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8.262023
LUMIX BGH1を買ってみて残念だなあと思った3つのポイント

※2023年8月に更新しました
Panasonicのボックス型シネマカメラ LUMIX BGH1を購入しました!
LUMIX BGH1はLUMIX GH5Sと同じイメージセンサーと画像処理エンジンを搭載したレンズ交換式のミラーレス一眼カメラです。
写真撮影機能は省略されていますが、そのかわりにBNC端子が備わっていて業務カメラを使うプロユーザーにとって嬉しい仕様となっています。
ここではLUMIX BGH1を使ってみて分かったちょっと残念なポイントと、購入して分かった予想以上のメリットを紹介します。
LUMIX BGH1はまあ高価なお値段なので、GH6やGH5M2とどちらを買うか迷っている方は買って後悔しないようぜひ読んでみてください。
目次
LUMIX BGH1を買った理由と使ってみた感想

LUMIX BGH1は複数台のカメラを使う方に最適
私がLUMIX BGH1を買った最大の理由は軽量コンパクトなBGH1のサイズと重量です。
ライブ配信の仕事をするようになって、複数のカメラを持ち運ぶ機会が多くなりました。
カメラの台数が増えると機材搬入時の負担が大きくなります。
LUMIX BGH1ならミラーレス一眼カメラよりもコンパクトなので、大きなカメラと一緒に持ち運んでも負担が少ないです。

重いレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROと合わせても1.2kg
またマイクロフォーサーズセンサーのカメラはレンズも小さく軽量なので、良く使う望遠レンズと合わせても1.2kgほど。
フルサイズセンサーならレンズだけでこのぐらいの重さになるものもあるので、2台以上使うならやっぱりマイクロフォーサーズがイイ。
ワンマンオペレーションを中心に仕事をしている私のような人にはピッタリです。
またLUMIX BGH1は本体価格が30万円以下なので、年度内に一括償却できるのも魅力(2023年2月時点の税制度・青色申告の方)です。
1台使ってみて気に入ったら後々2~3台購入しようと決心して導入しましたよ。
またGH5S譲りの高画質であることも安心して購入できたポイントの一つです。
LUMIX BGH1を買ってみて残念だなあと思ったポイント

手のひらサイズのLUMIX BGH1
どんなカメラでも多少の不満は発生するので気にはしないほうですが、LUMIX BGH1のようなボックスタイプのカメラを始めて使うこともあって気になった点が多々あります。
✅ジンバルで使う
✅ライブ配信で使う
✅天井に設置して俯瞰撮影で使う
(最後のはかなり贅沢な用途ですね)
目的がハッキリしている上でLUMIX BGH1を購入する方でも、同じような形状のカメラを使ったことがない場合は私のように戸惑うかもしれませんのでココで挙げておきます。
残念なポイント その1 バッテリーが付属していない
LUMIX BGH1はバッテリーが付属していません。
これは私もうっかり見落としていました。
LUMIX BGH1は付属のACアダプターを使って電源を供給できますが、バッテリーが別売りなのが一番残念なポイントです。
また対応のバッテリーはサイズ(容量)違いで3種類あります。
LUMIX BGH1対応バッテリー
AG-VBR59(5900mAh) | 1.9~2.6万円 |
AG-VBR89G(8850mAh) | 2.8万円 |
AG-VBR118G(11800mAh) | 3.3~3.7万円 |
業務用のカメラで考えれば標準的な値段ではあるのですが、LUMIX BGH1がミラーレス一眼カメラの一員と考えるとヒジョーに高価なバッテリーです。

AG-BRD50 Amazon
さらに悩ましいのがバッテリーの充電器です。
2個口で急速充電できる業務用タイプではありますが、2万円以上します。
LUMIX BGH1をバッテリーで運用するには本体以外にも4万円近い出費が潜んでいました(泣)
ACアダプターがあるからまあいいやと我慢して使っていますが、ACアダプターを引きずりながらテスト撮影しているとバッテリーが欲しくてたまりません。
うーん。4万か~( ノД`)…。
残念なポイント その2 操作ホイールが一つしかない点
カメラの基本操作を挙げると
・露出
・フォーカス(ピント)
・色温度
・ズーム(焦点距離)
があります。
最近のミラーレス一眼カメラはたくさんのファンクションキーが備わり、各キーに機能を割り当てて呼び出せるようになっているので、LUMIX BGH1も同じような感じで使えるだろうとタカを括っていました。

BGH1フロント部のキー配置

BGH1トップ部のキー
BGH1はレンズ取り付け面に電源スイッチを含む4つのキーがあり、上面に4つのキーとRECボタン、メニューボタンと操作ホイールという構成です。
絞り・シャッタースピード・ISO感度を各キーに割り当てて、ひとつのホイールで操作します。
これが何ともやりにくい。

左:BGH1の操作ホイール 右:LUMIX G9の操作ホイール
一般的な形状のカメラの操作ホイールと違って、LUMIX BGH1はボックスカメラの形状を損なわないように操作ホイールを水平に配置しているのでやや滑ります。
しかも強く押してしまうとカーソル操作になってしまいます。
せめてもう一つ操作ホイールがあれば使いやすくなると思うのですが..

外付けモニターのアームがキー操作の邪魔になることも
おまけに外付けモニターを取り付けると、モニターアームが邪魔して各キーを押しにくくなる場合があります。
残念なポイント その3 LUMIX SyncのBluetooth接続が弱い

LUMIX Sync
LUMIX BGH1はBluetooth・WiFiに対応しており、専用の公式アプリLUMIX Syncを使ってワイヤレスによるリモート操作が可能です。

LUMIX Syncの操作画面 シャッター速度・絞り操作が直感的
これが非常に便利なアプリで、スマホをモニター代わりに使えるようにもなる上にタッチ操作で絞り・シャッタースピード・ISO感度を直感的に操作可能です。

LUMIX Syncの動画画質設定の画面
録画画質の設定やフォトスタイルの変更、シャープネスやノイズリダクションの設定などBGH1のメニューに潜りこまずに操作できるようにもなっています。
素晴らしいアプリでLUMIX BGH1には必須だと思うぐらいです。
ところが..

まずはカメラの登録完了

その後もカメラの検索が完了しない
LUMIX Syncはスマホに一度接続できても、操作中途中で切断されることもあって再接続が困難になることもあります。
これは困りました。
アプリのレビューを見てみると、他のユーザーさんもお困りのようで、LUMIX Syncアプリを揶揄するコメントが溢れております(汗)
使う前から覚悟はしましたが、実際使ってみるとやっぱり他社カメラのWiFiやBluetooth連携と比べても通信継続が弱いように思います。
何度も接続設定をやり直すためにはLUMIX BGH1に外付けモニターを接続してメニューを確認せねばならず、結局HDMIで繋ぐ外付けモニターは必須です。
また、後で紹介するLUMIX Tetherでメニューを操作しつつ、LUMIX Syncを接続出来ればよいなと試してみました。

PoE給電中のBluetoothエラー
しかしLUMIX BGH1はPoE給電中はBluetoothが使えません。(LUMIX SyncとLUMIX Tetherの併用は無理)
LUMIX SyncはWiFiでもつながるようですが、WiFi接続のほうがカメラ検索時間が長い上につながらないことも多々あります。
限られた時間で機材の準備をしなければならない仕事でのLUMIX Syncの利用は無理だなと、私は諦めました。
でもLUMIX Syncは非常に便利なアプリなので、ファームウェアのアップデートでぜひ改善してほしいです。
LUMIX BGH1の思いがけないメリット
ここまではLUMIX BGH1の不満点を挙げてきましたが、LUMIX BGH1を使ってみて分かった素晴らしい機能も紹介します。
予想以上のメリット その1 LUMIX Tetherによる遠隔操作
まず一つ目はLUMIX Tetherです。
LUMIX TetherはLUMIX Sync同様Panasonicの公式アプリで、パソコンで使用するソフトウェアとなっています。

LUMIX Tetherの操作画面 画像拡大
LUMIX TetherはLUMIX Tether for MulticamとLUMIX Tether for streaming(Beta)が統合したソフトウェアで、LUMIX BGH1とパソコンをUSBで接続して遠隔操作が可能です。
LUMIX Tetherが評価できるポイントに、USBだけでなく有線/無線LANによる接続もできるという点です。
パソコンとLUMIX BGH1をLANケーブルで接続、または市販のルーターとLUMIX BGH1をLANケーブルで接続し、同じようにLANケーブルで接続したパソコンで複数のLUMIX BGH1を遠隔操作できるのです。

LUMIX Tetherの操作画面 画像拡大
またLUMIX Tetherは2021年11月のファームアップでパワーズームレンズ使用時のズーム操作や複数台(最大12台)のカメラ接続に対応しています。
このアップデートによって、ライブ配信でLUMIX BGH1を使えば一人で複数台のカメラを制御できるため人件費を抑えることができることになるかもしれません。

LUMIX Tetherでズーム操作ができるレンズ 2本
私はLUMIX Tetherの便利さを知り、LUMIX BGH1用にパワーズームレンズを早速2本購入してしまいました。
なお、LUMIX Tetherの優先LAN接続はLUMIX Syncとは違って途中で切断されるようなことはありません。
1台のBGH1をパソコンで操作する場合
カメラをDHCPサーバに設定してから、有線LAN接続の設定にする
[MENU/SET] ⇒[🔧] ⇒ [
] ⇒ [有線LAN/Wi-Fi] ⇒ [有線LAN/Wi-Fi設定] ⇒ [IPアドレス設定(有線LAN)] ⇒ [DHCPサーバ]
複数台のBGH1をパソコンで操作する場合
カメラをDHCPクライアントに設定する
[MENU/SET] ⇒[🔧] ⇒ [
] ⇒ [有線LAN/Wi-Fi] ⇒ [有線LAN/Wi-Fi設定] ⇒ [IPアドレス設定(有線LAN)] ⇒ [DHCPクライアント]
パソコンとBGH1をLANケーブルで接続して使う場合はBGH1をDHCPサーバーに設定します。
パソコンのLUMIX Tetherを起動すると初回接続時はパスワードを作成・接続し、2回目以降の接続では設定したパスワードを入力することで接続できます。
取説では複数台のBGH1をLUMIX Tetherで操作する場合はBGH1単体の接続設定と違うようで、DHCPクライアントに設定するそうです。
2台目のBGH1を購入したら一度検証してみようと思います。
追記

2台のBGH1
LUMIX BGH1を1台追加購入してみましたので、ネットワーク経由で2台のBGH1をLUMIX Tetherで操作するための接続方法を解説しておこうと思います。
先に言っておきますが、私はネットワークについてそんなに詳しくないため説明書を読んでもうまくいかず時間をかけて検証してようやくうまく接続できるようになりました。

YAMAHA SWX2110P-8Gに2台のBGH1をPoE接続する
使用したハブは後で紹介するYAMAHA SWX2110P-8G(PoEハブ)です。
インターネットのルーターをハブに接続する場合としない場合で若干設定が違うことが分かりました。

有線LAN/Wi-Fi ⇒ 有線LAN/Wi-Fi設定 ⇒ IPアドレス設定

有線LAN/Wi-Fi機能 ⇒ 「新規に接続する」を選択
まず、ハブにルーターを接続しない場合は1台のBGH1をDHCPサーバーに設定して、もう1台のBGH1をDHCPクライアントに設定すれば接続できます。
そしてハブにルーターを接続する場合は2台のBGH1をDHCPクライアントに設定することでLUMIX Tetherの接続ができました。
LANケーブルでパソコンとBGH1を直接接続する時と違い、複数のBGH1を接続する場合は有線LAN/Wi-Fi機能 から「新規に接続する」を選択します。

LUMIX Tetherで2台のBGH1を認識できている状態
そして「LUMIX Tetherとつないで使う」⇒「有線LAN」を選ぶことでLUMIX Tetherが2台のBGH1を認識することができました。
このような感じでLUMIX TetherのCAMERAウィンドウで2台のBGH1が表示できています。
私の場合、ルーターからのLANケーブルをハブに挿さないわけにはいかないので2台ともDHCPクライアントにしています。
厄介なのは、DHCPサーバーに設定したBGH1とノートパソコンをLANケーブルで接続した場合はLUMIX Tetherを起動しただけでBGH1を認識するのに対して、2台ともDHCPクライアントで接続する場合はBGH1で接続設定が必要になることです。

2台のBGH1
そうなると、もしBGH1の電源を落とて再度電源を入れ直した場合に、都度BGH1のメニューから接続設定をする必要が生じる可能性があります。
ということはBGH1 1台1台に常に外付けモニターを用意しなければならなくなるかもしれませんね.. (´Д`)
今後のバージョンアップで解決することを祈ります。
予想以上のメリット その2 PoEで電源供給

PoE接続したLUMIX BGH1
次に紹介するのがLUMIX BGH1がPoEハブで電源供給できる点です。
先ほど紹介したLUMIX Teherは市販のルーターやハブ経由でもパソコンと接続できますが、さらにPoE(Power over Ethernet)に対応したハブを利用することでLUMIX BGH1にLAN経由で電源も供給できるようになるのです。
私はLUMIX BGH1をネットワーク経由で操作できるメリットを十分に享受したいと思って、業務用のハブを購入することにしました。
実はPoE対応のルーターやハブはこの記事を書いている時点で種類が多くありません。
またどれも業務用途に使う大型なものが大半です。

PoE対応の業務用ハブ YAMAHA SWX2110P-8G
私はその中でもLAN端子が8ポート(PoE対応ポートは4つ)のYAMAHA SWX2110P-8Gを購入しました。
この他にバッファロー BS-GSL2008Pも検討しましたが、業務用ハブではYAMAHAが信頼されているのと発売日が新しいという理由で選んでいます。
PoE対応のLANケーブルを用意すれば最大4台のLUMIX BGH1(PoE対応カメラ)へ電源供給が可能になりますよ。

YAMAHA SWX2110P-8G経由でネット速度を計測
また信頼できる業務用のネットワークハブは通信速度がほとんど減衰しないということも分かったのは思わぬ収穫です。
これまで安価なハブしかつかったことがなかったので、業務のライブ配信ではハブを使いたくないという偏った考えを持ってしまっていました。
これで通信の速度をほとんど妨げることなく、カメラの遠隔操作と電源供給ができるようになりましたよ。
予想以上のメリット その3 縦長動画撮影に使いやすい
LUMIX BGH1はSNSで最近人気の縦動画を撮るのにも便利です。
通常カメラで縦動画を撮る場合、90°回転して撮影するのでカメラ操作が難しくなります。

縦位置にしたLUMIX BGH1
ボックス形状のLUMIX BGH1は縦位置にしても形状や重心が変わりません。
全ての面に三脚やクイックリリースプレートで使う1/4サイズのネジ穴があるので、LUMIX BGH1は縦動画には最適のカメラと言えるでしょう。
LUMIX BGH1の撮影の工夫と便利なアクセサリー

PoE対応のLANケーブル
私と同じようにLUMIX BGH1をライブ配信で使おうと考える方はPoE対応ハブによる電源供給を検討するはずです。
そこで一点注意が必要なのは、PoE対応ハブに使うLANケーブルもPoE対応でなければなりません。
PoE対応のLANケーブルはちょっと高いので、安心して使えるメーカーの商品を選ぶのをお勧めします。
私はLANケーブルや映像系のケーブル(HDMIなど)類はサンワダイレクトの公式通販サイトを利用するようにしています。
楽天市場のサンワダイレクト経由で購入するよりも安価なことが多く、同じ通販サイトで購入すれば、購入したケーブルの種類も購入履歴からすぐに調べることができるので便利です。

LUMIX BGH1におすすめのSmallRig モニターマウント(2905)
またLUMIX BGH1にモニターを取り付けるモニターマウントはSmallRigがおススメです。
私が購入したSmallRig モニターマウント(2905)はモニターのティルト調節で六角ネジを必要とするタイプです。
LUMIX BGH1のキー操作の邪魔にならないのでオススメですよ。
Q.LUMIX BGH1はUSB給電可能か?
LUMIX BGH1はUSB給電できるかどうか?
専用バッテリーを装着すればUSB充電/給電できるのか?気になってパナソニックのお客様相談センターに問い合わせてみました。
するとやはりLUMIX BGH1はUSB充電/給電に対応していないと回答頂きました。
参考URLも教えてもらいましたのでご覧ください。
LUMIX BGH1を買ってみて残念だなあと思った3つのポイント まとめ
こんな感じです!
文句ばっかり言ってるおっさんのように思われたかもですが(汗)
大前提としてLUMIX BGH1とても気に入っています。
アプリの改善は今後のファームアップに期待しましょう。
複数台のカメラを運用して動画を制作する方にとっては、手放せないカメラになると思いますよ。
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