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8.12023
α6500のレンズキット18-135mmを買わないほうが良い理由

先日α6500にレンズキットが発売されることが発表されましたね。
α6500は2016年12月に発売したSONYのミラーレス一眼カメラでAPS-Cサイズのイメージセンサーを搭載したモデルです。
ソニー、APS-Cミラーレスカメラ「α6500/α6300」に高倍率ズームレンズキット追加
APS-C機で考えるとα6500が最上位機種でありフラッグシップ機に該当します。
これまでα6500はレンズキットが存在せずボディのみの販売を貫いてきましたが、1年半近く経過してレンズキットをリリースすることになったのは正直驚きました。
私はα6500が発売して間もなく購入し今も愛用していますが、これからα6500を購入する方にはこのレンズキットははっきり言ってオススメできません。
ここではα6500を1年以上お仕事でも使ってきた筆者がα6500のレンズキット18-135mmを買わないほうが良い理由について解説します。
またα6500の良い点・悪い点も解説しますので、これからα6500を購入しようか迷っている方はぜひ読んでみてください。
ちなみに動画クリエイター的な視点に偏っているかもしれませんので、写真のみに使う方は軽くスルーして購入しちゃってください(;’∀’)
目次
ここでレビューするカメラ
この動画はユーチューバー よっちゃん宇宙カメラ雑楽談のよっちゃんさんのSONY α6500とビデオ撮影向けの交換レンズについての解説です。
ソニーAPS-Cセンサー搭載の一眼カメラでレンズを選ぶときの考え方やおススメレンズを紹介してくれています。
ソニー機の購入を検討している方はぜひ一度視聴しておきましょう。
そもそもα6500ってどんなカメラだったっけ?

左がSONY α6000 右がα5100
ソニーはAPS-C機にα6000、α6300、そしてα5100が並行して販売しています。
もしレンズ交換式の一眼カメラをソニーで初めて購入しようとするとき、用途にもよりますが、やっぱりレンズキットで買う方がお得なのは確かです。
自撮りを想定した作品作りをするならバリアングル液晶のα5100のミラーレスキットを選ぶべきだし、写真撮影がメインなら秒間11コマ連写ができるα6000のレンズキットを選ぶのも良いでしょう。
さらに予算に余裕があるならシャッター音を消して撮影できるサイレント撮影や4K動画撮影ができるα6300を選ぶのも良いでしょう。
α6000にはパワーズームレンズキットとダブルレンズキット、α6300にはパワーズームレンズキットが用意されています。
α6000 ダブルレンズキット
α6300 パワーズームレンズキット
実はソニーのAPS-C機でレンズキットを狙う方はα6500を選ぶことは意外と少ないのではないでしょうか。
ボディのみで12~14万円ほどのカメラとなるとSONY以外で考えてもかなり選択肢が増えるはずです。
私がα6500を購入した理由

LUMIX GH5
私がα6500を購入したとき、実は同時にPanasonicのGH5を検討していました。
GHシリーズはユーチューバーに非常に人気があるPanasonicのフラッグシップ機で、発売当初は在庫がなくて入手困難な時期もあったほどです。
4K60P撮影ができる。4:2:2 10bitで撮影できる。V-Logで撮影できる。なんでもできてしまう仕様で、私も発売前にPanasonicのイベントにも参加し実際に触って購入を検討していました。
最終的にオートフォーカスの性能が今一つな点と4:2:2 10bitで撮影した素材(ファイルサイズメチャクチャでかいです)を扱える編集PCを持ち合わせていない点、仕事ではそこまでの高画質を要求されることがないことでGH5は見送ることにしました。
代わりにどのカメラを購入しようか検討したところ、同じく4K動画撮影ができるα6500が目に止まりました。
・4:2:0 8bitで4K30Pが撮れるということで、GH5の最高画質と比較すると画質面で劣りますが、使ってみるとGH5よりもオートフォーカス性能が断然良い。
・XAVC-Sっていう扱いやすい出力ファイルで撮影後の編集も楽。
・4Kでスローモーションをかけた動画編集をさほどしないなら、4K60Pではなく4K30Pのほうが好みの映像に仕上がる。4K60Pは必要なさそう。
・GH5に搭載されたV-Logで撮影するときに便利そうなLUTアシスト機能(液晶モニターにLUT(Rec.709)を当てて表示してくれる機能)があるが、α6500にも全く同じ機能(ガンマアシスト機能)が搭載されている。
・GH5のボディを購入する値段でα6500+SONY APS-C用レンズを1本購入できる。
以上のような理由でα6500を購入しました。
実際α6500を使ってみると、手振れ補正も十分効いて非常に使いやすい。
動画撮影のお仕事でも大活躍しています。
このようなカンジで、α6500を購入する方はわざわざα6500を狙って購入する理由がある方が大半なのではないでしょうか。
そのようなユーザーはカメラ購入時点ですでにどのレンズを使うか決めているでしょう。
購入するレンズの順番も決まっているかもしれません。
つまりよっぽどお得な価格設定にでもしない限り、α6500はレンズキットで購入しないのではないでしょうか。
私がα6500を18-135mmのレンズキットをオススメしないもう一つの理由
私がα6500レンズキットをオススメしない理由がもう一つあります。
それはα6500のキットレンズとなるE18-135mm F3.5-5.6 OSS(SEL18135)を手に入れるぐらいなら、ほぼ同程度の価格でおススメのズームレンズがあるからです。
α6500には断然SELP18105Gのほうがおススメ!
α6500はAPS-Cセンサーモデルなので、交換レンズはSONY EマウントのAPS-C用レンズから選ぶことになります。
フルサイズ用のEマウントレンズ(FEレンズ)も取り付けることができるのですが、お値段がかなり高くなるのでここでは選択肢からあえて外します。
α6500用ズームレンズ E18-135mm F3.5-5.6 OSSと同じような撮影領域でE PZ 18-105mm F4 G OSS(SELP18105G)があります。
私がおススメするレンズは断然後者のSELP18105Gです。
この2本のレンズを比較してみましょう。
ズームレンズ SEL18135とSELP18105G スペック比較
SEL18135 | SELP18105G |
発売開始日 2018年2月 | 発売開始日 2013年12月 |
販売価格 64,000円前後
(税抜き価格 ソニーストア調べ) |
販売価格 56,000円前後
(税抜き価格 ソニーストア調べ) |
光学7.5倍ズーム | 光学6倍ズーム |
最短撮影距離:0.45m | 最短撮影距離:0.45m(ワイド端)/0.95m(テレ端) |
最大撮影倍率:0.29倍 | 最大撮影倍率:0.11倍 |
フィルター径:55mm | フィルター径:72mm |
全長:88mm | 全長:110mm |
質量:325g | 質量:427g |
手ブレ補正: | 手ブレ補正: |
コンパクト・軽量さが特長の新型EマウントズームレンズSEL18135

α6500とSEL18-135mm
SEL18135は光学7.5倍ズームレンズでα6500に装着してみると非常にコンパクトなつくりになっています。
18mm-135mmという撮影領域はCanonやNikonの一眼レフカメラを使ったことがある方はご存知の通り、キットレンズ定番です。
広角からそこそこ望遠も撮れる非常に便利なズームレンズで、カメラ初心者にはこれ一本あればとりあえず何でも撮れるという製品です。
一方のSELP18105Gは光学6倍ズームでSEL18135とサイズを比較するとかなり大きくなります。
重量もSELP18105Gのほうが重く、軽量コンパクトなSEL18135と比較すると気軽に持ち歩くレンズというよりもむしろ、気合を入れて撮影に臨むレンズです。
SELP18105Gのほうが優れていると考えるポイント
SEL18135とSELP18105Gは比較してみると、一見ズーム倍率もSEL18135のほうが大きく何より新しいレンズなのでこちらの方が良さそうに思えるのではないでしょうか?
もちろん新しいレンズのほうが色収差や歪曲収差・フレア抑止効果などレンズ性能を改善しているケースが多く、なるべく新しく発売されたレンズを選ぶのが良いですが、この2本のレンズを比較する限りではSELP18105Gのほうに軍配が上がりそうです。
SONYのレンズは上から「GM(Gマスター)レンズ」「Gレンズ」「カールツァイス」「無印レンズ」と並びます。GレンズとカールツァイスのランクはSONYレンズで一応同クラスとみなされているようです。
SELP18105Gは名称通りGレンズに含まれます。
SONYストアのスタッフさんにどちらのレンズが画質が良いのか単刀直入に聞いてみたところやっぱりGレンズのほうが画質が良いというお話でした。
パワーズームを装備したSELP18105G
ちなみにSELP18105Gはズームリングとは別にズームレバーも用意されていて、ハンディカムのビデオカメラと同じように電動ズームを使用することができるようになっています。
一眼カメラの交換レンズで電動ズームが搭載されていることは非常に珍しく、ビデオカメラのノウハウがあるソニーならではのレンズと言えます。
写真撮影では不要な機能ですが、動画撮影においては非常に便利な機能で、等倍速でズームする動画は手動ではとても撮ることができません。
ブツ撮り(製品を撮影)ではかなり重宝する機能です。
ズーム時にレンズが前に繰り出さない

ズームアップ時
SELP18105Gはズームしてもレンズが前に繰り出しません。
SEL18135はズームにしていない場合は非常にコンパクトで持ち運びに良いですが、ズーム時はレンズが繰り出すので、SELP18105Gよりもむしろ全長が長くなります。
光学ズームから連続して超解像ズームに切り替わるSELP18105G

ズーム時の画面表示
SONYには超解像ズーム機能という独特の機能があります。
画質を低下させずに光学性能の約2倍にズーム領域を拡張することができる機能です。
この機能はSEL18135の場合メニュー画面に潜って設定する必要がありますが、SELP18105Gにおいてはズームリングを回すと光学ズームから自動的に超解像ズームに切り替わります。

α6500のズーム設定
これは電動ズーム機能を搭載したレンズであることと、超解像ズームをオンにしているという特定の条件を満たしている必要がありますが、一瞬のシャッターチャンスを逃さず、速やかに光学ズーム以上の望遠で撮れるというメリットはかなり大きいでしょう。
また、ソニーEマウントレンズは電動ズームレンズに限ってはボディ内でズームリング操作方向を変更することが可能です。
SONYの業務用ビデオカメラやCanonのレンズのような左回しでズームするレンズに慣れている方はかなり嬉しい機能ですよね。(ついでにフォーカスリングも方向換えることができたらよいのですが…)
F4通しで明るいSELP18105G
SEL18135はズーム倍率を変えるたびに最小絞り値が変わります。
ズーム倍率を変えるたびにレンズの開放値を最適な数値に設定する必要がありますが、なるべく最大開放値で撮影したいという場合はズームにするたびに絞りを設定しなければならず煩わしさを感じます。
SELP18105Gはズーム倍率を変更してもF4通しとなっているので開放値を変更する必要もありません。
絞り開放値でF4というレンズはF1.4やF2.0という数値がザラにある単焦点レンズと比べれば決して明るいレンズではありませんが、F通しのズームレンズは一度使えば病みつきになるほど便利なレンズです。
使い方によっては美しいボケ描写を作ることができるでしょう。
SELP18105Gの欠点
SELP18105GはF4通しや動画撮影に特化したズーム機構などで動画クリエイターに人気がありますが、望遠端(105mm)での色収差や歪曲収差がある点はフォトグラファーに指摘されている通りの欠点と言えます。
ソニーE PZ 18-105mm F4 G OSS は動画用としては良好だがスチル用としては推薦できない|デジカメinfo
α6500には収差補正機能が搭載されているので、SELP18105Gは「ボディ側で収差補正することが前提で作り上げられているレンズ」と通の人に言われても仕方がないかもしれません。
これについては私も新しく発売されたSEL18135に期待をしています。
ただ、カメラ初心者は微妙な色収差に気が付くでしょうか?
私の経験ではありますが、色収差や歪曲収差が気になり始めたのは一眼カメラで撮影をし始めてかなり経った後でした。
一眼カメラの撮影をやり始めた当初はそれよりも操作性や機能性の方に重点を置いていました。
扱いやすいカメラ・レンズのほうが最終的に良い作品を作れる確率が高くなります。
もし各収差が気になるほど撮影の腕も上がって作品作りにこだわるような段階になれば、それこそフルサイズのカールツァイスレンズやGマスターレンズの2470GMを狙っていけばよいのではないのでしょうか?(高いレンズですけど、メチャいいレンズですよ)
2018年にα6500を買うならこれだけは抑えておきたいポイント
2016年にα6500が発売されてもうすぐ2年が経過しようとしています。(早いもんですね)
ソニーのAPS-Cモデルは2年おきに新型がリリースされており(α6300からわずか数か月でα6500が発売された例外もありますが)、2018年は恐らくα6500の後継機が発売されるんじゃないかという噂が囁かれています。
New Flagship APS-C
model will be announced within 2018|SONY ALPHA RUMORS
これまでα6×××シリーズは新型が発売されても従来機種を生産終了することなく継続販売していますので、仮にα6700がリリースされてもα6500は継続販売されるのではないでようか。
そんなときにα6500にレンズキットが存在することは、ユーザーを取り囲みやすい環境になることが素人目に見ても明らかです。
私はSEL18135がα6500後継機の伏線として、またはCanonの撒き餌レンズのような感じでリリースされたレンズのように感じています。
もし、これからα6500またはα6500レンズキットの購入を検討しているなら、後々発売されるα6500の後継機について念頭に置きながら決断するのが得策ではないでしょうか?
SELP18105Gは今後も動画ユーザーを中心に支持されるであろうレンズです。特にビデオグラファーでソニーAPS-C機を検討している方には超おススメのレンズの一つです。
まとめますと、カメラ・レンズはお買い得感だけではなく、自分の用途に合った最適なレンズ選び、カメラ選びになるようじっくり検討してから購入してください!
くれぐれもソニーの販売戦略に踊らされて後悔しないように注意して機材を揃えていきましょう。
ここで紹介したカメラ・レンズ
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