17Mar
※2020年3月に更新しました。
このエントリーではカラーグレーディングの基本的な作業工程を解説します。
カラーグレーディングをAdobe SpeedGradeCC、DaVinci Resolveどちらで行う場合も基本的な作業工程は変わりません。
カラーグレーディングの作業工程があることを前提としたワークフローを行う場合、これまで撮影したままの色で編集・完成させていた制作者は注意しなければならないことがいくつもあります。
目次
カラーグレーディングの基本的な作業工程を教えるよ!
【InterBEE 2012】カラーグレーディング ワークフロー入門 1・技術交流カフェの3分33秒以降でDaVinci Resolveをハブとしたカラーグレーディングワークフローを解説しています。ぜひ視聴してみましょう。
1.カラーグレーディングに適した撮影をする
まずカラーグレーディングに適した録画形式で撮影します。
カラーグレーディングに適した録画形式を選択して撮影しましょう。
一般的にはRAWやLogで撮影します。
RAWやLogで撮影できないカメラもあります。またカメラによって設定が異なるので各機器の取扱説明書を読みましょう。
このブログでも随時Logで撮影できるカメラの設定方法を解説していきます。
また出力するファイル形式にも注意してください。
参考:知らないとクビになる?カラーグレーディングと撮影の常識
2.映像素材のすべてにLUTをあてる
RAWやLogで撮影した映像素材は色がくすんでいます。
なのでまずDaVinci ResolveやSpeedGradeCCで素材を取り込み、LUT(Look Up Table)を適用します。
Look Up Tableは眠い色になるlog映像を、ひとまず見れる映像にするために基本的な色を付けます。
ブラックマジックデザインのRAW映像を使用する場合、DaVinci ResolveではFilm to Rec 709というLUTが用意されています。
このLUTはRAWで撮影した映像をハイビジョンの信号に合わせて、とりあえず見れる範囲の色を付けてくれます。
LUTをあてたら次にすべてのクリップをいったん書き出します。
この書き出しにはかなりの時間を要しますので、撮影したらなるべく早くLUTをあてる作業を実施します。
また、書き出しの速度(時間)はPCスペックに依存します。
3.書き出したクリップで編集作業を行う
ひとまずLUTで色がついたクリップで編集作業を行います。
この作業はカラーグレーディングをしない従来の映像編集とまったく同じです。
DaVinci ResolveはFinal Cut ProⅩと相性が良いグレーディングアプリケーションです。
MacユーザーでFinal Cut ProⅩを使用しているならDaVinci Resolveを選択するのがオススメです。
Adobe PremiereProCCで動画編集を行なっているならDaVinci ResolveよりもAdobe SpeedGradeCCのほうが作業効率が良いです。
いずれにせよ相性の良いアプリケーションを合わせて使用します。
ちなみにDaVinci Resolveは単体で動画編集も行うことができるので使いこなせば便利です。
4.編集後、再びカラーグレーディングをする
編集完了後、全体的なトーンを合わせるには再度のカラーグレーディングが必要です。
この段階が終了したら完成品になるよう色を突き詰めます。
このようにしてカラーグレーディングの作業は2回以上行うことになります。
2回目以降のグレーディングではLUTだけでなくカラーホイールを調整することで完成度を高めます。
こうして出来上がる映像はカラーグレーディングを行なわない単純な映像作品よりも高品質で味わい深い色味の映像になります。
ワンライトグレーディングとベストライトグレーディング
動画のクリップ全体に単一の調整を適用することをワンライトグレーディングと呼んでいます。
今回実施した全てのクリップにLUTをあてることがワンライトグレーディングに該当します。
これに対して、監督から指示を受けて編集後にさらに細かいカラーグレーディングを行うことをベストライトグレーディングと呼ぶそうです。
この作業も通常DaVinci ResolveやPremiere Proでとり行います。
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