ハードディスクって
容量が多ければなんでもいいんでしょ?
パソコンの保存ディスクはほとんどSSDになってしまいましたよね。
でもハードディスクってSSDに比べると値段が安いし、大容量になるのでやっぱり魅力的です。
画像や動画のデータを保存するなら容量が大きいハードディスクの方が断然有利です。
このエントリーでは、これから自作パソコンに挑戦する方向けにハードディスク(HDD)の選び方を徹底解説します。
また、これから買うならおススメのハードディスクを5種類紹介します。
>>自作パソコン向け!ハードディスク(HDD)5選をすぐに確認する
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
この動画では自作パソコンを組みたい動画編集者の方向けにパーツ選びについて詳しく解説しました。
組み立て方については「自作パソコンの組み立ての流れを動画編集者さん向けに解説」で解説したので合わせてご視聴ください。
HDDを選ぶ際にやっぱり重要になるのは「容量」です。
HDDはデータを保存するパーツです。
データの転送速度なども大切なポイントではありますが、そちらを気にするのであればそもそもSSDを選ぶべきです。
HDDを使用する場合、速度のことはとりあえず置いといて、どれだけのデータを保存できるかという点に注目してみましょう。
近頃では、1TB以上の容量が確保されているHDDは当たり前になってきており、2TBから4TB程度のものが主流です。
動画編集向けに6TB、8TBなど、大容量化が進んでいるのも特徴です。
どのくらいの容量のHDDがちょうどいいのか、用途別に考えてみましょう。
多少なりとも動画編集作業をする場合には、最低でも2TBのHDDがおすすめです。
毎日のように数十分、数時間の動画撮影・編集をするような場合には、6TBや8TBなどさらに大容量のHDDの方がいいでしょう。
本格的な動画編集を行う場合は、大容量の内蔵HDDをデータ保存用に準備し、メインディスクに512GB以上のSSDを用意してデュアルストレージで運用するのが良いです。
また4K以上の高画質な動画やRAW現像用のRAWデータを大量に保存する場合もSSDよりHDDの方が向いています。
動画編集のプロジェクトファイルと素材データ一式を一つのフォルダでSSD内で編集・保存し、編集が終了したらフォルダごとHDDに移すといった管理方法をお勧めします。
3DゲームをプレイするときにもHDDがおすすめです。
ひとつのタイトルで数十GB使うゲームが多いため、複数のタイトルをプレイする場合には2TB以上のHDDを用意しましょう。
ゲームが好きでいくつものタイトルを遊ぶ予定がある場合、より大きな容量のHDDを選んでください。
SSDを使ってもいいのですが、コストパフォーマンスの面ではHDDがおすすめです。
頻繁にプレイするゲームはSSDのメインディスクにインストールし、ほとんどプレイしなくなったゲームはHDDに保存するといった方法ならコストを抑えることができるはずです。
これに対して
ネットサーフィン
webサイト(ブログ)の運営・制作
YouTube等動画サイトの閲覧
オフィスソフトの使用
テキストの執筆
といった用途で使う自作パソコンであれば、容量がさほど必要にならないのでHDDよりもSSDが向いています。
もっとも一般的なストレージであるHDDは、おおまかに分けて2種類のサイズに分かれています。
物理的な大きさが主に2種類あるのです。
ひとつは2.5インチタイプ、もうひとつは3.5インチタイプとなっています。
性能自体は大きさでは変わりません。
大きな3.5インチタイプのものはデスクトップパソコン向けで、若干小さい2.5インチタイプのものはノートパソコンにも搭載されています。
2.5インチタイプは自作パソコンにも搭載可能ですが、同じ容量の製品同士で比較すると、コンパクトな2.5インチのHDDの方が若干価格は高めです。
動作速度はどちらも速くはなく、いい製品であっても「普通」の域を出ません。
SSDと比べるとその違いは明らかです。
耐久面でもSSDに劣っています。
HDDの内部には文字通り固い円盤、ハードディスクが入っていて、磁気によってデータを書き込むという仕組みになっています。
そのためどうしても重くなりますし、衝撃にも弱くなります。
また、使用中はHDD内部でディスクが高速回転しているため、少しほこりが混入するだけでもすぐに故障してしまいます。
精密機械であるため、その分耐久性は低いのです。
使用可能時間については、約20,000時間が目安です。
もちろん20,000時間以上使用したらかならず壊れるということではありませんが、20,000時間以上使用している場合交換の検討をおすすめします。
HDDを選ぶ上では容量が重要だとご紹介しましたが、容量の他にHDD内部のディスクの回転数も考慮したいポイントのひとつです。
HDDを使用するときには、HDD内部に搭載されているディスクが回転してデータを読み込むことになります。
その際の回転数が1分あたり5,400回転のHDDと、7,200回転のHDDに分かれているのです。
この回転数の単位を「rpm」といいます。
5,400rpmと7,200rpmのHDDでは、性能に若干の違いがあります。
5,400rpmのHDDは、データにアクセスするまでの時間はかかりますが、利用時の発熱量は少ないのが特徴です。
消費電力もひかえめで、HDDが稼働する際の音も比較的静かです。
大容量の製品であっても価格がお手頃で、手を出しやすいのも魅力です。
✅発熱量が少ない
✅消費電力が少なく静音性に優れる
✅読み書き速度が7,200rpmと比べてやや劣る
一方の7,200rpmのHDDは、回転数が多い分データアクセスまでの時間は短くなるものの。利用時の発熱量や消費電力は総じて高くなります。
また使用時の音についても、5,400rpmの製品よりはうるさくなります。
データの転送速度・処理速度は速いため、容量が大きいものはそれなりに価格が高くなってしまうのもネックですね。
✅5,400rpmに比べて発熱量が大きい
✅消費電力、動作音が大きい
✅読み書き速度が5,400rpmと比べてやや早い
データの転送速度をより高めるという意味では、キャッシュメモリが搭載されているかどうかも重要なポイントです。
キャッシュメモリというのは、HDDに搭載されている小容量のメモリを指します。
HDDから読み込んだデータを一旦キャッシュメモリに保存し、次回読み込むときにはHDDのディスクからではなくキャッシュメモリから読み込んで、データの転送速度を向上させることができます。
1度目のアクセスでは時間がかかっても、2度目以降は若干ながら高速でデータのやり取りができるようになるというわけです。
ですが、キャッシュメモリによる高速化には、体感できるほどの変化はありません。
もちろんキャッシュメモリがないよりはある方がずっといいので、キャッシュメモリが搭載されているHDDを選ぶべきです。
しかし現在販売されている製品のほとんどにキャッシュメモリは搭載されているため、さほど意識する必要はないでしょう。
他のスペックが一緒の製品であれば、キャッシュメモリの容量が多い方を選ぶのがおすすめです。
より高速でデータにアクセスできるSSDが主流となってきている今、HDDは容量の大きなデータを保存する用途で選ばれることが多いかと思います。
容量の大きさや安定性、またコストパフォーマンスの面であえてHDDを選ぶシーンもまだまだあります。
一般的なHDD使用機器は、メーカーがHDDを製造しておらず他社製の製品を使っていることが多いです。
ですが自作パソコンをつくるのであれば内蔵HDDも好きなメーカーから選べます!
HDDを製造している主なメーカーと、それぞれの耐久性について比べてみました。
HDDを製造している主なメーカーは、
・WesternDigital
・Seagate
・TOSHIBA
・SAMSUNG
・HGST
などです。
他にもFUJITSUなどのメーカーから発売されています。
その中でも、特に流通量が多いのはWesternDigital、Seagate、TOSHIBAの3社がつくっているHDDです。
SAMSUNGやHITACHI、その他のメーカーのHDDはこの3社に比べるとあまり目立ちません。
次に、HDDの故障を軽度障害・中度障害・重度障害の3つに分けて、それらが起きる割合について調査したデータを見てみましょう。
HDDの故障率は毎年ランキングで公開されているので、その年のHDD選びに参考になります。
なお、軽度障害はシステムの破損や筐体の故障によって起きた障害を指し、HDDそのものの故障ではないものです。
中度障害は軽度の物理障害を指し、修理に分解作業の必要がなく、専門の機材があればデータの復旧が可能な障害です。
そして重度障害は、データ復旧に分解作業が必要になる重度の物理障害を指します。
この3つのうち、データを保存するHDDの故障として特に深刻なのは重度障害です。
主要メーカー3社の中で重度障害が特に少ないのはWesternDigitalとTOSHIBAです。
Seagate製のHDDと比べると、どちらも重度障害が起きる割合が20%近く低くなっています。
データが復旧できなくなる可能性もある重度障害をできるだけ避けるためには、WesternDigitalもしくはTOSHIBAのHDDがおすすめです。
その中でも特に耐久性に優れているのが、WesternDigital製の上位モデルのHDDです。
とはいえ、ハードな使い方をしない家庭用のパソコンならSeagateでもそれほど問題になりません。
SeagateのHDDを選ぶならNAS用に開発されている耐久性の高いIronWolf(アイロンウルフ)シリーズがおススメです。
TOSHIBA 東芝 3.5インチ 8TB 7200rpmはNAS用に最適化されているのが特徴です。
NASクラスのニーズに対応できるように、高いスペックを備えています。
最大で120万時間のMTTFや24時間連続稼働などを行っても苦にしないタフな製品です。
自作パソコン用のHDDとしても優秀です。
回転振動に対する補正を行うRVセンサー搭載で高耐久を実現しています。
正規品なら購入後3年保証もついていますので、しっかりと使えるHDDを探しているのならおすすめの製品です。
また汎用性が高いのも魅力の1つになります。
家庭用として使うのはもちろんのこと、SOHOなどの小規模なビジネス用NASとして利用しても問題ありません。
プライベートクラウドストレージとしても使えるので、オンラインサービスを良く利用する人にも向いています。
Seagateのハードディスク BarraCudaシリーズはMTCの採用でデータフローが最適化されているのが特徴です。
HDDながらもアプリやファイルを高速で読み込むことができます。
NAND型フラッシュやDRAMなどを使って最適化されているため、高負荷な作業を伴う動画編集などの自作パソコン用HDDに向いています。
高い信頼性も注目すべきポイントです。
20年以上の歴史を持つメーカー製だけに、長期間安心して利用できる保証を提供しています。
別途登録が必要ですが、データリカバリープランもあるので、万が一の時でも安心です。
コスパの良さも魅力の1つです。高いパフォーマンスと信頼性がありながらも、価格的には安価な部類に入ります。
そのためコストを抑えてストレージ容量を確保したい人や、SSDとの併用を考えている人にもおすすめできるでしょう。
Seagate IronWolfは高い信頼性がポイントになります。
独自技術であるIHMが搭載されていて、自動的にドライブの健全性を管理してくれるでしょう。
ドライブが安定して利用できるため、システム全体の信頼性が高まります。
自作パソコン用のHDDとしては、使いやすい製品です。
AgileArray技術による作業効率の良さにも注目です。
マルチユーザー環境や、高負荷作業の時に役立ってくれます。
ゲーミングや動画編集などをメインとして利用する人にとっては、とても便利な機能です。
NAS対応していますので、より使い勝手が良くなります。
ネットワーク経由で、どこでもデータを共有したり、編集加工などできるのでクリエイティブな作業を重視したい人にもおすすめできます。
Western Digital HDD 6TBはバックアップが簡単に行えるのが魅力です。
無料で利用できるAcronis True Image WD Editionが優秀で、ドライブを複製するだけではなく、OSやアプリケーションの設定などを簡単に引き継ぎできます。
SSDとの連携ができるのもポイントでしょう。
WDのBlueドライブはSSDと連携して、データアクセスの速度を最大化するよう設計されています。
デスクトップのパフォーマンスと、ストレージ機能を強化するため自作パソコン用HDDにも最適です。
5,400RPMの低回転タイプなので、動画編集時に利用するのは不向きですが、保存用なら問題ありません。
低発熱で駆動音も比較的に静かであるので、静音性という点でもおすすめできます。
高耐久なのが魅力の1つです。
24時間365日の稼働を条件として設計されているため、長時間での動作も問題ありません。
NAS用のHDDとして高い人気を獲得しているのも、耐久性あってのことでしょう。
NASを組むのを前提の自作パソコン用HDDには最適です。
NASware 3.0テクノロジーが採用されているのもポイントです。
このテクノロジーによってNASやRAID環境での高パフォーマンスを発揮してくれます。
従来バージョンよりも、若干ですが内部転送レートが上昇しているのもポイントでしょう。
デジタルコンテンツをオンラインで管理したい人に向きます。
NAS用に設計されているHDDだけに、個人や小規模なビジネスでの運用に向いているためです。
ストリーミングやバックアップなどにも使えるので、動画編集をしたい人にもおすすめでしょう。