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9.52021
一眼レフカメラで撮影した映像の特長

※2021年10月に更新しました。
企業CMや商品CMの動画を作るときに、一眼レフカメラを使って撮影すると非常にカッコいい動画になります。
長時間撮影に向いていない一眼レフカメラではありますが、短いカットをつないで作る動画には非常に適したカメラです。
この動画はCanon EOS5Dmark4 で撮影したサンプルムービーです。
4Kでも視聴できるので、4K一眼ムービーをまだ見たことがないならぜひ視聴してみましょう。
4Kで視聴するには設定が必要です。YouTube動画の右下にある画質を4Kに設定しましょう。
カメラワーク・絵作り
全体的に動き(カメラワーク)の少ないカットが多いです。
画像はYouTube Canon EOS 5D Mark IV Sample Movie: Trip to the Beachから引用しています
車がやってくるシーンはカメラを固定して撮影しています。
この時点で被写界深度の浅い一眼カメラの特長が出ていますね。手前の草木がボケています。
EOS5DMark4はオートフォーカスの追従性能が格段に改善されており、これまで一眼カメラの弱点でもあったAFの弱さが克服されています。
画像はYouTube Canon EOS 5D Mark IV Sample Movie: Trip to the Beachから引用しています
滝のシーンでの人物撮影ではハンディ撮影による緩やかなドリー撮影をおこなっています。
ムービー撮影のカメラワークはシンプルに考えると
・パンニング(ドリー)
・ティルト
この二つしかありません。
しかし、一眼レフカメラであればこの二つ以外にピントフォーカスがあります。
★奥ピン
先ほどの車がやってくるシーンはピントの合っている被写体の手前にわざと「草木」を置いています。
被写体にピントを合わせていますので、手前の「もの」はボケてしまいます。
このような撮り方を「奥ピン」といいます。
奥ピンは被写体を遮るぼやけた障害を作ることで、視聴者が被写体に意識を向けやすい印象的な撮影描写です。
また映像に奥行き感が出ます。
画像はYouTube Canon EOS 5D Mark IV Sample Movie: Trip to the Beachから引用しています
こちらも奥ピンの例になります。
★前ピン
前ピンは奥ピンの逆で手前の「もの」にピントを合わせて奥がボケている撮影方法です。
画像はYouTube Canon EOS 5D Mark IV Sample Movie: Trip to the Beachから引用しています
一眼レフの動画撮影では、ビデオに比べて被写界深度が浅く、ピントを被写体に合わせると自然と背景はボケます。
また、被写体に近づいて撮影したり、ズームを使うと背景はボケやすくなります。
フォーカスイン・フォーカスアウト
一眼レフムービーはこのボケ効果を利用したカメラワークがあります。
ピントを手前から奥に移動することで視聴者の目線も移動させる効果があります。
これまでビデオカメラのズーミングで行っていた撮影技法をピントを利用することで同じような作用を起こします。
これ以外にもフォーカスイン・フォーカスアウトがあり、カットの最初や最後にボケ描写を加えて印象強い映像に仕上げることもあります。
ビデオカメラムービーと一眼レフムービーの大きな違い
ビデオカメラムービーと一眼レフムービーの大きな違いはカメラワークの多さ(大きさ)です。
ビデオカメラは動いている被写体を追いかけて撮影できるように設計されています。
なので、被写体の動きに合わせてピントを合わせるのが得意なカメラといえます。
また、電動ズームも備わっているので撮影中にズームイン・ズームアウトもスムーズにできます。
高性能な手ぶれ補正が備わっているカメラも多く、初心者の撮影でもほとんどブレなく撮影できるのが特長です。
対して、一眼レフカメラは静止画(写真)を撮るように設計されていますので、動きの激しい被写体を撮影するのは苦手です。
ピントも合わせにくく、ボケボケの動画になる可能性もあります。
最近ではEOS80Dの標準ズームレンズに電動のパワーズームアダプターを装着するような例もありますが、一眼カメラの映像にズームは一般的ではありません。
その上、REC中(録画中)にズームイン・ズームアウトするとレンズの駆動音が収録されてしまうこともあります。
手ブレ補正機能のついたカメラ・レンズも増えましたが、ビデオカメラよりも手ブレしやすいです。
カメラ本体の形状が、パンニングやティルトをするように設計されていませんので、手持ち撮影は困難を極めます。
しかし、一眼レフカメラは、本来美しい写真を撮影するために設計されています。
静止動画(FIX。カメラを固定して撮る)や非常に緩やかな動きでの動画撮影であれば、色味、ボケ味、光の反射など、ビデオカメラでは絶対に表現できないような美しいカットを収録することができます。
1カットの絵作りに細部までこだわれるのが一眼レフムービーだと言えるでしょう。
これからプロのカメラマンを目指す人が理解しておくべきコト
これからのムービーカメラマンは、依頼された仕事に合わせてカメラを選んで撮影に臨める人が求められるでしょう。
セミナー撮影や、ライブ、講演会といった被写体に合わせてカメラを振る撮影はビデオカメラ
プロモーションビデオや商品イメージ映像など、企画・構成を作りこんでから撮影に臨んで、こだわった絵作りで静止動画(FIX)を繋ぎ合わせて作る撮影は一眼レフカメラ
このようにして両方のカメラを使いこなせる人材が求められます。
ビデオカメラ(記録系)の仕事は需要が減り、報酬は下がり気味。
対して一眼レフカメラを使ったプロモーションビデオなどウェブ用に配信する短時間の動画CMは需要が高まっているので、これから覚えていきたいスキルはやはり後者になります。
いずれにしても、適切な絵作りをするためにはカメラを自分の思い通りに使いこなせることがまず第一前提になります。
そのためにはカメラの設定を自分のものにしなければいけません。
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