デジタル一眼カメラのエントリーモデルにも4K撮影機能が搭載されつつありますね。
動画クリエイターの方はそろそろ4K解像度のPCモニターを揃えておきたいところです。
4KのPCモニターを選ぶとき、モニターのサイズは最低でも28インチ以上なければ4Kの良さを発揮できないという意見も聞きますが、実際のところはどうでしょうか?
液晶ディスプレイの種類も色々あるので、良く調べて使用目的に合ったPCモニターを買わないと失敗する可能性もあります。
数年前に比べれば、4K PCモニターはかなり安くなっているとは言うものの、フルHDのPCモニターの倍以上の値段はするので大きな出費になるのは間違いないですよね。
でも安心してください。
ここでは4K PCモニターの購入時に注意したいポイントと私が購入した4KのPCモニターのレビュー、そしてオススメの4K PCモニターを紹介します。
今までPCモニターをあまり調べずに購入してこられた方はぜひ読んでみてください。
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
この動画では液晶モニターの選び方について解説しました。
これから4Kモニターを購入しようと思っている方はぜひ視聴してみてください!
そもそも4K解像度のPCモニターとはどんなものでしょうか。
4Kの「K」は1000の単位を意味しており、横4000ピクセル・縦2000ピクセルの解像度が一般的に4Kと考えられています。
ちなみにこれまで主流のPCモニターはフルHD解像度であり、1920×1080という表記がされています。
PCモニターには現在(2025年1月時点)4K、2K(WQHD)、フルHDがあります。
4K(UHD) | 3840×2160 |
2K(WQHD) | 2560×1440 |
フルHD | 1920×1080 |
4Kは縦横のピクセル数がフルHDの倍の数値となっており、4KとフルHDのピクセルサイズ比はおよそ4倍となっています。
例えば同じ27インチの4KモニターとフルHDモニターを比較した場合、4Kモニターは表示している映像の情報量がフルHDの4倍になるため、画面サイズは同じでも高精細になるというわけです。
一方で写真編集や高画質ゲーム用のモニターとして人気がある、解像度2560×1440のPCモニターは2Kと呼び、フルHDと2Kは分けて考えられています。
横4000ピクセルに満たない3840ピクセルの解像度を4Kと呼ぶのはなんだか数字をごまかしすぎている感じがしないでもないですが、テレビ放送の4K規格が3840×2160とされているので、PCモニターの規格もこれに合わせているようです。
まず4KのPCモニターを購入する前に自分のパソコンが4Kの映像をモニターに表示する能力を備えているのか必ず確認してから購入しなければなりません。
ここ数年以内にビデオカード(グラフィックカード)搭載のパソコンを購入された方は問題ありませんが、古いパソコンの場合は4K映像出力に対応していないことがあります。
さらに4K映像出力に対応できるケーブルで接続する必要があり、従来のDVIケーブルでは4K映像を表示することができません。
現在4K映像を出力するケーブルで一般的になりつつあるのはDisplayPortケーブルです。
DisplayPortケーブルにはバージョンがあり、DisplayPort 1.2以上を使用することで4K/60Hzの映像を出力することができます。
4K/60Hzは4K 60fpsの映像となり、滑らかな4K映像でゲームをプレイしたいゲームユーザーや4K60P映像を撮影できるハイエンドカメラを持つ動画クリエイターの方は、DisplayPort 1.2以上を購入する必要があるでしょう。
まずは自分のPCに搭載しているビデオカードを確認し、メーカー公式サイトで4K解像度を出力できるのか調べてDisplayPortケーブルを用意しましょう。
4K PCモニターの種類が少ない頃は3000円以上していたDisplayPortケーブルですが、Amazonブランドでも取り扱いが始まり、かなり低価格化しつつあります。
実際に4K PCモニターを購入するとなると、気になるのがモニターのサイズです。
私もサイズ選びにはかなり悩みました。
せっかくの4K画質でも小さなモニターになると、性能を十分に生かしきれていない感じがします。
動画クリエイターの方は4Kで撮影した映像を確認するために4Kモニターを購入するのではないでしょうか。
その場合、ピントが合っているか? 色表現はどうか?かなり細かくチェックすると思います。
24インチで4Kを探すと安いPCモニターを見つけることができますが、27インチ以上のサイズとなるとお値段がぐっと高くなります。
38~40インチ以上になると逆にお値段が少し安くなる傾向があるのがわかりました。
PCモニターを動画編集以外でも使用する場合は作業デスクに載せて使うので、あまり大きすぎても使いにくいでしょう。
私は27~32インチで検討しましたが、予算に合う製品を見つけるのに結構苦労しましたよ。
モニターには駆動方式の違いで3種類の液晶パネルがあります。
詳しくは下の液晶モニターEIZOの公式サイトで詳しく解説されています。
それぞれの特長を簡単に解説すると以下になります。
TNパネル | 特長は低価格であること。応答速度が速くゲームユーザー向け。 画質は並。角度をつけて見ると正しく見えない場合がある。 |
IPSパネル | 画質がキレイ。どの角度からみても同じように見える。写真のモニターに最適。デメリットは応答速度が遅くゲーム向きではない。お値段はやや高め。 |
VAパネル | TNパネルよりも画質はキレイ。視野角はTNパネル同様、角度をつけて見るのは向いていないが応答速度が速いので画質にこだわるゲーミングユーザー向けに広く普及されつつある |
これにディスプレイ表面に光沢感があるグレアと非光沢のノングレアがありますが、映像をチェックするモニターは非光沢のノングレアがオススメです。
理想はIPSの4K PCモニター ノングレアタイプです。VAパネルなら画質はキレイなので、予算と相談しながら妥協しても良いかもしれません。
動画や写真編集でパソコンを使用するクリエイターの方はデュアルディスプレイ(マルチモニター)にしている方も多いのではないでしょうか。
特に動画編集は2つのPCモニターを使って作業を進めるとかなり効率が良いですよね。
デュアルディスプレイにしている方で4K PCモニターを購入する方は要注意です。
デュアルディスプレイの設定はデスクトップで右クリックし「ディスプレイ設定」(Windowsのバージョンによっては解像度の設定)を選択して行います。
これまでのように2つのPCモニターが同じ解像度であれば表示画面を拡張して使う場合も問題なく使用できていましたが、片方だけ4Kモニターを使うと困ったことになります。
片方だけ4K解像度で表示すると、もう一方のフルHD モニターは拡大表示されてしまいます。
もし動画編集ソフトや写真編集ソフトのメニュー画面を分離して2枚のモニターに分けて表示している方はこれまでの見え方と異なってしまうので注意が必要です。
2つの4Kモニターで使用すれば問題ありませんが、その分出費が大きくなることを考えておく必要があります。
私は予算の都合上2つの4K PCモニターを購入できそうにもないので、1台でなるべくサイズが大きいPCモニターを購入することにしましたよ。
動画編集で大本命のPCモニターと言えばやっぱりEIZOのモニターでしょう。
モニターキャリブレーション機能を搭載したEIZOの液晶モニター「Color Edge」シリーズは経年劣化するモニターの色を正しい状態に戻すことが可能です。
もちろん4K仕様のモニターも販売されていますが、お値段が非常に高いです(泣)
EIZOで映像編集用4Kモニターを選ぶとなると、50万円を軽く超えてきますので気軽に購入できるモニターではありません。
ではキャリブレーション機能は諦めて他の4K PCモニターを選ぶならどれが良いでしょうか。
EIZOよりも価格がお手頃で性能の良い4KモニターにBenQ の4K液晶ディスプレイがありあます。
4K対応の液晶モニターでIPSタイプの液晶パネルを搭載したモデルです。
ノングレア(非光沢)仕様でDisplayPort1.4対応となっています。
この製品の特長は31.5インチの4KモニターでEIZOのカラーマネージメントディスプレイに比べて安く、縦置きもできる点です。
楽天市場での販売価格は15~17万円です。
箱はかなり巨大で、「30インチはちょっと大きすぎ?」と思いますが、開けてみて実物を見るとデスクに置けそうなサイズだったので安心です。
家電量販店でも30インチのサイズ感は確認したことはありますがやっぱり大きいですね。
PCモニター本体とアーム・スタンド以外にPC接続ケーブルが一通り揃っています。
HDMI・DisplayPort1.4・Thunderbolt3対応USB Type-Cで接続できますよ。
こちらがDisplayPort1.4ケーブルです。ケーブルにDの文字が印字されていますね。
私は4K60Hz(60fps)の映像を表示できるようDisplayPortで接続します。
モニターの側面にはUSB Type-C・USB Type-Aとヘッドホン端子も用意されています。
PD3220Uを接続してPCを起動してみましたよ。
同じくBenQの4K 31.5インチモニターEW3270Uとデュアルディスプレイにしてみるとデスクいっぱいにモニターが広がります。
モニターの裏側には電源やメニューボタンが備わっています。
軽くタッチするだけで電源オンオフ、メニュー画面の起動ができますよ。
早速Adobe PremierePro CCを起動し、3.15インチの画面にPremiere Proのタイムラインを表示してみました。
画面が広くて動画編集もやりやすいです。
画像・映像もキレイなんですが、まず一番驚いたのが文字です。
文字がメチャクチャはっきり見えますね。
かなり拡大表示してもドットが全然わかりません。長文を読んでも目が疲れにくいですよ。
日本語対応のメニュー画面で必要なカラー設定は揃っています。
Rec.709、sRGBの色域は100%カバー、Display P3/DCI-P3も95%カバーで色の再現性は申し分ありません。
工場出荷時にキャリブレーションが行われ、第三者機関であるPantone認証・CalMAN認証も取得しているそうです。
デュアルビュー設定ではモニターを2分割して、別々のカラー表示をすることも可能です。
PIP(ピクチャーインピクチャー)/PBP(ピクチャーバイピクチャー)機能では2台のパソコンを1つのモニターに接続し、それぞれの画面を表示することも出来ます。
私が今使っているモニターと比べると、ベゼル(縁)がとても狭くてモニターの端ギリギリまで液晶画面になっていす。
ノングレアタイプで照明の反射や映り込みを防ぎ、画像や映像の編集には最適です。
4K解像度 + HDRで画質は文句なし。最高です。
こんな感じ!
4K PCモニターはこれから導入するクリエイターさんがますます増えていくと思います。
画質は段違いにきれいになるので、長時間パソコンで作業をする方は目が疲れにくいのでぜひオススメです。
その際に4Kモニターに必要な環境が整っていることを確認してくださいね。
BenQのデザイナーモニター「AQCOLORシリーズ」PD3220Uはケーブルもすべて揃っており、プロ並みの色調整もできるので便利ですよ。
EIZOのモニターが欲しいけどちょっと高い。でも4Kモニターで動画編集に使えそうなモニターが欲しいって方はぜひ。オススメです。