動画編集をする際にプレビューがカクカクともたついたり、突然動画編集ソフトがフリーズして強制終了することがあります。
このような場合にまず考えられるのは
CPUの性能不足
メモリ不足
起動ディスクの性能不足
が挙げられます。
では動画編集で理想的なメモリ量とは一体何GBが良いのでしょうか?
CPU性能によって最適なメモリ量は変わると言われていますが、目安ぐらいは知りたいですよね
ここではメモリ容量64GBを搭載したパソコンを使って、32GBと64GBのメモリー量で性能がどのぐらい変わるのか検証してみます。
検証で使用したソフトはPremiere ProとDaVinci Resolve、After Effectsになります。
それぞれの最適なメモリ量を解説しますよ。
2024年以降に動画編集用でパソコンを買う予定で、メモリーを何GB搭載したらよいのか分からない方はぜひ参考にしてみてください。
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2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
この動画では動画編集用のパソコンを買う時に知っておきたいメモリの選び方について解説しています。
文章を読むのが苦手な方、読むのが面倒な方はぜひ視聴してみてください。
一般的に必要なメモリ容量はCPUの種類や用途によって変わります。
CPUは新しい製品のたびに性能アップしているので、過去のCPUでは必要とされていたメモリが、新しいCPUでは必要なくなることもあります。
また使用するソフトウェアはバージョンアップの度に機能が増え、最低限必要なメモリ量が増えることもあります。
2024年にBTOパソコンのショップで販売されているパソコンの傾向を見ると、低価格帯のパソコンでは8GB、ミドルクラスで16GB、ハイエンドモデルで32~64GBとなっています。
Core i7搭載PCで10万円以下ならメモリは8GB、15万円以上出せばメモリは標準的に16GBになっていますよ
先ほど紹介した動画ではWindows 10が快適に起動するための容量が6GBと言っているので、最新のOSを使うなら最低でも8GBは必要となります。
一般的な用途で考えると
メモリ8GB | Word、Excelなどの事務作業、インターネット、メールソフトを利用 |
メモリ16GB | 画像処理、動画編集、PC用ゲームの利用 |
メモリ32GB~ | 高度な動画編集、高画素の画像処理、高画質(4K)ハイフレームレートのゲームプレイ |
例えばこれからYouTube動画を作っていきたいといった方の場合、この表を目安にすると、メモリ16GBを搭載した最新CPU搭載のパソコンを選べば良いということになります。
問題は動画編集の中級者以上の方になります。
一括りに「動画編集」といってもフルHD動画の編集もあれば、4K動画の編集もありますし、最近では360°の動画を撮れるVR動画もあります。
画像編集も従来の2000万画素のカメラもあれば、6000万画素を超えるカメラもあります。
なのでメモリ容量はクリエイターの用途によってもう少し深く考えて選択したほうが良いでしょう。
メモリ8GB |
動画編集ソフトだけを起動して編集するならなんとか使える。 |
メモリ16GB |
複数のソフトを起動しても動画編集を快適に使える。フルHDの編集ならこれで十分。 |
メモリ32GB~ |
4K動画編集や高画質の画像処理も耐えうる性能。 |
以上は私が考える動画編集向けのメモリ容量です
パソコンショップの店員さんや技術担当者から得られた情報、自分が使ってみた感覚です。
CPUはインテルCPUなら第10世代以降、Ryzen CPUなら第3世代以降を使った場合になります。
今メインで使っているパソコンがRyzen9 5950Xとメモリ容量32GBとなっており、4K60Pの動画編集は問題なく作業を進めることが出来ています。
2024年以降に動画編集を目的としてパソコンを買うなら、32GB以上のメモリを搭載したパソコンを買うのが良いです。
最近のカメラはスマホでも4K動画を撮れるようになっているので、仕事で動画編集をする場合は32GBのメモリを搭載したパソコンを買うのが無難でしょう。
動画編集ソフトやRAW現像用ソフトはメモリ容量を多く消費するので、複数のソフトウェアを同時に起動することが多い場合はメモリを多く搭載している方が良いです。
例えば
EDIUS ProやPremiere Proで動画編集作業をしている中で、文字テロップをPhotoshopで作る。
After EffectsとPremiere Proを同時に起動して作業を行う。
ということがフルHD画質以上で日常的に行われるのであれば、32GB以上のメモリがあるのが無難です。
32GBと64GBの違いは編集ソフトの同時起動や同時作業を快適に行えるかどうか?
そして動画のプレビューの快適さと書き出し速度の違いが想定されるでしょう。
当サイトでは、マウスコンピューターとのコラボ企画で動画編集向けのお買い得パソコンを用意してもらっています。
その中でも最上位クラスとなる映像制作会社向けに用意してもらった64GBメモリ搭載のハイスペックデスクトップパソコンをお借りしました。
そこでこのパソコンのメモリを抜き差しして、メモリ32GBと64GBで動画編集作業にどのような影響が表れるのか検証してみることにしてみましたよ。
DAIV DQZ530S2-MVPR
CPU:インテル Core i9-9900K
グラフィックカード:Quadro RTX4000(8GB)
メモリ:64GB
ストレージ:SSD 512GB M.2 SSD NVMe対応 + HDD 3TB
ここで検証する内容は以下になります
・PremiereProで4K動画編集時にメモリー32GBと64GBでどう違うか?
・DaVinci Resolveで4K動画編集時にメモリー32GBと64GBでどう違うか?
・After Effectsで4K動画編集時にメモリー32GBと64GBでどう違うか?
まずはPremiereProで32GBメモリの場合です。
環境設定⇒メモリを見ると32GBメモリのPCでは初期設定で26GBほどPremiereProに割り当てるようですね。
1トラックの動画再生ではメモリを10GB前後、使用しています。
CPUへの負荷が大きいマルチカメラ編集ではメモリの使用量は18GB前後を消費し、CPUの使用率も60%以上で高くなっています。
グラボの使用量は5%とそれ程大きくありません。
32GBメモリの4Kマルチカム編集ではプレビュー時に時々コマ落ちしました。
作業には支障が出ない程度ですが、コマ落ちインジケーターが反応しましたよ。
次に書き出ししてみます。書き出し形式はH.264(4K)で出力します。
エンコード時のCPU使用率は100%、メモリは17GBほど消費しています。
また、GPUは15%ほど使用しています。
1分47秒の4K動画をH.264(4K)で書き出しに要した時間は1分33秒でした。
動画の尺よりも若干短くなっています。
次にメモリを64GBにした場合のメモリ消費量を見てみましょう。
環境設定を確認すると初期値でPremiere Proに58GBのメモリを確保するよう設定されています。
4K動画でマルチトラック編集をしても非常にスムーズにプレビューされます。
コマ落ちすることはありませんでした。
メモリは20GBの使用量となっています。
1分47秒の4K動画をH.264(4K)で書き出しに要した時間は1分32秒でした。
メモリ32GBと64GBでPremiere Proの書き出し時間はほとんど変わりませんでした。
ではまず32GBメモリでDaVinci Resolveを使用してみます。
32GBメモリのパソコンの場合、DaVinci Resolveで使われるメモリ量は初期設定で24GBとなるようです。
プレビュー中のメモリ使用量は8GB前後です。
PremiereProと比べるとGPUの使用率が高いのが分かりました。
メモリが64GBのパソコンの場合、48GBのメモリをDaVinci Resolveに割り当てるようになっています。
プレビュー時のメモリ使用量は9GB前後となりました。
まずはAfter Effectsで32GBメモリの場合です。
環境設定⇒メモリで32GBメモリのPCではPremiere Pro同様に26GBほどAfter Effectsに割り当てるようです。
今回はAfter Effectsのテンプレートを利用しました。
After Effectsはプロジェクトを立ち上げたばかりには、まずレンダリングが始まります。
この時はCPUやメモリの使用率はかなり大きくなっていきます。
レンダリング中はCPU使用率が100%まで上昇し、メモリの使用量も最大容量まで上昇しました。
ところがGPUの使用量は2%程度に止まっています。
レンダリングが終了するとCPUの使用率はガクっと低下し、8%程度まで下がりました。
メモリも使用量は27GBとなっています。
After Effectsで4K解像度のQuickTime(MOV)に書き出してみます。
この時のCPU使用量は70%前後を推移し、メモリは通常時と同じ27GBとなっています。
55秒のAfter Effects4Kプロジェクトを書き出す時間に要した時間は4分45秒となりましたよ。
64GBメモリのPCでは58GBほどAfter Effectsに割り当てるようです。
After Effectsのプロジェクトを立ち上げるとレンダリングが始まりますが、64GBメモリのPCではこの速度が目に見えて速いです。
上の画像のように、緑のレンダリングのゲージがどんどん右に伸びていきますよ
4Kのプロジェクトも滑らかにプレビューできます。
プレビュー時のメモリ使用量が10GB前後を推移し、CPUの使用率は3%となっています。
55秒のAfter Effects4Kプロジェクトを書き出す時間に要した時間は3分52秒となり、メモリ32GBの時よりも1分縮めることができました!
以上の検証結果を踏まえて出た結論!
Premiere Proの場合、32GBと64GBのメモリの違いがあっても書き出し時間はほとんど変わりません。
しかし、4K解像度のマルチカメラ編集などパソコンに負荷がかかる動画編集作業ではメモリの大きいPCのほうが明らかに快適になります。
プレビュー時のカクつきはかなり解消することができますよ
DaVinci Resolveの場合、メモリ容量を変更しても作業の違いにはそれ程差が出ませんでした。
ただし、複雑なカラーグレーディングを行うと、それに伴ってメモリ容量も消費します。
なお、DaVinci ResolveはGPUの使用率の高さが目立ちますので、DaVinci Resolveを4K動画で積極的に使うクリエイターさんはグラフィックカードの選択をこだわったほうが良さそうです。
最後にAfter Effectsです。
After EffectsはDaVinci Resolveとは対照的にグラボよりもCPUとメモリの負荷が大きく、64GBメモリは明らかな快適さを感じることができます。
そしてAfter Effectsでは64GBメモリにすることで書き出し時間も短縮されました。
After Effectsはここで検証した3つのソフトの中で、64GBメモリのメリットを1番感じることができました。
After Effectsで4Kのモーションエフェクトを編集するなら間違いなく64GBがおススメです。
64GBメモリ搭載のパソコンを手に入れるなら、32GBメモリ搭載のクリエイター向けパソコンにオプションでメモリ増量すると良いですよ。
BTOパソコンショップなら購入時にアップグレードできます。
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