19Jan
プロの映像制作でカラーグレーディング担当者(カラリスト)はコントロールサーフェスと呼ばれる専用の機材を用いてカラーグレーディング作業を行います。
コントロールサーフェスはかなり高額なので、小予算の制作会社ではコントロールサーフェスを準備するのは困難です。
このエントリーではそんな低予算の映像制作でプロのカラリストが利用する制作環境に近づける方法を解説します。
小予算のカラーグレーディングでプロの制作環境を用意するには
まずはコントロールサーフェスがどのような機器なのか解説しましょう。
画像はDaVinci Resolveの公式HPから引用しています。
コントロールサーフェスはトラックボールを3つ搭載しています。
これら3つのトラックボールはカラーグレーディングの基本となるコントラスト調整作業を素早く行うために用意されたものです。
カラーグレーディングの基本となるコントラスト調整ではリフト・ガンマ・ゲインを操作します。
3つのトラックボールはリフト・ガンマ・ゲイン それぞれに割り当てられており、マウス操作よりも快適に調整できるようになっています。
コントラスト調整はカラーグレーディングで最も頻度が高い操作です。
何度も繰り返し同じような操作をするので、マウス操作では手首を痛めかねません。
コントロールサーフェスを使うと指先でトラックボールを転がすだけでマウスと同じ操作が可能です。
また、慣れてきたら複数のトラックボールを同時に転がすことができるので、複数のパラメーターを同時に調整することができます。
最初は練習が必要ですが、慣れてきたらマウスよりも素早く効率的に作業を進めることができるようになります。
コントロールサーフェスはソフトウェアと互換性があるかどうかを必ず確認する必要があります。
例えば先ほど紹介したBlackmagic Design社が販売するコントロールサーフェス Advanced PanelはカラーグレーディングソフトウェアのDaVinci Resolve専用となります。
ブラックマジックデザインからカラーコレクション専用のコントロールパネルが発売されています。
DaVinci Resolveを使うならこれがオススメですね。
小予算でコントロールサーフェスを用意するにはどうしたらよい?
トラックボールを用意する
カラーグレーディングのコントロールサーフェスは200万円前後する製品のため、小予算の制作では準備することができません。
その代りとなる便利なアイテムがマウスサイズのトラックボールです。
トラックボールは親指で操作するタイプと人差し指で操作するタイプに分かれますが、カラーグレーディングのコントロールサーフェスに近いのは人差し指で操作するトラックボールになります。
トラックボールの中には複数のボタンがあり、各ボタンにソフトウェアのショートカットキーを割り当てて、1クリックで実行することができるものがあります。
購入するならボタンが多いトラックボールがオススメです。
カラーグレーディングにおすすめのトラックボール
トラックボールを人差し指で操作
8つのボタンに任意の機能を登録できる
ワイヤレストラックボール
グラフィックタブレットを用意する
グラフィックタブレットは主にパソコンでイラストを書くときに利用するアイテムですが、カラーグレーディングでも大活躍します。
例えば、カラーグレーディングでは画像内の一部分だけコントラストを調整したり、色を変更したりするときがあります。
このような場合はカラーグレーディングの「マスク機能」を使って調整する箇所をマウスポイントで囲います。
その際にペンタブレットを利用すれば複雑なシェイプを簡単に描くことができて便利です。
現在では液晶モニター型グラフィックタブレットもありますので、予算が許される程度にグラフィックタブレットも用意すればかなり効率よくカラーグレーディング作業進めることができるでしょう。
カラーグレーディングにオススメのグラフィックタブレット
ワコムよりも断然安い
15.6インチ液晶ディスプレイでちょうど良いサイズ
電池・充電が不要
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