(提供元:株式会社サードウェーブ)
サードウェーブの動画配信向けモデル GALLERIA ZA7C-R47がCPUを更新して発売開始となっています。
第14世代インテル Core i7-14700KFの動画編集・動画配信性能はどの程度向上したのか?サードウェーブからGALLERIA ZA7C-R47の実機を借りて検証してみます。
サードウェーブの動画配信向けモデルはASRock製の配信者向けマザーボード「Livemixer」で組み上げられ、キャプチャーデバイスやオーディオデバイスの安定性・低遅延を実現します。
ここではSONY α7SIIIを使った4K動画編集と4Kライブ配信でGALLERIA ZA7C-R47の性能を考察してみました。
強力な動画編集用パソコンを求めている方や、高品質なライブ配信を実現したい方はぜひ参考にご覧下さい。
>>GALLERIA ZA7C-R47の動画編集性能を検証する
GALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデル
CPU:インテル Core i7-14700KF
メモリ:32GB PC5-38400
グラフィックス:GeForce RTX 4070 12GB
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB Gen4 Seagate FireCuda 530
349980円(税込)
※4月3日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい。
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
今回検証したGALLERIA ZA7C-R47は動画配信モデルの名前を冠するだけあって4K動画配信を快適にこなすデスクトップパソコンです。
マザーボードもライブ配信に特化した性能を持ち、豊富なUSBポートや最大3つ追加できるM.2 SSDスロットなど拡張性能も抜群です。
一つ一つのPCパーツが実に吟味されており、このお値段も納得せざるを得ません。
キーボードやマウス、オーディオインターフェース専用のUSBポートがあるので、性能を十二分に発揮するために説明書をよく読んで使ってほしいところです。
GALLERIA ZA7C-R47はクリエイティブに妥協しない映像制作者が4~5年は買い替える必要のないほどハイグレードなパソコンとなっています。
ドスパラでは月額制会員に加入すると、PCのメンテナンスや修理などの手厚いサポートを受けることができます。
GALLERIAを買う場合はぜひ加入をお勧めします。
ではここで改めてGALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルのスペックを詳しく見てみましょう。
CPU | インテル Core i7-14700KF (3.40 GHz-5.50 GHz/20コア/28スレッド) |
マザーボード | Z790 チップセット Asrock Livemixer |
CPUクーラー | (水冷式) DEEPCOOL LS520 (ARGBライティング対応) + 水冷ヘッドGALLERIAロゴプレート |
メモリ | 32GB DDR5 SDRAM(PC5-38400/16GBx2/2チャネル) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 4070 12GB |
ストレージ |
1TB NVMe SSD Seagate FireCuda 530 |
電源 | 750W 静音電源 (80PLUS GOLD) |
販売価格(2023.12月時点) | 327,980円(税込) |
GALLERIA ZA7C-R47はサードウェーブのゲーミング用デスクトップPCの中でもハイエンドに位置するスペックです。
CPUは最新世代(第14世代)のCore i7、グラフィックカードはGeForce RTX 3090・3080よりも高いベンチマークスコアを誇るGeForce RTX 4070を備えています。
その上さらに水冷CPUクーラーとライブ配信専用に開発されたマザーボードで組み上げられたデスクトップパソコンです。
一応ゲーミング用途のパソコンとなっていますが、その用途は様々なクリエイティブにも十分対応できるでしょう。
価格ももちろんハイエンドらしい設定にはなっていますが、4万円以上の市場価格であるハイエンドマザーボード「ASRock Livemixer」を採用してこのスペックなら、やむを得ないどころかむしろやや安価ではないかとぐらい思ってしまいます。
ASRock マザーボード Livemixerの何がスゴイかと言いますと、7200MHzのDDR5オーバークロックメモリーに対応する上に最新世代のPCIe Gen5に対応するSSDスロットを備えている点があります。
さらに一般的なゲーミング用マザーボードよりもUSBポートが多く、その中には高負荷時にもブレなく電力供給できる「ULTRA USB POWER」ポートが備わっています。
このUSBポートはライブ配信時にマイクやヘッドホンを制御するオーディオインターフェースを接続することで音声ノイズを抑えることが出来る仕組みになっています。
また、マウス・キーボード接続推奨のUSBポート(写真赤枠)がある点や、USB 3.2 Gen2x2 Type-C ×1拡張ポート、USB 2.0 Type-Aが4つ並ぶ拡張ポート(写真青枠)があるのも注目です。
背面にはUSB Type-Cが3つ、USB Type-Aが16ポート、前面にはUSB Type-Aが4つあり、何かとUSB接続が多いライブ配信でもこれだけあれば不足することはありません。
ライブ配信機器を使ったことがない方にとっては必要性を感じないかもしれませんが、配信時のノイズ抑制まで考慮されたマザーボードとなるとプロの配信者であればロマンを感じるはずです。
全体的に玄人好みのPCパーツで組まれた動画配信プロ向けのパソコンといったところです。
GALLERIA ZA7C-R47のケースを開けてみると、目立つケースと対照的にとてもスッキリとした内部構造になっています。
また、ケースの扉のネジが指で回せるように突出しているので、ドライバーなしで開けることが出来る利便性があります。
右側面はCPUや冷却ファン・グラフィックカードが確認でき、左側面は電源ケーブルがキレイにまとめられ、2.5インチのSSDを2基追加できる(写真右の青枠)ようになっています。
GALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルはサードウェーブのクリエイターパソコン raytrekシリーズに負けず劣らず抜群の拡張性能となっています。
グラフィックカードの下には3.5インチのHDDを格納するスペース(空きベイ)が2つ備わっています(写真左の赤枠)。
そしてマザーボードにはM.2スロットが4スロットもあるので、起動ディスクの他にM.2 SSDを最大3基追加することも可能です。スゴ。
予備の電源ケーブルも束にまとめられているので、自作パソコン初心者の方でも簡単にSSD・HDDを追加できるようになっているのは素晴らしい点でしょう。
水冷ユニットのラジエーターは天井部分に備わり、前面で吸気・背面・天井面へ排気となります。
ドスパラで販売しているパソコンは後々自分でもカスタマイズしやすく仕上がっているのが特長です。
フロント部分にはUSBポートとマイク入力・ヘッドホン出力が並び、天井部分はパソコン内部の熱を逃がせるようメッシュ孔径が施されています。
GALLERIA ZA7C-R47でベンチマークスコアを計測します。
まずPCMARK10のベンチマークでは総合スコアが9199となり、その他のスコアは以下になります。
Digital Contents Creation:15688
Photo Editing Score(写真編集):20222
Rendering and Visualization Score:23001
Video Editing Score:8302
特にビデオ編集スコアやレンダリングスコアが高いので、4K動画編集の検証が楽しみです。
Blackmagic RAW Speed TestではCPU・GPUともにオールクリアで8K60PのRAW動画編集に対応できるように示されています。
CrystalDiskMarkによる実測値はシーケンシャルリード7,049MB/s シーケンシャルライト5,981MB/sです。
ランダムリードが1082.1K・ランダムライトが831.6Kと抜群の性能となっています。
GALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルは標準で起動ディスクにSeagate FireCuda 530 1TBを搭載しています。
このSSDは安定した高速読込ができるM.2 SSD Gen4で、耐久性の高さ(総書込量 約1200TBW)で定評のある製品です。(私も使っています)
ここでGALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルのCPUとビデオカードについて考察してみましょう。
Intel Core i7-14700KFは2023年10月に発売したCPUで、20コア28スレッド ターボブースト時のクロック数は5.6GHzです。
インテルCPUは14世代もますます他コア化しています。
PassMarkでベンチマークスコアを確認すると、前モデルの Core i7-13700KFと比較して15%スコアが向上しています。
競合のRyzen 7XXXシリーズがモデル更新しておらず、同クラスのRyzen 7 7800X3Dと比較すると約19,000ポイント上回るスコアとなっています。
シングルスレッド性能においては、競合製品と横並びで、前モデルのCore i7-13700KFと比べてもわずかな伸びとなっています。
コア数、最大クロック数が増加した第14世代のインテルCPUは動画編集・動画配信でどの程度向上するのか見ものです。
GALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルのCPU冷却を担うのはDEEPCOOL LS520です。
水冷ヘッドにはGALLERIAのロゴがあしらわれています。
メモリはDDR5規格で32GB容量のメモリーを2枚挿して32GBの2チャンネル仕様、メモリの帯域幅はPC5-38400(DDR5-4800)です。
4K~8K動画編集にも頼もしいDDR5メモリで帯域幅の広いメモリを搭載しています。
グラフィックカードはZOTACのGeForce RTX 4070 オリジナルファンモデルが採用されています。
2ファンモデルとなっており、巨大化したGeForce RTX 4XXXシリーズの中でも後期モデルであるためか、かなり小型化した印象です。
GeForce RTX 4070は2023年4月より発売開始されており、PassMarkのベンチマークスコアランキングではGeForce RTX 3090とほぼ同等の性能となっています。
ZOTACのGeForce RTX 4070 オリジナルファンモデル単体の流通価格が8.5~12.6万円(2023.12時点)となっており、動画編集・動画配信用途でこれ以上の性能を求める方はごく少数だと思います。
GeForce RTX 4070はCUDAコア数5888基を備え、ビデオメモリは12コア、最大4K 240Hzまたは8K 60Hzの映像を同時に4台のディスプレイへ出力可能です。
一からパーツを揃えて同等性能のパソコンを自作で組むことを考えれば、GALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルがどのぐらいお買い得なパソコンなのかが分かるはずです。
それではGALLERIA ZA7C-R47で動画編集を検証してみます。
3種類のカメラで収録した撮影データを使います。
使用した映像データ
✅LUMIX GH6 4K60P動画編集(MOV LongGOP 4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLG)
✅SONY α7SIII 4K120P動画編集(XAVC HS 4K120P 422 10bit 280Mbps)
✅SONY α1 8K30P動画編集(XAVC HS 8K30P 422 10bit 280Mbps 520Mbps)
まずはPremiere Proで動画編集を実施してみます。
プログラムモニターの画質設定は常に「フル画質」で検証しています。
また、Premiere Proの環境設定では「ハードウェアによる高速デコーディング」で「Nvidia」にチェックしています。
まず最初にGALLERIA ZA7C-R47にLUMIX GH6の撮影データ(MOV LongGOP 4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLG)を使って動画編集をしてみます。
4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLGはLUMIX GH6で記録できるデータの中でもパソコンへの負荷が最も大きいデータです。
カット編集・BGM・字幕を追加し、カラーモードでカラーグレーディングを行います。
編集が完了したシーケンスをプレビュー中のCPU使用率は37~40%前後を推移し、GPU(GeForce RTX 4070)の使用率は43%前後を推移します。
メモリの消費量は32GBのうち20.9GB(66%)となります。
CPUの負荷も比較的少なく、ビデオカードによるハードウェアデコーディング支援も終始安定しており、プレビューは非常に滑らかです。
再生中のコマ落ちをPremiere Proのコマ落ちインジケーターで確認すると3分のプレビューに発生したコマ落ちはわずか2フレームとなりました。
GALLERIA ZA7C-R47はGH6の4K60P 4:2:2 10bit データの1トラック編集は非常に快適に実施できます。
次はα7SIII のXAVC HS 4K120P 422 10bit 280Mbpsで動画編集を実施します。
Premiere Proのシーケンスは30Pに設定し、4K120Pのクイック&スローモーションを加えた編集を実施しました。
BGMやタイトルを追加し、シンプルなカラーグレーディングも実施します。
再生中のCPU使用率は89%~95%前後で推移します。
GH6の4K60PよりもCPU負荷は大きく、GeForce RTX 4070の使用率は若干低下し35%前後で推移。メモリ消費量は4K60P編集時と同程度です。
4K120Pの編集後のプレビューでは1分40秒のシーケンスで4コマのフレーム落ちです。
GALLERIA ZA7C-R47は4K120P 4:2:2 10bitのカラーグレーディング・動画編集にも十分対応できます。
次にSONY α1のXAVC HS 8K30P 4:2:2 10bit で動画編集してみます。
この撮影データはSONY α1の最高画質設定です。
CPUの使用量は常時100%となり、メモリの消費量も30.3GB(95%)となります。
一方GeForce RTX 4070の使用量は1%前後となり、ビデオカードによるハードウェアデコーディングの支援を得ることが出来ていません。
8K30Pのクリップを並べて再生するとコマ落ち・カクつきが酷く動画編集をするのは困難です。
2~4秒単位のコマ落ち(コマ飛び)が起き、3分40秒程のプレビュー中に発生したコマ落ちは6366フレームにも上りました。
GALLERIA ZA7C-R47をもってしても8K30Pの動画編集は困難です。
GeForce RTX 4070がSONY α1の8Kデコーディングに対応できていないことが第一要因ですが、発売から1年経過しても8Kに十分対応していないのはNVIDIAの強固な意志すら感じます。
まあ8K映像編集より断然AIのほうが需要があると思いますが...
DaVinci Resolveの場合はもう少しマシですが、8Kはまだまだパソコンで編集するのは難しいですね。
次にGALLERIA ZA7C-R47とPremiere Proで書き出しテストを行います。
書き出したのはLUMIX GH6の映像素材を乗せた4K60Pシーケンスです。
書き出し設定は4Kシーケンス(3分3秒)からH.264の4K(UHD 3840×2160)、ターゲットビットレートは50MbpsのVBR 1パス。
ソフトウェアエンコーディングとハードウェアエンコーディングでそれぞれ書き出し時間を計測します。
書き出し時間はそれぞれ以下のようになりました。
4K書き出し(3分3秒の動画)
ソフトウェアエンコーディング | 3分8秒 |
ハードウェアエンコーディング | 1分47秒 |
書き出し時のCPUやGPUの使用率もチェックしてみました。
ソフトウェアエンコーディングではCPUの使用率が100%で、メモリは24GB(75%)、GPUは91%の使用率です。
ソフトウェアエンコーディングでもGeForce RTX 4070はよく動いています。
なお、ソフトウェアエンコーディング時は水冷ユニットのラジエーターファンは高回転となり、パソコンからの騒音はやや強くなります。
そしてハードウェアエンコーディングによる書き出しではCPUの使用率が49%前後で推移し、GeForce RTX 4070の使用率は96%前後で推移します。
書き出しはハードウェアエンコーディングの方が半分ぐらいの時間で書き出すことが出来ますが、ソフトウェアエンコーディングでも動画の尺と同じぐらいの時間で書き出しを終えています。
書き出し時間は編集の度合いによって左右されますが、GALLERIA ZA7C-R47は比較的短時間で4K動画を書き出すことができると言えるでしょう。
次にGALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデルでYouTubeライブ配信を4K解像度で実施してみます。
OBSの自動構成ウィザードでパソコンスペックとインターネット環境から最適な配信エンコーダと解像度を確認してみました。
配信エンコ―ダはハードウェア(NVENC,H.264)で出力解像度は1920×1080 フレームレートは60(FPS)・映像ビットレートは10Mbpsという結果が出ました。
OBSの設定から出力(スケーリング)解像度を3840×2160(4K UHD)に変更し、フレームレートは29.97に設定します。
配信中のCPUやメモリ・ビデオカードの動きを確認してみます。
CPU使用率は2%前後でほとんど負荷を感じさせず、メモリの消費量は4.5GB(14%)で、ネット閲覧並みの負荷量です。
一方、GPUの負荷は41%前後で推移しています。
YouTubeライブ配信時に使用したインターネット回線は一般的な屋内用の光回線(NTT西日本 フレッツ光ネクスト マンションVDSLタイプ)を使用し、配信中は10Mbpsほどの送信速度でした。
YouTube Studioの画面ではストリームの状態は「非常に良い」の評価で、15分程配信したところ問題なく配信完了できました。
GALLERIA ZA7C-R47で4K60P・4K120P・8K30Pの動画編集を検証、ライブ配信では4K30PのYouTubeライブ配信の検証をしてみました。
動画編集では4K120P 10bitを余裕で動画編集できる性能で4K書き出しも非常に早く完了して文句のつけどころがありません。
4K配信も非常に快適で、高画質の動画編集・動画配信に心強いパソコンであることが分かりました。
Core i7-14700KFは第13世代から十分性能アップしているようで、4K60Pの動画編集時もCPU使用率は極端に上昇せず安定して稼働しています。
動画編集時のコマ落ちはSSD(起動ディスク)の性能も左右するため、GALLERIA ZA7C-R47のコマ落ちの少なさは高速読書性能を持つSeagate FireCuda 530の恩恵もあるでしょう。
GALLERIA ZA7C-R47のマザーボード Asrock Livemixerは次世代規格のGen5にも対応しているので、将来的に起動ディスクをGen5に換装することも可能です。
そして保存ディスクにNVMe M.2 SSD Gen4を3基追加することが出来るのも魅力的です。
ドスパラ通販サイトで購入すれば、購入時に追加も出来るのでパソコン組立に詳しくない方も安心です。
プロの映像編集者の方で、4~5年使えるハイスペックなパソコンを探している方にGALLERIA ZA7C-R47はおススメの逸品です。
GALLERIA ZA7C-R47 動画配信向けモデル
CPU:インテル Core i7-14700KF
メモリ:32GB PC5-38400
グラフィックス:GeForce RTX 4070 12GB
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB Gen4 Seagate FireCuda 530
349980円(税込)
※4月3日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい。