(提供元:株式会社サードウェーブ)
サードウェーブのゲーミングPC Core i9搭載のハイエンドシリーズ ZA9C-R47Tが第14世代CPUに更新して発売開始となっています。
GALLERIA ZA9C-R47TにはハイエンドグラフィックカードのGeForce RTX 4070 Tiが搭載されており、AIクリエイティブや最新パソコンゲームを楽しみたい方にもオススメのスペックです。
ここではGALLERIA ZA9C-R47Tの実機を借りて動画編集・AI静止画からの動画製作(Stable Diffusion + Pika1.0)を検証してみます。
AIを活用したアニメーション、高画質の映像制作に挑戦したい方はぜひ参考にご覧下さい。
GALLERIA ZA9C-R47T
CPU:インテル Core i9-14900KF
メモリ:32GB PC5-38400
グラフィックス:GeForce RTX 4070 Ti 12GB
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB Gen4
384980円(税込)
※2月6日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい。
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
GALLERIA ZA9C-R47T
動画編集ソフトの多くがCPUからGPUの性能に依存する傾向が強くなってきており、私は一時期からCore i9の必要性に疑問を感じていました。
これは第12世代・13世代のCore i9の電力消費量や発熱量のデメリットが、Core i9で得られるメリットを上回っていたように思えていたからにほかなりません。
今回GALLERIA ZA9C-R47Tの実機を使ってみて、「Core i9ってやっぱりいいCPUだなぁ」と改めて実感しました。
第12~14世代のCore i7とハイエンドグラフィックカード(RTX 4060Tiや4070 Ti)を持ってしてもPremiere Proで8K30Pのプレビューはカクカクでどうしようもなかったのですが、GALLERIA ZA9C-R47Tで見事滑らかな再生が実現できました。
また、Stable Diffusionで高解像度のAI実写画像生成も生成時間は短時間で実現できます。
Googleドライブ(Google Colab)でStable Diffusionを運用する人が増えていますが、課金せずにローカル環境でStable Diffusionを遠慮なく使うためにハイスペックパソコンを用意するというメリットは大きいでしょう。
ゲームもやる。動画編集・動画配信もやる。AI生成もやる。という方にはGALLERIA ZA9C-R47Tを強く推します。
ドスパラのセーフティサービスは購入時に入会することで故障時の迅速対応やデータ復旧サービスにも対応してもらえます。
GALLERIAシリーズを購入・カスタマイズをする際はぜひ加入を検討してみましょう。
ではここで一度、GALLERIA ZA9C-R47Tのスペックを詳しく考察してみましょう。
CPU | インテル Core i9-14900KF (3.20 GHz-6.00 GHz/24コア/32スレッド) |
マザーボード | Z790 チップセット |
CPUクーラー | (水冷式) ASETEK 624S-M2 (240mm/高速ファン搭載) (非発光) |
メモリ | 32GB DDR5 SDRAM(PC5-38400/16GBx2/2チャネル) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 4070 Ti 12GB GDDR6X |
ストレージ | 1TB SSD (NVMe Gen4) |
電源 | 850W 静音電源 (80PLUS GOLD) |
販売価格(2024.2月時点) | 384,980円(税込) |
Core i9-14900KFを搭載したデスクトップパソコンはサードウェーブの中でも最上位クラスの位置付けです。
さらにGALLERIA ZA9C-R47TはGeForce RTX 4070 Ti SUPERが2024年1月にリリースされるまで、RTX 4090・4080に次ぐ性能を持つGeForce RTX 4070 Ti をビデオカードに採用しています。
そして1TBのNVMe Gen4 SSDの起動ディスクと32GBのDDR5メモリ、水冷CPUクーラーでスキのないスペックを備えています。
850Wの大容量電源でSSD・HDDの追加にも十分対応できるので、ゲーミングパソコン以外の用途にも問題なく対応可能です。
ケース内部には巨大なGeForce RTX 4070 Tiが中央に鎮座し、水冷クーラーのラジエーターやPCケースファンが所狭しと並んでいます。
内部の冷却を重視した設計になっているので、重量級の最新ゲームを高フレームレートでプレイしつつ実況配信を行うといった高負荷にも耐えうる性能となっています。
Core i9と言えば爆熱と消費電力の高さが気になるところですが、GALLERIAのケースにはフロント部にも140㎜のケースファンを標準搭載しているので冷却能力はかなり高そう。
天井部分はパソコン内部の熱を逃がせるようメッシュ孔径が施されています。
後でも解説しますが、4K動画書き出し時のパソコン動作音はほとんど気にならず、音漏れの心配はありません。
PCケースにはフロント部分にUSBポートが4つも並んでおり、動画配信でも使い勝手が良いでしょう。
起動ディスクは1TB容量のM.2 SSD NVMe Gen4が搭載されており、ドスパラ通販サイトで購入する場合は最大4TB容量にアップグレードすることができます。
また、ビデオカードの下の部分にはM.2 SSD NVMe 空きスロットがひとつ確認でき、その下にはHDDの空きベイも備わっています。
ビデオカードを外すことでM.2 SSDの空きスロットをもう一つ確認できたので、起動ディスクの他にM.2 SSDを最大3基追加することも可能です。
予備の電源ケーブルも束にまとめられているので、自作パソコン初心者の方でも簡単にSSD・HDDを追加できるようになっているのは高評価ポイントです。
サードウェーブのゲーミングPC GALLERIAは自分でもカスタマイズしやすく仕上がっているのが魅力です。
GALLERIA ZA9C-R47Tでベンチマークスコアを計測します。
まずPCMARK10のベンチマークでは総合スコアが9305となり、その他のスコアは以下になります。
Digital Contents Creation:16552
Photo Editing Score:20912
Rendering and Visualization Score:25231
Video Editing Score:8596
特にビデオ編集スコアやレンダリングスコアが高いので、4K動画編集の検証が楽しみです。
Blackmagic RAW Speed TestではCPU・GPUともにオールクリアで8K60PのRAW動画編集に対応できるように示されています。
CrystalDiskMarkによる実測値はシーケンシャルリード4,933MB/s シーケンシャルライト3,748MB/sです。
ランダムリードが1,027MB/s・ランダムライトが921MB/sの読み書き性能となっています。
ここでGALLERIA ZA9C-R47TのCPUとビデオカードについて考察してみましょう。
Core i9-14900KFは2023年10月に発売したCPUで、24コア32スレッドのインテルハイエンドCPUで市場価格は8.5~12.3万円です。
同日に発売したCore i7-14700KFは20コア28スレッドで市場価格は6.2~8.6万円です。
インテル第14世代は前世代から発熱や省電力性能を向上しており、ユーザーレビューを見ても前世代に比べて高い評価を得ています。
PassMarkのデータでCPUのベンチマークスコアを比較してみると、第13世代 Core i9-13900KFとのスコア差は2,400ポイント程となっております。
競合のRyzen 9 7950Xと比べると2,700ポイント程で、今回の世代更新でもRyzen 9 7950Xを超えることが出来なかった模様です。
シングルスレッド性能においてはCore i9-14900KFが最も優れたスコアをとなっており、わずかな差ではありますがCore i9-13900KFから向上しています。
コア数、最大クロック数が増加した第14世代のインテルCPUは動画編集でどの程度向上するのか見ものです。
個人的な意見ですが、GALLERIA ZA9C-R47Tは価格がやや高いので、動画編集者には以前レビューしたCore i7-14700KF搭載のGALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルのほうがバリュー感があるなと思いました。
GALLERIA ZA9C-R47TのCPUクーラーはASETEK 624S-M2です。
ASETEKはThermaltakeやCORSAIRにもOEM製品を納入する水冷ユニットの老舗です。
サードウェーブのパソコンでもよく見かける水冷CPUクーラーです。
そしてメモリはDDR5規格で32GB容量のメモリーを2枚挿しの2チャンネル仕様、最大128GBメモリまで搭載可能です。
グラフィックカードはGeForce RTX 4070 Ti でPalitのオリジナルファンモデルが採用されています。
3ファンモデルで頑丈そうなプレートを装備し、ハイエンドビデオカードならではの存在感で、さらにGeForceのネームプレートはLEDで光ります。
しかも温度によって光の色が変わるとか。
PassMarkのベンチマークスコアランキングではGeForce RTX 3090 Ti・RTX 4070 SUPERを凌ぐ性能となっています。
2024年に入り、RTX 4070 Ti SUPERの登場で上位ランクの座を譲っていますが、発売から1年以上経過した今でもRTX 4070 Tiの存在感は大きいと言えるでしょう。
そしてGeForce RTX 4070 TiはDLSS 3を実装し、AIによるフレーム生成能力が飛躍的に向上しています。
GALLERIA ZA9C-R47Tはゲームの画質向上だけでなく、AIクリエイティブの開発においても安心して使用できるグラフィックス性能を備えたゲーミングパソコンとなっています。
動画生成AIの「Stable Video Diffusion」が公開され、動画生成もAIで実施できるようになりつつあります。
現時点では商用利用はできず、生成できる動画も3秒ほどと短いため、ここではStable Diffusion とPika 1.0を使ったAI動画の生成を検証してみることにいたします。
GALLERIA ZA9C-R47TにStable Diffusion web UIをインストールしてAIによる画像生成を検証してみます。
Stable Diffusionはgoogle drive(google Colab)にインストールして使うやり方もありますが、GALLERIA ZA9C-R47Tのような高スペックのパソコンを所有する場合は、ローカルにインストールして使う方が課金や使用回数を気にすることなく使うことができるので便利です。
GALLERIA ZA9C-R47Tに搭載しているGeForce RTX 4070 Ti はAIクリエイティブに対応し、12GBのビデオメモリでStable DiffusionのAI画像出力にも最適です。
今回はStable Diffusionで実写タイプの画像生成を行います。
設定は以下になります。
model | Beautiful Realistic Asians V7 | Sampling Steps | 30 |
sampling method | Euler a | Batch counnt / Batch size | 6 / 1 |
Width/Height | 720/1280 | CFG scale | 5 |
prompt | masterpiece,best quality,1girl,bishoujo,smile,upper_body, | ||
Negative prompt |
16-token-negative-deliberate-neg,lowres,bad anatomy,bad hands,text,error,missing fingers,extra digit,fewer digits,cropped,worst quality,low quality,normal quality,jpeg artifacts,signature,watermark,username,blurry, |
モデルはCIVITAIのBRA v7(Beautiful Realistic Asians v7)を使用しました。
プロンプトやネガティブプロンプト、Sampling methodなど細かな設定はCIVITAIのサンプルを使用しています。(Seedは使用していません)
Stable Diffusionは画像のサイズ(Width/Height)と枚数(Batch counntとBatch size)、フィードバック回数(Sampling Steps)の値によって出力に必要な時間が上下します。
Sampling Stepsの値が大きいほど精細なAIイラストになり、モデルのBeautiful Realistic Asians v7は何度か生成して「30」が品質と所要時間のバランスが良いと思い設定しています。
各値を小さくすればより早い時間で画像出力が完了するでしょう。
この設定値で出力に要した時間は1枚13秒、6枚の出力で1分27秒となりました。
かなりの速さで画像生成が完了します。
そしてさらにPika 1.0を使って静止画から動画の書き出しを実施しました。
Pika 1.0はクラウドサービスなのでPCスペックは関係ありませんが、将来的にはStable Video Diffusionで同じようなことが出来るようになることが予想されます。
非常に簡単に静止画から動画化できましたよ。
静止画の生成から動画への変換、4K120Pの動画編集まで、GALLERIA ZA9C-R47Tで実施した検証の様子を動画にしました。
途中早送りしていますが、1枚の画像生成の様子が分かると思うのでご覧ください。
GALLERIA ZA9C-R47Tは高品質な美少女のAI画像 / ショートムービーの生成を高速で実現できるスペックになっています。
それでは次にGALLERIA ZA9C-R47Tで実写版の動画編集を検証してみます。
3種類のカメラで収録した撮影データを使います。
使用した映像データ
✅LUMIX GH6 4K60P動画編集(MOV LongGOP 4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLG)
✅SONY α7SIII 4K120P動画編集(XAVC HS 4K120P 422 10bit 280Mbps)
✅SONY α1 8K30P動画編集(XAVC HS 8K30P 422 10bit 280Mbps 520Mbps)
まずはPremiere Proで動画編集を実施してみます。
プログラムモニターの画質設定は常に「フル画質」で検証しています。
また、Premiere Proの環境設定では「ハードウェアによる高速デコーディング」で「Nvidia」にチェックしています。
まず最初にGALLERIA ZA9C-R47TにLUMIX GH6の撮影データ(MOV LongGOP 4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLG)を使って動画編集をしてみます。
4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLGはLUMIX GH6で記録できるデータの中でもパソコンへの負荷が最も大きいデータです。
カット編集・BGM・字幕を追加し、カラーモードでカラーグレーディングを行います。
編集が完了したシーケンスをプレビュー中のCPU使用率は37~40%前後を推移し、GPU(GeForce RTX 4070 Ti)の使用率も40%前後を推移します。
メモリの消費量は32GBのうち22.6GB(71%)となります。
CPUの負荷も比較的少なく、ビデオカードによるハードウェアデコーディング支援も終始安定しており、プレビューは非常に滑らかです。
再生中のコマ落ちをPremiere Proのコマ落ちインジケーターで確認すると3分のプレビューに発生したコマ落ちはわずか1フレームとなりました。
GALLERIA ZA9C-R47TはGH6の4K60P 4:2:2 10bit データの1トラック編集は非常に快適に実施できます。
次はα7SIII のXAVC HS 4K120P 422 10bit 280Mbpsで動画編集を実施します。
Premiere Proのシーケンスは30Pに設定し、4K120Pのクイック&スローモーションを加えた編集を実施しました。
BGMやタイトルを追加し、シンプルなカラーグレーディングも実施します。
再生中のCPU使用率は60%前後で推移します。
GH6の4K60PよりもCPU負荷はやや大きく、GeForce RTX 4070 Tiの使用率は若干低下し31%前後で推移。メモリ消費量は4K60P編集時から10%減っています。
コマ落ちインジケーターで0フレームのコマ落ち
4K120Pの編集後のプレビューでは1分40秒のシーケンスで0コマのフレーム落ちです。
GALLERIA ZA9C-R47Tは4K120P 4:2:2 10bitのカラーグレーディング・動画編集にも十分対応できます。
次にSONY α1のXAVC HS 8K30P 4:2:2 10bit で動画編集してみます。
この撮影データはSONY α1の最高画質設定です。
CPUの使用量は70~80%前後で推移し、メモリの消費量は26.1GB(82%)となります。
一方GeForce RTX 4070 Tiの使用量は10%前後となり、ビデオカードの支援はやや減少しています。
しかし、8K30Pのクリップを並べて再生すると比較的滑らかに再生し、1分56秒の再生で発生したコマ落ちは12フレームに止まります。
第13世代CPUまでは困難だった8Kクリップの再生が、遂に14世代Core i9で実現できました。
凝った動画編集は難しそうですが、1トラックの簡単なクリップのカットや書き出しは問題なく出来そうです。
GeForce RTX 4070 Tiも多少デコーディング時に好影響を与えていると思います。
発売当初はSONY α1の8Kに全く対応していなかったGeForce RTX 4070 Tiも、ついに8K映像のデコーディングに対応しつつあるのかもしれません。
とりあえず8Kの高画質をPremiere Proで再生できたことに感動しました。
次にGALLERIA ZA9C-R47TとPremiere Proで書き出しテストを行います。
書き出したのはLUMIX GH6の映像素材を乗せた4K60Pシーケンスです。
書き出し設定は4Kシーケンス(3分3秒)からH.264の4K(UHD 3840×2160)、ターゲットビットレートは50MbpsのVBR 1パス。
ソフトウェアエンコーディングとハードウェアエンコーディングでそれぞれ書き出し時間を計測します。
書き出し時間はそれぞれ以下のようになりました。
4K書き出し(3分3秒の動画)
ソフトウェアエンコーディング | 2分48秒 |
ハードウェアエンコーディング | 1分49秒 |
書き出し時のCPUやGPUの使用率もチェックしてみました。
ソフトウェアエンコーディングではCPUの使用率が100%で、メモリは25GB(79%)、GPUは96%の使用率です。
ソフトウェアエンコーディングでもGeForce RTX 4070 Tiはよく動いています。
なお、ソフトウェアエンコーディング時も水冷ユニットのラジエーターファンは中程度の回転でパソコンからの騒音もおとなしめです。
そしてハードウェアエンコーディングによる書き出しではCPUの使用率が50%前後で推移し、GeForce RTX 4070 Tiの使用率は94%前後で推移します。
書き出しはハードウェアエンコーディングの方が半分ぐらいの時間で書き出すことが出来ますが、ソフトウェアエンコーディングでも動画の尺と同じぐらいの時間で書き出しを終えています。
書き出し時間は編集の度合いによって左右されますが、GALLERIA ZA9C-R47Tは比較的短時間で4K動画を書き出すことができます。
GALLERIA ZA9C-R47TでAI画像・動画生成・4K60P・4K120P・8K30Pの動画編集を実施しました。
Stable Diffusion による実写のAI画像生成も非常に短い時間で生成完了します。
さらに動画編集では4K120P 10bitを余裕で動画編集できるうえに、8K30Pのシンプルなカット編集にも対応できるパワフルな性能です。
Core i9の懸念点である発熱はGALLERIA ZA9C-R47Tの水冷ユニットで動作音は控えめで静かです。
4Kの動画編集程度であればGeForce RTX 4070 Tiの温度上昇も少なく、とても快適に動作します。
これから本格化するAI関連のアプリ・編集機能を見据えてハイスペックなパソコンを探している方にGALLERIA ZA9C-R47Tはおススメです。
GALLERIA ZA9C-R47T
CPU:インテル Core i9-14900KF
メモリ:32GB PC5-38400
グラフィックス:GeForce RTX 4070 Ti 12GB
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB Gen4
384980円(税込)
※2月6日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい。