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8.12023
SONY XLR-K2Mの使い方を徹底解剖してみるよ!

※2023年8月に更新しました。
SONYのミラーレス一眼αシリーズやビデオカメラのFDR-AXシリーズで指向性マイクを使った業務レベルの音質で収録したいときのアイテムがXLR-K2Mです。
ミラーレス機のα7Ⅲでインタビュー撮影をする機会も増えましたので、投資のつもりで購入してみましたよ。
XLR-K2Mは業務用のガンマイクをSONYの民生カメラでも使えるようになるアダプターです。
業務用のマイクとアダプターXLR-K2Mの使い方を初心者の方でも理解できるよう、なるべく専門用語を使わないように解説してみます。
撮影テストも行ってみようと思いますので、XLR-K2Mを購入、またはレンタルしてみたいと検討している方はぜひ読んでみてください。
目次
この記事で解説する撮影機材 SONY XLR-K2M
XLR-K2Mを使うべきか?
SONY XLR-K2Mはメーカー希望小売価格66,000円(税込)となっており、量販店価格は多少ディスカウントされているものの4万円以上はする製品です。
ソニーα7シリーズやα6500には標準的にマイク端子が装備されており、XLR-K2Mを使わなくてもサードパーティ製の外部マイクを取り付けることも可能です。
例えば一眼ムービー用ガンマイクで人気のRODE VideoMicroはプラグインでSONY α7シリーズに接続できます。
またSONY純正のガンマイクでECM-GZ1Mもあり、この製品についてはXLR-K2Mと同様マルチインターフェースシューでカメラに接続することが出来ます。
マイク端子へのケーブル接続が邪魔だと考える方はECM-GZ1Mで事足りるでしょう。
XLR-K2Mは2チャンネルで音声を収録したい方向け
XLR-K2Mは2チャンネルで音声を収録できるのが最大の特徴と言える製品です。
1チャンネルをガンマイクで収録し、2チャンネルでワイヤレスマイクを用いて収録するといった業務レベルの映像制作で定番の撮り方ができます。
つまり、2チャンネルで収録する必要がない方はXLR-K2Mは必要ないと言っても良いでしょう。
マイク端子で外部マイクに収録するよりもXLR端子と呼ばれる業務用機器の端子のほうが音がクリアだと言われますが、よほど性能の良い指向性マイクを使いたいケースを除けばXLR-K2Mは必要ないのではないでしょうか。
ちなみに私はワイヤレスマイクSONY UWP-D11を併用する目的で購入しています。
決して安い機材ではないので、必要性があるのかどうか十分考えて買うほうが良いですよ。
XLR-K2Mをカメラに装着する手順と注意するべきコト

SONY XLR-K2Mのハードケースと同梱品
それではまずSONY XLR-K2Mをα7Ⅲに取り付けるときの手順と注意点を解説します。
XLR-K2Mは化粧箱の中にハードケース入りの製品が入っております。
結構なお値段するので、専用ケースが付属しているのはありがたいところですよね。
同梱されているのはXLR-K2M本体とXLR端子で接続するSONY純正の鋭指向性ガンマイク ECM-XM1、そして ウィンドスクリーンと取扱説明書です。

SONY XLR-K2Mの外観
本体はイメージしていたものよりも大きく感じました。
マイクホルダーと本体は衝撃を吸収するような機構となっています。

SONY XLR-K2Mにマイクを装着
ウィンドスクリーンを装着していないガンマイクをXLR-K2Mに取り付けてみました。

SONY XLR-K2M付属のガンマイクECM-XM1
付属のガンマイク ECM-XM1は単体で1万円程度の価格で販売されているマイクで、過去にHXR-NX80用として購入したことがあります。
SONYの純正カメラで使っただけあってホワイトノイズについては気になることはありませんでしたが、指向性についてはそれほど強いガンマイクではないという印象です。
いろんなレビューを見ましたが、同じようなことを言っている方も多いですね。私も同感です。
ただ、純正ガンマイクとしては値段が安いのと、サイズ感やデザインがXLR-K2Mにマッチします。同梱されているのはとりあえずありがたいです。

ガンマイクECM-XM1に付属のウィンドスクリーンを装着
ウィンドスクリーンも付属しており、早速取り付けてみました。
個人的には毛むくじゃらのジャマータイプよりもフツーのスポンジタイプのほうが嬉しいのですが…
マイクはXLR端子のINPUT1に接続します。
後でも詳しく解説しますが、XLR-K2Mはガンマイクのみ接続する(1CH収録)場合は必ずINPUT1に接続する必要があります。
これはHXR-NX80も同様なのですが、1CH収録でINPUT2の端子だけを使うということはできません。
カメラマンの方でNX5Rや5Jを使う時、CH2をガンマイクにする習慣がある方は要注意です。(私もCH2派)

XLR-K2Mの接続端子
これも業務用カメラを使っている方は当たり前ですが、裏側にケーブルホルダーが用意されているので、ココにケーブルを沿えましょう。
ケーブルが片付いてキレイに配線できます。
そしてマルチインターフェースシュー(カメラに接続する端子)の保護キャップがあるので取り外します。紛失しないようにしましょう。

α7ⅢにXLR-K2Mを接続
端子はデリケートなので乱暴に扱わないように注意が必要です。
α7ⅢをはじめとするSONYのXLR-K2M対応機種はカメラのマウントシューカバーを外してXLR-K2Mを接続します。
こんな感じ。見た目カッコイイ。
カメラとマイクの距離が意外と離れていないなーという印象です。

ECM-XM1のウィンドスクリ-ン
ECM-XM1のウィンドスクリ-ンは毛並みがフカフカで屋外での風切り音を防いでくれる便利なアイテムですが、毛がよく落ちるのがタマにキズです。

ウィンドジャマーの毛が…
ちょっと触っただけで簡単に毛が落ちてしまいます。
取扱説明書にも書いていますが、XLR-K2Mとカメラを取り付けたままでレンズ交換するのはやめた方が良いです。
毛がイメージセンサーに入り込む可能性があります。
屋外での撮影をしない方はスポンジタイプのウィンドスクリーンを合わせて購入したほうが良いでしょうねえ。
サードパーティ製のマイクカバーなら数百円程度でAmazonに売っているので買うほうがよろしいかと。
XLR-K2Mの使い方と設定方法

SONY XLR-K2Mの操作面
ここまではマイクの接続手順を解説してきましたが、ここからはXLR-K2Mの複雑なスイッチやダイヤルについて解説していきます。

チャンネルセレクトスイッチ
まず最初に設定するスイッチが「REC CH SELECT」です。
2チャンネルあるXLR-K2Mの片方だけ使用するのか?または両方使うのか、このスイッチで制御しています。

INPUT1にガンマイクをセット INPUT2はなし
ガンマイクをINPUT1に差し込んで、INPUT2には何も接続しない場合は「CH1・CH2」を選択します。

「CH1・CH2」に設定した状態 両方のチャンネルにガンマイクで拾った音が収録される
上の写真はα7Ⅲの液晶画面です。
音声のレベルメーターが表示されており、CH1とCH2 両方のメーターが振れているのが分かります。

「CH1・CH2」で録画したクリップ
「CH1・CH2」設定で収録したクリップを動画編集ソフト EDIUS 8のタイムラインに乗せてみた状態です。

「CH1」に設定した状態 一方のチャンネルにガンマイクの音が収録される
次に「REC CH SELECT」を「CH1」に設定して収録します。
すると液晶モニターの音声レベルメーターはCH1しか振れていません。

「CH1」で録画したクリップ
撮影したクリップをタイムラインに乗せてみると「CH1」だけが振れています。
最終的にモノラルで出力するとしても、ガンマイクだけで収録する場合は「CH1・CH2」に設定しておきます。
INPUT1にガンマイク、INPUT2に他のマイクやワイヤレスマイクを接続する場合は「CH1」を選ぶことでそれぞれの音を収録することが出来ます。
XLR端子の「LINE・MIC・MIC+48V」の選択を理解しよう

LINE・MIC・MIC+48Vの切替スイッチ
次に重要な設定項目がINPUT1の「LINE・MIC・MIC+48V」の選択です。
これには明確なルールがあります。
私も業務用カメラを使い慣れていない頃はよく混乱しましたが、すべての機材共通なので覚えてしまえば簡単です。
まず、XLR端子で接続するマイクで電池を内蔵してないものはすべてここで「MIC+48V」を選びます。
「MIC+48V」はマイクにファンタム電源を供給する場合に選ぶ設定です。
ガンマイクのECM-XM1は電池を入れて使う製品ではないので、同様のマイクはすべて「MIC+48V」を選ぶことになります。
反対に、電池を入れて電源供給の必要がないマイクを接続する場合はこのスイッチを「MIC」に設定します。
例えばワイヤレスマイクのUWP-D11を接続する場合、UWP-D11は電池を入れて稼働するので「MIC」を選びます。
もしこのような電池を使用する機器を「MIC+48」で接続すると接続した機器の方が故障する可能性があるので注意が必要です。
またPAやミキサーに接続して音を収録する場合は「LINE」に設定します。

ATT(入力レベル)切替スイッチ
次は「ATT」の設定です。これアッテネーターの頭文字だと思います。
「MIC」または「MIC+48V」に設定している場合に入力レベルの設定が出来ます。
説明書にはマイクの感度に合わせて設定するように書いており、XLR-K2Mに付属のガンマイク ECM-XM1ではATT 10dBが推奨されています。
ATTの設定で収録する音がどのように影響するかはテストしてみましたので合わせてご覧ください。
関連記事:XLR-K2Mをレビュー!α7Ⅲ動画の音質が改善するか検証!

オーディオレベルダイヤルとAUTO・MAN切替スイッチ
次にAUDIO LEVELダイヤルです。
CH1・CH2それぞれの音量を調整できるようになっています。
大まかなレベルは「ATT」の設定でできるので基本的には「AUTO」を選んでおいてもかまいません。
例えば撮影中、突然音量が大きくなるような舞台撮影やステージのライブ撮影ではこのツマミを「MAN(マニュアル)」に切り替えて音量を調節することがあります。
基本は「AUTO」でダイヤルを「5」に設定しておけば問題ありません。
風切り音をカットできるXLR-K2Mのローカット機能

LOW CUTは常にONで
XLR-K2Mには風切り音を低減できるローカットスイッチが用意されています。
一般的な使い方では「ON」でクリアな音声収録が出来ますよ。
SONY XLR-K2Mの良くないなーと思う点
SONY XLR-K2Mを実際にカメラに装着してみると色んな不満点も見えてきました。
まず一つにXLR-K2Mのサイズが大きいこともあって、これをカメラの上に装着すると他の装備が何もつけられないような感じです。
さらにK2M本体にはシューマウントが付いていないことも残念なポイントです。
このマイクアダプターを使うのは2チャンネルで収録することが前提になります。
もしワイヤレスマイクを使う場合、受信機をカメラのどこかに装着する必要があります。
だけどK2Mにシューマウントがないので、カメラリグを組む必要があるでしょう。
私も現時点で良いアイディアが浮かばないから、しばらく検討しようと思いますが…
多分購入した方は皆さん悩むのではないでしょうか。

XLR-K2MとSONYワイヤレスマイク UWP-D11の併用
私はカメラにL型ブラケットを装着しており、それにコールドシューアダプターを追加で装着してワイヤレスマイクの装置を装着しています。
SmallRig コールドシューマウント コールドシューアダプター
SmallRig コールドシューマウント コールドシューアダプター
尚、Vookの記事でK2Mのケージによる装着例を紹介してくれている方がおられました。ありがたや。
参考:Sony α7シリーズでの音収録について(XLR-K1MとK2Mの比較)|Vook
リンク先の装着方法に落ち着きそうですが、私自身でも色々考えてみたいと思っています。
SONYのアダプターキットにはXLR-K1Mという製品もあり、それを使えばカメラから少し離れた位置でマイクを装着できるのでK2Mよりも便利かもしれません。
但し指向性マイクはカメラからあまり離れてしまうと良くないので、やはりK2Mで良かったのかなとも思っています。
SONY XLR-K2Mの使い方を徹底解剖してみるよ! まとめ
こんな感じです。
XLR-K2Mは2チャンネルにした時に他の機器との兼ね合いをどうするか悩みがありますが、使い方はそれほど難しくありません。
この記事が参考になれば幸いです。
取説もPDFで公開されているのでよかったらどうぞ。
次回はSONY XLR-K2Mと付属のガンマイクでテスト収録してみようと思います。
ぜひ合わせて読んでみてください。
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この記事で解説した撮影アイテム SONY XLR-K2M
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