動画編集用で使う有名なソフトウェアとして、EDIUS、PremiereProCCが挙げられます。
そして3Dモーショングラフィックスを制作するソフトではAfter Effectsがあります。
After Effectsは先に述べた動画編集ソフトよりもやや高性能なPCスペックを必要とします
パソコンのスペックが低いとスムーズに動かない、エンコードに時間が掛かるといった不具合が生じ、その体感スピードからストレスを感じることでしょう。
では、どのくらいのスペックを持ったパソコンならAfter Effectsを快適に使うことが出来るのでしょうか?
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2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
動画編集初心者の方向けにパソコンの選び方を解説してみました。
ゲームPC選びにも役立つと思うのでぜひご覧ください。
この動画では6:13以降にAfter Effectsに最適なメモリについても解説しているので合わせて視聴してみてください。
アドビシステムズが販売している、動画編集用ソフト『After Effects(アフターエフェクツ)』は映画・テレビ番組・CMなどの映像加工をはじめとして、あらゆるコンテンツ制作に使われている知名度の高いソフトウェアです。
After Effectsは特に映像制作業界で重宝され、ミュージックビデオ、映画、TV番組、ウェブサイトなど、様々なメディアで視覚的訴求効果を高めるために使われています。
After Effectsはエフェクトの適用、複数のエフェクトの組み合わせ、アニメーションのリンクなど、高度な映像合成やアニメーション制作が可能です。
一例ですが、画像から上に埋め込んだようなアニメーションが製作できます。
After Effectsは初心者から上級者まで幅広い層のクリエーターに対応し、直感的な操作が可能なインターフェースを備えています。
After Effectsを用いれば限界なく創造的な映像作品の制作が可能で、そのためには基本的な操作から高度なテクニックまで習得することが重要です。
最新のバージョンでは、3Dレンダリングエンジンが搭載され、プロ品質のアニメーションや3Dモーショングラフィックス製作が可能ですが、CPUやメモリがそれに見合わなければ、本領発揮するのは難しいといえるでしょう。
万能なAfter Effectsですが、その反面パソコンの負荷が大きく、生半可な性能のパソコンだと動作もままなりません。
特にAfter Effectsでモーショングラフィックの制作をする場合は大量のメモリを消費します。
【After Effects 体験版】では操作方法・機能がどのようなものか具体的に知りたい方へ向けて、公式サイトで体験版をダウンロードできます。
After Effectsで必要なスペックはまずAdobeの公式見解を確認してみる必要があります。
Windows 版の最小および推奨必要システム構成
最小 推奨 プロセッサー Intel® 第 6 世代以降の CPU または AMD Ryzen™ 1000 シリーズ以降の CPU
Advanced Vector Extensions 2(AVX2)サポートが必須
注意: Intel® 第 3 世代以前のプロセッサー(および古い AMD プロセッサー)に 24.0 バージョンをインストールすることはできません。
Quick Sync 搭載の Intel® 第 11 世代以降の CPU または AMD Ryzen™ 3000 シリーズ/Threadripper 2000 シリーズ以降の CPU オペレーティングシステム Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 20H2 以降 Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 22H2(以降)または Windows 11。 メモリ 16 GB の RAM ・HD メディアの場合は 16 GB の RAM
・4K 以上の場合は 32 GB 以上
GPU 4 GB の GPU メモリ ・HD および一部の 4K メディアの場合は 4 GB の GPU メモリ
・4K 以上の場合は 6 GB 以上
ストレージ ・8 GB 以上の空き容量のあるハードディスク。ただし、インストール時には追加の空き容量が必要(取り外し可能なフラッシュメモリを利用したストレージ上にはインストールしない)
・メディア用に追加の高速ドライブ・アプリのインストールおよびキャッシュ用に内蔵高速 SSD
・メディア用に追加の高速ドライブ
Adobe公式の推奨システム構成は最小と推奨の構成が提案されております。
最小構成でもメモリ容量は16GB推奨となっており、標準的にメモリ容量が必要なソフトであることがわかります。
また、ストレージの項目では推奨構成でキャッシュ用・メディア用に高速なSSDを追加するように記載があります。
例えばPremiere Proの運用ではパソコンの起動ディスクの他にデータ保存用のディスク(高速SSDが望ましい)を用意します。
撮影データを含むとファイルサイズが大きくなる動画編集の素材もすべて起動ディスクに保存して編集するよりも、分けたほうが起動ディスクのパフォーマンスも上がり寿命も長持ちします。
全データをバックアップする際も、プロジェクトファイルを保存ディスクのフォルダに入れて丸々HDDにコピーすれば良いため効率的でしょう。
また、Adobe公式ページではPremiere Pro・After Effects両者ともキャッシュについても述べられています。
・アプリのインストールおよびキャッシュ用に内蔵高速 SSD
・メディア用に追加の高速ドライブ
(推奨構成から引用しています)
キャッシュの保存場所は標準設定で以下の保存場所が選ばれています。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Adobe\Common
映像編集用のソフトウェアの多くはキャッシュデータを生成し、ソフトウェア起動時や編集中の負荷を減らしています。
Premiere Pro、After Effectsでは製作作業が完了したら、キャッシュデータを削除するのが理想的です。
Premiere Proの場合は定期的に削除するようにスケジュール設定できるので、キャッシュが貯まって困ることはありません。
一方で、After Effectsのメニュー 「編集」⇒「環境設定」⇒「メディア&ディスクキャッシュ」」を確認するとキャッシュの保存先を確認できます。
しかし、Premiere Proのように定期的に削除するような設定項目が見当たりません。
製作作業が完了したら手動で削除するしかないのかもしれませんね。
ちなみにAfter EffectsのメディアキャッシュはPremiere Proのキャッシュデータよりも大きい傾向があり、私のパソコン(Cドライブ1TB)では初期設定で100GB割り当てられているのが分かります。
さらにAfter Effectsのメディア&ディスクキャッシュ設定画面には
「パフォーマンスを向上させるには、フッテージとは別の高速なハードドライブまたはSSD上のディスクキャッシュフォルダーを選択し、可能な限り多くの領域を割り当てます。」
と記載されています。
まとめると
1.起動ディスク
2.キャッシュ保存先のディスク
3.素材保存先のディスク
以上の3つのディスクを用意して、起動ディスク(Cドライブ)にAfter Effectsをインストールし、キャッシュデータ用に起動ディスクと同等のディスクを用意します。
そしてフッテージ(映像素材)を別のディスクに保存して、After Effectsを運用するのが理想ということになりそうです。
また、キャッシュデータはランダムに読み込み・書き込みが行われるので、キャッシュ保存用のディスクはランダムリード/ランダムライトの性能が高いSSDを用意すると良いかもしれません。
ここまでマニアックなことを検討する方は自作パソコンユーザーに限られると思いますが...
最近ではBTOパソコンの中でも複数のM.2 SSDを取り付けることができるモデルも見かけるので、キャッシュ保存先のディスク、素材保存先のディスクをすべてM.2 SSDで管理するといった贅沢な事も出来なくはありません。
(素材保存用のディスクはSATA SSDで十分だと思いますが...)
クリエイター界隈ではかつてAfter Effectsを使用するパソコンで、最上位CPUやGPUを推奨されることが多かったと記憶しています。
しかしここ数年のCPUとGPU(ビデオカード)の性能向上は目を見張るものがありますので、After Effectsに必要なCPUやGPUのスペックは見直してもよいのではないでしょうか。
プロセッサー
Quick Sync 搭載の Intel® 第 11 世代以降の CPU または AMD Ryzen™ 3000 シリーズ/Threadripper 2000 シリーズ以降の CPU
Adobe公式の推奨構成では上記のCPUが推奨されていますが、インテルは2024年に入り第14世代、AMDはRyzen 7XXXシリーズに更新しています。
・HD および一部の 4K メディアの場合は 4 GB の GPU メモリ
・4K 以上の場合は 6 GB 以上
GPUに至ってはHD解像度であれば4GBでOK、4Kで6GB以上が推奨となっています。
次にパソコンショップのAfter Effects向けパソコンスペックを確認して考察してみましょう。
各メーカーのAdobe推奨モデル | CPU | ビデオカード |
---|---|---|
マウスコンピューター FX-I7G70 | Core i7-14700KF | GeForce RTX 4070 12GB |
ドスパラ GALLERIA XA7C-R47-C | Core i7-14700F | GeForce RTX 4070 12GB |
パソコン工房 4K動画・特殊効果編集用 | Core i9-14900KF | GeForce RTX 4090 24GB |
※2024年4月に調べています
マウスコンピューター・ドスパラではAdobe Creative Cloud 推奨モデルではCPUにCore i7、ビデオカードにGeForce RTX 4070を採用しています。
パソコン工房では4Kの括りでCore i9+RTX 4090と、最上位のCPU・GPUが採用されています。
ビデオカードはGeForce RTX 4070であればビデオメモリーが12GBで、Adobe公式の推奨構成の倍となるため十分なスペックでしょう。
元々After EffectsはCPU依存が強いソフトウェアで、強力なビデオカードを搭載しても宝の持ち腐れになる傾向があります。
上の画像はPremiere ProとAfter Effectsの映像書き出し時のCPU・GPUの負荷を比較的新しいパソコンで確認してみたものです。
CPU・GPUの負荷が大きくなる書き出し時のCPU・GPU使用率を確認しても、Premiere ProほどGPUを活用できておりません。
このため、After Effectsを専門で使っている方は従来通りGPUよりもCPUを重視したパソコン選びで問題ないと思います。
メモリ容量は各BTOパソコンの仕様を見ると32GBになっているので、32GBが妥当なところです。
ここでまとめます。
・メモリー消費量が大きい
・キャッシュデータの管理を要する
・CPUに負担が掛かる
After Effectsで映像制作をするうえで重要なポイントは、この3点が大きな要素を含むので、高機能なCPU・メモリを搭載したパソコンを推奨します。
CPUは、最新世代のcore i7やRyzen 7であれば処理能力は高くサクサク動くでしょう。
コア数やクロック数はここ数年でインテル・AMDどちらも他コア化・高クロック化が進んでいるのであまり深く考えなくても大丈夫でしょう。
メインメモリーは、最低でも16GBは確保したいところです。予算があれば32GB搭載することをお勧めします。
メモリをオーバークロックするとAfter Effectsの動作は改善しますので、最新のDDR5メモリ搭載製品を選ぶのはメリットがあるでしょう。
ここではマウスコンピューターのクリエイター向けパソコンDAIVを例に挙げてみます。
マウスコンピューターはAfter Effects向けのパソコンと明確に定義してはおりませんが、動画編集・映像制作用パソコンを用意してくれています。
その中に4K動画編集・特殊効果処理向けパソコンがあります。
その中でもミドルクラスに位置するのが以下のモデルです。
モデル名 | マウスコンピューター DAIV FX-I7G7S |
CPU | インテルCore i7-14700KF |
グラフィックス | GeForce RTX 4070 SUPER(12GB) |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
メモリ | 32GB |
起動ディスク | M.2 SSD Gen4 2TB |
チップセット | インテル Z790 |
価格 | 387,300円(税込 2024.4時点) |
After EffectsはAdobeのソフトの中でも映像の特殊効果を制作できる製品なので、このカテゴリで適切だと思います。
インテルのコアi7を搭載しており、かなりハイスペックです。
保存容量が2TBのM.2 SSD Gen4で性能・容量も十分です。
グラフィックカードは上位製品でメモリーも32GBなので、Adobe推奨構成は完璧にカバーしています。
ストレージ(保存ディスク)はここで解説した通り、キャッシュ保存用に追加するのも良いかもしれませんね。
映像制作会社に人気の高いBTOパソコンショップでAfter Effectsの必要スペックをカバーするパソコンを紹介しています。
購入時の参考にご覧ください。
BTOパソコンで有名なマウスコンピューターには映像クリエイター向けのDAIVシリーズの中にAfter Effectsで行う特殊効果を快適に処理できる動画編集用パソコンを用意してくれています。
ハイエンドなグラフィックカードを搭載しており、4K映像にも対応できるようになっているのでオススメです。
G-Tune FZ-I9G7S
CPU:Core i9-14900KF429800円 ⇒ 409800円(税込)
DAIV FX-I7G7S
CPU:インテル Core i7-14700F338800円(税込)
レノボではAfter Effectsに限定した推奨パソコンではありませんが、CG制作を含んだ動画編集にも対応できるハイスペックなパソコンを低価格で購入できるようになっていますよ。
Legion Tower 7i Gen 8
CPU:Core i7-14700KF458700円(税込)
ゲームパソコンで有名なドスパラではノートPC・デスクPCともにAdobe PremiereProCC・AfterEffectsの推奨モデルが用意されています。
中でもCG向けの動画編集用パソコンではOpenGL対応のグラフィックカード(NVIDIA Quadro・AシリーズやGeForce RTXシリーズ)を搭載したハイエンドPCがオススメと言えます。
GALLERIA ZA9C-R47
CPU:Core i9-14900KF342980円(税込)
※9月12日時点の価格です。最新の価格は公式ページをご確認下さい