(提供元:株式会社サードウェーブ)
2024年11月上旬に発売開始のGALLERIA ZA7C-R47S-Cをレビューします。
AI向けCPU インテル Core Ultra 7 265KFは動画編集でどのような性能を発揮するのでしょうか。サードウェーブからGALLERIA ZA7C-R47S-Cの実機を借りて検証してみます。
ここではLUMIX GH6・SONY α7SIIIを使った4KデータとSONY α1で撮影した8Kデータで動画編集性能を考察してみました。
強力な動画編集用パソコンを求めている方はぜひ参考にご覧下さい。
>>GALLERIA ZA7C-R47S-Cの動画編集性能を検証する
GALLERIA ZA7C-R47S-C Intel Core Ultra搭載
CPU:インテル Core Ultra 7 265KF
メモリ:32GB PC5-44800(DDR5-5600)
グラフィックス:GeForce RTX 4070 SUPER 12GB
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB Gen4
382980円(税込)
※11月26日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい。
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
今回検証したGALLERIA ZA7C-R47S-C Intel Core Ultra搭載は4K動画配信を非常に快適にこなすデスクトップパソコンです。
豊富なUSBポートや最大3つ追加できるM.2 SSDスロットなど拡張性能も抜群です。
一つ一つのPCパーツが実に吟味されており、このお値段も納得です。
水冷ユニットのファン以外にも大型のファンが備わっているので、強力なビデオカードを十二分に活用できそうです。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cはクリエイティブに妥協しない映像制作者が4~5年は買い替える必要のないほどハイグレードなパソコンとなっています。
ドスパラでは月額制会員に加入すると、PCのメンテナンスや修理などの手厚いサポートを受けることができます。
GALLERIAを買う場合はぜひ加入をお勧めします。
ではここで改めてGALLERIA ZA7C-R47S-Cのスペックを詳しく見てみましょう。
CPU | インテル Core Ultra 7 265KF(3.9GHz-5.5GHz/20コア/20スレッド) |
マザーボード | インテル Z890 チップセット ATXマザーボード MSI |
CPUクーラー | (水冷式) ASETEK 624S-M2 (240mm/高速ファン搭載) |
メモリ | 32GB DDR5 SDRAM(PC5-44800(DDR5-5600)/16GBx2/2チャネル) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER 12GB |
ストレージ | 1TB NVMe SSD(PCIe Gen4 |
電源 | 1000W 静音電源 (80PLUS GOLD) |
販売価格(2024.11月時点) | 382,980円(税込) |
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GALLERIA ZA7C-R47S-Cはサードウェーブのクリエイター用デスクトップPCの中でもハイエンドに位置するスペックです。
CPUは最新世代のCore Ultra 7、ビデオカードはGeForce RTX 3090・3080よりも高いベンチマークスコアを誇るGeForce RTX 4070 SUPERを備えています。
その上さらにASETEK製の水冷CPUクーラーで組み上げられたデスクトップパソコンです。
一応クリエイター用途のパソコンとなっていますが、その性能はゲーム用途にも十分対応できるでしょう。
価格ももちろんハイエンドらしい設定にはなっていますが、4~5万円の市場価格のハイエンドマザーボード を採用してこのスペックなら、やむを得ないどころかむしろやや安価ではないかとぐらい思ってしまいます。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cの内部は大型のビデオカード GeForce RTX 4070 SUPERを支えるステーが中央に存在し、フロント部分に2連のケースファンが備え付けられています。
CPUクーラーのラジエーターはPCケースの天井部分に備え付けられており、背面のケースファンと合わせると5つのファンが内部の熱を外に逃がす仕組みになっています。
これはCPUのCore Ultra 7 265KFとGeForce RTX 4070 SUPERの温度上昇を防ぐための措置と考えられます。
背面の入出力ポートには一般的なUSB Type-A端子の他に、Thunderbolt4 USB Type-Cが標準的に装備されている点も見逃せません。
このポートを使って対応ケーブルを用いれば、映像伝送や40Gbpsのデータ転送も可能です。
さらにUSB Type-C(USB 3.2 Gen2)が1つ、USB Type-A(2.0)が4ポート、USB 3.0 Gen1(Type-A)が2ポート、前面にはUSB Type-Aが4つあり、何かとUSBの接続端子が必要な動画編集やライブ配信でもこれだけあれば十分でしょう。
全体的に玄人好みのPCパーツで組まれたプロの動画編集用のパソコンといったところです。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cのケースを開けてみると、目立つケースと対照的にとてもスッキリとした内部構造になっています。
また、ケースの扉のネジが指で回せるように突出しているので、ドライバーなしで開けることが出来る利便性があります。
右側面はCPUや冷却ファン・ビデオカードが確認でき、左側面は電源ケーブルがキレイにまとめられ、2.5インチのSSDを2基追加できる(写真右の赤枠)ようになっています。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cはサードウェーブのクリエイターパソコンの中でも抜群の拡張性能となっています。
ビデオカードの下には3.5インチのHDDを格納するスペース(空きベイ)が2つ備わっています(写真左の青枠)。
そしてマザーボードにはM.2スロットが4スロットもあるので、起動ディスクの他にM.2 SSDを最大3基追加することも可能です。スゴ。
予備の電源ケーブルも束にまとめられているので、自作パソコン初心者の方でも簡単にSSD・HDDを追加できるようになっているのは素晴らしい点でしょう。
水冷ユニットのラジエーターは天井部分に備わり、吸気は前面から行い排気を天面と背面から行っています。
フロント部分にはUSBポートとマイク入力・ヘッドホン出力が並び、天井部分はパソコン内部の熱を逃がせるようメッシュ孔径が施されています。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cでベンチマークスコアを計測します。
まずPCMARK10のベンチマークでは総合スコアが7354となり、その他のスコアは以下になります。
Digital Contents Creation:13071
Photo Editing Score(写真編集):15305
Rendering and Visualization Score:20982
Video Editing Score:6955
PCMARK 10で計測された写真編集や動画編集のスコアはCore i7-14700KF搭載のPCにやや劣り、ベンチマークスコアだけで考えるとGALLERIA ZA7C-R47S-CはCPUがボトルネックになっているのかもしれません。
Blackmagic RAW Speed TestではCPU・GPUともにオールクリアで8K60PのRAW動画編集に対応できるように示されています。
CrystalDiskMarkによる実測値はシーケンシャルリード 6,995MB/s シーケンシャルライト5,705MB/sです。
ランダムリードが1164.8K・ランダムライトが885.6Kと抜群の性能となっています。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cは起動ディスクのM.2スロットがPCIe 5.0 に対応しています。
標準搭載の起動ディスクはM.2 SSD Gen4(PCIe 4.0)で、ドスパラ公式通販サイトで購入する場合はシーケンシャルリード 7300MB/sのSSDに変更する事も可能です。
ここでGALLERIA ZA7C-R47S-CのCPUとビデオカードについて考察してみましょう。
Intel Core Ultra 7 265KFは2024年10月に発売したCPUで、20コア20スレッドのNPU(Intel AI Boost)搭載CPUです。
インテルCPUは第14世代以降、呼び名もCore Ultraに変更されています。
そいして従来CPUとの大きな変更はハイパースレッディング非対応となっています。
動画編集ではマルチスレッド性能が求められるソフトウェアが多いため、これまでインテルのマルチスレッド対応CPUを使っていた方は乗り換えるかどうか非常に悩ましいのではないでしょうか。
PassMarkでベンチマークスコアを確認すると、Core Ultra 7 265KFは前モデルの Core i7-14700KFと比較して約15%スコアが向上しています。
競合のApple M4 Maxには差をつけているものRyzen 9XXXシリーズと比較すると約7,000ポイント下回るスコアとなっています。
シングルスレッド性能のベンチマークスコアは、競合製品と横並びでわずかなスコア差ですがCore Ultra 7 265KFが一番良いスコアとなっています。
高いマルチスレッド性能を誇るRyzen 9 9950XよりもCore Ultra 7 265KFのほうが高いスコアを出している点で、実際の動画編集のパフォーマンスが気になるところです。
GALLERIA ZA7C-R47S-CのCPU冷却を担うのはASETEK 624S-M2です。
メモリはDDR5規格で32GB容量のメモリーを2枚挿して32GBの2チャンネル仕様、メモリの帯域幅はPC5-44800(DDR5-5600)です。
4K~8K動画編集にも頼もしいDDR5メモリで帯域幅の広いメモリを搭載しています。
ビデオカードはGeForce RTX 4070 SUPER オリジナルファンモデルが採用されています。
2ファンモデルとなっており、巨大化したGeForce RTX 4XXXシリーズの中でも後期モデルであるためか、かなり小型化した印象です。
GeForce RTX 4070 SUPERは2024年1月より発売開始されており、PassMarkのベンチマークスコアランキングではGeForce RTX 3090 Tiとほぼ同等の性能となっています。
GeForce RTX 4070 SUPERはCUDAコア数7168基を備え、ビデオメモリは12GB、最大4K 240Hzまたは8K 60Hzの映像を同時に4台のディスプレイへ出力可能です。
一からパーツを揃えて同等性能のパソコンを自作で組むことを考えれば、GALLERIA ZA7C-R47S-Cがどのぐらいお買い得なパソコンなのかが分かるはずです。
それではGALLERIA ZA7C-R47S-Cで動画編集を検証してみます。
3種類のカメラで収録した撮影データを使います。
使用した映像データ
✅LUMIX GH6 4K60P動画編集(MOV LongGOP 4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLG)
✅SONY α7SIII 4K120P動画編集(XAVC HS 4K120P 422 10bit 280Mbps)
✅SONY α1 8K30P動画編集(XAVC HS 8K30P 422 10bit 280Mbps 520Mbps)
まずはPremiere Proで動画編集を実施してみます。
プログラムモニターの画質設定は常に「フル画質」で検証しています。
また、Premiere Proの環境設定では「ハードウェアによる高速デコーディング」で「Nvidia」にチェックしています。
まず最初にGALLERIA ZA7C-R47S-CにLUMIX GH6の撮影データ(MOV LongGOP 4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLG)を使って動画編集をしてみます。
4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLGはLUMIX GH6で記録できるデータの中でもパソコンへの負荷が最も大きいデータです。
カット編集・BGM・字幕を追加し、カラーモードでカラーグレーディングを行います。
編集が完了したシーケンスをプレビュー中のCPU使用率は25%前後を推移し、GPU(GeForce RTX 4070 SUPER)の使用率は30%前後を推移します。
メモリの消費量は32GBのうち18.8GB(59%)となります。
CPUの負荷も比較的少なく、ビデオカードによるハードウェアデコーディング支援も終始安定しており、プレビューは非常に滑らかです。
再生中のコマ落ちをPremiere Proのコマ落ちインジケーターで確認すると3分のプレビューに発生したコマ落ちは0フレームとなりました。
GALLERIA ZA7C-R47S-CはGH6の4K60P 4:2:2 10bit データの1トラック編集は非常に快適に実施できます。
次はα7SIII のXAVC HS 4K120P 422 10bit 280Mbpsで動画編集を実施します。
Premiere Proのシーケンスは30Pに設定し、4K120Pのクイック&スローモーションを加えた編集を実施しました。
BGMやタイトルを追加し、シンプルなカラーグレーディングも実施します。
再生中のCPU使用率は59%前後で推移します。
GH6の4K60PよりもCPU負荷は大きく、GeForce RTX 4070 SUPERの使用率は若干低下し19%前後で推移。メモリ消費量は4K60P編集時と同程度です。
4K120Pの編集後のプレビューでは1分40秒のシーケンスで3コマのフレーム落ちです。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cは4K120P 4:2:2 10bitのカラーグレーディング・動画編集にも十分対応できます。
次にSONY α1のXAVC HS 8K30P 4:2:2 10bit で動画編集してみます。
この撮影データはSONY α1の最高画質設定です。
CPUの使用量は常時100%となり、メモリの消費量も30.6GB(97%)となり最大に近い値で動きます。
そしてGeForce RTX 4070 SUPERの使用量は21%前後となり、ハードウェアデコーディングの支援をある程度得ることが出来ています。
8K30Pのクリップを並べて再生するとコマ落ち・カクつきが酷く動画編集をするのは困難です。
3分のプレビュー中に発生したコマ落ちは5711フレームにも上りました。
Core i7-14700KFを搭載したPCに比べると若干プレビューは滑らかになりましたが、GALLERIA ZA7C-R47S-Cをもってしても8K30Pの動画編集は困難です。
次にGALLERIA ZA7C-R47S-CとPremiere Proで書き出しテストを行います。
書き出したのはLUMIX GH6の映像素材を乗せた4K60Pシーケンスです。
書き出し設定は4Kシーケンス(3分3秒)からH.264の4K(UHD 3840×2160)、ターゲットビットレートは50MbpsのVBR 1パス。
ソフトウェアエンコーディングとハードウェアエンコーディングでそれぞれ書き出し時間を計測します。
書き出し時間はそれぞれ以下のようになりました。
4K書き出し(3分3秒の動画)
ソフトウェアエンコーディング | 2分49秒 |
ハードウェアエンコーディング | 1分39秒 |
書き出し時のCPUやGPUの使用率もチェックしてみました。
ソフトウェアエンコーディングではCPUの使用率が100%で、メモリは24GB(75%)、GPUは92%の使用率です。
ソフトウェアエンコーディングでもGeForce RTX 4070 SUPERはよく動いています。
なお、ソフトウェアエンコーディング時は水冷ユニットのラジエーターファンは高回転となり、パソコンからの騒音はやや強くなります。
そしてハードウェアエンコーディングによる書き出しではCPUの使用率が63%前後で推移し、GeForce RTX 4070 SUPERの使用率は95%前後で推移します。
書き出しはハードウェアエンコーディングの方が2/3ぐらいの時間で書き出すことが出来ますが、ソフトウェアエンコーディングでも動画の尺よりも短い時間で書き出しを終えています。
書き出し時間は編集の度合いによって左右されますが、GALLERIA ZA7C-R47S-Cは短時間で4K動画を書き出すことができると言えるでしょう。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cで4K60P・4K120P・8K30Pの動画編集の検証をしてみました。
動画編集では4K120P 10bitを余裕で動画編集できる性能で4K書き出しも非常に早く完了して文句のつけどころがありません。
Core Ultra 7 265KFは第14世代から十分性能アップしているようで、4K60Pの動画編集時もCPU使用率は極端に上昇せず安定して稼働しています。
動画編集時のコマ落ちはSSD(起動ディスク)の性能も左右するため、GALLERIA ZA7C-R47S-Cのコマ落ちの少なさは高速読書性能を持つM.2 SSDの恩恵もあるでしょう。
GALLERIA ZA7C-R47S-Cのマザーボードは次世代規格のGen5にも対応しているので、将来的に起動ディスクをGen5に換装することも可能です。
そして保存ディスクにNVMe M.2 SSD Gen4を2基追加することが出来るのも魅力的です。
M.2 SSDの追加は空きスロットにM.2 SSDを差し込んでフォーマットするだけでOK!
パソコンに詳しくない方でも簡単にできるのでおすすめです。
ドスパラ通販サイトではカスタマイズ購入もでき、起動ディスクは標準よりも高性能なSSDに変更することもできます。
パソコン組立に詳しくない方はドスパラ通販サイトで購入するほうが安心でしょう。
プロの映像編集者の方で、4~5年使えるハイスペックなパソコンを探している方にGALLERIA ZA7C-R47S-Cはおススメの逸品です。
GALLERIA ZA7C-R47S-C Intel Core Ultra搭載
CPU:インテル Core Ultra 7 265KF
メモリ:32GB PC5-44800(DDR5-5600)
グラフィックス:GeForce RTX 4070 SUPER 12GB
ストレージ:M.2 SSD NVMe 1TB Gen4
382980円(税込)
※11月26日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい。