアダプター
標準価格 13,200円(税込)
⇒システムファイブ価格 10,164円(税込)
この動画はアツデンのSMX-30VとMC-1についてレビューした動画です。
動画の7分3秒にMC-1をレビューしています。
一眼カメラで対談動画を撮るときに、マイクってどうしてますか?
私はソニーのマイクアダプター XLR-K2Mを使って、1台のワイヤレスマイク+ガンマイクまたは2台のワイヤレスマイクで撮影しています。
業務用のビデオカメラの多くは2チャンネルの音声収録が標準的に対応できますが、一眼カメラではまだ対応できないカメラが大半です。
ソニーのマイクアダプターXLR-K2Mはソニー純正のアイテムで、他社製のカメラには使用できません。
こういった機材を導入すると、音声収録がネックで他社のカメラに乗り換えるのが難しくなったりします。
ソニー以外にはPanasonicのDMW-XLR1がありますが、これなんかはLUMIX GH5しか対応していません。(2020年10月時点)
音声の収録はまだまだ一眼カメラで対応できないこと多いですよね
この面倒くさい事情を解決してくれるアイテムを、国内のマイクメーカー アツデンがついに開発してくれました。
それがMC-1です。
マイクアダプターを使ったことがない方のためにAZDEN MC-1の特長を簡単に解説します。
一眼カメラで動画を撮影する場合、カメラに内蔵しているマイクで音声を収録できるようになっています。
この内蔵マイクはステレオマイクが主流で、左右違った音を収録できるという機能を備えています。
AZDEN MC-1はカメラのこの機能を活用して、右と左にそれぞれ別々のマイクで収録できるようにするアダプターです。
例えばこのアダプターでL側とR側に別々のマイクを接続して収録し、そのデータをPremiere Proに取り込みます。
すると収録したクリップには左右(タイムラインでは上下)の音声はそれぞれのマイクで収録したものが記録されています。
この状態では一方のマイクの音声が右から、もう一方のマイクの音声が左から聞こえてしまいます。
それぞれの音を両耳でも聞こえるように調節するには、オーディオをコピーしてオーディオトラック1と2に同じファイルを並べます。
そしてPremiere Proのオーディオエフェクトの「スペシャル」にある「右チャンネルを左チャンネルに振る」をオーディオトラック1の音声に適用します。
次に「左チャンネルを右チャンネルに振る」をオーディオトラック2の音声に適用すればOKです。
これで2チャンネルのマイクで収録した音声が両方、両耳で聞こえるようになります。
EDIUS Proで編集する場合も同じように音声をコピーしてオーディオトラックに並べ、オーディオエフェクトの「パンポットバランス」を使っています。
①パンポットバランスの設定で、LまたはRのボリュームを一番下まで下げます。
②バランスのツマミを中央にします。
そして並べたオーディオトラック両方に設定を行うことで、2チャンネルの音声が両耳で聞けるようになります。
本来2つのマイクで音声収録を行うには、レコーダー(カメラ)を複数用意する、もしくは業務用カメラを使って2チャンネル収録しなければなりませんが、AZDEN MC-1を使うことでカメラ1台で2チャンネルの音声収録ができるようになります。
AZDEN MC-1のすごいところはプラグインパワー、つまり電力を供給できるマイク端子を持った機器ならなんでも使えるという点です。
例えばスマホのマイク端子でも2チャンネルの音声収録ができるようになる点です。
会話を録るのに品質を求めないなら、テーブルにスマホを置いて録音すればよいかもしれません。
だけど、それでは周囲の雑音を多く拾ってしまったり、しゃべっている人がスマホから離れることで、声が聞こえにくくなることもあるはずです。
音声コンテンツなど他の人に聞いてもらうためのデータにするなら、なるべく高品質な音が望ましいですよね。
そんな場合はAZDEN MC-1とマイクを使うことで高品質な音声コンテンツが簡単に作れますよ。
この商品の最大のメリットはやっぱりそのお値段と軽量コンパクトな点です。
そもそも2チャンネルの音声収録自体がプロ向けの機能なので、同じような機能のアイテムを探してみると、そのどれもが本格的な製品で、高い・重い・デカいの三拍子揃っています。
AZDEN MC-1 | 9,240円~1.1万円 |
TASCAM リニアPCMレコーダー | 2.6~3.6万円 |
SONY XLR-K3M | 5.6~7.3万円 |
Panasonic DMW-XLR1 | 3.3~4.2万円 |
この他にもカメラとオーディオインターフェースを併用したり、2チャンネル収録できるICレコーダーを利用するという手もあります。
ですが、そうなるとせっかくの一眼カメラの機動性が失われてしまうことになるので、これまで選択肢はかなり限られていました。
ここで挙げた製品以外にもあるかもしれませんが、こんな低価格でコンパクトな製品は私が知る限りAZDEN MC-1しかないと思います。
ちなみに、SONY XLR-K3Mはソニー対応機器のみ。Panasonic DMW-XLR1に至ってはLUMIX GH5のみです。
それに対してAZDEN MC-1はプラグインパワー対応のマイク端子を備えているカメラはほとんど対応できるみたいです。
これはスゴイ。
こういう純正キラーな新商品はここ数年中国製品ばかりが目立っていましたが、国内メーカーのAZDENが開発してくれたことを嬉しく思うのはワタシだけではないはずです。
AZDEN MC-1を使ってみて、結論を先に言うとものすごく気に入りました。
これまで使ってきたXLR-K2Mを手放して、MC-1を買っても良いと思っています。
その最大の理由は
✅XLR-K2Mと収録した音声と比較してもそん色がない点
✅カメラリグを使うときの自由度がある
✅スマホの音声収録にも使える
です。
XLR-K2Mはカメラのアクセサリーシューに備わった電子接点を使うため、必ずカメラの上部に取り付けることになります。
こうなると、カメラに外部モニターを接続して撮影したい場合、マイクアダプターが邪魔になることがあります。
また、カメラにリグを取り付ける場合もハンドルが取り付けられなくなる可能性もあります。
その点MC-1はプラグが届く範囲ならどこにでも取り付けられるので、付属のシューアダプターでリグにつけたハンドルの先端に取り付けることが出来ました。
カッコイイ!!... かどうかは意見が分かれるかもしれませんが(汗)
2チャンネルのマイクと外部モニターを取り付けて業務用カメラ並みの装備にしてみましたよ。
またスマホとAZDEN MC-1で2チャンネル録音が出来ました。
スマホは機種によってステレオ録音できるものと、そうでないものがありますが、SONY Xperiaシリーズならプリインストールのアプリでステレオ録音が実現できます。
マイク端子がない場合(最近ほとんどない)は、USB-C用のオーディオ変換アダプターを使うことでマイクを接続できます。
iPhoneはこういうアクセサリーが標準で付属しているかもしれませんが、Androidスマホは外付け製品を買う必要があります。
今回の検証で使ってみたのがCableCreationというメーカーのUSB Type-C対応 オーディオ変換アダプタです。
マイクはもちろんヘッドホン端子も接続できるので、音声モニターも可能です。
ステレオで録音するにはスマホとアプリの両方が対応していなければなりません。
まぁ最近のスマホの性能は一眼カメラやICレコーダーとほとんど変わらないので、AZDEN MC-1で高価な機材なしでも高品質な音声の映像が作れますよ。
AZDEN MC-1を使ってみて、ちょっと残念だなと思った点があります。
まず一つはファンタム電源を必要とするマイクには対応していないっていう点と、XLR端子がR側にしか対応していないという点です。
まあ、お値段が相当安いのでそこまで要求するのも酷ですが..
もし可能ならMC-1の上位モデルとしてXLR端子が2個、そしてファンタム電源供給に対応する製品が発売されると嬉しいなあと思います。
もちろん形状と重さは今と同じような感じで!
ファンタム電源について一つフォローすると、MC-1と同じタイミングで発売されたAZDENのガンマイク SMX-30VとMC-1を併用すればファンタム電源を要するマイクがなくても全く問題ありません。
かなり高品質な音声収録が実現できます。
ガンマイク SMX-30Vに興味がある方は以下の記事も合わせて読んでみてください。
検証内容
1.ゼンハイザーMKE600をカメラに直接接続(カメラの3.5mmマイクジャック・MC-1なし)
2.ゼンハイザーMKE600をMC-1に3.5mmマイクジャックで接続
3.ゼンハイザーMKE600をMC-1にXLRケーブルで接続
カメラはSONY α7Ⅲを使用。マイクはゼンハイザー MKE600を使用します。
ゼンハイザーのガンマイク MKE600をカメラに直接接続した場合と、MC-1を経由して接続した場合の音声比較(1.と2.の比較)では差はほとんどありません。
3.のゼンハイザーMKE600とMC-1をXLRケーブルで接続した場合はホワイトノイズが軽減され、聞き取りやすい音声になっています。
MC-1を使って収録した音声は両耳で聞けるようPremiere Proでエフェクトを適用していますが、整音など他のエフェクトは一切使っておりません。
LRのツマミは音の増幅はできず、減衰のみできるようになっています。
あとSMX-30Vを一緒に使う場合、SMX-30Vに備わっているカメラと連動して電源のオンオフができる機能は無効になるのでご注意を。
こんな感じです!
✅一眼ムービーで2チャンネルの音声収録がしたい方
✅いろんなメーカーのカメラを使っている方
✅なるべくコンパクトな機材で映像制作に取り組みたい方
AZDEN MC-1はカメラリグとの相性が非常に良いのも魅力的です。
そしてスマホと合わせて使うことで、動画制作はカメラの必要がなくなる時代が来るかもしれませんね。
カメラ機能が強いスマホを持っている方にはぜひおすすめしたいマイク関連アイテムでした!
AZDENの製品は業務用の映像機器販売店で取り扱われています。
メーカー保証外の修理にも対応してくれるシステムファイブで購入するのがおススメですよ。
AZDEN MC-1
音響の国内メーカー AZDEN(アツデン)の一眼ムービー撮影向けマイクアダプター
標準価格 13,200円(税込)
⇒システムファイブ価格 10,164円(税込)