マウスコンピューターさんから4K液晶搭載ノートパソコンDAIV-NG7500S2-M2SH2をレンタルしてみました。
DAIV-NG7500シリーズはマウスコンピューターの映像クリエイター向けPC の中でも17.3型の4K液晶画面を搭載したノートパソコンです。
S2-M2SH2はNG7500シリーズの中でもハイエンドのモデルとなっています。
このエントリーではマウスコンピューターの17.3型4K液晶ノートPCの快適性を検証してみます。
そしてあともう一つ。ノートパソコンを使うにあたって大事な検証も行います。
私は以前、外出先でACアダプターを使わずにノートPCで動画編集を行ったとき、プレビュー再生がカクカクして作業効率が落ち、かなり困った経験があります。
後々ですがノートパソコンでは、ACアダプターで電源を供給しながら使用する場合と、内蔵バッテリーだけで使用する場合でかなり大きな性能差が出るという情報を得ることができました。
ここではノートパソコンによる動画編集作業で、ACアダプターの有無による性能差(支障)がどの程度表れるのかも検証してみようと思います。
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
DAIV-NG7500S2-M2SH2 [ Windows 10 搭載 ]
インテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー(4コア/2.80GHz/TB時最大3.80GHz/6MB スマートキャッシュ/HT対応)
グラフィックス:GeForce® GTX 1070 (8GB)
映像クリエイターにとってノートパソコンの用途と言えば、外出先での動画編集が想定されます。
クライアントと打ち合わせをしながら動画編集をするにもノートパソコンは非常に便利です。
またウェディングの映像制作では「エンドロールムービー」と呼ばれる、現場で動画編集・完パケ・納品までノートパソコン1台で行うようなお仕事もあります。
デスクトップPCに劣らないハイエンドなノートパソコンがあるおかげで映像クリエイターの活動の幅は大きく広がっています。
しかし、ノートパソコンで映像編集の作業を行うのはデスクトップPCでは起こりえない様々なリスクがあります。
中でも「電源を確保できない場所でも作業できる」ことはノートパソコンのメリットでもありますが、そこには制約があることを理解して作業を行わなければなりません。
外出先での作業では電源を確保できず、ノートPC内蔵のバッテリーだけで対応しなければならない場合も想定されます。
ではバッテリーだけで駆動した場合、どのような不具合や障害が起こりえるのでしょうか?
今回の検証ではFULL HDで撮影した映像素材を使いながら、想定される色々な編集作業をしていきます。
早速、マウスコンピューターさんからお借りした4K液晶搭載ノートパソコンのDAIV-NG7500S2-M2SH2に動画編集ソフトをインストールします。
DaVinci Resolve 14は動画編集とカラーグレーディングができる非常に優秀なソフトで、公式サイトから無料でダウンロード・使用できます。
DaVinci Resolve 14は様々な動画編集ソフトと互換性もあって、4K動画にも対応しています。
実はDAIV-NG7500シリーズのひとつで「NG7500S2-SH5」があり、DaVinci Resolve 14推奨モデルとなっております。
今回検証するDAIV-NG7500S2-M2SH2はそのさらに上のモデルに位置しています。
つまりDAIV-NG7500 S2-M2SH2はDaVinci Resolve 14の使用環境を十分に満たしていると言えます。
早速DaVinci Resolve14をインストールしてみました。
DaVinci Resolve14はインストールしたばかりの初期状態では言語設定が英語になっています。
そのままでは使いにくいので日本語設定を行いましょう。
DAIV-NG7500S2-M2SH2は少し触っただけでも、解像度が4Kになった分、動画編集がかなりやりやすい印象があります。
私がいつも使っているパソコンと比べて画面もかなり大きいので、表示できるウインドウを増やすことができます。
これで、編集ソフトのウィンンドウレイアウトを大幅に改良することができ、作業効率も大幅に向上します。
一度4K液晶の大画面で映像編集を体験するとフルHDの液晶モニターに戻れなくなりそうです。
液晶モニターを広く使えることでデメリットは一つもなさそうです!(^^)!
ちなみにDAIV-NG7500S2-M2SH2はキーボードも程よい間隔で打ちやすいです。
やはりテンキーが近くにあることは、タイピング時間が短縮できます。
いい感じ!使いやすいです。
撮影した素材を並べていきましょう。
今回使用した機材はこちらSony α7Sです。
ボディはフルマグネシウム合金を使用し、黒く塗装されています。
この堅牢なボディはフィルムカメラを思わせる仕上がりになっており、αシリーズが幅広いユーザーに愛されている理由の一つになっています。
α7SはHDMI端子が用意されており、サードパーティ製のレコーダーがあれば4K動画を撮影することも可能です。
Sony α7Sで撮影したフルHDの素材を、タイムラインに並べていきます。
ACアダプターありの場合CPUの使用率は23%前後を行ったり来たり、GPUは8%前後となりました。
再生は難なくできています。
次にACアダプターなしの状態でプレビュー再生をしてみました。
CPUとGPUの使用率は共にACアダプターで電源に接続した場合とほぼ同じ数値となりました。
トランジションエフェクトのディゾルブを適用して再生してみました。
CPUの使用率は28%、GPUの使用率は15%となりました。
CPU使用率の値はさほど変わりなかったですが、GPUは倍近く上がりました。
ACアダプターなしも同じくらいの使用率となりました。
プレビューも問題なくまだまだ余裕がある感じですね。
動画編集で動作が重くなるのがタイトルテキストを加えたときですが、作業性はどう変わるでしょうか?
タイムラインをプレビューしたときにテキスト適用箇所を再生ヘッドが通過したとき、CPU使用率は41%・GPU使用率は29%となり、共に使用率の値は跳ね上がりました。
ただし問題なくスムーズに再生できています。
ACアダプターなしの状態も同じくらいの使用率となり問題ありませんでした。
今回撮ったフルHD素材はα7Sのピクチャープロファイル機能を利用してS-Logでの撮影をしています。
DaVinci Resolve14のカラーページを使ってカラーグレーディングをしていきましょう。
今回はα7SのピクチャープロファイルをPP7に設定して撮影を行いました。
DaVinci Resolve14にはSONYのLUTが用意されております。その中の「Sony S-Log2 to Rec709を適用してみます。
眠い色をした映像にコントラストが加わります。
LUTを適用した状態でプレビューしてみましょう。
ACアダプターがある場合はCPU使用率は22%、GPU使用率は12%となりました。
カラーグレーディングの有無で、GPUの使用率は少しだけ上がりました。
ACアダプターがない状態で再生してみるとCPU28%、GPU9%という結果になりました。
どちらも問題なく再生することが出来ます。
カラーグレーディングもACアダプターの有無による大きな差は感じられませんでした。
ディゾルブの上に半透明レイヤーを加えてみます。
映像の上にはタイトルテキストも配置した状態でプレビューします。
エフェクトを加えた部分を再生ヘッドが通過する際にはCPUの使用率が59%、GPUの使用率が33%と大きく上昇します。
ACアダプターがない状態でもこれらの数値はほとんど変わることもありませんでした。
問題なくプレビューすることもできています。
次はトラックを増やして複数のクリップを重ね合わせて再生してみましょう。
まずはACアダプターを接続した状態でやってみます。
上の画像はACアダプター有無でCPU・GPU使用率を比較しています。
左がACアダプターを接続した状態での検証結果となります。
CPU使用率は47%でGPU使用率は28%となりました。
右がACアダプターを接続していない状態(バッテリーのみの場合)でのCPU・GPUの使用率となります。
CPU使用率は44%でGPU使用率は28%となりました。
バッテリーでの稼働の場合(ACアダプターなし)ではほんの少しですが、CPUの使用率が低下する傾向にあります。
この状態での再生時のカクツキはほとんどありません。
次は4つのトラックを用意して、4つのクリップを重ねて再生してみます。
このような編集は映像制作を仕事でやっている方しか行わないかもしれませんが参考までに。
ACアダプターを接続している状態では、CPU使用率が70%以上を推移しました。
しかしプレビューは意外と問題なく再生できます。
それに対して、ACアダプターを無しの状態で再生した場合、CPU使用率は「アダプター有り」と比較すると数値が少し低めになります。
なお再生のカクツキが顕著に表れるようになりました。
次はクイックモーション(速度変更)の編集をしてみます。
まずクリップの速度を3倍速に変更してみます。
ACアダプターを接続した状態ではCPUの使用率は51%・GPU使用率は17%となっています。
再生は問題ない状態です。
アダプターなしの場合だとCPUの使用率が34%、GPUの使用率が10%となっています。
プレビュー時にかなりカクつきます。
続いてはACアダプターに接続した状態でクリップを9倍速に設定して再生してみました。
CPUの使用率は100%になりました。
プレビューはカクツキがひどくなりました。
ここでは1分の動画にまとめたタイムラインを書き出ししてみます。
書き出すファイルフォーマットはQuick Time、コーデックはH.264、解像度は1920×1080(FULL HD)で書き出します。
ACアダプターを接続した状態だと、書き出し中のCPU使用率は100%になりました。
書き出し中はパソコンに触らず暖かく見守りましょう(^^)
書き出し時間は1分2秒、ほぼ尺と同じ時間で書き出すことに成功しました。
FULL HDの書き出しで十分な書き出し速度ですね。
では次にACアダプターなしの状態で書き出してみます。
CPU使用率は80%になりました。アダプター有の状態より20%も低いです。
書き出し時間は1分32秒になりました。
ACアダプターで接続した状態の30秒長く書き出し時間がかかってしまいました。
動画全体の尺が短いので、それほど大きな違いではないと考えてしまいそうですが、1.5倍近く書き出し時間が増加すると考えると、尺の長い動画を書き出す場合はかなり大きな差になります。
ACアダプターを接続した状態でないとCPUの稼働もフルに行われず、その分書き出し時間がかかる傾向になるようですね。
こんな感じになりました。
今回検証したパソコン DAIV-NG7500S2-M2SH2ではFULL HDの映像素材で非常に快適な編集作業を行うことができることが分かりました。
4トラック以上重ねた動画編集となるとプレビューが厳しくなりましたが、2トラック程度なら問題なくプレビュー可能です。再生時のカクつきはほとんどありません。
そしてもう一つ、「ACアダプター接続状態」と「ACアダプター無(内蔵バッテリーのみ)」で動画編集の作業性を検証してみました。
ノートパソコンは内蔵バッテリーだけで作業を行った場合、CPU使用率が若干低下してパソコンのCPU性能を十分に発揮できないことが分かりました。
中でも書き出し時間に大きな影響を及ぼすため、ノートパソコンで書き出しまで行わなければならない場合はACアダプターで電源コンセントに挿した方が良さそうです。
特に急いで書き出しを行わなければならない場合は電源コードが抜けていないかも確認したほうが良いでしょう。
結論、DAIV-NG7500S2-M2SH2のように十分な性能を持ったノートパソコンであれば、AC電源有無で動画編集の作業性が劣ることはほとんど感じることはありません。
これならいざという時ACアダプターが無い環境でも動画編集は問題なくできます。
またACアダプターで電源接続すれば、FULL HDの動画編集においてデスクトップPC並みのパフォーマンスを発揮するでしょう。
ここでの検証ではかなりパソコンに負荷がかかる動画編集テストを行いましたが、ACアダプターなしでも結構やりこなせるのはさすがDAIVのクリエイターパソコン!という感じです。
はっきり言って、スペックの良いパソコンならACアダプターが無くても動画編集には支障はないですね。
そして最後に一点。
17インチの4K液晶モニターでの動画編集はかなり快適です。
編集ソフトの画面レイアウトの自由度が増して、編集作業の効率がグンとアップします。
もしこれからノートパソコンで動画編集するなら、4K液晶ディスプレイのパソコンがおススメです。
この検証後に自分のノートパソコンを触ると、DAIVのノートパソコンが恋しくなってしまいましたよ(笑)
DAIV-NG7500S2-M2SH2 [ Windows 10 搭載 ]
インテル® Core™ i7-7700HQ プロセッサー(4コア/2.80GHz/TB時最大3.80GHz/6MB スマートキャッシュ/HT対応)
グラフィックス:GeForce® GTX 1070 (8GB)