(提供元:株式会社サードウェーブ)
GeForce RTX 4060 Tiを搭載したパソコンの動画編集性能やゲーミング性能を検証します。
サードウェーブからお借りしたGALLERIA RM5C-R46TはCPUにインテル Core i5-13400Fを採用したミドルクラスのゲーミングパソコンです。
性能アップが顕著な第13世代Core i5と最新のミドルクラス グラフィックカードで4K動画編集にも期待できるバランスの良いスペックです。
ここではGeForce RTX 4060 Ti の映像処理性能を確認すべくGALLERIA RM5C-R46Tによる動画編集を検証します。
RTX4060Tiを搭載するBTOパソコンの購入を検討している方はぜひ参考に読んで見てください。
GALLERIA RM5C-R46T
CPU:Core i5-13400F
メモリ:16GB PC4-25600
グラフィックス:GeForce RTX 4060 Ti 16GB
ストレージ:NVMe M.2 SSD Gen4 500GB
192980円(税込)
2018年からBTOパソコンを使った動画編集の検証を実施し、これまで年間20台以上 累計100台以上のパソコンレビュー記事を執筆しました。PC通販サイトとコラボで動画編集用のパソコンの企画・販売や当サイト限定クーポンの配布を行っています
今回GALLERIA RM5C-R46Tを使ってみて、GALLERIA MicroATXの拡張性能の高さを実感することができました。
サードウェーブのパソコンにはクリエイティブ用ブランドでraytrekシリーズがあり、カスタマイズ性においてraytrekのほうが秀でていると私は思っていました。
しかし今回GALLERIA RM5C-R46Tをじっくり使ってみると、PCケースはSSDやHDD、パーツの交換がやりやすくなっており、raytrekと何ら遜色を感じません。
ややコンパクトな分、制限されたスペースでも十分設置できるのでこれからゲームや動画編集を始めたいスタートアップの方に最適です。
大型のビデオカードを搭載し、映像処理性能も十分に備えたゲーミングパソコンです。
ドスパラのセーフティサービスは、PCのメンテナンスや修理をサポートする月額制会員サービスで、PC初心者から経験者まで幅広くおすすめできます。
ここではGALLERIA RM5C-R46Tを使ってみて分かったメリット・デメリットを挙げてみましょう。
サードウェーブのゲーミングパソコンブランド GALLERIAのMicro ATXケースモデルは今回初めて使用します。
ATXケースモデルと同様に高品質なデザインで、通気口が全面にあり冷却性能はATXケースモデルと遜色はなさそうです。
Micro ATXは2ファン仕様のビデオカードが採用されることが多いのですが、GALLERIA RM5C-R46Tは3ファン仕様のGeForce RTX 4060 Tiが搭載されております。
Micro ATXのパソコンはATXに比べると拡張性能はやや劣る傾向がありますが、GALLERIA RM5C-R46TはHDDやSSDの追加スペースも十分すぎるほど用意されております。
パソコンを長年運用していく中で保存用ディスクを順次追加していきたい動画編集者も安心して使うことが出来ます。
中でもGALLERIA RM5C-R46Tはビデオカードを取り外しやすくなっており、SSDやHDDの追加作業も簡単に行うことができるのも魅力の一つです。
ビデオカードは近年ますます大型化しているので、M.2 SSDの空きスロットを正確に確認するにはビデオカードを取り外す必要があるのですが、一番高価なパーツを取り外すのは毎回緊張します。
GALLERIA RM5C-R46Tは他社製品と比べるとビデオカードがとても取り外しやすいと感じました。
GALLERIA RM5C-R46Tの起動ディスクは上の写真のように大型の空冷ファンの下を潜り込むように設置されておりますが、ビデオカードを取り外せば起動ディスクの換装も可能です。
マザーボードはインテル B760チップセットでM.2 SSDのスロットは起動ディスクを含めて2つ、メモリスロットは4つで最大メモリ容量は128GBまで搭載できます。
SATAポートは合計4つで3.5(2.5)インチのHDDまたはSSDを最大4つ追加できます。
GALLERIA RM5C-R46TはCPUクーラーに大型の空冷ファンを搭載し、メモリはDDR4規格を採用しています。
DDR5規格のメモリが普及しつつある中で、従来のDDR4規格を採用することで価格を抑えています。
動画編集においてDDR4とDDR5で大きな差を感じることはありませんので、もし不安な方は容量を重視して32GBにアップグレードするのをお勧めします。
ドスパラ通販サイトでGALLERIA RM5C-R46Tを購入する場合、カスタマイズで水冷ユニットにも変更可能ですが、Core i5-13400Fであれば空冷でも問題ないのかなと思います。
CPU |
Core i5-13400F |
CPUファン | 空冷CPUクーラー |
マザーボード | インテル B760 チップセット マイクロATXマザーボード |
メモリ | 16GB (8GBx2) (DDR4-3200) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce RTX 4060 Ti 16GB |
ストレージ | M.2 NVMe SSD Gen4 500GB |
電源ユニット | 650W 静音電源 (80PLUS BRONZE) |
その他 | ゲーミングマウス・ゲーミングキーボード付属 |
GALLERIA RM5C-R46TのビデオカードはPalit のGeForce RTX 4060 Ti オリジナルファンモデルです。
GeForce RTX 4060 Tiはビデオメモリが8GBと16GBの製品があり、GALLERIA RM5C-R46TのRTX 4060 Ti は16GBの製品が採用されています。
ビデオメモリの容量はカラーグレーディングや、今後普及するであろうAIを使った編集機能で重要になりますので、GeForce RTX 4060 Tiと同等かそれ以上のビデオメモリを搭載したビデオカードがお勧めでしょう。
なお、GALLERIA RM5C-R46Tは同じ製品名でビデオメモリ8GBのGeForce RTX 4060 Tiを搭載したモデルもあり、そちらはやや値段が抑えられています。
ビデオメモリ 16GBのGeForce RTX 4060 Tiを狙っている方は間違って購入しないように注意してください。
GeForce RTX 4060 Ti VRAM 16GBは4K動画編集に十分対応できる性能を持っています。
GALLERIA RM5C-R46TのベンチマークをPCMark10とDaVinci Resolve Speed Testで計測してみました。
PCMARK10でベンチマークを計測したところ、スコアは7555となっています。
その他のスコアは以下のようになっています。
Digital Contents Creation:12510
Photo Editing Score(写真編集):16807
Rendering and Visualization Score:16232
Video Editing Score:7177
次にGALLERIA RM5C-R46TのRAW動画編集性能をDaVinci Resolve RAW SpeedTestで計測してみます。
結果はCPU性能が8K50P、8K30Pまで対応でき、グラフィックス性能については8K60Pまで対応できるという結果が出ています。
GALLERIA RM5C-R46Tは起動ディスクの他にもうひとつM.2 SSDの空きスロットが確認できます。
起動ディスクはもちろん、空きスロットも読み書き速度が速いM.2 SSD Gen4に対応しています。
さらにマザーボードのすぐ下には3.5インチのHDDを搭載できる空きベイが2つ並んでいます。
4K動画編集がメインの方はぜひ保存用ディスクとしてM.2 SSD Gen4や大容量のHDDを追加しましょう。
ドスパラ通販サイトで購入する場合はカスタマイズもやってもらえますよ。
>>ドスパラ通販サイトのRTX 4060 Ti搭載ゲーミングPCを確認する
GALLERIA RM5C-R46Tの起動ディスクをCrystalDiskMarkで計測してみました。
シーケンシャルリード 3298MB/s、シーケンシャルライトで2789MB/s、ランダムリードで811MB/s、ランダムライトで609MB/sとなっています。
読書性能は動画編集時のプレビューに影響を与えますので、圧縮率の高いデータや422 10bitのような広色域の映像データを使う方はより高性能のM.2 SSDを使うことをお勧めします。
ドスパラ直販サイトで購入する場合は、7300MB/sの読込速度となる起動ディスクに変更することも可能です。
パソコンケースの左側パネルを外すと2.5インチの空きベイが二つ備わっているのが分かります。
GALLERIA RM5C-R46TはSATA SSD(HDD)を最大4基追加可能で、動画編集用途としての拡張性は十分に備えたデスクトップパソコンです。
>>GALLERIA デスクトップPCのスペック / 価格比較ページを見る
GALLERIA RM5C-R46Tはずんぐりとした外観で、幅は22cm 奥行き44cm 高さ42.5cmで底面にはメッシュカバーがあります。
また背面にはUSB3.2 Gen2(Type-A) が2つ、USB 2.0が4つでグラフィックカード(RTX 4060 Ti)の映像出力端子はHDMIが1つ、DisplayPortが3つ備わっています。
電源オンにするとフロント部のエッジに備わるブルーのライトが光る仕組みです。
ケース前部分のUSBポートは4つもあり、すべてUSB 3.2 Gen1 Type-Aで、マイク入力・ヘッドホン出力端子が備わっています。
ゲーミングPCらしいフロント重視の接続ポートで、オプションで光学ドライブも搭載可能です。
側面のスリットも通気口になっており、PWMコントロール機能で高負荷時にファンの最大回転数が増加するため、冷却効率は用途に合わせて変化する仕組みが採用されています。
天井の大部分に通気用の穴がありますが、運用中に動作音が大きく漏れてくることもなく4K動画編集時も静音性は良好でした。
PC内部を確認するとフロント部にディスクドライブ用の空きベイがあります。
光学ドライブを使わない方はHDDを設置しても良いかもしれませんね。
電源ユニットカバーの上にはSATA ディスク用のスペースもあります。
※GALLERIA RM5C-R46Tの検証データです。
GALLERIA RM5C-R46Tの動画編集検証で使う撮影素材は
使用した映像データ
✅LUMIX GH6 4K30P動画編集(MOV LongGOP 4K29.97p 422 10bit 150Mbps HLG)
✅LUMIX GH6 4K60P動画編集(MOV LongGOP 4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLG)
✅SONY α7SIII 4K60P動画編集(XAVC HS 4K59.94p 422 10bit 200Mbps HLG)
を使います。
Premiere Proでの検証はすべてプレビューをフル画質設定で検証しています。
環境設定ではPremiere Proに使用するメモリは11GBに設定(標準設定のまま)しています。
Premiere Proのコマ落ちインジケータを利用して、カット編集・字幕挿入・カラーグレーディングを実施したシーケンスのプレビュー時のコマ落ちを確認します。
LUMIX GH6で撮影した4K30P(4:2:2 10bit)撮影データをPremiere Proで読込み、カット編集・BGM・タイトル挿入・カラーグレーディングを実施しています。
編集時のCPU使用率は57%前後を推移し、GPU(RTX 4060 Ti)の使用率は55%前後を推移します。
メモリの使用量は16GBのうち10.8GBを使用しています。
CPUの余力は十分で、GPUの支援を十分に得ることが出来ています。
3分3秒のシーケンスを最初から最後まで再生して、コマ落ちインジケーターで再生中のフレーム落ちを確認してみるとコマ落ちフレームは0となりました。
GALLERIA RM5C-R46TはLUMIX GH6の4K30Pデータによる1トラック動画編集は問題なく出来るでしょう。
次にフレームレートが倍となる4K60P 4:2:2 10bit のデータで先ほどと同様の動画編集を実施します。
タイムラインプレビュー中のCPUの使用率は常時100%前後となり、GPUの使用率は58%前後を推移しつつ時々乱高下します。
それに対してメモリの使用量は4K30Pの編集時と同程度の10.9GB(69%)消費しています。
4K60P 4:2:2 10bitではGPU支援(ハードウェアによるデコーディング)は得られているものの、GPU使用率が急激に下がる時があり、その際にはプレビュー時がかなりカクつきます。
CPUの余力がないため、GPUの動きで編集時の快適さは大きく左右されます。
4K60P 4:2:2 10bit 編集データのシーケンス3分のプレビューで発生したコマ落ちは2965フレームとなりました。
GPUの不安定さは今後ドライバーの更新で安定するのではないかと想定しますが、LUMIX GH6 4K60P 4:2:2 10bitの動画編集ではCPU性能がややボトルネックとなっているのが分かります。
次はα7SⅢの4K60P映像データ(4K60P XAVC HS 4:2:2 10bit 200Mbps)を使って動画編集してみます。
先ほどと同じように字幕とBGMを追加・カラーグレーディングを実施したシーケンスを再生しました。
LUMIX GH6の映像データに比べてデコード負荷が高くCPU使用率は常時100%高い数値で推移します。
GPUの使用率は8%前後で推移し、メモリの使用率は8.9GB(56%)となっています。
LUMIX GH6のデータと比べてGPU支援を十分に得られておらず、コマ落ちは多くなります。
3分8秒のタイムラインを再生したときに発生したコマ落ちフレームは9033フレームとなりました。
GALLERIA RM5C-R46TのPremiere Proによるα7SⅢ 4K60P 422 10bit映像データの動画編集はやや相性が悪いようです。
GPUドライバーの今後の更新に期待するか、他の編集ソフトの採用を検討したほうが良いでしょう。
次にGALLERIA RM5C-R46TとPremiere Proで書き出しテストを行います。
書き出したのはLUMIX GH6の映像素材を乗せたシーケンスです。
書き出し設定は4Kシーケンス(3分3秒)からH.264の4K(UHD 3840×2160)、ターゲットビットレートは50MbpsのVBR 1パス。
ハードウェアエンコーディングとソフトウェアエンコーディングでそれぞれ書き出し時間を計測します。
書き出し時間はそれぞれ以下のようになりました。
ソフトウェアエンコーディング | 7分14秒 |
ハードウェアエンコーディング | 2分49秒 |
書き出し時のCPUやGPUの使用率もチェックしています。
ソフトウェアエンコーディングではCPUの使用率が100%でグラフィックカードの使用率は40~60%前後を乱高下して推移します。
続いてハードウェアエンコーディングではCPUの使用率が50~80%前後を乱高下して推移し、GPUの使用率が95~100%前後で推移します。
書き出し時間はハードウェアエンコーディングの方が断然速く、3分03秒のシーケンスを動画の尺よりも短い時間で書き出し完了しています。
エンコーディング時はGPUの支援を十分に得ることが出来ていると思います。
GALLERIA RM5C-R46Tは4K30P 4:2:2 10bitのシンプルな動画編集を上限にすれば、動画編集に十分対応できるゲーミングパソコンです。
フルHD画質によるマルチカメラ編集や複雑なアニメーション制作も問題なくこなせるでしょう。
なお、GALLERIA RM5C-R46Tはカスタマイズページで起動ディスクの交換が出来るようになっています。
1TB容量にアップすることができ、さらに読込速度が7000MB/sを超えるM.2 SSDに変更することも可能です。
4K動画編集の用途で使うなら起動ディスクは1TB以上、読込速度の速いディスクに交換することで動画編集時のコマ落ちを改善することができます。
机に置いても邪魔にならないサイズで拡張性が高いMicroATXケースのGALLERIA RM5C-R46Tは、最初は背伸びせず最低限の投資で動画編集のプロを目指す方にもぜひオススメしたいパソコンです。
GALLERIA RM5C-R46T
CPU:Core i5-13400F
メモリ:16GB PC4-25600
グラフィックス:GeForce RTX 4060 Ti 16GB
ストレージ:NVMe M.2 SSD Gen4 500GB
192980円(税込)