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HXR-NX5Rレビュー!画質はイマイチ?良い点・悪い点まとめ

2019年11月に更新しました。

撮影仕事でHXR-NX5Rをレンタルして使ってみることにしました。

NX5RはビデオカメラマンおなじみのNX5Jの正統後継モデルです。

発売を待っていたプロのビデオグラファーさんも大勢いたと予想されます。

4Kが撮影できないのが残念なのですが、フルHD60Pで撮影が可能になり動作の速い被写体にも対応し、滑らかな動画が撮れるようになっています。

2016年9月に発売してから気になってはいましたが、一眼カメラを使った撮影仕事が多くなってきたのでこれまで機会がありませんでした。

ようやくNX5Rを使う機会がありましたので、このエントリーでは使用感や画質、操作性においての良い点・悪い点を紹介しますね。

SONY NXCAMカムコーダー HXR-NX5R

この動画はSONY公式のHXR-NX5Rの機能紹介ビデオです。
SONYの製品紹介ビデオを見ると欲しくなってしまうんですよね。ぜひ視聴してみましょう。

HXR-NX5Rってどんなカメラなの?

HXR-NX〇〇シリーズはSONYの業務用カメラの中では比較的低価格で扱いやすい機種で、テレビの制作会社からブライダル映像、舞台やライブを撮影するフリーランスの方など映像業界で最も普及しているタイプのカメラです。

中でも2010年に発売されたNX5JはSDカードで収録できる業務用カメラとして人気がありました。

今はもう一眼カメラやシネマカメラで動画を撮影することが主流になっていますが、NX5Jが発売された頃は動画を撮影できる一眼カメラがまだまだ少なかったこともあり、軽量コンパクトなNX5Jが非常に重宝されていたんですよね。

SONYはNX5J以降、廉価版のNX3をリリースした後 4:2:2収録できるPXW-X160や4Kが撮れるPXW-Z150など、同じようなサイズ感のプロシューマー機を次々に発売しています。

「NX系はもう出ないんじゃなかろうか…」

なんて思っていたのですが、60P記録と全画素超解像ズームを搭載し、新モデル NX5Rとして登場したんですよね。

NX5R と NX5J を比較! どのぐらい性能アップしているの?

ここでNX5RとNX5Jのスペックを比較してみます。

HXR-NX5R HXR-NX5J
1/3型 3CMOSセンサー 1/3型 3CMOSセンサー
207万画素×3 112万画素×3
光学ズーム最大20倍+全画素ズーム最大40倍 光学ズーム最大20倍+デジタルエクステンダー時最大30倍
1080/60P,30P,24P,60i 720/60i 1080/60i,30P,24P 720/60P 480/60i
最小絞り値:ワイド端F1.6 テレ端 F3.4 最小絞り値:ワイド端F1.6 テレ端 F3.4
記録方式:XAVC-S・AVCHD 記録方式:MPEG-4 AVC・AVCHD・MPEG-2
液晶モニター:3.5型 156万画素 液晶モニター:3.5型 92万画素
内蔵ライト:有 内蔵ライト:無
重さ2.5kg(バッテリー・レンズフード含む) 重さ2.6kg(バッテリー・レンズフード・マイク含む)

参考:HXR-NX5RHXR-NX5J

HXR-NXシリーズは3枚のイメージセンサーを搭載するビデオカメラとなっており、NX5Rも1/3型の撮像素子を3つ搭載しています。

イメージセンサー1枚の画素数はNX5Jが112万画素であったのに対し、NX5Rは207万画素と倍近く増えています。

またレンズの光学ズーム性能は変更ありませんが、NX5Rは全画素超解像ズーム機能が備わることによって最大40倍のズーム撮影が可能になっています。

またNX3にもあった内蔵ライトがNX5Rにも標準装備となり、カメラライトを別途用意しなくてもよくなっています。

また液晶モニターの画素数も向上している点もカメラマンにとっては嬉しいポイントと言えるのではないでしょうか。

NX5R外観をチェック


NX5Rの外観はNX5Jとほとんど変わりありません。

レンズに3連の操作リング(フォーカス・ズーム・アイリス)があり、カメラのハンドルにはクリップの再生ボタンも揃っております。

PXW-Z150ではこれらが大幅に省略されていましたが、撮った映像をすぐにチェックしたい場合はNX系カメラのほうが断然有利です。

また内蔵マイク・シュー部分にはライトのON/OFFスイッチがあり、その下にはライトの光量を調節するツマミも用意されています。


NX5J・NX3と全く同じASSIGNボタン配置です。ASSIGNボタンは各ボタンに機能を割り当てることが出来るのでよく使うボタンです。

参考:ソニー業務用ビデオカメラの標準的な設定と使い方 「HXR-NX3」

  • 左上:オーディオ操作
  • 右上:NDフィルター・フォーカス切替スイッチ周辺
  • 左下:ゲイン・ホワイトバランス・シャッタースピード操作ボタン
  • 右下:メニューボタン・ピクチャープロファイルなど
  • ボタン配置もNX5J・NX3と全く変更ありません。買い替える方は操作に困ることはほぼないでしょう。

    ビデオライトが便利なHXR-NX5R


    ライトカバー(ディフューザーって呼ぶみたいです)が付属しており、直線的なLEDライトの光を拡散させることが出来るようになっています。

    つけっぱなしだとかっこ悪いので、使用するときだけ取り付けるのが良いのではないでしょうか。

    ただ、内蔵マイクと隣接しているので収録途中にライトカバーを取り付けると、マイクに当たって雑音を収録してしまいます。

    なのでREC前に取り付けるようにするのが良いです。

    NX5Rは電源のオンオフ位置が変わりました。

    これまでは左上の写真のRECボタンにカメラのオンオフスイッチが備わっていましたが、ボディの左側、ヘッドフォン端子のそばに電源スイッチが移動しています。

    またRECボタンの左となりにメニュー操作用のジョイスティックが備わっています。

    ハンドルのRECボタンやパワーズームレバーは変更されていません。

    バッテリースロット周辺です。

    SONYの業務用カメラは別途カードアダプターが必要なカメラもあるので、素直にSDカードを差し込んですぐに収録できるNX5Rは好感度が高いですよね。

    参考:SONY PXW-X160を使う前に知っておきたいポイントと残念なところ

    その他オーディオ、映像を出力する端子も定番の位置に備わっています。

    1080/60P収録可能だけど… 収録時間はかなり短いかも。


    それでは早速SDカードを入れて収録時間を確認してみましょう。

    HXR-NX5Rは4K撮影を対応していないカメラです。

    私は発売当初、「え??このタイミングで4K対応しないの?」と驚き残念に思いましたが、4Kで撮る必要がある作品にわざわざNXシリーズを選ぶ方も少ないっていうことなのでしょうか。

    フルHDに割り切ってしまうなら、SDカードも安価なもので済みますよね。

    Transcendの4K対応64GBを使うことにしてみましたよ。

    Transcend SDXCカード 64GB UHS-I U3対応

    NX5RはSDカードでバックアップ録画できるので、安心のサンディスクとお手頃価格のTranscendのSDカードの併用でコスト削減を図れるのも良いトコロ。

    SDカードスロットAに挿入してメディアを初期化し、AVCHDの最高画質であるFX設定で撮影可能時間を確認すると357分でした。

    えっと約6時間ぐらいですか。

    次にNX5Rから可能になった1080/60P撮影に設定してみましょう。

    1080/60Pの記録方式はAVCHDからXAVC Sに変更することで選択できるようになります。

    60Pだけでなく30P、24Pと選択することもできますよ。

    スローモーション撮影をしない場合は30Pでも良いかもしれませんね。

    全画素超解像ズームが自動的に切り替わる!NX5R


    NX5Rのレンズには光学式で最大20倍のズーム撮影ができます。

    そしてさらにソニーが開発した全画素超解像ズーム機能で20倍のさらに2倍になる40倍のズーム撮影ができるようになっています。

    初期設定ではズーム設定で「光学ズームのみ」が選択されています。

    この状態では写真左下のようなズームのバー表示になっていますが、これを入(全画素超解像ズーム)にしてみます。

    するとズームのバー表示が延長されて中央に線が入るようになりました。

    この中央線よりも右側に振れると全画素超解像ズーム域に入ります。

    NX5Jにはこれと似たような機能でデジタルエクステンダーがありましたが、この機能はクロップ機能のようなもので画質がかなり低下します。

    しかし全画素超解像ズームは画質を落とさずにレンズの光学性能以上のズーム撮影を可能にします。

    とはいえピントは怪しくなるのですが、デジタルエクステンダーよりも高画質になることは間違いありませんでした。

    オートモードにシーンセレクション設定が追加


    SONYの業務用カメラを使ったことがある方はご存知の通り、露出や色温度をフルオートで撮影できるオートモード設定があります。

    写真のスイッチをオートにするだけでホワイトバランスや露出をカメラに任せて撮影することが出来る便利な機能です。

    オートモード設定はNX5J、NX3にも備わっておりますが、NX5Rについてはオートモードをさらに細かく設定できるようになっています。

    シーンセレクション設定であらかじめ設定しておくことで、オートモード撮影時にシーンによって最適な露出やホワイトバランス設定で撮影することが出来るようになっています。

    ロケなど移動ごとにホワイトバランスを設定するヒマがない撮影ではこの機能が重宝しそうです。

    シーンに合わせたプリセットは、デジカメやミラーレス一眼のエントリー機でよく見かける機能ではありますが、プロシューマーカメラにこのような機能が搭載されたのは意外に思えるところです。

    NX5RでASSIGN登録できる機能を公開


    アサイン登録できる機能はNX5J、NX3とほとんど変更されていませんが、NX5Rではフォーカスマクロ機能がなくなっているのでASSIGN割り当ても出来ません。

    その代わりスマートフォン接続(WIFI転送機能)やシーンセレクション設定を割り当てることが出来るようになっています。

    HXR-NX5Rの手振れ補正機能はどう変わった?

    SONY Eマウントのミラーレス一眼ではセンサーシフト式(5軸)手ブレ補正機能がお馴染みになってきましたが、NX5Rではこれまで通りデジタル手ブレ補正になっています。

    手振れ補正はスタンダード/アクティブ手ブレ補正と選択ができ、アクティブ手ブレ補正を使えばほとんど揺れがありません。

    ただ欠点もあって、アクティブ手ブレ補正はクロップされるので画角が若干狭くなります。

    下の写真はそれぞれの設定時のモニター表示をミニ三脚でデジカメを固定して撮影しています。

    手ブレ補正OFF


    手ブレ補正OFFです。

    三脚を使って撮影するときには手振れ補正をオフにします。

    OFFではさすがにハンディ撮影きついです。

    手ブレ補正ON


    スタンダード手振れ補正です。

    ハンディ撮影はできなくもないですが、安定した撮影をするには技術を要します。

    アクティブ手ブレ補正


    初心者さんや手ブレが酷いと自他共に認める方はアクティブ手ブレ補正がオススメです。

    ちょうどSONY α6500やGH5なみの手振れ補正機能になると考えても良いと思います。

    上の二つの写真よりもほんの少し画角が狭くなっているのが分かりますでしょうか。

    HXR-NX5Rを使ってみて分かった悪い点

    NX5Rを使ってみてイマイチだなーと思ったことを挙げてみますと、まず画質は中ぐらいってところです。

    このカメラとHXR-NX80を予備カメラとして撮影に臨みましたが、解像度や画質のシャープさではHXR-NX80のほうが良い印象です。

    参考:HXR-NX80を購入する前に知っておきたい良い点・悪い点

    尚、NX5Rのオートフォーカスの合焦速度はややもったりです。動体を撮影するときはちょっとイライラするときもあります。

    また液晶モニターとファインダーを同時に使うことが出来なくなりました。

    私はNX5Jでインタビューを撮るときは液晶モニターを反転させてインタビューアーに表示させていました。

    そして撮影の確認はビューファインダーで行います。

    こうすることでインタビューアーも自分の姿を確認出来るので安心して喋れるようです。

    相手の緊張感をほぐす効果もあるので非常に有効的だと思っていましたが、NX5Rはこれができないので非常に残念です。

    またGAIN(ゲイン)スピードの変更ができなくなっているのも残念な点です。

    撮影中にゲインを上げることでライトを使わずに露出を高めることが出来ますが、NX5Jではゲインスピードを高速・中速・低速から選択できました。

    ゲイン値が徐々に変更するので、収録中に変更してもそれほど気にはなりませんでしたが、NX5Rではゲイン値を切り替えるとパカっと露出が変わります。

    収録中に変更すると違和感があります。

    まー、最近はロケ番組で屋外から屋内へ入るときにバカっとNDフィルターが解除されるような映像が平気でテレビに流れているので、問題ないかもしれませんが。

    それでも欲しくなるHXR-NX5Rの改善点

    とはいってもNX5Rは進化している部分も多く、NX5Jから買い替えを検討している方もおられるでしょう。

    NX5Rは液晶モニターが断然キレイに表示されるようになっています。

    なので液晶モニターでのフォーカス合わせも分かりやすくなっていますね。

    キレイな液晶モニターで撮影できるとモチベーションもアップしますので嬉しいポイントです。

    全画素超解像ズームに自動で切り替わる点やライトが標準装備になっている点も高評価です。

    オートフォーカスも速度はゆっくりですが、精度は高くなっているようで背景にピントが抜けてしまうようなこともほとんどなくなりました。

    マニュアルフォーカスでピントを合わせるのが一番無難ですが、とっさに撮りたいシーンが現れたとき、精度の高いオートフォーカス機能があると非常に便利ですよ。

    このエントリーのまとめ

    このエントリーを書いている時点で4K対応のPXW-Z190が発表されており、2018年9月に発売予定となっていますが、HXR-NX5Rの値段もかなり下がっているので低予算でビデオカメラを手に入れたい方にはオススメです。

    4K撮影が必要なければ標準的なビデオ撮影はNX5Rで十分対応できます。

    これから業務用ビデオカメラを購入するならコストパフォーマンスの高さでオススメの製品です。

    SONY NXCAMカムコーダー HXR-NX5R

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