動画編集用パソコンのメモリについて
ガッツリ解説するよ!
動画編集用パソコンのスペックを考える上で重要なポイントのひとつがメモリの容量です。
動画編集作業に使うパソコンの場合、メモリ容量はどれくらいあればいいのでしょうか?
メモリの持つ役割と上手な選び方、動画編集作業に必要な容量の大きさなどをまとめました。
>>動画編集に最適なメモリを搭載したパソコンをすぐに確認したい方はこちら
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
この動画では動画編集用のパソコンを買う時に知っておきたいメモリの選び方について解説しています。
文章を読むのが苦手な方、読むのが面倒な方はぜひ視聴してみてください。
メモリというのは、パソコンのCPUが計算したデータを保存しておく場所です。
ただし、メモリにデータが保存されるのはあくまで一時的なもの。
最終的にはHDDやSSDなどのストレージに保存されるのですが、その一歩手前、CPUからストレージに移される前の段階での保存場所がメモリというわけです。
この一時的な保存場所であるメモリの容量が十分にあれば、同時に複数のソフトウェアを起動したり、いくつかのアプリケーションを同時に操作したりといった負荷の高い作業もスムーズに行えます。
動画編集ソフトはユーザーが編集作業を行っている間にバックグラウンドで様々な処理を行っています。
また、動画編集中には複数のソフトウェアを使っていろいろな作業を同時進行で進めることも多くなります。
「メモリは机の上」
と例えられることがあり、机の上が広いほどたくさんの本やファイルを広げてもすぐに見つけることができますよね。
これが小さな机だと見たい書類がすぐに見つからないといったことが起こります。
動画編集につきものの、カクつきや動作が遅くなるといったソフトウェアの不具合なしに作業を行うには十分なメモリの容量が必要になる。というわけです。
動画編集の作業を快適に行うためにはCPUの性能ももちろん大切です。
だけど、どんなに高性能のCPUを使っていても、メモリのデータ容量が十分になければCPUも持っている性能をフルに活かすことができません。
メモリの容量が十分に確保できているかどうかが、パソコンのデータ処理能力に深く関係しているのです。
メモリを最大限活用するためにおすすめなのが、デュアルチャネルという方法です。
率直に言うとデュアルチャネルというのは、ふたつのメモリスロットに同じ容量のメモリカードをひとつずつセットすることです。
デュアルチャネルに対応していて、スロットが複数あるマザーボードなら採用できます。
最近はほとんどのマザーボードがデュアルチャネルに対応しています。
中にはわかりやすくメモリスロットが色分けされているものもあるぐらいです。
デュアルチャネルの場合、マザーボードにある複数のメモリスロットのうち、対応しているスロットがふたつずつ色分けされていたり、矢印で分かりやすく明記されています。
同じ色のスロットに同じ容量、同じ規格のメモリカードをセットすると、デュアルチャネルが有効になるというわけですね。
このときに別の色のスロットにセットしてしまったり、規格や容量の違うメモリカードを組み合わせるとデュアルチャネルとしては動作してくれません。
なぜわざわざふたつのメモリカードを用意してデュアルチャネル化するのかというと、その方が処理速度が速くなるからです。
例えば8GBのメモリを搭載する場合、8GBのメモリカードひとつよりも4GBのメモリカードふたつの方が処理が速くなります。
この理由は帯域幅が増えるため大量のデータ転送ができるようになるからです。
帯域幅については、車と車線数を例にするとイメージがしやすいです。下のイメージは、転送されるデータを車の交通量、帯域幅を車線数に例えています。一定の速度(仮に時速40km固定とします)の車を1車線で複数台走らせる場合と2車線で走らせる場合では、2車線の方が道幅に余裕ができるためより多くの車を通行させることができます。
つまりトータルの容量が同じでもデュアルチャネルの方が結果的に処理スピードが速くなるので、動画編集用パソコンのようにファイルサイズが大きなデータで負荷の高い作業をする場合は、メモリの容量だけではなく、メモリの性能を最大限に活かすということも重要になってきます。
デュアルチャネルにすると同じメモリ容量でもCPUの動作がさらにサクサクになり、動画編集作業も快適です。
動画編集用パソコンにはデュアルチャネルが断然おすすめです。
BTOパソコンを買う場合はデュアルチャネルにして組み立てられているので安心ですが、自分でパソコンを組んだり、メモリを増設する場合は要注意です。
デスクトップパソコンはパソコン購入後にメモリの容量を増やすことは簡単です。
パソコンを分解してマザーボードにあるメモリスロットを確認します。
メモリスロットに空きがあれば、そこに買ってきたメモリを挿入すれば増設完了です。
メモリスロットの空きがない場合は容量の大きなメモリに差し替えることでメモリ増量が可能です。
メモリの接続側には凹んで欠けている箇所があり、それに対してメモリスロット側にはメモリの凹みに合うよう突出した箇所があります。
これらが合わさるようにメモリを差し込みます。
この凹凸が合わない場合はメモリの規格が違うということです
マザーボードのメモリスロットには両端に固定装置があり、メモリを差し込むときは最後ときは最後にこの固定具を締めます。
メモリを外すときは固定具を外してから抜き出します。
メモリの容量を確認するには Windowsの場合
windowsキーを押しながらXキーを押してシステムを選びます。
デバイスの仕様と書いてある場所の「実装RAM」を見るとメモリの容量が分かります。
メモリの増設をする場合は増設前と後にチェックして、容量が増えているのか確認します。
メモリは増設が簡単なので、最初は最低限のメモリ量で、後々増設する予定でパソコンを購入する方もおられるでしょう。
その場合にチェックしておきたいのがメモリスロットの空き数です。
例えば32GBメモリ搭載のパソコンを購入したとします。
ここ最近のデスクトップパソコンにはメモリスロットが4つのマザーボードが大半を占めています。
例えば32GBメモリの場合、8GBメモリが4枚で空きスロットがない場合と、16GBが2枚で空きスロットが二つある場合の2つのケースがあります。
このようなパソコンにメモリを増設する場合、空きスロットがある後者では新しく追加して差し込めばよいですが、前者の場合だとメモリを一から購入しなおすことになります。
これはデュアルチャネル、クアッドチャネルが原則的に同じ容量のメモリを差し込む必要があるからです。
つまりメモリの増設を考えてパソコンを運用するなら、購入時に
✅メモリスロットの空き数があるかどうか?
✅メモリスロットにどんな容量の構成でメモリが挿入されているのか?
チェックしておくことで、後々余計に費用がかかるのを防ぐことができます。
2020年7月に次世代のメモリ規格「DDR5」が発表されました。
動画クリエイターさんはこの機にメモリの規格についてそろそろ理解を深めておいても良いのではないでしょうか。
メモリの規格はDDRで表記されていて、現在の普及帯のメモリ規格はDDR4とDDR5になります。
2014年頃から前規格のDDR3から移行が開始されたので、2014年よりも前に購入したパソコンはDDR3の可能性があります。
DDR3とDDR4、そしてDDR5は互換性がありません。
メモリの増設を考える場合、マザーボードのメモリスロットがDDR4なら、DDR4のメモリを買うことで差し込むことが可能です。
そしてDDR4の規格の中でも帯域幅の違いでたくさんの種類があります。
DDR4の後ろに来る数値はMHzの単位で表記されていて、メモリクロック数を表しています。
一方でパソコンショップのスペック表ではDDR4ではなくPC4と明記されていて、その後にクロック数とは違う数値が記載されています。
この数値は帯域幅を表しており、数値が大きいほど1秒間に転送できるデータ容量が大きくなり、処理速度が速くなることを意味しています。
メモリを購入する場合はDDR4という規格だけでなく、帯域幅も確認する必要があります。
またパソコンを買う場合、多店よりも極端に安いときは帯域幅の少ない(狭い)メモリが採用されていて、原価を抑えていることもあるのでチェックするのがおススメです。
パソコンに必要なメモリの容量は、CPUの性能やどんな用途に使うパソコンかということで変わってきます。
動画編集用パソコンの場合、CPUも比較的高性能なものを選ぶことになりますし、動画編集ソフトの多くはパソコンに負荷が大きくかけるので、メモリについてもそれなりの容量があるのが望ましいところです。
逆に事務的な作業やインターネットに使う程度であれば、そこまでたくさんの容量を確保する必要はありません。
これから動画編集をはじめてYouTubeなどの動画投稿サイトにアップしていきたい、と考えているのであれば、基本的な画像処理や動画の編集が快適にできる程度のメモリ容量の目安として、16GBが必要になります。
これに合わせて最新のCPUを選べば、ほとんどストレスなく動画の編集作業ができるはずです。
ですが、動画編集作業といっても、その内容はさまざまですよね。
初心者であればさほど難しい編集作業をすることはないかと思いますが、フルHDよりも解像度の高い4K動画の編集では16GBではやや性能不足です。
ここ最近発売予定の一眼カメラは4Kだけでは飽き足らず、4K60Pといった高フレームレートの映像や、10bit 4:2:2といった高ダイナミックレンジの映像を撮れるようになってきています。
このようなデータを使った動画編集にも対応できるパソコンにしたいなら、メモリは32GB以上の容量があるものを選ぶのがおすすめです。
初心者にはわかりにくいところかと思いますので、どれくらいのレベルの動画編集をしたいのか、より具体的な用途を考えたときのおすすめメモリ容量を以下にまとめました。
ぜひ参考にしてみてください!
ごく簡単な動画編集をしたい、という人向け。
動画編集のソフトは基本的にひとつしか起動しない、という使い方であればメモリは8GBでも大丈夫です。
同時にブラウザを起動したり他のソフトを起動すると動作は重くなるものの、簡単な編集は問題なくできます。
複数の動画編集ソフトを起動しても快適に動作する環境が望ましいのであれば、やはり16GB以上のメモリ容量が理想的です。
フルHD動画の編集なら問題ありませんが、より高画質の4K動画の編集となると動作が若干遅くなってしまいます。
4K動画の編集、デジカメなどで撮影した高画質の画像処理も安定してできるパソコンにするならメモリ容量は32GB以上が望ましいです。
カラーグレーディングなど、動画編集の中でも特に負荷が大きな作業もこれだけのメモリ容量があれば十分対応できます。
32GB以上に4K動画の編集が快適になります。
その他動画の書き出しなど、パソコンに負荷がかかる作業であればあるほどその効果を実感しやすいはず。
特にAfter EffectsやMotion、Fusionといった3DCGのソフトウェアを使う場合、レンダリングスピードが改善され快適に動作します。
ただし、32GBと64GBの違いを感じるクリエイターはかなり限定されるということも付け加えておきます。
予算にも余裕があり、負荷の大きなCG編集も駆使していきたいという場合には64GBのメモリを用意するのが理想的といえます。
CPUやグラフィックボードなど、他のパーツの二の次になりやすいメモリですが、適切なメモリを選べば動画編集作業も快適にできるようになります。
自分がどの程度の編集作業をしたいのかに合わせて、必要なメモリ容量を選びましょう!
動画編集用のパソコンを買うならBTOパソコンショップがおススメです。
メモリの容量はもちろん、空きスロット数や帯域幅も明記していて、メモリ増設を考えている動画クリエイターさんにも最適です。
マウスコンピューターの通販サイトでは詳細メモリの規格を「PC5-38400 DDR5」といった感じで記載しています。
PC5=DDR5で考えてOKです。
空きスロットを確認して、購入時に増設しておくのも良いでしょう。
G-Tune DG-A7G60(ホワイトカラーモデル)
CPU:Core i5-14400Fシークレット価格 ⇒209800円(税込)
※当サイトはMouse様より特別に許可を頂いてシークレット価格のページを紹介しています
DAIV FX-I7G7S
CPU:インテル Core i7-14700F338800円(税込)
>>販売終了しました
レノボの通販サイトでは規格や帯域幅は製品ページに明記あり。
カスタマイズ画面に進むと、メモリスロットの空きとメモリの容量構成を確認できます。
Lenovo Legion Tower 5i Gen 8
CPU:Core i7-14700KF179850円(税込)
ドスパラのパソコン仕様ではDDRの規格と帯域幅の両方を記載してくれています。
空きスロットはメモリとマザーボードの欄で確認できます。
情報量が多いのはドスパラ通販サイトの魅力です。
GALLERIA RM7C-R46T
CPU:Core i7-14700F189979円(税込)
※10月14日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい